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本編
第33話
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「謝る……ですって…?」
「そうだ。レイシア…、君に行ってきた今までの無礼全てを謝罪したい。本当にすまなかった……。」
申し訳ないという顔をするヴィアルス。だがその表情からは、謝罪の意思が感じられない。現に目線で少し下を見ているだけで、頭を下げているわけでもなかった。
地下牢は監視がしやすいように、牢が通路から少し低くなるように設計されている。つまり表情が見えている時点で、頭を下げていないのは明白だった。
「どうか、謝罪を受け入れて欲しい…。」
この男…、本当に謝る気があるのだろうか?どちらかというと、自分が被害者だと言う様な態度に見える。
誠意のない言動に、意味など生まれるはずがない。
「……ヴィアルス殿下。謝罪する気持ちが本当におありなのですか?」
「っ…!」
私は言葉に圧をかけ、ヴィアルスを見下ろす。
「も、勿論だ!だからこうして直接言葉で伝えようと……」
「言葉だけでは足りない場合もある…と、教わっていないのですか。」
「……何が言いたい…?」
「謝罪と口にしながらも、頭を下げないのは何故なのかと言っているのです。」
「……。」
押し黙るヴィアルス、その様子はなんとも滑稽だ。初めから分かっていたが、ヴィアルスに謝る意思は無い。自分の行いを正当化するような人なのだ。過ちを認めるなど絶対に有り得ないだろう。
……見れば見るほど怒りがこみ上げてくる…。出来ることならば、今すぐにでも殴りたいくらいだ。
「私は殿下のあらゆる行いに対し、目を瞑ってきました。知っているのですよ?過去に暴力事件を起こしておきながら、権力と賄賂で無かったことにしたこと…。」
「なっ…!」
「玉座を確実に手にする為、とあるご令嬢にありもしない罪を着せたこともありましたね……。」
「そ、そんなことはしていないっ!」
必死の形相で私に訴えてくるが、全て事実だ。ヴィアルスが犯してきた事については私が調べ上げている。来たるべき日の為にまとめ、既にお義父様に渡しているのだ。
お義父様は昨日中に国王陛下にお渡ししているだろう。そして私の名は出さずに陛下に伝えたはず。
「もう、何もかもが遅いのですよ。自らが行った過ちを、悔い改めてください。」
「…何が……、」
「……。」
「何が悪いと言うんだ!王太子である私の言うことを聞けない者の方が悪いではないか!」
ヴィアルスの隠していた本性が現れた。隠していたと言っても、私には丸見えだったが…。
「そういうことは、この後国王陛下に直接言えば良いでしょう。」
「お、おいっ!待て!」
私はヴィアルスの静止を無視し、その場を立ち去った。
「そうだ。レイシア…、君に行ってきた今までの無礼全てを謝罪したい。本当にすまなかった……。」
申し訳ないという顔をするヴィアルス。だがその表情からは、謝罪の意思が感じられない。現に目線で少し下を見ているだけで、頭を下げているわけでもなかった。
地下牢は監視がしやすいように、牢が通路から少し低くなるように設計されている。つまり表情が見えている時点で、頭を下げていないのは明白だった。
「どうか、謝罪を受け入れて欲しい…。」
この男…、本当に謝る気があるのだろうか?どちらかというと、自分が被害者だと言う様な態度に見える。
誠意のない言動に、意味など生まれるはずがない。
「……ヴィアルス殿下。謝罪する気持ちが本当におありなのですか?」
「っ…!」
私は言葉に圧をかけ、ヴィアルスを見下ろす。
「も、勿論だ!だからこうして直接言葉で伝えようと……」
「言葉だけでは足りない場合もある…と、教わっていないのですか。」
「……何が言いたい…?」
「謝罪と口にしながらも、頭を下げないのは何故なのかと言っているのです。」
「……。」
押し黙るヴィアルス、その様子はなんとも滑稽だ。初めから分かっていたが、ヴィアルスに謝る意思は無い。自分の行いを正当化するような人なのだ。過ちを認めるなど絶対に有り得ないだろう。
……見れば見るほど怒りがこみ上げてくる…。出来ることならば、今すぐにでも殴りたいくらいだ。
「私は殿下のあらゆる行いに対し、目を瞑ってきました。知っているのですよ?過去に暴力事件を起こしておきながら、権力と賄賂で無かったことにしたこと…。」
「なっ…!」
「玉座を確実に手にする為、とあるご令嬢にありもしない罪を着せたこともありましたね……。」
「そ、そんなことはしていないっ!」
必死の形相で私に訴えてくるが、全て事実だ。ヴィアルスが犯してきた事については私が調べ上げている。来たるべき日の為にまとめ、既にお義父様に渡しているのだ。
お義父様は昨日中に国王陛下にお渡ししているだろう。そして私の名は出さずに陛下に伝えたはず。
「もう、何もかもが遅いのですよ。自らが行った過ちを、悔い改めてください。」
「…何が……、」
「……。」
「何が悪いと言うんだ!王太子である私の言うことを聞けない者の方が悪いではないか!」
ヴィアルスの隠していた本性が現れた。隠していたと言っても、私には丸見えだったが…。
「そういうことは、この後国王陛下に直接言えば良いでしょう。」
「お、おいっ!待て!」
私はヴィアルスの静止を無視し、その場を立ち去った。
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