前世が見えちゃうんですけど…だから、みんなを守ります(本編完結・番外編更新)

turarin

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聖女、性女?

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  変な噂が一人歩きを始めていた。リリーとスーザンが公爵家と伯爵家の地位を(公爵に比べたら伯爵なんて…と思わなくも無いが、まあ噂なので)かさに来て、メイリンを虐げているというのだ。

  ああ、やっぱりそういう位置づけになっちゃうのかあ…別に気にしないしな。隣にはいつもチャーリーが居て、何の辛さも感じなかった。
  最近、仲の良かった令嬢達とも離れて静かに1人でいることの多いリリーにも声をかけてみた。

「ショコラ公爵令嬢、ご機嫌いかがですか。
 少しお加減でも悪いのかなと気になりまして、ついお声がけしてしまいました。」

「ああ、レジェンド伯爵令嬢でしたの?お声がけありがとうございます。ここのところ考えることが多すぎで正直、少し気持ちが沈んでおりました。」

「これからチャーリーとカフェで課題をやる予定ですの。よかったらご一緒にいかがですか?三人寄れば文殊の知恵っていう東洋の諺もございますでしょう?」

「俺は知らんぞ」

「すみません、わたくしも存じませんわ。でもご一緒してもよろしいですか?」

「もちろん!では、参りましょうか!」

 彼女は賢かった。知的で品があるのに、ズバズバ語るところは前世と同じだった。文殊の知恵で、1.5倍速で課題が終わった三人はピンク聖女の話題になった。そのころにはもうお互い名前呼びになっていた。

「もう、私、すっかりディーンには愛想がつきましたの。元々チャラチャラしてましたけど、それは表面的な面だけで、私とは国の将来のことを話したり、お互い苦手な学科を教え合ったりして、普通に過ごしておりました。」

「ところが、たった2週間で、このざまですのよ。ディーンとメイリン嬢、もう、逢瀬を重ねておりましてよ。わたくし、公爵家の影を使って証拠を押さえておりますの。破棄ですわ婚約!」

「もう、ディーンのディーンが腐りおちてしまえばいいと思っておりますのよ。チャーリー、そんな闇魔法ありませんの?」

「………………」
「………………」

 さすがに言葉を失った。

「俺も闇魔法で追いかけているが、ディーンだけではない。アルバートもだ。」

 ええ?!2週間の間に!!!2人ともと?
 いつ、そんな時間とれるの!
 アルバート、今回は弟は貴方には任せられないわ。後で後悔しても遅いからね。

「あの、クリス、じゃなくて、フォルクス侯爵令息はどうなの?」

「ああ、かろうじて距離を保ってるな。
 でも、まあ、メイリン嬢を膝に座らせてるところは見たから、時間の問題かな。」

 10代男子の性欲侮るなかれ…タガが外れてしまったのでしょうね。残念が過ぎる。


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