あなたはダンジョン出禁ですからッ! と言われた最強冒険者 おこちゃまに戻ってシェルパから出直します

サカナタシト

文字の大きさ
39 / 103

出禁 第十九話 それぞれのモノローグ その1

しおりを挟む
 この女達何を考えてやがる。
 こんなダンジョンの深いところでふざけてるのか。
 モグラの罠なんかに引っかかりやがって。
 
 その四人組の女は、まだ駆け出しの冒険者だった。歳は成人しているが、まだあどけなさが残る十代後半ってところか。
 金髪ショートと青髪のヒム、レオ族赤髪の大柄女、ウサギの獣人の女。
 バラエティに富んでるな。
 最初は遊びのつもりで声をかけた。
 ちょっとカッコいいところを見せると、すぐにケツを振って付いてくる女共だと思っていたが、中々なびかなかった。
 だが、今は女には困ってねえからな、ゆっくり落とせばいいと思っていた。
 その内に、四人のうち二人は、家族をオヤジが奴隷にしていると分かった。
 ついてるぜ、残りの二人も近いうちに弱みを握ってやる。
 そんな事を思っていたある日、繋ぎで付き合ってた香水がキツイ、ギルドのバカ受付女と狙いの女の一人がケンカを始めた時は焦ったけどな。胸は薄いけど美人の女サブギルマスがバカ女を連れて行ってくれたときは感謝だったぜ。
 昨日気づいたんだが、コイツらいつの間にか中層まで進出していた。これならオレ達と一緒に中層半ばまで行けるかも知れねえ。
 別に一緒に行く必要なねえのかもシレねえが、オレ達の強さを見せ付けるためには中層まで行かねえとな。
 改めて声をかけると、最初は嫌がったフリをしてたが、途中からまんざらでも無いように、リーダーに聞かないと、とか言ってきた。
 イヤよイヤよも大好きよ、って奴さ。
 案の定、翌日には四人してケツ振ってきやがった。
 まずは魔物の強い所へ行って、散々恐がらせて、それからかっこいい所を見せて、惚れさせるんだ、釣り橋効果って奴だ。そのあとは地上に戻って色々お楽しみさ。
 結局メスは強えオスの種を求めるからな。
 そう思っていた。
 だが幾つか誤算があった。まず第一に魔物がいつもより強い。もっと下層にいるはずの魔物がけっこう上に来ている。まあオレ達にかかりゃ問題ねえが。
 そして第二の誤算は女達が意外と弱え。中層進出したくらいだから、半分は任せても良いかと思ったが、オレ達がやってやらねえとすぐ死んじまうぜ。けっこう疲れるな。
 これだったら、あのオッサンを出禁にさせる前に締め上げて、キャタピラの特異湧きスポットを吐かせておくんだった。絶対楽勝な場所があったはずなんだ。
 ニーナが『出禁面白そー』とか言うからやったが、まあ面白かったからそれはいいんだが、早まったかな。
 そして最後の誤算、マヌケ女が迷宮モグラの罠にはまったんだ。
 女の内の一人アイリスが罠にはまったんで、助けようと手を伸ばした。
 男だったら助けなかった。もし香水臭いバカ受付女みたいな奴だったら、やっぱり助けなかった。だけど狙ってる女の一人だったからな、つい手を伸ばしちまった。
 さらに誤算だったのは、エリーがアイリスを助けようとして誤ってオレに追突した事だ。
 お陰でオレも穴に落ちる始末だ。
 どのくらいかわからねえが、少し気絶したようだ。だけどよかったここには魔物はいないようだ。
 女を起こして状況を探る。
 魔法が得意なウサギの獣人ネイサンが光の魔法を使った。見知らぬ場所、ちょっとした広場だった。怪我は、みな、打ち身竹で大怪我はしてねえようだ。鎧がなかったらやばかつたな。
 壊れた鎧は、邪魔なだけなので捨てていく。軽くなったぜ。
 迷宮モグラが作った広場、というか巣なのか? だがモグラはいなかった。出口というか通路は一つだけ開いていた。
 ここは何階層か、さっぱり分からねえ、予想以上に深いところに落ちちまったようだ。
 他の女も仲間を追いかけ来ていたようだ。そばに倒れていた。
 だが、オレの男仲間は追ってこなかったようだ。アイツらめ後で半殺しだ。
 ……いや、あいつらには“帰還の魔法結晶”を持たせてる。何かあったらそれを使ってあっと言う間に外まで出られる。すぐに助けが来る。
 いやその魔法結晶を俺に渡せばいいんだ。
「おい、聞こえるか、帰還の魔法結晶を持って降りて来い! 聞こえねえのか」
 天井の落とし穴に向かって叫ぶが反応はない。
 しかたねえ。あいつらが帰還の魔法硝石を使ってすぐに助けを呼ぶ事を期待しよう。片道分は時間の短縮になる。
 こんな事ならオレが持っていれば良かった。
「ちっ、まさかこんな形で到達階層の記録更新とはな、笑っちまうぜ」
 全然笑える状況じゃない。女達も苦笑いするだけだ。
 だが目が笑っていねえ。それと……その目には、怯えがねえ?
 この状況を恐がっていないのか!?
 その時、嫌な考えが頭をよぎった。この女たち、ワザと落とし穴に落ちたんじゃないだろうか。
 落ちる瞬間に、『エイッ』とか掛声が聞こえた気がした。
 わざとか? ダンジョンの中で? あり得ない。
 ふざけていられるほど、中層以下のダンジョンは甘くない。だったら何だ。ふざけていなく、落ちてしまったのではなく、わざと落ちた? 何のために?
 女達を見る。女達の目が狂気を帯びている、そう思えてきた。
 ちょっとヤバイ女に引っかかったかな
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

「役立たず」と追放されたが、俺のスキルは【経験値委託】だ。解除した瞬間、勇者パーティーはレベル1に戻り、俺だけレベル9999になった

たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ、アレン。お前のような戦闘スキルのない寄生虫は、魔王討伐の旅には連れていけない」 幼馴染の勇者と、恋人だった聖女からそう告げられ、俺は極寒の雪山に捨てられた。 だが、彼らは勘違いしている。 俺のスキルは、単なる【魔力譲渡】じゃない。 パーティメンバーが得た経験値を管理・分配し、底上げする【経験値委託(キックバック)】という神スキルだったのだ。 俺をパーティから外すということは、契約解除を意味する。 つまり――今まで彼らが俺のおかげで得ていた「かさ増しステータス」が消え、俺が預けていた膨大な「累積経験値」が全て俺に返還されるということだ。 「スキル解除。……さて、長年の利子も含めて、たっぷり返してもらおうか」 その瞬間、俺のレベルは15から9999へ。 一方、勇者たちはレベル70から初期レベルの1へと転落した。 これは、最強の力を取り戻した俺が、雪山の守り神である銀狼(美少女)や、封印されし魔神(美少女)を従えて無双し、新たな国を作る物語。 そして、レベル1に戻ってゴブリンにも勝てなくなった元勇者たちが、絶望のどん底へ落ちていく「ざまぁ」の記録である。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

追放された『修理職人』、辺境の店が国宝級の聖地になる~万物を新品以上に直せるので、今さら戻ってこいと言われても予約で一杯です

たまごころ
ファンタジー
「攻撃力が皆無の生産職は、魔王戦では足手まといだ」 勇者パーティで武器や防具の管理をしていたルークは、ダンジョン攻略の最終局面を前に追放されてしまう。 しかし、勇者たちは知らなかった。伝説の聖剣も、鉄壁の鎧も、ルークのスキル『修復』によるメンテナンスがあったからこそ、性能を維持できていたことを。 一方、最果ての村にたどり着いたルークは、ボロボロの小屋を直して、小さな「修理屋」を開店する。 彼の『修復』スキルは、単に物を直すだけではない。錆びた剣は名刀に、古びたポーションは最高級エリクサーに、品質すらも「新品以上」に進化させる規格外の力だったのだ。 引退した老剣士の愛剣を蘇らせ、村の井戸を枯れない泉に直し、ついにはお忍びで来た王女様の不治の病まで『修理』してしまい――? ルークの店には、今日も世界中から依頼が殺到する。 「えっ、勇者たちが新品の剣をすぐに折ってしまって困ってる? 知りませんが、とりあえず最後尾に並んでいただけますか?」 これは、職人少年が辺境の村を世界一の都へと変えていく、ほのぼの逆転サクセスストーリー。

処理中です...