16 / 16
最終話
しおりを挟む
人族と魔族の会談から1ヶ月が過ぎた。
この1ヶ月間は、私も魔王の側近として様々な国へ赴き、人族と魔族が共存する為に動き回っていた。
国と魔族領の間に条約が締結され、お互いに平和が訪れていた。
『相互和平条約』という名で、あらゆる国と魔族領で締結した。
人族の国へ魔族が入国し始めた頃は恐れられていたが、1ヶ月も経った今ではすっかりと慣れ、話が弾んでいる様子があちらこちらに見えている。
魔族に対する恐怖心はほぼ消え、魔物が現れた際も討伐してくれるなど、感謝される存在となりつつあった。
「はぁ~……。」
「疲れているな、シェルア。」
「当たり前よ。慣れないことをしたんだもの。まぁでも、共存出来るようになって良かったわ。」
「そうだな。これも全て、お前のお陰だぞ。ありがとう。」
「私は自分の望みを叶えただけよ。」
「だがお前が勇者すら倒せる存在だと知らしめ、他国の王達を脅していたからこそ、交渉が可能になった。先日の会談でも、私よりもシェルアを見て怯えていたぞ?」
「私はエギュアス殿が人族と会談を行えるようにする為、国王や皇帝に少し話をつけていただけよ。脅しだなんて心外だわ。」
「くははっ!間違ってねぇだろ。だが、本当に感謝している。シェルアが動いたからこそ、魔族にも平和が訪れた。」
「……師匠の夢だったもの。」
「エルザームの?」
「ええ。エルザーム師匠は、人族も魔族も手の取り合える平和な世界を実現したいと言っていたわ。英雄ということを利用して、魔族との架け橋になれないかずっと考えていたの。そして処刑される前、『復讐はしないように』という言葉と一緒に、『私の夢を託す』と……。弟子の私が師匠の想いを継ぐのは当然だわ。それに私も魔族は善良な種族だって知っているもの。」
「そうだったんだな……。」
「エギュアス殿。少し行きたい場所があるのだけれど、許可してくれるかしら?」
「総軍団長として、か?」
「いいえ、私用よ。」
「そうか。行っていいぜ。止めても行くだろうが。」
「ふふっ。そこまで自分勝手じゃないわよ。ではまた後で。」
「ああ。」
私が向かった場所、それは元テイナーシュ王国国王と勇者ゼイスがいる禁固だ。
瞬間移動でその中に転移する。
魔法を使用不可にする結界が張られた禁固内に、いとも容易く移動したのだ。
中の音を聞かれないように結界を張っておいた。
「なっ!何故お前がここに居る!?」
「無様な姿ね、勇者ゼイス。」
「貴様のせいだろう!そもそも、魔法が使えないこの場所に、何故転移してこられるんだ!」
「確かに魔法を使用不可にする結界が張られているけれど、私が常に張っている結界でその効果を弾いているわ。魔法使いにとって、対策をしておくのは当然だけれど。」
「くっ……何をしに来た。」
「様子を見に来ただけよ。それと、今の外の様子を教えてあげるわ。1ヶ月前、人族と魔族による会談が行われた。そして条約が締結され、人族も魔族も共に暮らしているわ。言葉通り、『共存』しているのよ。」
「何だと…?!共存など、出来るはずがない!」
「事実よ。魔族や魔物に対する認識が変わったの。正しい知識が広まり、魔王が魔物を操っているわけではないということも伝えられた。既に時代は新しくなっているわ。勇者とは、名ばかりのものになってしまったわね。」
私はくすくすと笑う。
ゼイスは私を殴らんと立ち上がったが、もしもの場合に備えて手を拘束されたままだったので、その拳が私に当たることはなかった。
国王は隣の禁固だ。俯いて大人しくしている。
「少しは反省したのかしら。」
「反省も何も、貴様のせいでここにいるんだ!」
「全く変わる気が見られないから、あの心優しいリュディーガ国王も貴方を解放しないのね。元国王は主犯だから、解放なんて無理でしょうけれど。貴方に反省や後悔、謝罪しようという態度があったのなら、慈悲を与えてくれたかもしれないのに。」
「はあ?何言ってやがる。俺が反省や謝罪する必要ねーだろ!何も悪いことはしていないんだからな!」
「よく言うわ……。本当にお馬鹿さんなのね。なら、その身が朽ちるまでここにいなさい。もう会うことはないわ。態度を改めようともしないお前を見ていると、怒りが込み上げてくるもの。さようなら。」
「ああ。俺も一生会いたくないな。貴様なんぞにな!」
心を落ち着かせながら、私は国王の禁固へと転移する。
俯き、心が折れているようにも見える。
1ヶ月の間に、随分と変わったようだ。
「久しぶりね、元国王。」
「ん……?シェルア……か。」
「すっかり別人ね。」
「……余は…間違えたのだ……。今思えば、エルザームを殺すという行為は、そなたの義父を殺すということも同義…。余も家族を殺されれば怒りに満ちるだろう。自分の地位守りたさに、エルザームの意思も確認せずに処刑した。本当にすまなかった……。」
謝罪を口にする元テイナーシュ王国国王。
だが、その言葉を聞き、今まで押し殺していた感情が込み上げてしまった。
「そう思える心があるのなら、どうして……最初から師匠と話をしなかったの…!?革命を目指す平民達が現れたのも、全てお前が平民の税を貪って、仕事もろくにせず贅沢な暮らしをしていたからなのよ!?なんで……師匠を…。」
「すまない……。」
泣きながら国王の胸ぐらをつかみ、軽く叩く。
非を認め、謝罪を口にされたら、逆に『どうして……』という気持ちが抑えられなくなった。
反省することを望んでいるが、謝罪をされると怒りが込み上げる。
反省や後悔をしていようとも、していなくとも、心が許そうとしない。
私は我儘だ……。
師匠が処刑されてから、私は強くあろうとした。
師匠がいなくても、大丈夫だと。
そして総軍団長になって、人族と魔族が共存出来るようになって…。
だが、心の底ではずっと穴が空いていた。
塞がる事がないんだと、分かっているからこそ忘れようとした。
何かを成すために動き回り、その間だけでも過去を忘れる。
目の前で師匠が処刑された、あの日のことを……。
「……今更後悔しても遅いの。勇者は加担した身。だからこそ態度を改めれば解放される可能性がある。でも貴方は主犯。一生この場所から出られることはない。貴方にも、もう会うこともないわ。さよなら……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、シェルアは『賢者』と呼ばれるようになった。
『英雄』の弟子は『賢者』となったのだ。
だが今も、魔族領の『総軍団長』兼『魔王の右腕』として存在感を示し、世界を平和に保っている。
ガネンやラディナ、キユハとは、友人として今も付き合いがある。
一方、聖女メーシアはシェルアに謝罪をした。
『聖女』という地位を剥奪されることはなかったが、教会本部から出ることを禁じられている。
メーシアの本音を知ったシェルアは、改めて友人として接するようになった。
エルザームの処刑計画に、関わっていたわけではないからだ。
後から知った、というだけだった。
勇者ゼイスは態度を変えず、リュディーガ国王から呆れられていた。
まずい飯に文句を言い、早く出せなど、その他暴言を吐き散らかしている。
元国王は一言も喋らなくなり、ついには食事すらとらなくなった。
せめて食事をとるよう促すが、自ら動くことはなく、そのまま禁固の中で1年も経たずに息絶えた。
とある日--
私は今、エルザーム師匠の墓の前にいる。
丘の上に立つ墓石は、国王となったリュディーガが建てた。
遺体も墓石の下に埋められている。
手を合わせ、目を瞑って祈る。
「師匠。魔族と共存出来るようになった今の世界は、とても平和で活気に満ち溢れています。師匠の夢は叶っていますか……?私は……正しいことが出来たのでしょうか…。」
その時、誰のものか分からない声が後ろから聞こえた。
『夢を叶えてくれてありがとう。シェルアは私の自慢の娘であり弟子だよ。今までお疲れ様。これからの人生、存分に楽しんで。ずっと見守っているから……。』
「……えっ…?」
振り返ったが、誰もいなかった。
風で葉が舞い上がり、太陽に向かって飛んでいくように見える。
私は何故か安心した。
心に空いていた穴が、無くなったかのように。
すっきりとした気持ちで、
「はいっ!」
そう返事をするのだった。
この1ヶ月間は、私も魔王の側近として様々な国へ赴き、人族と魔族が共存する為に動き回っていた。
国と魔族領の間に条約が締結され、お互いに平和が訪れていた。
『相互和平条約』という名で、あらゆる国と魔族領で締結した。
人族の国へ魔族が入国し始めた頃は恐れられていたが、1ヶ月も経った今ではすっかりと慣れ、話が弾んでいる様子があちらこちらに見えている。
魔族に対する恐怖心はほぼ消え、魔物が現れた際も討伐してくれるなど、感謝される存在となりつつあった。
「はぁ~……。」
「疲れているな、シェルア。」
「当たり前よ。慣れないことをしたんだもの。まぁでも、共存出来るようになって良かったわ。」
「そうだな。これも全て、お前のお陰だぞ。ありがとう。」
「私は自分の望みを叶えただけよ。」
「だがお前が勇者すら倒せる存在だと知らしめ、他国の王達を脅していたからこそ、交渉が可能になった。先日の会談でも、私よりもシェルアを見て怯えていたぞ?」
「私はエギュアス殿が人族と会談を行えるようにする為、国王や皇帝に少し話をつけていただけよ。脅しだなんて心外だわ。」
「くははっ!間違ってねぇだろ。だが、本当に感謝している。シェルアが動いたからこそ、魔族にも平和が訪れた。」
「……師匠の夢だったもの。」
「エルザームの?」
「ええ。エルザーム師匠は、人族も魔族も手の取り合える平和な世界を実現したいと言っていたわ。英雄ということを利用して、魔族との架け橋になれないかずっと考えていたの。そして処刑される前、『復讐はしないように』という言葉と一緒に、『私の夢を託す』と……。弟子の私が師匠の想いを継ぐのは当然だわ。それに私も魔族は善良な種族だって知っているもの。」
「そうだったんだな……。」
「エギュアス殿。少し行きたい場所があるのだけれど、許可してくれるかしら?」
「総軍団長として、か?」
「いいえ、私用よ。」
「そうか。行っていいぜ。止めても行くだろうが。」
「ふふっ。そこまで自分勝手じゃないわよ。ではまた後で。」
「ああ。」
私が向かった場所、それは元テイナーシュ王国国王と勇者ゼイスがいる禁固だ。
瞬間移動でその中に転移する。
魔法を使用不可にする結界が張られた禁固内に、いとも容易く移動したのだ。
中の音を聞かれないように結界を張っておいた。
「なっ!何故お前がここに居る!?」
「無様な姿ね、勇者ゼイス。」
「貴様のせいだろう!そもそも、魔法が使えないこの場所に、何故転移してこられるんだ!」
「確かに魔法を使用不可にする結界が張られているけれど、私が常に張っている結界でその効果を弾いているわ。魔法使いにとって、対策をしておくのは当然だけれど。」
「くっ……何をしに来た。」
「様子を見に来ただけよ。それと、今の外の様子を教えてあげるわ。1ヶ月前、人族と魔族による会談が行われた。そして条約が締結され、人族も魔族も共に暮らしているわ。言葉通り、『共存』しているのよ。」
「何だと…?!共存など、出来るはずがない!」
「事実よ。魔族や魔物に対する認識が変わったの。正しい知識が広まり、魔王が魔物を操っているわけではないということも伝えられた。既に時代は新しくなっているわ。勇者とは、名ばかりのものになってしまったわね。」
私はくすくすと笑う。
ゼイスは私を殴らんと立ち上がったが、もしもの場合に備えて手を拘束されたままだったので、その拳が私に当たることはなかった。
国王は隣の禁固だ。俯いて大人しくしている。
「少しは反省したのかしら。」
「反省も何も、貴様のせいでここにいるんだ!」
「全く変わる気が見られないから、あの心優しいリュディーガ国王も貴方を解放しないのね。元国王は主犯だから、解放なんて無理でしょうけれど。貴方に反省や後悔、謝罪しようという態度があったのなら、慈悲を与えてくれたかもしれないのに。」
「はあ?何言ってやがる。俺が反省や謝罪する必要ねーだろ!何も悪いことはしていないんだからな!」
「よく言うわ……。本当にお馬鹿さんなのね。なら、その身が朽ちるまでここにいなさい。もう会うことはないわ。態度を改めようともしないお前を見ていると、怒りが込み上げてくるもの。さようなら。」
「ああ。俺も一生会いたくないな。貴様なんぞにな!」
心を落ち着かせながら、私は国王の禁固へと転移する。
俯き、心が折れているようにも見える。
1ヶ月の間に、随分と変わったようだ。
「久しぶりね、元国王。」
「ん……?シェルア……か。」
「すっかり別人ね。」
「……余は…間違えたのだ……。今思えば、エルザームを殺すという行為は、そなたの義父を殺すということも同義…。余も家族を殺されれば怒りに満ちるだろう。自分の地位守りたさに、エルザームの意思も確認せずに処刑した。本当にすまなかった……。」
謝罪を口にする元テイナーシュ王国国王。
だが、その言葉を聞き、今まで押し殺していた感情が込み上げてしまった。
「そう思える心があるのなら、どうして……最初から師匠と話をしなかったの…!?革命を目指す平民達が現れたのも、全てお前が平民の税を貪って、仕事もろくにせず贅沢な暮らしをしていたからなのよ!?なんで……師匠を…。」
「すまない……。」
泣きながら国王の胸ぐらをつかみ、軽く叩く。
非を認め、謝罪を口にされたら、逆に『どうして……』という気持ちが抑えられなくなった。
反省することを望んでいるが、謝罪をされると怒りが込み上げる。
反省や後悔をしていようとも、していなくとも、心が許そうとしない。
私は我儘だ……。
師匠が処刑されてから、私は強くあろうとした。
師匠がいなくても、大丈夫だと。
そして総軍団長になって、人族と魔族が共存出来るようになって…。
だが、心の底ではずっと穴が空いていた。
塞がる事がないんだと、分かっているからこそ忘れようとした。
何かを成すために動き回り、その間だけでも過去を忘れる。
目の前で師匠が処刑された、あの日のことを……。
「……今更後悔しても遅いの。勇者は加担した身。だからこそ態度を改めれば解放される可能性がある。でも貴方は主犯。一生この場所から出られることはない。貴方にも、もう会うこともないわ。さよなら……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、シェルアは『賢者』と呼ばれるようになった。
『英雄』の弟子は『賢者』となったのだ。
だが今も、魔族領の『総軍団長』兼『魔王の右腕』として存在感を示し、世界を平和に保っている。
ガネンやラディナ、キユハとは、友人として今も付き合いがある。
一方、聖女メーシアはシェルアに謝罪をした。
『聖女』という地位を剥奪されることはなかったが、教会本部から出ることを禁じられている。
メーシアの本音を知ったシェルアは、改めて友人として接するようになった。
エルザームの処刑計画に、関わっていたわけではないからだ。
後から知った、というだけだった。
勇者ゼイスは態度を変えず、リュディーガ国王から呆れられていた。
まずい飯に文句を言い、早く出せなど、その他暴言を吐き散らかしている。
元国王は一言も喋らなくなり、ついには食事すらとらなくなった。
せめて食事をとるよう促すが、自ら動くことはなく、そのまま禁固の中で1年も経たずに息絶えた。
とある日--
私は今、エルザーム師匠の墓の前にいる。
丘の上に立つ墓石は、国王となったリュディーガが建てた。
遺体も墓石の下に埋められている。
手を合わせ、目を瞑って祈る。
「師匠。魔族と共存出来るようになった今の世界は、とても平和で活気に満ち溢れています。師匠の夢は叶っていますか……?私は……正しいことが出来たのでしょうか…。」
その時、誰のものか分からない声が後ろから聞こえた。
『夢を叶えてくれてありがとう。シェルアは私の自慢の娘であり弟子だよ。今までお疲れ様。これからの人生、存分に楽しんで。ずっと見守っているから……。』
「……えっ…?」
振り返ったが、誰もいなかった。
風で葉が舞い上がり、太陽に向かって飛んでいくように見える。
私は何故か安心した。
心に空いていた穴が、無くなったかのように。
すっきりとした気持ちで、
「はいっ!」
そう返事をするのだった。
75
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる