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新歓パーティーと僕の彼女 side J
しおりを挟むドレスを贈る承諾をもらったので、早速オートクチュールの店に彼女を連れて行った。慎ましい彼女はやっぱり遠慮しているようだったけど、こういう時は勢いが大切だよね。
店に入るとデザイナーが待ち構えていた。彼女を見て目を輝かせる。そうだよね。綺麗で可愛い彼女のためのドレス作りはデザイナー冥利に尽きるはずだよ。
採寸しデザインの希望を聞いたら、一度彼女をタウンハウスまで送っていった。ドレスを受け取ったとき驚いてほしいし。
僕は急いで店に戻ってデザインの打ち合わせをした。
実はすでに生地は決めてある。色むらのないグラデーションの生地は、母の実家のある隣国で最近売り出されたもので、ひと目見て気に入り、僕の瞳と同じ青色を発注しておいた。
デザイナーもその生地を見てやる気を出してくれている。
彼女は生徒会の仕事があるため、ボリュームを抑えた派手過ぎないものをと望んでいた。
それならば、綺麗なグラデーションが映えるようシンプルなシルエットにしよう。白い裾には、僕の髪と同じ金色の刺繍で飾ろう。どんどんイメージが湧いてきて、あっという間にデザインが出来上がった。
うん。きっと彼女によく似合う。
僕もデザイナーも大満足だ。
春休みが終わる頃、彼女からドレスが届いたと、とても丁寧な手紙が届いた。細やかな気遣いに嬉しい。手紙を読む限り、驚かせるのは成功したみたいだ。
彼女に会えるのが待ち遠しい。
ついに3年生になり、今日は新歓パーティーだ。
僕は会場に向かう馬車の中、子供の頃のようにわくわくしていた。早く彼女のドレス姿を見たい。同じ生地で作ったポケットのチーフにそっと触れた。
会場の隅に彼女を見つけた。
僕の色を一身に纏った彼女は、いつもより輝いてみえた。僕は嬉しさを抑えきれずに足早に近づいた。
彼女が僕に気づいて少し驚いた顔をした。
「よかった!着てくれたんだね。凄く似合うよ。綺麗だ」
近くで見ても本当に綺麗だ。メイクもドレスに合わせたのか、いつもより華やかにしてる。
「ありがとう」
彼女は控えめに微笑む。生徒会の仕事を邪魔してはいけないよね。僕は「頑張ってね」と言って会場に入った。
会場の中では、友人達に彼女のドレスについて次々と聞かれた。僕は意味深な笑みをするだけにとどめていた。
第三王子の言葉で新歓パーティーが始まる。
彼女は今年も、会場にいる人の間をひらりひらりと軽快に歩いていく。凛とした彼女を彩るものが僕の色であることご嬉しい。
一年前と違って、僕は彼女の姿を見つけるたびに満たされた気分になった。
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