80 / 103
第二章 王都編
第三十三話 JJ説得される その3
しおりを挟む
「ふざけんな。そんな事でママに負担をかけて、あたし達を引越しさせて、JJにケガまでさせたのかよッ! ――アッ!? 」
突然切れたのはディアだった。元々ヤンキーっぽい話し方のする娘だったが、リベルタの前ではネコを被っていたのだが、今日はつい地が出たようだ。
「――ってJJは言うと思うよ」
最後だけ取り繕っても遅いよ。
皆、ドン引きだ。リベルタは目が点になって、口ポカン状態だ。
「いやあ、引越しの事は悪いとは思うけど、ディアさんの将来の事を思えば、学校で学ぶ事はとても重要な事なのよ、精霊魔法を学ぶ事以外でもね。精霊の事は話してなかったけどお母さんだって引越しは仕方ないって納得してくれたわ」
「そうだけど……」
ディアが母親を見ると、リベルタは複雑な表情ながら頷いた。
そしてディアはオレを見る。オレが行くと言えば行ってもいい、と言う意思の表れか。
「……でもダメね。辺境伯家に楯突いて、護衛の仕事も断った子なんて、辺境伯家が後援するはず無いから、JJの入学はなし。そしてJJが行かないからディアも入学しない、と。ガッカシ……」
ティー姉が、大根役者振りを発揮する。
そういう言い方はずるいよね。オレが悪いみたいだ。
でもどうなんだろ、オレが護衛を続けるって言うなら、学校行かせてもらえるのかな。
「ではこうしましょう」
今までお茶を飲んで傍観していたクラリッサ辺境伯夫人が、話しに割り込んできた。
「JJくんが魔法騎士学校に行きたいというなら、後援は出来ないけど紹介ならしてあげても良いわ。うちの執事と騎士が迷惑をかけたお詫びにね。護衛もしなくて良いわ」
なんだと、オレの気持ちを読んだかのようなすごい好条件。
「ただし、ちょっとだけお願いがあるわ。うちのシャーロットとはこれからも友達でいて欲しいの。もちろんディアちゃんもね」
何だそんな事か。元々シャーロットは素直な明るい子で、オレのような平民にも分け隔てなく接してくれた子だ。
この間は、護衛なのに雑用係扱いされたからちょっと頭に来た事もあったけど、まあ友達なら雑用させられる事もないだろう、問題ないかな。
「それで、お互いに困った事があったら助け合って欲しいの。上級生にナンパされたり、スケ番に絡まれて体育館裏に呼び出されたりとか、その時は、シャーロットを助けてくれると嬉しいわ」
どんな学校なんだ。行くのは王立魔法騎士学校だよね。
ティー姉が、クラリッサが、シャーロットが、ディアが、そして何よりリベルタがオレに期待の眼差しを寄せる。
これは断れないな。断る必要もない。
「よろしくお願いします」
ティー姉とクラリッサが安堵の溜息を漏らし、シャーロットとディアが手を取り合って喜んでいる、いつの間に仲良くなった? そしてリベルタは目尻に光るものを指でぬぐいながら笑顔を見せた。
雨降って地固まるって奴かな。
そのあと、諸条件を確認する。
ディアについては、推薦入学扱いで入学試験は免除。入学金と学費も無料。生活費については、前例に沿ってある程度支給するとのこと。これは事前に話し合って決められていたとおりらしい。シャーロットとは同郷の友達として、積極的に付き合うようにしてほしいとの事だ。あとは自由だ。
オレについては、辺境伯家の紹介で入学試験を受けられるようになるが、試験に合格しないと入学出来ないので、試験まで辺境伯家で勉強させられる事になった。
読み書き計算は出来るが、一般教養や歴史などは皆無だからね。ティー姉が付きっ切りで監督するらしい。暇なのか。
そして、試験に合格したら入学金と学費が必要になる
「というわけで、入学金が足りなくなるといけないから、これは差し押さえさせてもらうわね~」
と言ってティー姉が、オレに渡されるはずだった巾着袋を取り上げた。
聞くと、入学金は今の巾着袋の金額の倍のお金がかかるらしい。
そして年間の授業料はさらに倍の金額がかかるそうだ。
その上、生活費もかかるのだ。
こりゃ、キングスパイダーやクイーンスパイダーを換金しても追いつかないかもしれない。まずい、王都のダンジョンにこもって金策しないと生きていけない。
あれ、おかしいな。
護衛じゃないけど不良に絡まれたら助けないといけないし、やる事はあんまり変わらないのに、お金だけが異常にかかる事態に。
これははやまったか……。
だが、喜んでいるみんなの笑顔を見ると、今からは断れない雰囲気だ。
やっちまった。
突然切れたのはディアだった。元々ヤンキーっぽい話し方のする娘だったが、リベルタの前ではネコを被っていたのだが、今日はつい地が出たようだ。
「――ってJJは言うと思うよ」
最後だけ取り繕っても遅いよ。
皆、ドン引きだ。リベルタは目が点になって、口ポカン状態だ。
「いやあ、引越しの事は悪いとは思うけど、ディアさんの将来の事を思えば、学校で学ぶ事はとても重要な事なのよ、精霊魔法を学ぶ事以外でもね。精霊の事は話してなかったけどお母さんだって引越しは仕方ないって納得してくれたわ」
「そうだけど……」
ディアが母親を見ると、リベルタは複雑な表情ながら頷いた。
そしてディアはオレを見る。オレが行くと言えば行ってもいい、と言う意思の表れか。
「……でもダメね。辺境伯家に楯突いて、護衛の仕事も断った子なんて、辺境伯家が後援するはず無いから、JJの入学はなし。そしてJJが行かないからディアも入学しない、と。ガッカシ……」
ティー姉が、大根役者振りを発揮する。
そういう言い方はずるいよね。オレが悪いみたいだ。
でもどうなんだろ、オレが護衛を続けるって言うなら、学校行かせてもらえるのかな。
「ではこうしましょう」
今までお茶を飲んで傍観していたクラリッサ辺境伯夫人が、話しに割り込んできた。
「JJくんが魔法騎士学校に行きたいというなら、後援は出来ないけど紹介ならしてあげても良いわ。うちの執事と騎士が迷惑をかけたお詫びにね。護衛もしなくて良いわ」
なんだと、オレの気持ちを読んだかのようなすごい好条件。
「ただし、ちょっとだけお願いがあるわ。うちのシャーロットとはこれからも友達でいて欲しいの。もちろんディアちゃんもね」
何だそんな事か。元々シャーロットは素直な明るい子で、オレのような平民にも分け隔てなく接してくれた子だ。
この間は、護衛なのに雑用係扱いされたからちょっと頭に来た事もあったけど、まあ友達なら雑用させられる事もないだろう、問題ないかな。
「それで、お互いに困った事があったら助け合って欲しいの。上級生にナンパされたり、スケ番に絡まれて体育館裏に呼び出されたりとか、その時は、シャーロットを助けてくれると嬉しいわ」
どんな学校なんだ。行くのは王立魔法騎士学校だよね。
ティー姉が、クラリッサが、シャーロットが、ディアが、そして何よりリベルタがオレに期待の眼差しを寄せる。
これは断れないな。断る必要もない。
「よろしくお願いします」
ティー姉とクラリッサが安堵の溜息を漏らし、シャーロットとディアが手を取り合って喜んでいる、いつの間に仲良くなった? そしてリベルタは目尻に光るものを指でぬぐいながら笑顔を見せた。
雨降って地固まるって奴かな。
そのあと、諸条件を確認する。
ディアについては、推薦入学扱いで入学試験は免除。入学金と学費も無料。生活費については、前例に沿ってある程度支給するとのこと。これは事前に話し合って決められていたとおりらしい。シャーロットとは同郷の友達として、積極的に付き合うようにしてほしいとの事だ。あとは自由だ。
オレについては、辺境伯家の紹介で入学試験を受けられるようになるが、試験に合格しないと入学出来ないので、試験まで辺境伯家で勉強させられる事になった。
読み書き計算は出来るが、一般教養や歴史などは皆無だからね。ティー姉が付きっ切りで監督するらしい。暇なのか。
そして、試験に合格したら入学金と学費が必要になる
「というわけで、入学金が足りなくなるといけないから、これは差し押さえさせてもらうわね~」
と言ってティー姉が、オレに渡されるはずだった巾着袋を取り上げた。
聞くと、入学金は今の巾着袋の金額の倍のお金がかかるらしい。
そして年間の授業料はさらに倍の金額がかかるそうだ。
その上、生活費もかかるのだ。
こりゃ、キングスパイダーやクイーンスパイダーを換金しても追いつかないかもしれない。まずい、王都のダンジョンにこもって金策しないと生きていけない。
あれ、おかしいな。
護衛じゃないけど不良に絡まれたら助けないといけないし、やる事はあんまり変わらないのに、お金だけが異常にかかる事態に。
これははやまったか……。
だが、喜んでいるみんなの笑顔を見ると、今からは断れない雰囲気だ。
やっちまった。
50
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
「役立たず」と追放されたが、俺のスキルは【経験値委託】だ。解除した瞬間、勇者パーティーはレベル1に戻り、俺だけレベル9999になった
たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ、アレン。お前のような戦闘スキルのない寄生虫は、魔王討伐の旅には連れていけない」
幼馴染の勇者と、恋人だった聖女からそう告げられ、俺は極寒の雪山に捨てられた。
だが、彼らは勘違いしている。
俺のスキルは、単なる【魔力譲渡】じゃない。
パーティメンバーが得た経験値を管理・分配し、底上げする【経験値委託(キックバック)】という神スキルだったのだ。
俺をパーティから外すということは、契約解除を意味する。
つまり――今まで彼らが俺のおかげで得ていた「かさ増しステータス」が消え、俺が預けていた膨大な「累積経験値」が全て俺に返還されるということだ。
「スキル解除。……さて、長年の利子も含めて、たっぷり返してもらおうか」
その瞬間、俺のレベルは15から9999へ。
一方、勇者たちはレベル70から初期レベルの1へと転落した。
これは、最強の力を取り戻した俺が、雪山の守り神である銀狼(美少女)や、封印されし魔神(美少女)を従えて無双し、新たな国を作る物語。
そして、レベル1に戻ってゴブリンにも勝てなくなった元勇者たちが、絶望のどん底へ落ちていく「ざまぁ」の記録である。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
追放された『修理職人』、辺境の店が国宝級の聖地になる~万物を新品以上に直せるので、今さら戻ってこいと言われても予約で一杯です
たまごころ
ファンタジー
「攻撃力が皆無の生産職は、魔王戦では足手まといだ」
勇者パーティで武器や防具の管理をしていたルークは、ダンジョン攻略の最終局面を前に追放されてしまう。
しかし、勇者たちは知らなかった。伝説の聖剣も、鉄壁の鎧も、ルークのスキル『修復』によるメンテナンスがあったからこそ、性能を維持できていたことを。
一方、最果ての村にたどり着いたルークは、ボロボロの小屋を直して、小さな「修理屋」を開店する。
彼の『修復』スキルは、単に物を直すだけではない。錆びた剣は名刀に、古びたポーションは最高級エリクサーに、品質すらも「新品以上」に進化させる規格外の力だったのだ。
引退した老剣士の愛剣を蘇らせ、村の井戸を枯れない泉に直し、ついにはお忍びで来た王女様の不治の病まで『修理』してしまい――?
ルークの店には、今日も世界中から依頼が殺到する。
「えっ、勇者たちが新品の剣をすぐに折ってしまって困ってる? 知りませんが、とりあえず最後尾に並んでいただけますか?」
これは、職人少年が辺境の村を世界一の都へと変えていく、ほのぼの逆転サクセスストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる