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「大丈夫よ、リーゼ。あの子はあなたを心から愛しているわ。だから二度とあんなことは起こらない。安心なさい。あなたは今まで通り、あの子を信じて側にいればいいのよ。ずっとそうだったでしょう?悪い夢は終わったの」
そういって微笑む姿は慈愛すら感じさせる王妃としての微笑。ようするに、魔法についてこれ以上聞くことは許さないということね。
「……残念ながら魔法のなぞが解けない限り、殿下をお慕いすることは難しいです」
「まぁ、私の言葉では信じられないと言うの?」
「……ちょっとした間違いだから待ってほしいと言われて、信じて大人しく待っていた結果がこれでした」
左手で前髪を上げ、傷痕を見せる。
卑怯かもしれないけど、先に脅してきたのはそっちだもん。王妃様に歯向かうなんて初めてだから、心臓がバクバクして手汗が酷い。
誰か助けてと心の中で唱えていると、足音が近付いてくる。ゆっくりと音がした方を向く。
「母上だけリーゼとお茶を飲んでるなんてズルいな」
終わった、人生終了のお知らせです!
何故来るの。怖いって言ってるのに。いや、最近意味分からなさと気持ち悪さで怖いのは無くなったかもしれない。でも、何の解決にもなっていないのよ。
とりあえず、隣に立たないで!
「ふふ、リーゼがやっと怖がらなくなって嬉しいな。本当になぜ私は君にあんな酷い事ができたのだろう。時を戻せるならあの時の自分を殴り殺したいよ」
殴りたい、じゃなくて殴り殺したいの?!
怖いよぉ、帰りたいよぉ!目がまったく笑ってない。本気で言ってるの?
「……あの、不可能ですよ?」
「じゃあ許してくれる?それとも、私も指の1本でも切り落としたらいいのかな。それとも顔を潰す?でもあまり汚い顔になると隣に居たくないよね。どうしたらいい?」
……なにこれ。魅了魔法ヤバイ!完全にぶっ壊れてますよ!もう無理、泣きそう!
涙が零れ落ちるのを必死で我慢していると、殿下がこちらに手を伸ばす。
「ひっ!」
思わず悲鳴が漏れる。怖い怖い何?!
一瞬手が止まったが、そのまま私の涙を拭う。そのままソッと前髪を上げ、傷痕を見た。私はすっかり硬直し、息を止めたまま殿下を見る。あ、気が遠くなりそう……そう思った時、チュッと傷痕にキスをされた。
はっ?
何が起きたか分からず、呆然とする。
王妃様も固まっている。
「……あの時の自分は殺したいけど、私が付けた傷だと思うと……有りかな」
もう無理……私はそのまま気を失った。
ふわふわとした揺れで目を覚ます。
目を開けるとまさかの殿下にお姫様抱っこで運ばれてる途中だった。ぎゃっ!どこに運ぶの!
「でででででで殿下!何をしてるんですか!」
「おはよ。眠ってる姿を見れて嬉しかった」
眠ってません!気絶です!
助けて離してとジタバタすると、仕方がないなとゆっくり降ろしてくれた。
私は今日一日で寿命が縮みまくったと思う。
「殿下。私はもうあなたの婚約者ではありません。このような接触をしてはいけません。他の者にお任せ下さい」
従者も護衛もいるじゃない。なぜあなたが運ぼうとするのよ。もう、疲れ切って大声を出す気力もない。
「君の体を他の男に触れさせろというの?許せるわけないでしょ。何、私を試してるの?」
どうしてそんなにピリピリした空気にするの。
まだ何もしていない従者が可哀想に怯えている。
なぜこんなにポンコツになったかな。会話が成り立ちません。確かに前は大切にしてくれてたけど、ここまでの独占欲はなかったのに。いや、どうかな?私が彼しか見てなかったから、そんなことが起きなかっただけとか。
もしかして、このポンコツが本当の殿下?
え、やだぁ。
お城に泊まっていけばいいという、ありえないお誘いを頑として断り帰路につく。もう一度気絶したいくらいだけど、気絶とはとても危険な行為だと先程理解した。頑張れ私。
「お父様、ただ今帰りました」
「お帰り、リーゼ。何もなかったかい?」
めちゃくちゃ色々ありましたよ?何から話せばいいのか分からないけど。とりあえずは、
「殿下がすっかりポンコツで怖いです!」
一番の問題を報告した。
不敬な発言は止めなさいと窘められるが、今日の出来事をすべて話すと、
「本当に魔法で壊れてしまわれたのか?」
ほら!お父様だってそう言うじゃない!
「しかし困ったな。お前に許される為に自分を傷付けるというのは。それも脅しじゃなく本心から言っているのだろう」
「はい、本気の目でした。王妃様も真っ青になっていましたし」
もう!マルティナ公女がポンコツにした責任をとって結婚したらいいのよ!
諸悪の根源に悪態をつく。それくらい許されるはずだ。
そういって微笑む姿は慈愛すら感じさせる王妃としての微笑。ようするに、魔法についてこれ以上聞くことは許さないということね。
「……残念ながら魔法のなぞが解けない限り、殿下をお慕いすることは難しいです」
「まぁ、私の言葉では信じられないと言うの?」
「……ちょっとした間違いだから待ってほしいと言われて、信じて大人しく待っていた結果がこれでした」
左手で前髪を上げ、傷痕を見せる。
卑怯かもしれないけど、先に脅してきたのはそっちだもん。王妃様に歯向かうなんて初めてだから、心臓がバクバクして手汗が酷い。
誰か助けてと心の中で唱えていると、足音が近付いてくる。ゆっくりと音がした方を向く。
「母上だけリーゼとお茶を飲んでるなんてズルいな」
終わった、人生終了のお知らせです!
何故来るの。怖いって言ってるのに。いや、最近意味分からなさと気持ち悪さで怖いのは無くなったかもしれない。でも、何の解決にもなっていないのよ。
とりあえず、隣に立たないで!
「ふふ、リーゼがやっと怖がらなくなって嬉しいな。本当になぜ私は君にあんな酷い事ができたのだろう。時を戻せるならあの時の自分を殴り殺したいよ」
殴りたい、じゃなくて殴り殺したいの?!
怖いよぉ、帰りたいよぉ!目がまったく笑ってない。本気で言ってるの?
「……あの、不可能ですよ?」
「じゃあ許してくれる?それとも、私も指の1本でも切り落としたらいいのかな。それとも顔を潰す?でもあまり汚い顔になると隣に居たくないよね。どうしたらいい?」
……なにこれ。魅了魔法ヤバイ!完全にぶっ壊れてますよ!もう無理、泣きそう!
涙が零れ落ちるのを必死で我慢していると、殿下がこちらに手を伸ばす。
「ひっ!」
思わず悲鳴が漏れる。怖い怖い何?!
一瞬手が止まったが、そのまま私の涙を拭う。そのままソッと前髪を上げ、傷痕を見た。私はすっかり硬直し、息を止めたまま殿下を見る。あ、気が遠くなりそう……そう思った時、チュッと傷痕にキスをされた。
はっ?
何が起きたか分からず、呆然とする。
王妃様も固まっている。
「……あの時の自分は殺したいけど、私が付けた傷だと思うと……有りかな」
もう無理……私はそのまま気を失った。
ふわふわとした揺れで目を覚ます。
目を開けるとまさかの殿下にお姫様抱っこで運ばれてる途中だった。ぎゃっ!どこに運ぶの!
「でででででで殿下!何をしてるんですか!」
「おはよ。眠ってる姿を見れて嬉しかった」
眠ってません!気絶です!
助けて離してとジタバタすると、仕方がないなとゆっくり降ろしてくれた。
私は今日一日で寿命が縮みまくったと思う。
「殿下。私はもうあなたの婚約者ではありません。このような接触をしてはいけません。他の者にお任せ下さい」
従者も護衛もいるじゃない。なぜあなたが運ぼうとするのよ。もう、疲れ切って大声を出す気力もない。
「君の体を他の男に触れさせろというの?許せるわけないでしょ。何、私を試してるの?」
どうしてそんなにピリピリした空気にするの。
まだ何もしていない従者が可哀想に怯えている。
なぜこんなにポンコツになったかな。会話が成り立ちません。確かに前は大切にしてくれてたけど、ここまでの独占欲はなかったのに。いや、どうかな?私が彼しか見てなかったから、そんなことが起きなかっただけとか。
もしかして、このポンコツが本当の殿下?
え、やだぁ。
お城に泊まっていけばいいという、ありえないお誘いを頑として断り帰路につく。もう一度気絶したいくらいだけど、気絶とはとても危険な行為だと先程理解した。頑張れ私。
「お父様、ただ今帰りました」
「お帰り、リーゼ。何もなかったかい?」
めちゃくちゃ色々ありましたよ?何から話せばいいのか分からないけど。とりあえずは、
「殿下がすっかりポンコツで怖いです!」
一番の問題を報告した。
不敬な発言は止めなさいと窘められるが、今日の出来事をすべて話すと、
「本当に魔法で壊れてしまわれたのか?」
ほら!お父様だってそう言うじゃない!
「しかし困ったな。お前に許される為に自分を傷付けるというのは。それも脅しじゃなく本心から言っているのだろう」
「はい、本気の目でした。王妃様も真っ青になっていましたし」
もう!マルティナ公女がポンコツにした責任をとって結婚したらいいのよ!
諸悪の根源に悪態をつく。それくらい許されるはずだ。
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