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皇太子の治療
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13歳となり、スーザンの治癒魔法はぐんぐん向上した。魔力量の豊富さもさることながら、魔法に多大な影響を与えるのは精神力と理解力。魔法の目的や意味、時には危険性をきちんと理解し、強い意思の力で発動させる。スーザンは中身が大人なのだから精神力のみならず、理解力も高い。
今は領地の治療院で助手として力を発揮しているが、評判を聞きつけて他領からも治癒を望むものが訪れる程となった。
魔力量が多いのはチャーリーも同じで、もはや闇魔法はこの国のトップレベルとなり、あちこちの紛争や、魔獣の討伐に普通に駆り出されるようになっていた。
当然2人が会う時間は減った。
以前は癒しだった、チャーリーの前世が見えないことが、スーザンを悩ませることになった。戦いの場に身を置くことが多い彼の、前世の最期がわからない為、いつ死んでしまうかわからない。チャーリーに何かあったら私が必ず助ける。スーザンの魔法修行もますます熱が入る。
そんな時、この国の皇太子が肺炎になった。国で優秀な医師や治癒師はチャーリーと同じく戦場に駆り出されていた。宮廷の医師が治療にあたるがなかなか完治せず、遂に僅か13歳のスーザンに声がかかった。
娘を王宮に?!焦るマークだったが治癒できずとも罰せないと言う約束を取り付け、二人で迎えの馬車に乗った。
緊張しながら皇太子の部屋に入ると、顔色悪く咳き込む皇太子の姿が。治癒を!と思うのだが、いつものように、映像が浮かんでしまう。
皇太子は黒髪黒眼、キラキラの衣装に身を包み、頭を下げて、父親らしい初老の男性から重そうな王冠を頂いていた。ここではない国での即位式のようだ。前世も王だったようだ。
そして次の場面。中年の着飾った女性が泣きながら高笑いし、その横で血を吐きながら、グラスを落として倒れる王。そこにまた駆けつける違う女性。最後に、享年47歳 死因:毒殺と表示。どう考えても女性絡みの毒殺…しっかりしてくださいよ王様。今回は頼みますよと思う。
気を取り直して、治癒魔法をかける。両肺が白くなっているイメージが湧く。両手を肺に当て少しずつ水が流れるようなイメージで力を注いで行く。魔力が皇太子の体内をスルスルとまわり始める。もう、大丈夫…と思ったら、わからなくなった。
魔力切れだった。
目覚めるとベッドの天蓋が目にはいる。
「ああ…倒れちゃったか…」
以前重症の兵士を治療した時にも一度あった。
頑張りすぎちゃったなあ。
意識を取り戻したことを知らされ、バタバタと人が部屋に入ってきた。
心配そうな父の顔。
そして、なんと、国王夫妻。
顔をみると、見たくないものが見えてしまうので、無礼は許してもらって、ちょっと辛そうにして目を瞑る。
「スーザン嬢、本当にありがとう。あんなにぐっすり眠った息子を見るのは久しぶりだ。何かお礼に差し上げたいのだが、希望はあるかの?」
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魔力切れだった。
目覚めるとベッドの天蓋が目にはいる。
「ああ…倒れちゃったか…」
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頑張りすぎちゃったなあ。
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心配そうな父の顔。
そして、なんと、国王夫妻。
顔をみると、見たくないものが見えてしまうので、無礼は許してもらって、ちょっと辛そうにして目を瞑る。
「スーザン嬢、本当にありがとう。あんなにぐっすり眠った息子を見るのは久しぶりだ。何かお礼に差し上げたいのだが、希望はあるかの?」
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