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連載
その頃の『暁』では 後編 ※フェリス視点
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まぁ、それでも悪いのは私達なので、これからもそのお酒を手に入れる方法を探し続けるのみね!
選んだお酒を持って居間に戻れば、超特急で調合を終わらせてきたグレイシスが二階から下りてきたところだった。
お互い席についてから、お酒の瓶の蓋を開けてグラスに注ぎ――「「カンパーイ!」」とお互いのグラスを軽くくっ付けてから飲み始めた。
美味しいお酒と食事を食べながら話していると、時間はあっという間に過ぎて行くよね~。
普段この家の中で女二人でゆっくり夕食を食べながら話すことは少ないから、新鮮な感じ。
たまには良いものね。
そんなことを思いながら、空になった私のグラスにお酒を注いでくれているグレイスの姿を見る。
私と初めて出会った時は、いろんなことに傷付き、ボロボロになった幼い魔族の女の子だったけど、今は誰もが見惚れるような美人さんに成長してくれた。
テーブルの上に肘を乗せながら、頬杖ついてフフフと笑うと、「え、なによ……その気持ち悪い笑い方は」と変なものを見る目で見られた。
失敬ねっ!
口を尖らせながらも、ここ最近ちょ~っといい雰囲気になりつつある“彼”とはどうなのかしらん? とグレイシスを見る。
彼――カオツとグレイシスはお互い惹かれ合っているように見える。
だけど、出会いが出会いな訳だから、お互いの印象が良くなかったのはしょうがないんだけど……両片思いっぽい感じなのよね~。
でも、彼とグレイシスは私の勘が当たっていたら、けっこう良い相性だと思うのよ!
グレイシスはしっかりしているように見えて、けっこう抜けているところがあるし、子供っぽい部分なんかもある。
元々才能がある子だから、やれば何でも出来てしまって人に頼ろうとすることが少ない。
小さなグレイシスを助け、魔力を整えてあげている私には「ねぇねぇ、フェリス~」と甘えた感じで偶にすり寄ってくることはあるけど、私以外の誰か――『暁』の仲間であるラグラーやケルヴィンでさえ、本当の意味で助けを求めることはない。
それは、グレイシスの出自にも問題があったからなんだけど……
だからカオツが『暁』に入ってくれた時、私はカオツにいろんな面倒事を押しつ……ゲフン、ゲフン……頼りになりそうな存在になりそうだから、彼にグレイシスが持つ魔族の魔力の扱い方や、子供達の訓練もラグラー達と一緒に見てくれるようお願いした。
彼は見た目に反して意外と律儀だし、一度やると決めたことには手を抜かない。
それと、これは本当に意外だったんだけど……
カオツは口が悪い方だし、グサッとくるようなことを平気でズバズバと言うけど、グレイシスや子供達が目標を立てたことを達成出来た時など、茶化さずにぶっきらぼうでもなんでも、ちゃんと褒めていた。
だから、最初はグレイシスと口喧嘩みたいなことをしょっちゅうしていたけど、今ではほとんどない。
あの人見知りをするクルゥも今ではけっこう懐いているし、ケント君も『龍の息吹』ではいろいろとあったはずなのに、カオツさん! カオツさん! とその後ろをついて歩いている。
カオツ自身は子供は好きな方じゃなさそうだけど、面倒見はいいから子供達からは好かれるのよね~。
そんなカオツと一緒に過ごしているうちに、グレイシスも心を開いていっているっぽいの。
この前なんか、私でも「あらあらあら~ん♪」と熱くなる頬に手を当て、照れそうになるくらいのイイ雰囲気を二人で作りだしていたんだから!
だから「ねぇ、グレイシス~。あなた、カオツとここ最近かなぁ~りイイ雰囲気じゃない?」って聞いたら、グレイシスの顔が真っ赤に色付いた。
ニマニマしながら、ここには二人しかいないんだから、もっといろいろなことを聞き出すぞぉ~♪ と口を開いたら――
玄関が開く音と共に「ただいま~」という声が聞こえてきた。
「へ?」
「え? 帰って来るには早過ぎない?」
驚きながら二人して音がした方へ視線を向ければ――まだ妖精国に滞在しているはずの四人が、なぜか帰ってきていた。
なんでこんないいタイミングで帰って来るわけぇ~!?
グレイシスを見れば、さっきまで照れていた表情が元通りになっているし……
こうなれば、聞いてもはぐらかされて終了してしまう。
話の続きは違う日に持ち越しね……と諦めながら溜息を吐いていると、ケント君が疲れたからと自室へと一足早く戻って行った。
他の連中は私達と一緒にお酒を飲むようである。
仕切り直して、皆で乾杯をしてから飲み会を続行し、妖精国ではどんなことがあったのか聞いたんだけど、ケント君達が妖精国に行ってから、思いもよらなかった出来事があったみたいね。
話を聞いて私とグレイシスは驚いた。
中でも一番驚いたのが、ケント君がオレフェカじー様の怒りを解いたということ。
ラグラーの話によれば、私とチェイサーが飲み干したお酒に似た味の、とても稀少なお酒を数本オレフェカじー様にケント君が渡したらしい。
たぶんお酒以外の――ケント君の人柄などもあって、オレフェカじー様の怒りは鎮火したんでしょうね。
「ったく、お前はいったい何をやってんだよ!」と言うラグラーのお怒りの言葉に、「すみません~」と謝るしかないのが辛い。
それから、この『暁』になくてはならない存在になっているケント君を思い浮かべながら、クスリと笑う。
この『私』が借りを作るなんて……ケント君、それって凄いことなのよ?
そんなことを思いながら皆で楽しくお酒を飲み続け――翌日、二日酔いで倒れた私達を呆れた表情のケント君が、いつものように介抱してくれたのだった。
選んだお酒を持って居間に戻れば、超特急で調合を終わらせてきたグレイシスが二階から下りてきたところだった。
お互い席についてから、お酒の瓶の蓋を開けてグラスに注ぎ――「「カンパーイ!」」とお互いのグラスを軽くくっ付けてから飲み始めた。
美味しいお酒と食事を食べながら話していると、時間はあっという間に過ぎて行くよね~。
普段この家の中で女二人でゆっくり夕食を食べながら話すことは少ないから、新鮮な感じ。
たまには良いものね。
そんなことを思いながら、空になった私のグラスにお酒を注いでくれているグレイスの姿を見る。
私と初めて出会った時は、いろんなことに傷付き、ボロボロになった幼い魔族の女の子だったけど、今は誰もが見惚れるような美人さんに成長してくれた。
テーブルの上に肘を乗せながら、頬杖ついてフフフと笑うと、「え、なによ……その気持ち悪い笑い方は」と変なものを見る目で見られた。
失敬ねっ!
口を尖らせながらも、ここ最近ちょ~っといい雰囲気になりつつある“彼”とはどうなのかしらん? とグレイシスを見る。
彼――カオツとグレイシスはお互い惹かれ合っているように見える。
だけど、出会いが出会いな訳だから、お互いの印象が良くなかったのはしょうがないんだけど……両片思いっぽい感じなのよね~。
でも、彼とグレイシスは私の勘が当たっていたら、けっこう良い相性だと思うのよ!
グレイシスはしっかりしているように見えて、けっこう抜けているところがあるし、子供っぽい部分なんかもある。
元々才能がある子だから、やれば何でも出来てしまって人に頼ろうとすることが少ない。
小さなグレイシスを助け、魔力を整えてあげている私には「ねぇねぇ、フェリス~」と甘えた感じで偶にすり寄ってくることはあるけど、私以外の誰か――『暁』の仲間であるラグラーやケルヴィンでさえ、本当の意味で助けを求めることはない。
それは、グレイシスの出自にも問題があったからなんだけど……
だからカオツが『暁』に入ってくれた時、私はカオツにいろんな面倒事を押しつ……ゲフン、ゲフン……頼りになりそうな存在になりそうだから、彼にグレイシスが持つ魔族の魔力の扱い方や、子供達の訓練もラグラー達と一緒に見てくれるようお願いした。
彼は見た目に反して意外と律儀だし、一度やると決めたことには手を抜かない。
それと、これは本当に意外だったんだけど……
カオツは口が悪い方だし、グサッとくるようなことを平気でズバズバと言うけど、グレイシスや子供達が目標を立てたことを達成出来た時など、茶化さずにぶっきらぼうでもなんでも、ちゃんと褒めていた。
だから、最初はグレイシスと口喧嘩みたいなことをしょっちゅうしていたけど、今ではほとんどない。
あの人見知りをするクルゥも今ではけっこう懐いているし、ケント君も『龍の息吹』ではいろいろとあったはずなのに、カオツさん! カオツさん! とその後ろをついて歩いている。
カオツ自身は子供は好きな方じゃなさそうだけど、面倒見はいいから子供達からは好かれるのよね~。
そんなカオツと一緒に過ごしているうちに、グレイシスも心を開いていっているっぽいの。
この前なんか、私でも「あらあらあら~ん♪」と熱くなる頬に手を当て、照れそうになるくらいのイイ雰囲気を二人で作りだしていたんだから!
だから「ねぇ、グレイシス~。あなた、カオツとここ最近かなぁ~りイイ雰囲気じゃない?」って聞いたら、グレイシスの顔が真っ赤に色付いた。
ニマニマしながら、ここには二人しかいないんだから、もっといろいろなことを聞き出すぞぉ~♪ と口を開いたら――
玄関が開く音と共に「ただいま~」という声が聞こえてきた。
「へ?」
「え? 帰って来るには早過ぎない?」
驚きながら二人して音がした方へ視線を向ければ――まだ妖精国に滞在しているはずの四人が、なぜか帰ってきていた。
なんでこんないいタイミングで帰って来るわけぇ~!?
グレイシスを見れば、さっきまで照れていた表情が元通りになっているし……
こうなれば、聞いてもはぐらかされて終了してしまう。
話の続きは違う日に持ち越しね……と諦めながら溜息を吐いていると、ケント君が疲れたからと自室へと一足早く戻って行った。
他の連中は私達と一緒にお酒を飲むようである。
仕切り直して、皆で乾杯をしてから飲み会を続行し、妖精国ではどんなことがあったのか聞いたんだけど、ケント君達が妖精国に行ってから、思いもよらなかった出来事があったみたいね。
話を聞いて私とグレイシスは驚いた。
中でも一番驚いたのが、ケント君がオレフェカじー様の怒りを解いたということ。
ラグラーの話によれば、私とチェイサーが飲み干したお酒に似た味の、とても稀少なお酒を数本オレフェカじー様にケント君が渡したらしい。
たぶんお酒以外の――ケント君の人柄などもあって、オレフェカじー様の怒りは鎮火したんでしょうね。
「ったく、お前はいったい何をやってんだよ!」と言うラグラーのお怒りの言葉に、「すみません~」と謝るしかないのが辛い。
それから、この『暁』になくてはならない存在になっているケント君を思い浮かべながら、クスリと笑う。
この『私』が借りを作るなんて……ケント君、それって凄いことなのよ?
そんなことを思いながら皆で楽しくお酒を飲み続け――翌日、二日酔いで倒れた私達を呆れた表情のケント君が、いつものように介抱してくれたのだった。
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