【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜

四片霞彩

文字の大きさ
3 / 88
貴女の命を私に下さい

3

しおりを挟む
 今年の春、私は県内でも屈指の大型書店に就職した。
 全国的に大きな書店であり、私自身も本が好きなので、採用が決まった時は喜んだ。
 担当になったのが、本の中でも特に大好きな児童書だった事もあり、大好きな本に囲まれる中で働けて幸せだと、配属が決まった時はそう思っていた。
 けれども、実際は全く違っていた。
 研修期間が終わった夏頃から、配属先の上司のパワーハラスメントが酷くなった。
 研修中の頃から、なんとなく私にだけ風当たりが厳しいような気はしていた。
 休憩時間中に急ぎの仕事を頼んで休憩を取らせない、私に残業を指示しておきながら自分は先に帰り、後日、私が残業したのは私が勝手に残業したからだと言い張り、残業を付けさせない。
 公共機関が遅延した影響で、遅刻して出勤すれば「本当に遅延していたのか」、「嘘をついているんじゃないか」と言ってくる。発行してもらった遅延証明書を提出しても信じてもらえないので、それなら実際に遅延した公共機関に問い合わせをすると、私がその場で問い合わせの電話をかけようとすると、「そのような行為をする事は社会人として常識に欠けている」と説教をしてきた。
 極め付けは、夏に親戚に不幸があって慶弔休暇を申請した時、虚偽の申告をしたと言い掛かりをつけて申請を無視した。親戚に不幸があった事を繰り返し説明して、葬儀の日程を伝えても話しを聞いてもらえず、それでも喪に服す方を優先して、慶弔休暇を申請した日に仕事を休んだところ、後日仕事に復帰した時、慶弔休暇を申請した日に仕事を無断欠勤したと騒いだ。
 予め慶弔休暇の申請をしていたと説明しても無視され、葬儀の日程を事細かに話しても、自分が正しい、私が間違っている、の一点張りで、話さえまともに聞いてくれなかった。
 その後、たまたま他部署の女性上司が東京にある本部に、慶弔休暇の件を話してくれた事で、本部が上司を注意し、私の慶弔休暇は認められた。
 けれども、それから私に対する風当たりはますます酷くなった。
 仕事に関する質問をしても無視され、書類を投げつけられ、他の社員やお客様の前で怒鳴りつけられ、自分の仕事が上手くいかないのは、私が報告や連絡を怠っているからだと言い張った。他の社員も私が上司のパワーハラスメントの被害に遭っているのを知っているが、自分が標的になるのが怖くて、誰も助けてくれなかった。
 そしてとうとう、私は理由も説明されないまま、児童書の担当からも外され、バックヤードで荷運びなどの裏方の仕事をさせられるようになった。
 バックヤード内は空調が悪いからか、体調を崩し気味になり、通院のため有給休暇を申請したが、やはり無視をされた。
 遂に我慢が限界になり、どうして有給休暇を無視するのかと聞いたところ、「体調を崩したのは、社会人としての自覚が足りないからだ」と言われたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ホストと女医は診察室で

星野しずく
恋愛
町田慶子は開業したばかりのクリニックで忙しい毎日を送っていた。ある日クリニックに招かれざる客、歌舞伎町のホスト、聖夜が後輩の真也に連れられてやってきた。聖夜の強引な誘いを断れず、慶子は初めてホストクラブを訪れる。しかし、その日の夜、慶子が目覚めたのは…、なぜか聖夜と二人きりのホテルの一室だった…。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

【完結】京都若旦那の恋愛事情〜四年ですっかり拗らせてしまったようです〜

藍生蕗
恋愛
大学二年生、二十歳の千田 史織は内気な性格を直したくて京都へと一人旅を決行。そこで見舞われたアクシデントで出会った男性に感銘を受け、改めて変わりたいと奮起する。 それから四年後、従姉のお見合い相手に探りを入れて欲しいと頼まれて再び京都へ。 訳あり跡取り息子と、少し惚けた箱入り娘のすれ違い恋物語

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない

ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。 既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。 未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。 後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。 欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。 * 作り話です * そんなに長くしない予定です

処理中です...