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初デートinニューヨーク
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セントラルパーク内にあるシープ・メドウに着いた時には、時刻は二時近くになっていたが、ピクニックをする人達でそこそこ賑わっていた。
青々と茂った芝生の上では、小さい子供を連れたお母さん達、休憩中なのか楽しそうに話しているオシャレな女性達、膝の上に本を広げて話しているカップル、日向ぼっこをする老人達、昼寝をする男性などが居た。
「この辺りにするか」
楓さんは周囲に人がいない場所を見つけると、途中で購入したレジャーシートを広げる。
私はパンプスを脱ぐと、持っていたカバンとビニール袋を傍らに置いて、足を伸ばしたのだった。
「歩き疲れて、お腹空いちゃいました」
「俺もだ」
私は途中で購入したアイスコーヒーを楓さんに渡すと、自分用に買ったアイスティーに口をつける。ひんやりとした冷たさとストレートティーの茶葉本来の味が身体中に染み渡った。
「早速、食べるとするか」
「先にウェットティッシュをどうぞ」
カバンからウェットティッシュを取り出すと、テープ式の蓋を開けて楓さんに渡す。
「気が利くな」
「日本でもいつも持ち歩いていたので」
楓さんがウェットティッシュを取ると、私も自分の分を一枚取って手を拭く。
それから楓さんと手分けして、ビニール袋の中身をレジャーシートの上に並べていく。中にはここに来るまでに調達した食べ物がいくつか入っていた。
サラダ、ピザ、ホットドッグ、プレッツェル、デザートのヨーグルトもあった。
楓さんによると、セントラルパークの周辺には、テイクアウト出来るお店が多いらしく、テイクアウト専門店まであるらしい。今回立ち寄ったお店の中にも、そんなテイクアウト専門店があった。
「もしかして、買い過ぎましたか……?」
「食べ切れなかったら、夕食にすれば良いんじゃないか」
ここがアメリカなのを忘れて、ついあれもこれも買ってしまったが、少食の楓さんと食べるには少し量が多いような気がした。
気を取り直して、料理を食べ始めたが、どれも日本とは違った味付けで新鮮な気持ちになったのだった。
「どれも美味しいですね!」
「そうだな」
「サラダも新鮮な野菜を使っていて水々しいです。ドレッシングも適度に酸味があるので食べやすいです。食べてみますか?」
「ああ。少し食べる」
「ここに来るのは初めてですか?」
「何度か来たな。大体、所長かジェニファーに連れられてだが」
あまり会話が盛り上がらず、それどころか楓さんはどこか不機嫌そうな顔をしていたので、やがて私はフォークを動かす手を止める。
「すみません。一人でずっと喋っていて、うるさいですよね」
「小春?」
楓さんはピザをトレーの上に置くと、不思議そうな顔をする。
「一緒に出掛けられたのが楽しくて、美味しい物を食べられたのが嬉しくて、つい調子に乗ってしまいました。気づかなくてすみません……」
思い返せば、日本に住んでいた頃、いつも私が一方的に話していた。楓さんも相槌くらいしかせず、会話が成立した事があまり無かった。
もしかしたら、楓さんは静かな方が良いのかもしれない。それか、私とは話したくないか。
すると、楓さんは「違う。そうじゃないんだ!」と慌て出す。
青々と茂った芝生の上では、小さい子供を連れたお母さん達、休憩中なのか楽しそうに話しているオシャレな女性達、膝の上に本を広げて話しているカップル、日向ぼっこをする老人達、昼寝をする男性などが居た。
「この辺りにするか」
楓さんは周囲に人がいない場所を見つけると、途中で購入したレジャーシートを広げる。
私はパンプスを脱ぐと、持っていたカバンとビニール袋を傍らに置いて、足を伸ばしたのだった。
「歩き疲れて、お腹空いちゃいました」
「俺もだ」
私は途中で購入したアイスコーヒーを楓さんに渡すと、自分用に買ったアイスティーに口をつける。ひんやりとした冷たさとストレートティーの茶葉本来の味が身体中に染み渡った。
「早速、食べるとするか」
「先にウェットティッシュをどうぞ」
カバンからウェットティッシュを取り出すと、テープ式の蓋を開けて楓さんに渡す。
「気が利くな」
「日本でもいつも持ち歩いていたので」
楓さんがウェットティッシュを取ると、私も自分の分を一枚取って手を拭く。
それから楓さんと手分けして、ビニール袋の中身をレジャーシートの上に並べていく。中にはここに来るまでに調達した食べ物がいくつか入っていた。
サラダ、ピザ、ホットドッグ、プレッツェル、デザートのヨーグルトもあった。
楓さんによると、セントラルパークの周辺には、テイクアウト出来るお店が多いらしく、テイクアウト専門店まであるらしい。今回立ち寄ったお店の中にも、そんなテイクアウト専門店があった。
「もしかして、買い過ぎましたか……?」
「食べ切れなかったら、夕食にすれば良いんじゃないか」
ここがアメリカなのを忘れて、ついあれもこれも買ってしまったが、少食の楓さんと食べるには少し量が多いような気がした。
気を取り直して、料理を食べ始めたが、どれも日本とは違った味付けで新鮮な気持ちになったのだった。
「どれも美味しいですね!」
「そうだな」
「サラダも新鮮な野菜を使っていて水々しいです。ドレッシングも適度に酸味があるので食べやすいです。食べてみますか?」
「ああ。少し食べる」
「ここに来るのは初めてですか?」
「何度か来たな。大体、所長かジェニファーに連れられてだが」
あまり会話が盛り上がらず、それどころか楓さんはどこか不機嫌そうな顔をしていたので、やがて私はフォークを動かす手を止める。
「すみません。一人でずっと喋っていて、うるさいですよね」
「小春?」
楓さんはピザをトレーの上に置くと、不思議そうな顔をする。
「一緒に出掛けられたのが楽しくて、美味しい物を食べられたのが嬉しくて、つい調子に乗ってしまいました。気づかなくてすみません……」
思い返せば、日本に住んでいた頃、いつも私が一方的に話していた。楓さんも相槌くらいしかせず、会話が成立した事があまり無かった。
もしかしたら、楓さんは静かな方が良いのかもしれない。それか、私とは話したくないか。
すると、楓さんは「違う。そうじゃないんだ!」と慌て出す。
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