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第2章 宿敵の家の当主を妻に貰ってから
第51話 一日の終わり、語らい
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夜も遅くなった頃、俺は寝室にいた。同じ部屋には一緒に使っているシアもいる。夫婦だから同じ寝室、同じベッドを使うことは普通らしいけど、人並み外れた可愛さを持つシアと一緒の状況はいつまで経っても慣れない。今も黒の寝間着を着た彼女を直視できないくらいだ。
「よいしょっと……」
緊張を紛らわすためにそんなことを言って、俺はベッドに入った。シアも同じように入ってきて、同じベッドの中で向かい合う形になる。
特注のベッドはかなり大きく、俺とシアが一緒に入ってもまだまだ余裕があるくらいだ。
「今日はお疲れさまでした。楽しめましたか?」
「うん、王都の研究所も驚いたし、その後はオーロラちゃんに案内してもらったよ。アークゲート家の人達も良い人ばかりで楽しかった」
少し感じていた緊張が消えていく。一日の終わりに彼女と語り合うのは、もはや日課になりつつある。昼間に一緒にいることが少ないから、夜にお互いに何があったのかを話すようになった。
「シアは? 忙しかったみたいだけど」
「王城に行きましたからね。コールレイク帝国との交渉の事前準備について、色々と相談されちゃいました。家の領地とも関係あることなので、どうしても時間がかかるというか」
「そっか……じっくり慎重に考えないとだね」
戦争が終わったことで、北のコールレイク帝国とは国交が開かれ始めている。人や物の行き来、両国の関係のさらなる改善など、することはまだまだ多いらしい。
王族が主導で行っているけど、戦争を終わらせた当事者でもあり、領地が帝国に近いために大きな影響を受けるシアの意見が求められる場面も多いみたいだ。
「大丈夫? 疲れたりしてない?」
「大丈夫ですよ? 結構体力あるので」
くすくすと笑うシア。小柄な彼女を見ているとそうは思えないけど、ちょっと冗談めかして言うのも癖なんだろうと最近気づいた。あんまり無理をしないように、よく見ておかないと。
いや毎晩見てて疲れた様子はなさそうだけど、ひょっとしたら隠すのが上手いのかもしれないし。
「そういえば、一週間後くらいにはゲートの機器の試作品が出来るらしいですよ。その試作品をノヴァさんに試してもらって、問題なければ完成に向けて動いてくれると」
「そんなに早く出来るの? ナタさんって凄いんだな」
「元々理論はユティが確立していたので、形にするだけだと言っていました」
「ああ、ユティさんから聞いたよ。共同で機器を開発してるって」
シアは一回だけ頷く。
「ナターシャから連絡が来るので、そしたらノヴァさんに繋ぎますね」
「うん、いつでも協力するよ」
あのゲートの魔法が一人で使えるようになるということに、今からワクワクが止まらない。
「ところで……ナターシャの実家のワイルダー家って、ゼロードのお義兄様の婚約者さんの家でしたよね。ノヴァさんも交流があるんですか?」
「あー、セシリアさんの事? 結構前に挨拶をしたことがあるくらいだね。一、二回だけど」
父上の屋敷にいた頃には、すでにゼロードの兄上とセシリアさんは婚約者の関係だった。フォルス家に対してセシリアさんやナタさんの属するワイルダー家は家の格式は少し下がるけど、功績的には同じくらいの名家だ。
「二人の婚約は父上とワイルダー家の当主が決めたことらしくて、要はよくある家が決めた許嫁ってやつだね。セシリアさんと話をしたことはほとんどないけど、気位の高い令嬢って感じだったよ」
カイラスの兄上の妻であるローズさんは少し苦手だけど、セシリアさんに対しては苦手だと思ったことはなかった。
「結構長い間、婚約の関係なのですか?」
「あー、それはゼロードの兄上の意向っていうか……ここだけの話だけど、ゼロードの兄上、あんまりセシリアさんの事好きじゃないみたいなんだ。セシリアさん、曲がったことが嫌いでゼロードの兄上に対しても強く物事を言うみたいで、よく兄上は不機嫌になってたよ」
家柄的にはほぼ同じくらいだけど、どちらかと言うと不真面目なゼロードの兄上に対して、セシリアさんは真面目で厳しい人。つまり二人の相性は決定的に悪い。これがカイラスの兄上なら良かったのかもしれないけど。……いや、それはそれで堅苦しくなりそうな感じもする。
「だから多分だけど、ゼロードの兄上がフォルス家の当主になるまで籍は入れないつもりなんだと思う。実際に二人に聞いたことはないから分からないけどね」
「なんというか……すごい話ですね」
「身内のことながら、本当にそう思うよ」
ゼロードの兄上には本当に困ったものだ。
「お互い、問題のある身内を抱えると大変ですね」
「え?」
突然の言葉の意味が分からずに聞き返すと、シアは困ったように目じりを下げた。
「ノヴァさん、オーラの事、本当にありがとうございました」
「…………」
一瞬なんの事かと思ったけど、昼間の事を指していると気づいた。
「いや、何の事かな……」
「流石に王都の中でアークゲート家の魔力がぶつかっていれば気づきます。しかもオーラの魔力が珍しくいきり立っていましたし。相手がティアラということで、何があったのかは想像がつきます」
「シアは本当に凄いな……オーロラちゃんに秘密にしておくように言われたんだけど、何でも分かっちゃうんだな」
苦笑いするしかない。
ごめんオーロラちゃん、隠そうとしたけど君の姉上で俺の妻は凄すぎたよ、と内心でオーロラちゃんに謝って、俺は昼間の出来事を話し始めた。
「たまたまティアラと出会ったんだ。それでちょっとした口論になってね。最初は俺がアークゲート家の男だから家に尽くせって言われたことにオーロラちゃんが反発したんだ。でもそしたらなんだかよく分からない話になって、オーロラちゃんが怖がっちゃって。……きっとすごく年上の人に言われたからだと思うけど」
あの時、確かにティアラはシアとオーロラちゃんの母親に関する話を出していた。けどそれをそのまま伝えるのはなんだか気が引けて、少しぼかして伝えることにした。
「それでちょっと見ていられなくなって口を出したら、オーロラちゃんも元気を取り戻してって感じかな……」
「やはりそうでしたか……」
深刻そうな顔をしたシアは、俺をまっすぐに見つめた。
「ノヴァさん、ティアラが失礼をしました。彼女の言うことは一切気にしないでください。ノヴァさんはアークゲート家の男ではなく、私の旦那様ですから」
手を取られ、両手で包まれる。
「うん、分かってるよ。あの人の言ったことが全然的外れだって。ちゃんと言ってやったから。俺が皆と一緒にいるのはアークゲート家の男だからじゃなくてシアはシアで、ユティさんはユティさんで、オーロラちゃんはオーロラちゃんだからだって」
「ノヴァさん……」
ほんの少しだけ、俺の手を握るシアの力が強くなった。その力はすぐに弱まり、シアは笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます……ふふっ、それにしてもオーラにはご褒美をあげないといけませんね。ノヴァさんのために啖呵を切ったのは素晴らしい事です」
「オーロラちゃんは本当に凄い子だよ」
「でも、弱いところもあるんです。今日の昼にそれを感じたかもしれませんが」
「うん、そうだね……だから気に掛けるようにするよ。別に今までも気にかけてはいたんだけどね」
昼間の震えるオーロラちゃんを思い出す。あの時、俺の中で何かが切れたのはオーロラちゃんのような小さな子をティアラのような大人が虐めたことも大きいと思うけど、それ以上にその姿が目の前の最愛の人の小さな頃に被ったから。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
二人して笑い合う。その後も俺達は他愛ない話をしあった。
そして語りつくしたところで、手を繋ぎながら心地良いまどろみに身をゆだねる。おやすみと言って幸せな気持ちのまま、俺達はどちらからということもなく眠りの世界に意識を落としていった。
「よいしょっと……」
緊張を紛らわすためにそんなことを言って、俺はベッドに入った。シアも同じように入ってきて、同じベッドの中で向かい合う形になる。
特注のベッドはかなり大きく、俺とシアが一緒に入ってもまだまだ余裕があるくらいだ。
「今日はお疲れさまでした。楽しめましたか?」
「うん、王都の研究所も驚いたし、その後はオーロラちゃんに案内してもらったよ。アークゲート家の人達も良い人ばかりで楽しかった」
少し感じていた緊張が消えていく。一日の終わりに彼女と語り合うのは、もはや日課になりつつある。昼間に一緒にいることが少ないから、夜にお互いに何があったのかを話すようになった。
「シアは? 忙しかったみたいだけど」
「王城に行きましたからね。コールレイク帝国との交渉の事前準備について、色々と相談されちゃいました。家の領地とも関係あることなので、どうしても時間がかかるというか」
「そっか……じっくり慎重に考えないとだね」
戦争が終わったことで、北のコールレイク帝国とは国交が開かれ始めている。人や物の行き来、両国の関係のさらなる改善など、することはまだまだ多いらしい。
王族が主導で行っているけど、戦争を終わらせた当事者でもあり、領地が帝国に近いために大きな影響を受けるシアの意見が求められる場面も多いみたいだ。
「大丈夫? 疲れたりしてない?」
「大丈夫ですよ? 結構体力あるので」
くすくすと笑うシア。小柄な彼女を見ているとそうは思えないけど、ちょっと冗談めかして言うのも癖なんだろうと最近気づいた。あんまり無理をしないように、よく見ておかないと。
いや毎晩見てて疲れた様子はなさそうだけど、ひょっとしたら隠すのが上手いのかもしれないし。
「そういえば、一週間後くらいにはゲートの機器の試作品が出来るらしいですよ。その試作品をノヴァさんに試してもらって、問題なければ完成に向けて動いてくれると」
「そんなに早く出来るの? ナタさんって凄いんだな」
「元々理論はユティが確立していたので、形にするだけだと言っていました」
「ああ、ユティさんから聞いたよ。共同で機器を開発してるって」
シアは一回だけ頷く。
「ナターシャから連絡が来るので、そしたらノヴァさんに繋ぎますね」
「うん、いつでも協力するよ」
あのゲートの魔法が一人で使えるようになるということに、今からワクワクが止まらない。
「ところで……ナターシャの実家のワイルダー家って、ゼロードのお義兄様の婚約者さんの家でしたよね。ノヴァさんも交流があるんですか?」
「あー、セシリアさんの事? 結構前に挨拶をしたことがあるくらいだね。一、二回だけど」
父上の屋敷にいた頃には、すでにゼロードの兄上とセシリアさんは婚約者の関係だった。フォルス家に対してセシリアさんやナタさんの属するワイルダー家は家の格式は少し下がるけど、功績的には同じくらいの名家だ。
「二人の婚約は父上とワイルダー家の当主が決めたことらしくて、要はよくある家が決めた許嫁ってやつだね。セシリアさんと話をしたことはほとんどないけど、気位の高い令嬢って感じだったよ」
カイラスの兄上の妻であるローズさんは少し苦手だけど、セシリアさんに対しては苦手だと思ったことはなかった。
「結構長い間、婚約の関係なのですか?」
「あー、それはゼロードの兄上の意向っていうか……ここだけの話だけど、ゼロードの兄上、あんまりセシリアさんの事好きじゃないみたいなんだ。セシリアさん、曲がったことが嫌いでゼロードの兄上に対しても強く物事を言うみたいで、よく兄上は不機嫌になってたよ」
家柄的にはほぼ同じくらいだけど、どちらかと言うと不真面目なゼロードの兄上に対して、セシリアさんは真面目で厳しい人。つまり二人の相性は決定的に悪い。これがカイラスの兄上なら良かったのかもしれないけど。……いや、それはそれで堅苦しくなりそうな感じもする。
「だから多分だけど、ゼロードの兄上がフォルス家の当主になるまで籍は入れないつもりなんだと思う。実際に二人に聞いたことはないから分からないけどね」
「なんというか……すごい話ですね」
「身内のことながら、本当にそう思うよ」
ゼロードの兄上には本当に困ったものだ。
「お互い、問題のある身内を抱えると大変ですね」
「え?」
突然の言葉の意味が分からずに聞き返すと、シアは困ったように目じりを下げた。
「ノヴァさん、オーラの事、本当にありがとうございました」
「…………」
一瞬なんの事かと思ったけど、昼間の事を指していると気づいた。
「いや、何の事かな……」
「流石に王都の中でアークゲート家の魔力がぶつかっていれば気づきます。しかもオーラの魔力が珍しくいきり立っていましたし。相手がティアラということで、何があったのかは想像がつきます」
「シアは本当に凄いな……オーロラちゃんに秘密にしておくように言われたんだけど、何でも分かっちゃうんだな」
苦笑いするしかない。
ごめんオーロラちゃん、隠そうとしたけど君の姉上で俺の妻は凄すぎたよ、と内心でオーロラちゃんに謝って、俺は昼間の出来事を話し始めた。
「たまたまティアラと出会ったんだ。それでちょっとした口論になってね。最初は俺がアークゲート家の男だから家に尽くせって言われたことにオーロラちゃんが反発したんだ。でもそしたらなんだかよく分からない話になって、オーロラちゃんが怖がっちゃって。……きっとすごく年上の人に言われたからだと思うけど」
あの時、確かにティアラはシアとオーロラちゃんの母親に関する話を出していた。けどそれをそのまま伝えるのはなんだか気が引けて、少しぼかして伝えることにした。
「それでちょっと見ていられなくなって口を出したら、オーロラちゃんも元気を取り戻してって感じかな……」
「やはりそうでしたか……」
深刻そうな顔をしたシアは、俺をまっすぐに見つめた。
「ノヴァさん、ティアラが失礼をしました。彼女の言うことは一切気にしないでください。ノヴァさんはアークゲート家の男ではなく、私の旦那様ですから」
手を取られ、両手で包まれる。
「うん、分かってるよ。あの人の言ったことが全然的外れだって。ちゃんと言ってやったから。俺が皆と一緒にいるのはアークゲート家の男だからじゃなくてシアはシアで、ユティさんはユティさんで、オーロラちゃんはオーロラちゃんだからだって」
「ノヴァさん……」
ほんの少しだけ、俺の手を握るシアの力が強くなった。その力はすぐに弱まり、シアは笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます……ふふっ、それにしてもオーラにはご褒美をあげないといけませんね。ノヴァさんのために啖呵を切ったのは素晴らしい事です」
「オーロラちゃんは本当に凄い子だよ」
「でも、弱いところもあるんです。今日の昼にそれを感じたかもしれませんが」
「うん、そうだね……だから気に掛けるようにするよ。別に今までも気にかけてはいたんだけどね」
昼間の震えるオーロラちゃんを思い出す。あの時、俺の中で何かが切れたのはオーロラちゃんのような小さな子をティアラのような大人が虐めたことも大きいと思うけど、それ以上にその姿が目の前の最愛の人の小さな頃に被ったから。
「……ありがとうございます」
「どういたしまして」
二人して笑い合う。その後も俺達は他愛ない話をしあった。
そして語りつくしたところで、手を繋ぎながら心地良いまどろみに身をゆだねる。おやすみと言って幸せな気持ちのまま、俺達はどちらからということもなく眠りの世界に意識を落としていった。
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