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連載
神秘のベールに包まれたエルフの里へ 前編
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「ねぇねぇケント君。これからギルドの依頼が入ってたり、魔法薬の調合をしなきゃならないとかな~い?」
「へ?」
庭の端にある畑のお手入れをし終わった後、家の中に入ったら急にフェリスさんにそう聞かれた僕は動きを止めた。
昨日魔法薬を大量に作って契約している魔法薬店に卸したばかりだし、ギルドの依頼も入れてない。
「いや、特に何もなかったですよ? これからギルドに行って何か良い依頼が入っていないか確認しに行こうかなとは思ってましたけど……」
「ホント~? じゃあさ、ケント君。私と一緒にこれから旅行に行かない?」
「旅行ですか?」
パチパチと瞬きをしつつ、どこに行くのか聞けば「それはね、私の生まれ故郷よ!」と言われた。
フェリスさんと言えばエルフである。
と言うことは――
「えっ、もしかしてあの有名なエルフの里ですか? そこに僕も行ってもいいんですか!?」
「もっちろんよぉ~!」
街に出ればエルフの人々もそれなりに多く歩いているけれど、『エルフの里』に行くにはかなり制限があって誰でも入ることは出来ないと言われている。
この世界でも、一度は行ってみたい場所として『エルフの里』が毎年上位に輝いている、そのようなところだ。
行けるのなら絶対行ってみたい!
「私と一緒に行くから、ケント君はほぼ制限がなく私の故郷に入れるわ」
聞けば、通常エルフの里に行くには色々な制限が課せられるらしい。
エルフの里に行くまでの道中を誰にも話さないことであったり、エルフが許可した物しか里の外に持ち出してはならないとか、大人と一緒ではない子供に近づくのも話しかけるのもダメ――などといったものがあるのだとか。
ただ制限はかけられないけど、エルフの里内での僕の行動範囲がちゃんと分かるようなGPS機能みたいなものが付いた魔法道具は付ける必要があるみたいだ。
まぁ、エルフの里に行けるなら何でも付けたいと思います!
「フェリスさん、いつ行きますか?」
「そうね、移動準備があるから……明日の朝には行けるけど、ケント君はそれでも大丈夫?」
「はい、大丈夫です! わぁぁ~、楽しみだな」
「それじゃあ明日の朝一、玄関先に集合ってことでよろしくね!」
フェリスさんはそう言うとこれから準備があるからと、外に出かけて行ってしまった。
「よ~し、僕も準備しなきゃ」
明日の準備をするために、急いで二階にある自分の部屋に駆け上がった。
部屋に入ると、朝から外で遊んでいたハーネとライとイーちゃんがベッドの上で寝ている光景が目に入る。
蜷局を巻くこともなく真っ直ぐ一直線になっているハーネと、お腹を上に向けたへそ天姿で寝ているライ、綺麗な鼻提灯を出しながらスピーと寝ているイーちゃん。
三者三様の寝姿ではあるが、魔獣という野性味は一切感じられない。
家で飼われている犬猫のような姿である。
まぁそんな姿も可愛いのだが。
「そういえば、どのくらい滞在するのかちゃんと聞いてなかったな……」
一応一週間分の下着や着替えの服、その他もろもろをカバンの中に入れ、収納出来る腕輪の中に仕舞っておく。
行って必要な物があれば、現地調達でもいいし『ショッピング』で購入すればいい。
イーちゃんのお腹を満足させれるような食料を現地調達出来ない場合があるので、食材だけは『ショッピング』で買い足しすればいいでしょう。
そうそう、いつもであれば長期で家を空ける場合は『暁』のメンバー皆の食事を大量に作り置きしておくんだけど、今回は僕とフェリスさん以外の全員がギルドの依頼などで長期出張している最中で、帰ってくるのは三週間後の予定だった。
なので今回は作り置きの必要がない。
エルフの里はアニメや小説で描かれているような幻想的なところなんだろうか? やっぱり里にいる人達はあまり肉などは食べないのかな? などなど、僕は用意するものリストを紙に書きだしながら、遠足に行く前日のようにワクワクが止まらないのであった。
翌日、朝食を食べ終えてからハーネ達と一緒に家の中や外回りなどを回って戸締りをしっかり確認した後、前日に準備した物が入ったカバンを持って玄関に行くと――そこにはフェリスさんの幼馴染でもありギルドマスターでもあるルーイズさんが立っていた。
「ルーイズさん、おはようございます」
「おはよう、ケント君」
僕がどうしてここにギルドマスターがいるんだろう? と不思議に思いながらフェリスさんとルーイズさんの近くに寄って行くと、フェリスさんがルーイズさんの肩を叩きながら「ルーイズも私と同じ同郷だから、ついでに一緒に帰ることにしたのよ」と教えてくれた。
しかも道中の費用などいろいろと出してくれるらしい。
ホクホク顔のフェリスさんの横でゲッソリとした表情のルーイズさん……
気になってルーイズさんの横に並んでコソッと「あの、フェリスさんとなにかあったんですか?」と聞けば、昨日突然ギルドにフェリスさんがやって来たと思ったら「あんたもずっと実家に帰ってないでしょ? 明日里帰りするわよ!」と言い出し、急な里帰りが決まったのだと力なく笑う。
普段からフェリスさんには難儀な討伐を任せているから、交通費やら宿泊費、そのた諸々の出資金はルーイズさんが出すことになったんだって。
強引に連れ出された感はあるけど、お金に関して言えば普段からお世話になっているから気にしないでと言われたので、ありがたくお金を出してもらうことになった。
「あ、ケント君に今のうちに渡しておく物があって……この魔道具を耳に嵌めてくれないだろうか?」
「耳にですか?」
手渡されたものを見れば、イヤーカフだった。
どうやらこの魔道具が、里の中で僕の行動範囲が分かるようにすると言われていたものらしい。
右耳に嵌めるのを見たルーイズさんは「それじゃ、準備はいいかい?」と僕とフェリスさんに聞く。
「えぇ、いいわよ。エルフの里へしゅっぱーつ!」
「うわぁ~緊張するな!」
ルーイズさんが懐から出した魔法陣が描かれた紙を破くと、僕達の足元に大きな転移魔法陣が出現する。
ドキドキしながら、僕は魔法陣の中へ踏み出したのだった。
「へ?」
庭の端にある畑のお手入れをし終わった後、家の中に入ったら急にフェリスさんにそう聞かれた僕は動きを止めた。
昨日魔法薬を大量に作って契約している魔法薬店に卸したばかりだし、ギルドの依頼も入れてない。
「いや、特に何もなかったですよ? これからギルドに行って何か良い依頼が入っていないか確認しに行こうかなとは思ってましたけど……」
「ホント~? じゃあさ、ケント君。私と一緒にこれから旅行に行かない?」
「旅行ですか?」
パチパチと瞬きをしつつ、どこに行くのか聞けば「それはね、私の生まれ故郷よ!」と言われた。
フェリスさんと言えばエルフである。
と言うことは――
「えっ、もしかしてあの有名なエルフの里ですか? そこに僕も行ってもいいんですか!?」
「もっちろんよぉ~!」
街に出ればエルフの人々もそれなりに多く歩いているけれど、『エルフの里』に行くにはかなり制限があって誰でも入ることは出来ないと言われている。
この世界でも、一度は行ってみたい場所として『エルフの里』が毎年上位に輝いている、そのようなところだ。
行けるのなら絶対行ってみたい!
「私と一緒に行くから、ケント君はほぼ制限がなく私の故郷に入れるわ」
聞けば、通常エルフの里に行くには色々な制限が課せられるらしい。
エルフの里に行くまでの道中を誰にも話さないことであったり、エルフが許可した物しか里の外に持ち出してはならないとか、大人と一緒ではない子供に近づくのも話しかけるのもダメ――などといったものがあるのだとか。
ただ制限はかけられないけど、エルフの里内での僕の行動範囲がちゃんと分かるようなGPS機能みたいなものが付いた魔法道具は付ける必要があるみたいだ。
まぁ、エルフの里に行けるなら何でも付けたいと思います!
「フェリスさん、いつ行きますか?」
「そうね、移動準備があるから……明日の朝には行けるけど、ケント君はそれでも大丈夫?」
「はい、大丈夫です! わぁぁ~、楽しみだな」
「それじゃあ明日の朝一、玄関先に集合ってことでよろしくね!」
フェリスさんはそう言うとこれから準備があるからと、外に出かけて行ってしまった。
「よ~し、僕も準備しなきゃ」
明日の準備をするために、急いで二階にある自分の部屋に駆け上がった。
部屋に入ると、朝から外で遊んでいたハーネとライとイーちゃんがベッドの上で寝ている光景が目に入る。
蜷局を巻くこともなく真っ直ぐ一直線になっているハーネと、お腹を上に向けたへそ天姿で寝ているライ、綺麗な鼻提灯を出しながらスピーと寝ているイーちゃん。
三者三様の寝姿ではあるが、魔獣という野性味は一切感じられない。
家で飼われている犬猫のような姿である。
まぁそんな姿も可愛いのだが。
「そういえば、どのくらい滞在するのかちゃんと聞いてなかったな……」
一応一週間分の下着や着替えの服、その他もろもろをカバンの中に入れ、収納出来る腕輪の中に仕舞っておく。
行って必要な物があれば、現地調達でもいいし『ショッピング』で購入すればいい。
イーちゃんのお腹を満足させれるような食料を現地調達出来ない場合があるので、食材だけは『ショッピング』で買い足しすればいいでしょう。
そうそう、いつもであれば長期で家を空ける場合は『暁』のメンバー皆の食事を大量に作り置きしておくんだけど、今回は僕とフェリスさん以外の全員がギルドの依頼などで長期出張している最中で、帰ってくるのは三週間後の予定だった。
なので今回は作り置きの必要がない。
エルフの里はアニメや小説で描かれているような幻想的なところなんだろうか? やっぱり里にいる人達はあまり肉などは食べないのかな? などなど、僕は用意するものリストを紙に書きだしながら、遠足に行く前日のようにワクワクが止まらないのであった。
翌日、朝食を食べ終えてからハーネ達と一緒に家の中や外回りなどを回って戸締りをしっかり確認した後、前日に準備した物が入ったカバンを持って玄関に行くと――そこにはフェリスさんの幼馴染でもありギルドマスターでもあるルーイズさんが立っていた。
「ルーイズさん、おはようございます」
「おはよう、ケント君」
僕がどうしてここにギルドマスターがいるんだろう? と不思議に思いながらフェリスさんとルーイズさんの近くに寄って行くと、フェリスさんがルーイズさんの肩を叩きながら「ルーイズも私と同じ同郷だから、ついでに一緒に帰ることにしたのよ」と教えてくれた。
しかも道中の費用などいろいろと出してくれるらしい。
ホクホク顔のフェリスさんの横でゲッソリとした表情のルーイズさん……
気になってルーイズさんの横に並んでコソッと「あの、フェリスさんとなにかあったんですか?」と聞けば、昨日突然ギルドにフェリスさんがやって来たと思ったら「あんたもずっと実家に帰ってないでしょ? 明日里帰りするわよ!」と言い出し、急な里帰りが決まったのだと力なく笑う。
普段からフェリスさんには難儀な討伐を任せているから、交通費やら宿泊費、そのた諸々の出資金はルーイズさんが出すことになったんだって。
強引に連れ出された感はあるけど、お金に関して言えば普段からお世話になっているから気にしないでと言われたので、ありがたくお金を出してもらうことになった。
「あ、ケント君に今のうちに渡しておく物があって……この魔道具を耳に嵌めてくれないだろうか?」
「耳にですか?」
手渡されたものを見れば、イヤーカフだった。
どうやらこの魔道具が、里の中で僕の行動範囲が分かるようにすると言われていたものらしい。
右耳に嵌めるのを見たルーイズさんは「それじゃ、準備はいいかい?」と僕とフェリスさんに聞く。
「えぇ、いいわよ。エルフの里へしゅっぱーつ!」
「うわぁ~緊張するな!」
ルーイズさんが懐から出した魔法陣が描かれた紙を破くと、僕達の足元に大きな転移魔法陣が出現する。
ドキドキしながら、僕は魔法陣の中へ踏み出したのだった。
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