よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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そんなものは存在しない噺

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 およそ1800年の長きにわたり、ヨーロッパの人々はインド洋の南にテラ・アウストラリス・インコグニタという未知の南方大陸があると信じていた。

 この背景には古代ギリシアの世界観があり、地球が球体とするならば、それは水陸の比重のバランスがつりあっているからであり、そのためには北半球に相当する大陸塊が南半球にも存在しなければならないというものだ。

 そして未知であるが故に、その大陸には黄金がふんだんにある一方で、神に見捨てられた一本足人や犬頭人、無首人といった怪物のような人間が住む異世界のようなものだと思い込んでいたという。

 このように人々の好奇心と想像力をあおってきた未知の大陸だが、1770年4月27日に航海家ジェームズ・クックがシドニー郊外に上陸したことで終止符が打たれ、ラテン語で「南方」を意味するアウストラリスが、オーストラリアという地名として残っているのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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