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衝撃の告白 その壱 (第三者目線)
しおりを挟む「俺は、ポラール殿を好いている」
「「「 なんて!?!?!?」」」
クティノス王国で四半期に一度開催される騎士団上層部会議でのことだった。
東西南北の4つの軍をそれぞれ束ねる騎士団長と副団長たちが一堂に会し行われるこの会議では、来年の春に予定している合同演習の計画がおおよそまとまったところだ。
会議も終わり、先ほどまで張りつめていた空気を無理やりほぐすかのように、それぞれが近くの席の者ととりとめのない話をし始めていた。
(どうしよう・・・)
西軍の副団長であるリシッツァ・アローペークスは今非常に困っていた。
キツネの獣人である彼は、つりあがった切れ長の目をしており、瞳孔の動きが読みづらい。
口元には常にほんの僅かな微笑がうかんでおり、その顔はとても困っているようには見えない。
しかし、実際の彼は他者からは見えづらい瞳孔を右に左にとキョロキョロ動かし、誰か助けてーと心の中で救援を要請を出していた。
(他の人の会話にあぶれて、シーナ団長しか残ってない!!!)
横に座っている東軍の団長であるリューセー・シーナをバレないようにチラッと伺い見る。
そこには、お手本のように綺麗に姿勢を正した美丈夫が、何を考えているか分からない無表情で真っ直ぐ前を見つめていた。
彼はこの国の色彩豊かな人々とは些か見た目が異なる。
柔らかそうな黒髪を後ろに撫で付け、深い藍色の瞳には、星のような金色の粒がきらきら輝いていた。
この国よりもっと東にある国の生まれだと以前誰かから聞いたことがある。
そして何よりシーナ団長はとんでもなく無口だ。
以前知らずに、
「この会議で出るお茶とお菓子いつもおいしいですよねー」
なんて呑気に話しかけたら、視線すら向けられず「そうか。」とだけ返事をされたことがある。
逆側に座る自軍の団長に助けを求めるように視線を投げるが、完全にこちらに背を向け楽しそうにバカ笑いしていた。
(あなたの支度が遅いから、会議ギリギリの到着になってこの席しか空いてなかったのに!!)
背中をひっぱたいてやりたい衝動にかられるが、グッと手を握って我慢した。
このまま黙って時が過ぎるのを待つ手もある。
あるが!気遣い屋の自分にはこの空気が息苦しくて堪らない。
(誰か!誰か頼む!
話題を、、、何か話題をくれ!!!)
「そっ、そういえば演習のあとに行われる王都のお祭りがあるじゃないですか。
その余興で市井の女性たちがこの国の好きな男性に投票する催しがあるのですが、シーナ団長は3年連続1位だそうですよ。」
「・・・」
「すっ、すごいモテモテで羨ましいなっ!
ご結婚とかされないんですか??
選びたい放題だから一人に絞るの難しいですよね!あははー・・」
(ヤバい・・・
最初の会話で返事が帰ってこないことに焦って、バカなことを口走ってしまった。どうする!?どうする!?どうしたらいい!!!?)
リシッツェが内心冷や汗をだらだらと流しながら、焦っているとシーナが静かに言葉を紡ぐ。
「...俺は、ポーラール殿を好いているから、結婚する予定はない」
「「「 なんて!?!?!?」」」
(みんな聞いてたんかーーい。)
シーナが衝撃発言をすると周りの奴らが一斉に反応した。
滅多に話さないシーナとの会話の内容が気になってどうやら聞き耳をたてていたらしい。
ならもっと序盤で助けろやーーい。と脳内ツッコミを入れるが今はそれどころではない。
シーナの口から突然名前が飛び出した白熊獣人の北軍副団長 アルク・ポーラールはちょうど円卓のシーナの真正面の席に座っていた。
驚いたように口を開け、アホ面でシーナを見ている。
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