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連載
神秘のベールに包まれたエルフの里へ 中編
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魔法陣の光が収まり、閉じていた目を開ければ――
樹齢数百年以上は経っているような、巨大な木々が立ち並ぶ森が目の前に広がっている。
ダンジョンの中にもこのような太くて大きな木が多く生えている森もたくさんあるんだけど、ダンジョンだと足を踏み入れた瞬間から緊張するような雰囲気が漂っているのに対して、エルフの里へと繋がるこの森は、澄み切った綺麗な空気が流れているようなところだった。
「もうエルフの里の中に入ってるんですか?」
「えぇ、もう里の中には入っているわよ」
「里の中……というか、里の端っこかな? これから里の中央に行くよ」
この場所はもうエルフの里の中には入っているみたいなんだけど、人が住んでいるのは中央付近らしく、これからそこまで歩いて行くとのこと。
どれくらい歩くのかな? と思いながら里出身者の二人の後をしばらく歩いていると、先に進むにつれてだんだんと霧が出てきたのに気付く。
「ケント君、危険はないけど迷うとちょっと面倒なことになるから、ここを抜け切るまではフェリスと手を繋いでてくれるかな?」
「あ、はい」
確かに進めば進むほど霧がかなり濃くなって、方向感覚も分からなくなってきた。
フェリスさんと手を繋ぎながら、二人はこんなに濃い霧の中を歩いていても大丈夫なのか聞いてみたら、里の中で生まれたエルフだけは特殊な加護が生まれながらに備わっているらしく、この濃い霧の中でも問題なく歩けるんだって。
二人の目には、里の中央へと続く『金色の光の道』が地面に敷かれていているのが見えているらしい。
里の外で生まれたエルフには、その光の道は見えることはないんだとか。
イーちゃんはポケットの中で寝ているから問題なかったんだけど、ライとハーネがもしも離れちゃって道に迷ったら大変なことになるから、ライは僕の肩に乗ってハーネは腕に巻き付いて移動することに。
そうして三人で近況報告みたいな会話をしながらしばらく歩いていると、ルーイズさんが立ち止まる。
「おっ、着いたな」
「今日はだいぶ長くかかったわね」
「……?」
二人が見ている方向へ僕も顔を向けると――今まで通り濃い霧が漂っていて、辺りになにがあるのか僕には全く分からない。
辺りをきょろきょろと見回していると、フェリスさんが繋いでいない方の右手を正面に突き出して呪文を唱える。
すると、腕を伸ばして指先が若干見えるくらいだった濃い霧が、僕達を中心にして一気に晴れた。
顔を上げれば、直ぐそばに巨大なアーチ門があるのに気付く。
この門をくぐれば里の中央であるエルフの生活圏に入ることになる。
見上げるほどの巨大な門を驚いて見上げていると、アーチ門がゆっくりと開いていく。
フェリスさんの話では、先ほど唱えたエルフだけが使う独自の呪文らしく、周囲の霧を払うと呪文魔法に反応して自動的に門が開くようになっているらしい。
三人で門の中をくぐって中に入れば、緑溢れる幻想的な世界が広がっていた。
地面に横たわる巨木にドアや窓や煙突が取り付けられ、そこが一つの家になっていたり、ビルほどある大きな木は集合住宅のようになっていて、垂れている蔦に洗濯物が干してあったりドライフラワーが飾られている。
少し視線を奥に向ければ、崖のような岩場を利用した家々があり、エルフの人達は自然を利用した家に住んでいるのが分かった。
「うわぁ~、凄いな」
「ふふふ、その反応って私達が初めて里から出て街中を見た時の反応と一緒よね」
「そうだな」
フェリスさん達は逆に街を見て石やレンガや木といった、いろんな形の家があることに驚いたそうだ。
そんな話をした後、ここで僕達とルーイズさんは別行動をとることに。
ルーイズさんもしばらく実家に顔を出していなかったので、このまま家に行くらしい。
また明日! と別れてから、僕達もフェリスさんの家に行くことになった。
「本当はこのまま里の中を見せてあげたいんだけど、まずは私の家に行きましょ。たぶん、母さんが首を長くして待っているだろうし」
「僕は全然大丈夫です。逆に僕がお邪魔しちゃっても大丈夫ですかね?」
「あぁ、気にしないで。うちの両親はお客様が来ておもてなしをするのが大好きなタイプだから」
そう笑いながらフェリスさんに案内された場所は、綺麗な小川が流れる丘の近くだった。
ここに点々とある木々もエルフの方が住む家らしいんだけど、今まで見てきたものよりも比較的小さい。
集合住宅とは違って一軒家的なものなのかな?
一本一本がとても面白い形をしているのと、それぞれの家庭で木の周りに飾り付けている装飾品だったり、ランプの形や光る色などが全く違う。
さらには金色や紫色に光る蛍のような虫がふわふわと家の周りを飛ぶ、といった幻想的な光景に目を奪われていたら――
「フェリスちゃん!」
「ただいま~、お――ぐふぅっ!?」
可愛らしい感じのお家の玄関が開いたと思ったら、一人の女性がフェリスさんに向かって飛び付く。
フェリスさんのご家族かな? と思っていたんだけど、フェリスさんを抱きしめる女性の腕からミシミシミシッと不穏な音が聞こえてきて、フェリスさんが「いだだっ、痛い、痛いってお母さん!」と悲鳴を上げる。
「あらいやだ! 私ったら、フェリスちゃんに会えて嬉しくってつい……うふふふ」
「あたたた……いやいいけどね? それよりもお母さんに紹介したい仲間がいるのよ」
「えっ、もしかしてフェリスちゃんのいい人!?」
「違うわよ!」
フェリスさんはいったん話を切ると僕の方を向いてから、お母さんという方に僕を紹介してくれた。
「この子はケント君。私のパーティ『暁』の一員よ」
「初めまして、ケントです」
「こちらこそ初めまして。フェリスの母で、ユーリィーネです。いつも娘がお世話になっております」
ぺこりと頭を下げるフェリスさんのお母様――ユーリィーネさんは、フェリスさんの『母』というより『姉妹』という言葉の方が似合っているくらいお若い外見をしている。
ユーリィーネさんは小柄でほんわりとした美少女フェイスなのに対し、フェリスさんは大人な綺麗系美女って感じなので、フェリスさんの妹さんと紹介されても違和感がないかも……
そんな僕の心情を知ってか、家の中に案内されて歩いている最中にフェリスさんが僕の耳元で「うちの母親、エルフの中でも異常なくらいな童顔だから」と教えてくれる。
なるほどと頷きながら、僕達は家の中に入ったのだった。
樹齢数百年以上は経っているような、巨大な木々が立ち並ぶ森が目の前に広がっている。
ダンジョンの中にもこのような太くて大きな木が多く生えている森もたくさんあるんだけど、ダンジョンだと足を踏み入れた瞬間から緊張するような雰囲気が漂っているのに対して、エルフの里へと繋がるこの森は、澄み切った綺麗な空気が流れているようなところだった。
「もうエルフの里の中に入ってるんですか?」
「えぇ、もう里の中には入っているわよ」
「里の中……というか、里の端っこかな? これから里の中央に行くよ」
この場所はもうエルフの里の中には入っているみたいなんだけど、人が住んでいるのは中央付近らしく、これからそこまで歩いて行くとのこと。
どれくらい歩くのかな? と思いながら里出身者の二人の後をしばらく歩いていると、先に進むにつれてだんだんと霧が出てきたのに気付く。
「ケント君、危険はないけど迷うとちょっと面倒なことになるから、ここを抜け切るまではフェリスと手を繋いでてくれるかな?」
「あ、はい」
確かに進めば進むほど霧がかなり濃くなって、方向感覚も分からなくなってきた。
フェリスさんと手を繋ぎながら、二人はこんなに濃い霧の中を歩いていても大丈夫なのか聞いてみたら、里の中で生まれたエルフだけは特殊な加護が生まれながらに備わっているらしく、この濃い霧の中でも問題なく歩けるんだって。
二人の目には、里の中央へと続く『金色の光の道』が地面に敷かれていているのが見えているらしい。
里の外で生まれたエルフには、その光の道は見えることはないんだとか。
イーちゃんはポケットの中で寝ているから問題なかったんだけど、ライとハーネがもしも離れちゃって道に迷ったら大変なことになるから、ライは僕の肩に乗ってハーネは腕に巻き付いて移動することに。
そうして三人で近況報告みたいな会話をしながらしばらく歩いていると、ルーイズさんが立ち止まる。
「おっ、着いたな」
「今日はだいぶ長くかかったわね」
「……?」
二人が見ている方向へ僕も顔を向けると――今まで通り濃い霧が漂っていて、辺りになにがあるのか僕には全く分からない。
辺りをきょろきょろと見回していると、フェリスさんが繋いでいない方の右手を正面に突き出して呪文を唱える。
すると、腕を伸ばして指先が若干見えるくらいだった濃い霧が、僕達を中心にして一気に晴れた。
顔を上げれば、直ぐそばに巨大なアーチ門があるのに気付く。
この門をくぐれば里の中央であるエルフの生活圏に入ることになる。
見上げるほどの巨大な門を驚いて見上げていると、アーチ門がゆっくりと開いていく。
フェリスさんの話では、先ほど唱えたエルフだけが使う独自の呪文らしく、周囲の霧を払うと呪文魔法に反応して自動的に門が開くようになっているらしい。
三人で門の中をくぐって中に入れば、緑溢れる幻想的な世界が広がっていた。
地面に横たわる巨木にドアや窓や煙突が取り付けられ、そこが一つの家になっていたり、ビルほどある大きな木は集合住宅のようになっていて、垂れている蔦に洗濯物が干してあったりドライフラワーが飾られている。
少し視線を奥に向ければ、崖のような岩場を利用した家々があり、エルフの人達は自然を利用した家に住んでいるのが分かった。
「うわぁ~、凄いな」
「ふふふ、その反応って私達が初めて里から出て街中を見た時の反応と一緒よね」
「そうだな」
フェリスさん達は逆に街を見て石やレンガや木といった、いろんな形の家があることに驚いたそうだ。
そんな話をした後、ここで僕達とルーイズさんは別行動をとることに。
ルーイズさんもしばらく実家に顔を出していなかったので、このまま家に行くらしい。
また明日! と別れてから、僕達もフェリスさんの家に行くことになった。
「本当はこのまま里の中を見せてあげたいんだけど、まずは私の家に行きましょ。たぶん、母さんが首を長くして待っているだろうし」
「僕は全然大丈夫です。逆に僕がお邪魔しちゃっても大丈夫ですかね?」
「あぁ、気にしないで。うちの両親はお客様が来ておもてなしをするのが大好きなタイプだから」
そう笑いながらフェリスさんに案内された場所は、綺麗な小川が流れる丘の近くだった。
ここに点々とある木々もエルフの方が住む家らしいんだけど、今まで見てきたものよりも比較的小さい。
集合住宅とは違って一軒家的なものなのかな?
一本一本がとても面白い形をしているのと、それぞれの家庭で木の周りに飾り付けている装飾品だったり、ランプの形や光る色などが全く違う。
さらには金色や紫色に光る蛍のような虫がふわふわと家の周りを飛ぶ、といった幻想的な光景に目を奪われていたら――
「フェリスちゃん!」
「ただいま~、お――ぐふぅっ!?」
可愛らしい感じのお家の玄関が開いたと思ったら、一人の女性がフェリスさんに向かって飛び付く。
フェリスさんのご家族かな? と思っていたんだけど、フェリスさんを抱きしめる女性の腕からミシミシミシッと不穏な音が聞こえてきて、フェリスさんが「いだだっ、痛い、痛いってお母さん!」と悲鳴を上げる。
「あらいやだ! 私ったら、フェリスちゃんに会えて嬉しくってつい……うふふふ」
「あたたた……いやいいけどね? それよりもお母さんに紹介したい仲間がいるのよ」
「えっ、もしかしてフェリスちゃんのいい人!?」
「違うわよ!」
フェリスさんはいったん話を切ると僕の方を向いてから、お母さんという方に僕を紹介してくれた。
「この子はケント君。私のパーティ『暁』の一員よ」
「初めまして、ケントです」
「こちらこそ初めまして。フェリスの母で、ユーリィーネです。いつも娘がお世話になっております」
ぺこりと頭を下げるフェリスさんのお母様――ユーリィーネさんは、フェリスさんの『母』というより『姉妹』という言葉の方が似合っているくらいお若い外見をしている。
ユーリィーネさんは小柄でほんわりとした美少女フェイスなのに対し、フェリスさんは大人な綺麗系美女って感じなので、フェリスさんの妹さんと紹介されても違和感がないかも……
そんな僕の心情を知ってか、家の中に案内されて歩いている最中にフェリスさんが僕の耳元で「うちの母親、エルフの中でも異常なくらいな童顔だから」と教えてくれる。
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