【完結】ルイーズの献身~世話焼き令嬢は婚約者に見切りをつけて完璧侍女を目指します!~

青依香伽

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第3章 侍女科

1 侍女科

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 カルディニア王国女学院の侍女科では、身の回りの世話だけでなく、家事全般についての技能を習得する。その他にも、基本的な医学や薬草学など、侍女科で学ぶ内容は多岐にわたる。

 王宮で女性王族の他に高貴な女性に仕える〈女官〉、貴族家で女主人やその他の女性に仕える〈侍女〉、家事全般を担う〈メイド〉。この全ての役割に対応できるスペシャリストを育てる目的がある。

 貴族家で行儀見習いとして奉公しても、家事全般を習うことはない。そのため、侍女科で学ぶことが出来れば、将来侍女として働く時の強みになるようだ。

 侍女科では、爵位が下位の貴族令嬢の他に、裕福な平民の生徒も多いため、一年目は淑女教育から始まり、礼儀作法を徹底的に教え込まれる。

 ルイーズとエリーの二人は、幼少の頃から淑女教育を受けている。それにより、礼儀作法については淑女科の教員から合格をもらっていた。科を移る際にもその成績は引き継がれる。そのため侍女科でも、礼儀作法については合格扱いにしてもらえたようだ。

 二人は侍女科の生徒に遅れを取っていることを心配していたが、その思いも和らいだようだ。

 それでも不安を解消したいルイーズは、ローラやマーサに教えを乞うも、学院の教員から一から学ぶことを勧められた。不安は拭えないが、信頼する二人の言葉に従い、ルイーズは素直に聞き入れた。

 そんなわけで、淑女科で学んだことを復習しながら、侍女科に移るまでの日々を不安と希望の中で過ごした。


  ♢


 ついに、待ちに待った侍女科への初日。

 ルイーズは学院に到着後、淑女科とは別棟にある侍女科の事務室に向かった。そこにちょうどエリーもやって来たので、二人は共に事務室に入った。

 二人がその場で挨拶すると、教員達もその場で自己紹介をしてくれた。淑女科とは違う雰囲気に、二人は少し戸惑いながらもすぐにその空気感を受け入れた。

 その時、部屋の奥にいた女性が二人に近づき話しかけた。

「初めまして。主に実務を担当しているマノンと言います。教員たちの紹介でも驚いたでしょうが、侍女科では生徒だけでなく、教員にも平民がおります。そのため、お二人のことも名前で呼ばせていただきます。何か疑問があれば、すぐに聞いてください。それでは教室に案内しますね」

 彼女の言動からは、少し厳しそうにも見えるが、面倒見の良さそうな教員だ。

 二人は歩き出すマノンの後ろを急いでついていく。
 マノンは教室に足を踏み入れると、二人にも中へ入るように促した。

 マノンが生徒たちに二人を紹介すると、生徒たちも次々に自己紹介を始めた。ルイーズとエリーは、先ほどの事務室と同じような流れについて行くのが必死なようだ。

 淑女科と侍女科の違いをひしひしと感じている二人も、皆に後れを取るまいとすぐさま挨拶をした。

 挨拶の後は座学の授業を受け、休憩時間にはクラスメイトと会話をして少しだけ打ち解けた。

 二人は、初日を無事に終えることが出来てほっと胸を撫でおろした。


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