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シーズン
第9ー18話 新時代の幕開け
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恋華はデメテルとの戦いを続けていた。
そんな恋華も記憶が戻っていた。
突如訪れた頭痛に悶えている間は廃墟と化した建物の中に隠れていた。
そして戻った記憶に言葉を失っていた。
大陸大戦で何が起きたのかを思い出した。
愛する夫である虎白が下界に落とされたのも全てゼウスが仕込んだ事だった。
「性格の悪さは天上一ね・・・誰があんな者の妻になるか・・・」
建物の外を見ると地上が波打っていた。
デメテルは恋華を探している。
刀を2本持つと「鍵は開いた」と満足げな表情を見せた。
建物から出ていくと地上が恋華を巻き取るかの様に垂直になり、直ぐに倒れてきた。
「狂乱恋時」
地上を真っ二つに斬り裂くとデメテルに向かって走っていった。
しかしいくら走ろうとも地上は全てデメテルのものだ。
ルームランナーの様に走っても走っても前には進めなかった。
眉間にシワを寄せた恋華は近くの建物に飛び移って屋上まで行くと見下ろす様にデメテルを冷たい瞳で睨んでいた。
「面倒な能力ね。 夫達は無事かな。」
「皇国の第9皇女。 諦めて降伏しなさい。」
「ヒヒッ。 状況を理解していないのはどっちよ。」
地上に降りられずに足止めされている恋華はあくびをしてその場に女の子座りしていた。
埒が明かないといった表情で遠くに見えるゼウス神殿を見ていた。
「きっと夫はあそこにいる」と小さくつぶやいていた。
そんな時だった。
「水華絢爛!!」
突如水がまるで津波でも起きたかの様にデメテルを吹き飛ばした。
驚いた恋華が振り返るとそこには白い体に青い毛を風になびかせる龍族がいた。
彼はエヴァ達を救った九龍だ。
虎白達が戦う場所へ移動している最中に偶然恋華を見つけたのだ。
「あら九龍。 久しいね。」
「恋華!! 手伝う?」
「うん。 こいつは面倒なの。 是非協力してほしい。」
「承知した!」
屋上で立っている恋華の隣に降り立った九龍は人間の様な見た目に姿を変えた。
白い肌に青い髪の毛が美しくなびいている。
水神九龍は地上で立ち上がるデメテルを睨んでいた。
手を広げると水が湧き出ていた。
そして恋華は刀を抜いた。
「こんな所で時間を取られているわけにはいかない。」
「そうだね。 デメテルは地上以外のものは動かせない。 僕の水を使えばいいさ。」
九龍の言葉を理解したのか恋華は今にも屋上から飛び降りようとしていた。
一度振り返ってうなずくと九龍は手のひらに溜まっていた水を投げ飛ばすかの様に恋華に向けて振り抜いた。
すると水は恋華を包み込んだまま、デメテル目掛けて一直線に進んだ。
「さあ恋華行け!!」
「狂乱恋時・・・」
デメテルは慌てて壁を作ったが恋華の奥義は壁ごと完全に粉砕した。
すっと地上に着地すると既に地上は動いていなかった。
倒れるデメテルの頭部に刀を刺すと涼しい表情のまま屋上で見ている九龍に微笑んだ。
「さあ行こう」と恋華は平然と歩き始めた。
だが、九龍は屋上で立ち止まっていた。
「おかしいな・・・あんなに可愛らしかったか・・・もっと冷酷な印象だったが。 おっといけない・・・彼女は虎白の最愛の妻ではないか・・・」
アフロディーテの能力を継承した恋華は龍族の九龍から見ても魅力的だった。
スタスタと歩く恋華は「あっ」と立ち止まると地上を見つめていた。
すると地上が動き始めた。
「便利ね」と小さく笑うと虎白の元へ向かった。
白陸軍の各地で戦闘が終了していく中で夜叉子の左翼軍だけが未だに戦っていた。
厳密に言えば戦うというよりは風で吹き飛ばされていく木や岩を見ていた。
緻密に仕組まれていた罠を完全無力化するかの様な大嵐に左翼軍と獣王隊は驚くばかりだった。
やがて抵抗できるオリュンポス軍はいなくなった。
自然災害でも起きたかの様な戦場では既に風は吹いていない。
「人間よ。 アルテミスを討ち取ってこい。」
「へえ。 敵大将の名前まで知っているんだ。」
夜叉子は日本神族の出現をまだ知らなかった。
突如聞こえる様になった声も不可解に思いながらも目の前の戦いを終わらせる事にだけ集中していた。
第4軍の将軍に何か耳打ちをすると獣王隊だけを連れて敵大将であるアルテミスを討ち取るために進んだ。
荒れ果てた戦場では木や岩の下敷きになっているオリュンポス兵が大勢いる。
そしてその奥で立ち尽くしている女がじっと睨んでいた。
獣王隊が一斉に武器を構えた。
「へえ。 女だったんだ。 随分狩りが上手いね。」
「獣を随分飼いならしているのね。」
「飼いならす? 違うね。 この子らはうちの家族だよ。」
「どうだかね。 第八感・・・戦慄獣属(せんりつじゅうぞく)」
アルテミスは能力を解き放った。
彼女の第八感と共に出された能力は凄まじいものだった。
夜叉子は隣にいる副官のタイロンを見ると「お、お頭・・・」と震えているではないか。
得意げに笑っているアルテミスは背中に背負う弓を構えていた。
「どうしたのさ?」
「お、お頭・・・こ、怖い・・・動けません・・・」
「は?」
タイロンだけではなかった。
クロフォードも他の獣王隊も小刻みに震えて動かなくなっていた。
歴戦の獣王隊がアルテミスを見て動けなくなっているのだ。
勝ち誇った表情で笑うアルテミスは「所詮は獣よ」と夜叉子を見ていた。
「へえ。 うちの子達に何したのか知らないけど随分な事してくれるじゃない。」
「まだ殺してないわ。 今から狩りをするのよ。」
「ふっ。 狩りねえ。 狩人が獲物の前に現れる時ってどういう時だか知っている?」
夜叉子はいつもと変わらず淡々と話していた。
だが瞳は鋭くアルテミスを睨んでいた。
震えるタイロンの背中にある長い刀を抜くとアルテミスに向かって歩いていった。
弓を構えるアルテミスを前に怯む様子はない。
「何を偉そうに。」
「ふっ。 確かに偉そうな物言いだったね。 でも教えてあげたいの。 最後に。」
「最後!?」
「絶対に仕留められる時以外は姿を見せないのさ。」
「はあ!?」
そして次の瞬間。
発砲音が響くとアルテミスは両膝を地面につけた。
目を見開いて腹部を触ると白い血が流れていた。
夜叉子は表情を変える事なく刀を振り上げた。
「私に気を取られていたね。 うちの子達を怖がらせたんだからどうなるかわかってるでしょ? 狩られるのはあんただよ。」
「そ、そんな・・・」
次の瞬間には首を跳ねられた。
頭部に刀を突き刺さすと絶命した。
何が起きたのか。
夜叉子は獣王隊とは別に第4軍の射撃隊を少数で動かしてアルテミスの背後に回らせていた。
確実に仕留められると踏んだ夜叉子だったから自ら姿を見せた。
アルテミスは自身の能力に頼りすぎた。
彼女の能力は獣を戦慄させる能力だった。
狩りをする際に獲物が動かない事ほど楽な話しはないという事だ。
「ふっ。 狩りに出るなら絶対に気を抜いてはいけないって事。 怖いのはうちの子だけではなく獲物を横取りする人間もいるって事さ。」
これは神族の弱点とも言える事だ。
人間の行動を予測できないのだ。
何故なら神族は人間の気持ちを理解できないからだ。
圧倒的な能力を持ち、半分不死身とも言える神族でも弱点はある。
だからこそ人間の気持ちを理解できる虎白は強かった。
「うちの狐を見習うべきだったね。 私の心はとっくに仕留められているのさ。」
少し赤面して遠くを見ると震えていたタイロンを立ち上がらせて王都へ向けて進軍した。
南側領土の全域で戦闘が終了する中で白陸軍は王都へ向けて進軍していた。
そして白陸本国の防衛戦を行っている白斗と宮衛党にも転機が訪れていた。
モンゴル帝国の援軍とグラントのアンロード王国の援軍が到着した事で白陸全土に一斉攻撃を始める事ができた。
白斗は目の前にいる第1軍と第2軍の反乱軍だけを倒せばいい。
「さあて。 この守りの硬さを崩すにはどうするか。」
困った表情をしている白斗を隣で見ているウランヌは皇太子の成長に関心していた。
以前の彼なら盾兵の中に我先に突撃していた。
義母である優奈の大切な宮衛党を率いている自覚を持っている白斗は損害を出さない様に慎重に動いていた。
関心するウランヌは助言を始めた。
「我々も盾兵で近づいては? 乱戦ともなれば我らが圧倒できますよ。」
「そうだな。 でも反乱軍と言えども竹子叔母上の兵士。 何かしてくるかもしれないな。」
「へスタとアスタの部隊を左右に忍び寄らせて挟撃はどうですか?」
「あいつらにばかり頼って疲れていないかな?」
開戦当初から大活躍を続けるへスタ、アスタ姉妹の軽歩兵奇襲隊。
白斗は彼女らの神通力の消耗を気にかけていた。
ウランヌの背後で立っている陸戦歩兵強襲隊は宮衛党で最強の部隊だ。
白斗はこちらの部隊を使おうとしていた。
「私の兵を使いますか?」
「ああ。 だがどうするか?」
「構いませんよ。 私の兵なら正面から突破もできましょう。」
「いいや。」
陸戦歩兵強襲隊は半獣族の中でも強靭な兵士だけが入隊できる。
実弾でも数発撃たれた程度は全く怯む事はなかった。
だが白斗は首を振っていた。
不思議そうに首をかしげるウランヌを見て白斗は「別の方法を考えよう」とため息をついた。
そう話している間にも反乱軍は戦力を整え始めていた。
気がつけば盾兵の後ろには戦車まで来ていた。
「殿下お早く!! 戦車まで来ていますよ!!」
「一度下がれ!!」
砲弾が飛んでくると警戒した白斗は宮衛党を後方へと下げ始めた。
だが1万からなる部隊を一斉に後退させる事は簡単ではなかった。
渋滞する兵士達は陣形が乱れて混乱し始めた。
知能面で劣ってしまう宮衛党は指揮官を見失うと部隊から離脱してしまうという扱いにくい部隊でもあった。
次第に散り散りになっていく宮衛党を見て反乱軍が笑っている。
「自分の上官じゃなくてもいいから近くの将校の指示に従え!!」
「殿下!! 急に下げる事は止めてください!!」
「砲撃されるだろ!!」
「私と私の兵が行きますから!!」
これが人間だけの部隊なら突如後退してもここまで混乱しなかっただろう。
半獣族の弱点でもあった。
これは宮衛党の兵士が無能なわけではなかった。
夜叉子の獣王隊でもきっと同じ事になったはずだ。
だが夜叉子は半獣族の兵士を自在に使えていた。
白斗は半獣族の特性を理解しきれていなかった。
「おい勝手に離脱するな!!」
「少尉がいなくなってしまったので一度基地に帰りますね!」
「ふざけている場合じゃないんだ!!」
「殿下!! 真面目なんです彼らは!!」
次第に白斗までもが混乱し始めていた。
宮衛党後方で戦況を見ていたメリッサとメルキータも突如後退を始めた事に驚いていた。
困った表情をしたメリッサは兵士とは逆方向に前に出始めた。
そして白斗を落ち着かせに向かった。
「おーい白斗ー!!」
「こいつらちょっと下げただけなのに勝手に離脱しやがるんだよ!!」
「あんま複雑な事はできないからねえ・・・」
「複雑じゃねえだろ!!」
「まあまあ・・・全軍停止!!」
メリッサの一声と後方にいたメルキータの指示で全軍の動きが止まった。
「将校は部下を呼び戻して」とメリッサが声を上げると散り散りになっていた兵士達が速やかに戻ってきた。
動きが止まれば嗅覚に長ける彼らは上官の匂いを嗅ぎ分けて戻ってくる。
2分足らずで陣形を回復させた宮衛党は戦車の射程からは外れていた。
安心した表情でため息をつく白斗はメリッサを見ていた。
「危なかったねえ・・・」
「こいつら扱うのは難しいな・・・」
「でもちゃんと使えば強い部隊だよお。」
「俺が間違ってたのか!?」
メリッサはこれ以上白斗を刺激しない様に「大丈夫だよお」と微笑んで後方へ下がっていった。
夫の面目を潰さずに部隊を立て直したメリッサは進撃をさせるために白斗を励ますとメルキータの元へ戻った。
眉間にシワを寄せていた白斗は部隊を反転させて反乱軍と対峙していた。
周囲ではモンゴル帝国やアンロード王国軍が戦闘をしている爆音が聞こえている。
白斗が進撃をさせようとしたその時だった。
『ウラアアアアアアッ!!!!』
笛が鳴り響いたかと思えば一斉に赤い旗を持った者達が反乱軍へ突撃を始めた。
宮衛党が布陣している場所から斜め前にある小高い丘から津波の様に押し寄せていた。
白い馬に乗った女が近づいてくると手を振っていた。
「赤軍のルニャと申します!! 助けに来ました!! 後は我らに任せてください同志!!」
ウィルシュタインの領土で防衛戦をしていた赤軍だけはこの状況で誰一人として反乱軍に加わらなかった。
白陸に敗北して吸収された彼らこそ反乱軍になるかと思われたがユーリはナイツと共に懸命に戦っていた。
ユーリの気持ちに従った彼らは旧マケドニア領を守り切るとすぐさま宮衛党の援軍に現れた。
第1軍と第2軍の新兵からなる反乱軍に猛攻をかける赤軍を前に早々に降伏していた。
赤軍を率いて現れたルニャという女性はユーリに可愛がられている若き新星といえた。
白陸から信頼を得たい赤軍は迷う事なく戦闘に身を投じて反乱軍からの反撃にも一切怯む事はなかった。
ルニャは嬉しそうに白斗を見て笑っている。
「やりましたね!!」
「・・・・・・そうだな。 ご苦労だ。 領地に戻れ。」
「ええ!! 何かあればいつでも呼んでください同志!!」
嬉しさを隠せないルニャは声を上げたまま赤軍の元へ戻っていった。
ルニャの満面の笑みとは対照的に白斗は怒った表情をしている。
遠くで降伏を意味する白い旗を掲げている反乱軍を取り囲んで歓喜する赤い旗をじっと見つめていた。
「もたついていたから手柄を横取りされたじゃないか・・・」
「殿下!!」
「やはりお前に突撃させればよかったよウランヌ。」
「我々は戦死者も出なかった事ですし。 赤軍に反乱の意志はない事も証明されました。 喜ばしい事ですよ。 殿下の活躍はもう十分でした。 ここは赤軍に譲ってあげましょうよ。」
白斗をなだめるウランヌだったが、遠くの赤軍を睨みつけていた。
とても味方を見る目ではなかった。
だが今回の領土防衛戦での白斗の活躍は素晴らしかった。
宮衛党と共に后宮防衛と同時に帝都のサラの救出。
后宮防衛成功から速やかに帝都と他の都市の奪還。
秦国への援軍要請で現れたモンゴル帝国とアンロード王国との連携。
白斗がいなければ白陸は反乱軍に制圧され、サラの命も危なかった。
だが最後の最後で赤軍に手柄を横取りされたと思っている白斗は怒っていた。
「クソッ!! あいつら何しに来やがったんだ・・・」
「殿下・・・わかりました。 お怒りは城に戻ってから聞きますからここは兵士に勝利を宣言してあげてください。」
「ああ・・・この戦いは宮衛党の勝利だああああああ!!!!!!!!」
歓喜する宮衛党を率いて后宮へと戻っていった。
戻ると怪我が治ったサラから力強くハグをされた。
白斗は力が抜けた様にぎこちない笑顔を見せるとその場で倒れ込んで眠った。
若き皇太子の神通力は既に限界だった。
彼の功績は既に十分だった。
若さ故に不安定な一面はあるが確実に成長をしていた。
高天原軍と皇国軍は遂に最後の砦であるゼウス神殿へと辿り着いた。
ゼウスとポセイドンはこの神殿に立てこもっている。
虎白は兄の天白と共に陣を構えていた。
「兄貴行くか。」
「ああ。 さっさと終わらせるぞ。 この卑怯者を討ち取らねば。」
刀を抜いた兄弟は陣を出て歩き始めた。
高天原軍の陣からは総大将アマテラスが出てきた。
スサノオとツクヨミも既に到着している。
戦力は整った。
最後の戦いが遂に始まろうとしていた。
日本神族は続々と集まってきていた。
同時に白陸の宰相達までも集結している。
「絶対に許さねえ。 必ず殺す。」
隣で兄弟の決死の覚悟を見ていた冥王ハデスもまた、大鎌を握って力強い眼差しで歩き始めたのだった。
そんな恋華も記憶が戻っていた。
突如訪れた頭痛に悶えている間は廃墟と化した建物の中に隠れていた。
そして戻った記憶に言葉を失っていた。
大陸大戦で何が起きたのかを思い出した。
愛する夫である虎白が下界に落とされたのも全てゼウスが仕込んだ事だった。
「性格の悪さは天上一ね・・・誰があんな者の妻になるか・・・」
建物の外を見ると地上が波打っていた。
デメテルは恋華を探している。
刀を2本持つと「鍵は開いた」と満足げな表情を見せた。
建物から出ていくと地上が恋華を巻き取るかの様に垂直になり、直ぐに倒れてきた。
「狂乱恋時」
地上を真っ二つに斬り裂くとデメテルに向かって走っていった。
しかしいくら走ろうとも地上は全てデメテルのものだ。
ルームランナーの様に走っても走っても前には進めなかった。
眉間にシワを寄せた恋華は近くの建物に飛び移って屋上まで行くと見下ろす様にデメテルを冷たい瞳で睨んでいた。
「面倒な能力ね。 夫達は無事かな。」
「皇国の第9皇女。 諦めて降伏しなさい。」
「ヒヒッ。 状況を理解していないのはどっちよ。」
地上に降りられずに足止めされている恋華はあくびをしてその場に女の子座りしていた。
埒が明かないといった表情で遠くに見えるゼウス神殿を見ていた。
「きっと夫はあそこにいる」と小さくつぶやいていた。
そんな時だった。
「水華絢爛!!」
突如水がまるで津波でも起きたかの様にデメテルを吹き飛ばした。
驚いた恋華が振り返るとそこには白い体に青い毛を風になびかせる龍族がいた。
彼はエヴァ達を救った九龍だ。
虎白達が戦う場所へ移動している最中に偶然恋華を見つけたのだ。
「あら九龍。 久しいね。」
「恋華!! 手伝う?」
「うん。 こいつは面倒なの。 是非協力してほしい。」
「承知した!」
屋上で立っている恋華の隣に降り立った九龍は人間の様な見た目に姿を変えた。
白い肌に青い髪の毛が美しくなびいている。
水神九龍は地上で立ち上がるデメテルを睨んでいた。
手を広げると水が湧き出ていた。
そして恋華は刀を抜いた。
「こんな所で時間を取られているわけにはいかない。」
「そうだね。 デメテルは地上以外のものは動かせない。 僕の水を使えばいいさ。」
九龍の言葉を理解したのか恋華は今にも屋上から飛び降りようとしていた。
一度振り返ってうなずくと九龍は手のひらに溜まっていた水を投げ飛ばすかの様に恋華に向けて振り抜いた。
すると水は恋華を包み込んだまま、デメテル目掛けて一直線に進んだ。
「さあ恋華行け!!」
「狂乱恋時・・・」
デメテルは慌てて壁を作ったが恋華の奥義は壁ごと完全に粉砕した。
すっと地上に着地すると既に地上は動いていなかった。
倒れるデメテルの頭部に刀を刺すと涼しい表情のまま屋上で見ている九龍に微笑んだ。
「さあ行こう」と恋華は平然と歩き始めた。
だが、九龍は屋上で立ち止まっていた。
「おかしいな・・・あんなに可愛らしかったか・・・もっと冷酷な印象だったが。 おっといけない・・・彼女は虎白の最愛の妻ではないか・・・」
アフロディーテの能力を継承した恋華は龍族の九龍から見ても魅力的だった。
スタスタと歩く恋華は「あっ」と立ち止まると地上を見つめていた。
すると地上が動き始めた。
「便利ね」と小さく笑うと虎白の元へ向かった。
白陸軍の各地で戦闘が終了していく中で夜叉子の左翼軍だけが未だに戦っていた。
厳密に言えば戦うというよりは風で吹き飛ばされていく木や岩を見ていた。
緻密に仕組まれていた罠を完全無力化するかの様な大嵐に左翼軍と獣王隊は驚くばかりだった。
やがて抵抗できるオリュンポス軍はいなくなった。
自然災害でも起きたかの様な戦場では既に風は吹いていない。
「人間よ。 アルテミスを討ち取ってこい。」
「へえ。 敵大将の名前まで知っているんだ。」
夜叉子は日本神族の出現をまだ知らなかった。
突如聞こえる様になった声も不可解に思いながらも目の前の戦いを終わらせる事にだけ集中していた。
第4軍の将軍に何か耳打ちをすると獣王隊だけを連れて敵大将であるアルテミスを討ち取るために進んだ。
荒れ果てた戦場では木や岩の下敷きになっているオリュンポス兵が大勢いる。
そしてその奥で立ち尽くしている女がじっと睨んでいた。
獣王隊が一斉に武器を構えた。
「へえ。 女だったんだ。 随分狩りが上手いね。」
「獣を随分飼いならしているのね。」
「飼いならす? 違うね。 この子らはうちの家族だよ。」
「どうだかね。 第八感・・・戦慄獣属(せんりつじゅうぞく)」
アルテミスは能力を解き放った。
彼女の第八感と共に出された能力は凄まじいものだった。
夜叉子は隣にいる副官のタイロンを見ると「お、お頭・・・」と震えているではないか。
得意げに笑っているアルテミスは背中に背負う弓を構えていた。
「どうしたのさ?」
「お、お頭・・・こ、怖い・・・動けません・・・」
「は?」
タイロンだけではなかった。
クロフォードも他の獣王隊も小刻みに震えて動かなくなっていた。
歴戦の獣王隊がアルテミスを見て動けなくなっているのだ。
勝ち誇った表情で笑うアルテミスは「所詮は獣よ」と夜叉子を見ていた。
「へえ。 うちの子達に何したのか知らないけど随分な事してくれるじゃない。」
「まだ殺してないわ。 今から狩りをするのよ。」
「ふっ。 狩りねえ。 狩人が獲物の前に現れる時ってどういう時だか知っている?」
夜叉子はいつもと変わらず淡々と話していた。
だが瞳は鋭くアルテミスを睨んでいた。
震えるタイロンの背中にある長い刀を抜くとアルテミスに向かって歩いていった。
弓を構えるアルテミスを前に怯む様子はない。
「何を偉そうに。」
「ふっ。 確かに偉そうな物言いだったね。 でも教えてあげたいの。 最後に。」
「最後!?」
「絶対に仕留められる時以外は姿を見せないのさ。」
「はあ!?」
そして次の瞬間。
発砲音が響くとアルテミスは両膝を地面につけた。
目を見開いて腹部を触ると白い血が流れていた。
夜叉子は表情を変える事なく刀を振り上げた。
「私に気を取られていたね。 うちの子達を怖がらせたんだからどうなるかわかってるでしょ? 狩られるのはあんただよ。」
「そ、そんな・・・」
次の瞬間には首を跳ねられた。
頭部に刀を突き刺さすと絶命した。
何が起きたのか。
夜叉子は獣王隊とは別に第4軍の射撃隊を少数で動かしてアルテミスの背後に回らせていた。
確実に仕留められると踏んだ夜叉子だったから自ら姿を見せた。
アルテミスは自身の能力に頼りすぎた。
彼女の能力は獣を戦慄させる能力だった。
狩りをする際に獲物が動かない事ほど楽な話しはないという事だ。
「ふっ。 狩りに出るなら絶対に気を抜いてはいけないって事。 怖いのはうちの子だけではなく獲物を横取りする人間もいるって事さ。」
これは神族の弱点とも言える事だ。
人間の行動を予測できないのだ。
何故なら神族は人間の気持ちを理解できないからだ。
圧倒的な能力を持ち、半分不死身とも言える神族でも弱点はある。
だからこそ人間の気持ちを理解できる虎白は強かった。
「うちの狐を見習うべきだったね。 私の心はとっくに仕留められているのさ。」
少し赤面して遠くを見ると震えていたタイロンを立ち上がらせて王都へ向けて進軍した。
南側領土の全域で戦闘が終了する中で白陸軍は王都へ向けて進軍していた。
そして白陸本国の防衛戦を行っている白斗と宮衛党にも転機が訪れていた。
モンゴル帝国の援軍とグラントのアンロード王国の援軍が到着した事で白陸全土に一斉攻撃を始める事ができた。
白斗は目の前にいる第1軍と第2軍の反乱軍だけを倒せばいい。
「さあて。 この守りの硬さを崩すにはどうするか。」
困った表情をしている白斗を隣で見ているウランヌは皇太子の成長に関心していた。
以前の彼なら盾兵の中に我先に突撃していた。
義母である優奈の大切な宮衛党を率いている自覚を持っている白斗は損害を出さない様に慎重に動いていた。
関心するウランヌは助言を始めた。
「我々も盾兵で近づいては? 乱戦ともなれば我らが圧倒できますよ。」
「そうだな。 でも反乱軍と言えども竹子叔母上の兵士。 何かしてくるかもしれないな。」
「へスタとアスタの部隊を左右に忍び寄らせて挟撃はどうですか?」
「あいつらにばかり頼って疲れていないかな?」
開戦当初から大活躍を続けるへスタ、アスタ姉妹の軽歩兵奇襲隊。
白斗は彼女らの神通力の消耗を気にかけていた。
ウランヌの背後で立っている陸戦歩兵強襲隊は宮衛党で最強の部隊だ。
白斗はこちらの部隊を使おうとしていた。
「私の兵を使いますか?」
「ああ。 だがどうするか?」
「構いませんよ。 私の兵なら正面から突破もできましょう。」
「いいや。」
陸戦歩兵強襲隊は半獣族の中でも強靭な兵士だけが入隊できる。
実弾でも数発撃たれた程度は全く怯む事はなかった。
だが白斗は首を振っていた。
不思議そうに首をかしげるウランヌを見て白斗は「別の方法を考えよう」とため息をついた。
そう話している間にも反乱軍は戦力を整え始めていた。
気がつけば盾兵の後ろには戦車まで来ていた。
「殿下お早く!! 戦車まで来ていますよ!!」
「一度下がれ!!」
砲弾が飛んでくると警戒した白斗は宮衛党を後方へと下げ始めた。
だが1万からなる部隊を一斉に後退させる事は簡単ではなかった。
渋滞する兵士達は陣形が乱れて混乱し始めた。
知能面で劣ってしまう宮衛党は指揮官を見失うと部隊から離脱してしまうという扱いにくい部隊でもあった。
次第に散り散りになっていく宮衛党を見て反乱軍が笑っている。
「自分の上官じゃなくてもいいから近くの将校の指示に従え!!」
「殿下!! 急に下げる事は止めてください!!」
「砲撃されるだろ!!」
「私と私の兵が行きますから!!」
これが人間だけの部隊なら突如後退してもここまで混乱しなかっただろう。
半獣族の弱点でもあった。
これは宮衛党の兵士が無能なわけではなかった。
夜叉子の獣王隊でもきっと同じ事になったはずだ。
だが夜叉子は半獣族の兵士を自在に使えていた。
白斗は半獣族の特性を理解しきれていなかった。
「おい勝手に離脱するな!!」
「少尉がいなくなってしまったので一度基地に帰りますね!」
「ふざけている場合じゃないんだ!!」
「殿下!! 真面目なんです彼らは!!」
次第に白斗までもが混乱し始めていた。
宮衛党後方で戦況を見ていたメリッサとメルキータも突如後退を始めた事に驚いていた。
困った表情をしたメリッサは兵士とは逆方向に前に出始めた。
そして白斗を落ち着かせに向かった。
「おーい白斗ー!!」
「こいつらちょっと下げただけなのに勝手に離脱しやがるんだよ!!」
「あんま複雑な事はできないからねえ・・・」
「複雑じゃねえだろ!!」
「まあまあ・・・全軍停止!!」
メリッサの一声と後方にいたメルキータの指示で全軍の動きが止まった。
「将校は部下を呼び戻して」とメリッサが声を上げると散り散りになっていた兵士達が速やかに戻ってきた。
動きが止まれば嗅覚に長ける彼らは上官の匂いを嗅ぎ分けて戻ってくる。
2分足らずで陣形を回復させた宮衛党は戦車の射程からは外れていた。
安心した表情でため息をつく白斗はメリッサを見ていた。
「危なかったねえ・・・」
「こいつら扱うのは難しいな・・・」
「でもちゃんと使えば強い部隊だよお。」
「俺が間違ってたのか!?」
メリッサはこれ以上白斗を刺激しない様に「大丈夫だよお」と微笑んで後方へ下がっていった。
夫の面目を潰さずに部隊を立て直したメリッサは進撃をさせるために白斗を励ますとメルキータの元へ戻った。
眉間にシワを寄せていた白斗は部隊を反転させて反乱軍と対峙していた。
周囲ではモンゴル帝国やアンロード王国軍が戦闘をしている爆音が聞こえている。
白斗が進撃をさせようとしたその時だった。
『ウラアアアアアアッ!!!!』
笛が鳴り響いたかと思えば一斉に赤い旗を持った者達が反乱軍へ突撃を始めた。
宮衛党が布陣している場所から斜め前にある小高い丘から津波の様に押し寄せていた。
白い馬に乗った女が近づいてくると手を振っていた。
「赤軍のルニャと申します!! 助けに来ました!! 後は我らに任せてください同志!!」
ウィルシュタインの領土で防衛戦をしていた赤軍だけはこの状況で誰一人として反乱軍に加わらなかった。
白陸に敗北して吸収された彼らこそ反乱軍になるかと思われたがユーリはナイツと共に懸命に戦っていた。
ユーリの気持ちに従った彼らは旧マケドニア領を守り切るとすぐさま宮衛党の援軍に現れた。
第1軍と第2軍の新兵からなる反乱軍に猛攻をかける赤軍を前に早々に降伏していた。
赤軍を率いて現れたルニャという女性はユーリに可愛がられている若き新星といえた。
白陸から信頼を得たい赤軍は迷う事なく戦闘に身を投じて反乱軍からの反撃にも一切怯む事はなかった。
ルニャは嬉しそうに白斗を見て笑っている。
「やりましたね!!」
「・・・・・・そうだな。 ご苦労だ。 領地に戻れ。」
「ええ!! 何かあればいつでも呼んでください同志!!」
嬉しさを隠せないルニャは声を上げたまま赤軍の元へ戻っていった。
ルニャの満面の笑みとは対照的に白斗は怒った表情をしている。
遠くで降伏を意味する白い旗を掲げている反乱軍を取り囲んで歓喜する赤い旗をじっと見つめていた。
「もたついていたから手柄を横取りされたじゃないか・・・」
「殿下!!」
「やはりお前に突撃させればよかったよウランヌ。」
「我々は戦死者も出なかった事ですし。 赤軍に反乱の意志はない事も証明されました。 喜ばしい事ですよ。 殿下の活躍はもう十分でした。 ここは赤軍に譲ってあげましょうよ。」
白斗をなだめるウランヌだったが、遠くの赤軍を睨みつけていた。
とても味方を見る目ではなかった。
だが今回の領土防衛戦での白斗の活躍は素晴らしかった。
宮衛党と共に后宮防衛と同時に帝都のサラの救出。
后宮防衛成功から速やかに帝都と他の都市の奪還。
秦国への援軍要請で現れたモンゴル帝国とアンロード王国との連携。
白斗がいなければ白陸は反乱軍に制圧され、サラの命も危なかった。
だが最後の最後で赤軍に手柄を横取りされたと思っている白斗は怒っていた。
「クソッ!! あいつら何しに来やがったんだ・・・」
「殿下・・・わかりました。 お怒りは城に戻ってから聞きますからここは兵士に勝利を宣言してあげてください。」
「ああ・・・この戦いは宮衛党の勝利だああああああ!!!!!!!!」
歓喜する宮衛党を率いて后宮へと戻っていった。
戻ると怪我が治ったサラから力強くハグをされた。
白斗は力が抜けた様にぎこちない笑顔を見せるとその場で倒れ込んで眠った。
若き皇太子の神通力は既に限界だった。
彼の功績は既に十分だった。
若さ故に不安定な一面はあるが確実に成長をしていた。
高天原軍と皇国軍は遂に最後の砦であるゼウス神殿へと辿り着いた。
ゼウスとポセイドンはこの神殿に立てこもっている。
虎白は兄の天白と共に陣を構えていた。
「兄貴行くか。」
「ああ。 さっさと終わらせるぞ。 この卑怯者を討ち取らねば。」
刀を抜いた兄弟は陣を出て歩き始めた。
高天原軍の陣からは総大将アマテラスが出てきた。
スサノオとツクヨミも既に到着している。
戦力は整った。
最後の戦いが遂に始まろうとしていた。
日本神族は続々と集まってきていた。
同時に白陸の宰相達までも集結している。
「絶対に許さねえ。 必ず殺す。」
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