前世が見えちゃうんですけど…だから、みんなを守ります(本編完結・番外編更新)

turarin

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番外編 クリスとメイリン3

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「え?!どういうことよ。」

「そういうことだよ。

 父さん、全部分かったんだって。

 真理子さんと母さんは中学校の時からの友達。

 父さんと母さんは高校の図書室で出会って、絶望的に古文ができない父さんと、絶望的に数学のできない母さんが、お互い助け合うところから始まったんだって。

 真理子さんも同じ高校で、医学部を目指す選抜クラスで父さんと一緒。次第に3人でいることが多くなって、結局父さんと母さんが付き合うことになったんだってさ。元々、父さんってさ、イケオジだったでしょ。
 昔も相当もてたらしく、大病院の跡取りだしさ、当然、真理子さんも好きだったらしいよ、父さんのこと。
 そしたら、父さんが選んだのは、ぽけーっとした母さん。話を聞いてると、その時から、母さんに思うところがあったのかなあって俺は思うよ。

 そしたら真理子さん、父さんと同じ大学の医学部に進学して、ゼミも実習も研修もずーっと一緒になったんだって。母さんは文系だし、大学も違うし、自然と母さんより一緒にいる時間長くなったみたい。

 絶対に好きじゃなかったけど、悪い気はしなかったんだなあ…………情けないよなあって、父さんまた泣いた…

 でも、ずっと一緒っておかしいって。ありえないでしょ?そう思わなかったの?

 俺が聞いたら、

 追いかけてきてくれるのかなって、正直嬉しかったし、新しい環境に慣れる時にいつも真理子がいるのも心強かった。

 クソだな…と俺。

 その通りだよ。今思い返してもそうだな…と、父さん。

 母さん、疑わなかったの?って聞くと

 全然。
 母さん、真理子が大好きだから。それに、疑われるようなことは全く無かった。母さんのこと相談したりもしてたし。

 母さんと結婚して、家に真理子もちょくちょく遊びに来て、お前らとも仲良くしてくれて、なんにも気にしてなかったんだ。

 最初、真理子は自分と父さんの不倫を疑わせようとしたんだけど、どう頑張っても母さん乗ってこないんだって。母さん、真理子、好きすぎて。それで、他に女性がいるように匂わせたって。

 人を疑ったことのない母さんが、生まれて始めて真剣に疑ったのが夫だなんて、酷い話だよ……

 父さんが母さんにあげたプレゼントと、全くおんなじもの買って偽名のインスタあげたり、飲み会の日には、ディナーの様子をアップしたり…もう完全に偽の恋人を作り上げたらしい。親切に相談に乗りながら…


『父さん、全然気づかなかったよ。ほんとに馬鹿だったよ。

 院長引き継いだばっかりで、色々いっぱいで、帰ってくるとヒステリックに問いつめられてさ、死ぬとか言うし…もうホントに疲れちゃってさ。

 何かおかしいって、専門、精神科だし、母さんの親友だしって、真理子に相談したら、一旦距離置けって言われて。他に相談できる人もいなかったし、それに従っちゃったんだ。離れて救われた気がしたのもホントだ。

 まさかそのまま離婚することになると思わなかった。母さんがそんなに悪くなると思わなかったし。真理子が離れれば良くなると言ったし…

 騙された父さんが悪いな。

 きっと真理子は、離れてる間に、もっと辛いことを母さんにすり込んだんだろう。主治医の立場を使って。

 義父さんと義母さんに現状をつきつけられて絶望したよ。距離を置くんじゃなくて、もっときちんと向き合うべきだった。そう思ったら、申し訳なくて離婚するしかなかった。

 それ以降は龍二の知ってる通りだよ。

 真理子は、母さんと離婚したら自分が父さんと結婚するつもりだったんだろうな。

 でも、父さんはずっと後悔してた。結婚相手は母さん以外ありえないから。母さんが治って、また父さんを見てくれるなら、絶対またプロポーズして結婚しようって思ってた。もう何があっても2度と離れない、子供達ともって。

 こんなに長くかかっちゃったな。
 ほんとに、ダメな父親で、ごめん…………
 りんのことも、なんにも出来なくて……

 はっきり拒まなかった父さんも悪い。期待させたんだな。真理子に。だけどさ、許せないんだよ。法律で罪に問うことはできないけど。
 公私混同で院長失格だけど、病院は辞めてもらった。専門じゃないけど、母さんの主治医は父さんだ…勉強してるんだ、ずっと。
 もうすぐ、退院だぞ!』

 そう、父さんの言うとおり、母さん、退院したんだよ。信じられないだろ?」

「で、プロポーズしてさ。もう、老いらくの恋だよ。じいちゃんばあちゃんも泣いて喜んでさ。」

「姉ちゃん、早く死にすぎだよ。
 正直、姉ちゃんのせいで殺人犯の家族になって……それに姉ちゃんが殺したの、俺の初恋の智美先生だったし…大変なめにあったよ。
 でもさ、辛いこといっぱいあったけど、父さんも母さんも、俺も、じいちゃん、ばあちゃんも、みんな幸せになったんだよ。」














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