婚約破棄をしてくれてありがとうございます~あなたといると破滅しかないので助かりました (完結)

しまうま弁当

文字の大きさ
9 / 9

09

しおりを挟む
これを聞いたベルグとイザベラは激高した様子で言いました。

「テメエこのダメ女調子になるんじゃねえぞ!!!」

「ローラ!!ふざけんな!!!そんな事できるわけないでしょ!!!」

「やらないんですか??」

私の問いかけに二人は言いました。

「当たり前だろうが!!」

「何でローラなんかに謝らなきゃならないのよ!!」

「やらないなら死罪になるだけですよ??いいんですか??」

「くー!!!」

「ローラ!!」

そしてベルグとイザベラは顔を震わせながらゆっくり顔と手を地面につけました。

二人が小さな声で言いました。

「ローラ様本当に申し訳・・・ございませんでした。」

ですが私は大きな声で二人に言いました。

「聞こえませんよ、もっと大きな声で言ってください!!」

「ローラ様、本当に申し訳ございませんでした。この愚かで無能なベルグを許してください。」

「ローラ様、本当に申し訳ございませんでした。この愚かで無能なイザベラを許してください。」

ですが私はそれでは満足しなかったので二人に言いました。

「ダメですよ?それじゃあ??」

「なんでよ!!ちゃんと言ったでしょ!!!」

「許してくださいじゃ、馬鹿そうに聞こえないじゃないですか?許してくださいまちってわざと間違えて言いなさい。もちろん馬鹿そうな声で言うんですよ。」

「テメエー!!」

「ローラ!!!」

「はい、それじゃあもう一度です。」

ベルグとローラは再び手足と顔を地面につけて大声でこう言ってくれました。

「ローラ様!!本当に申し訳ございませんでした!!!この愚かで無能なベルグを許してくださいまち!!!」

「ローラ様!!本当に申し訳ございませんでした!!!この愚かで無能なイザベラを許してくださいまち!!」

「いやあ痛快ですね。」

「ああ約束通り死罪は免除して終身刑とする。」

するとベルグが私に尋ねてきました。

「なあ終身刑ってなんだ??」

私がベルグに言いました。

「そんな事も知らないんですか。一生牢屋の中に閉じ込められる処罰の事です。」

「牢屋の中??豪邸の中じゃないのか??」

「処罰なのに豪邸に住める訳ないでしょう。あなたはお城の地下にある牢屋でこれからの一生を過ごすんです。」

「なんだと??」

すると騎士団長が騎士達に言いました。

「ではまずベルグを地下牢に連行する!!!」

ベルグは騎士達に取り囲まれると、そのまま地下牢に連行されていきました。

「止めてくれ!!!牢屋は嫌だ!!!」

ベルグは大声で喚きながら地下牢に連行されました。

するとイザベラが私に言ってきました。

「ねえローラ、まさか私まで地下牢に入れる気じゃないでしょうね。私達は同級生だったんだし、きれいな部屋を用意してよ!!ねっ??」

私はイザベラに言いました。

「公爵様達を手にかけたあなたには本来選ぶ権利なんてないんですよ。暗い牢屋の中で自分の犯した罪を一生をかけて償ってください。」

するとイザベラは下を向いてうずくまってしまった。

私はイザベラに問いかけました。

「イザベラ??何をしてるんです?早く立ってください。」

するとイザベラが何かを呟いているのに気がついた。

「今そのお力によりて、大地に縛られ・・・」

騎士団長が大声で言った。

「まずい飛行魔法で逃げる気だ!!!」

ですが私はイザベラに言いました。

「イザベラ!!無駄ですよ。」

イザベラは私の言う事を無視して詠唱を終えると飛行魔法のフライで逃げようとしました。

イザベラが大声で魔法を唱えます。

「フライ!!」

ですが飛行魔法のフライは発動しませんでした。

「な???なんで魔法が発動しないの!!!何をしたの。ローラ??」

「魔法石を使いました。魔法石でフライの魔法を無効化したんです。」

「魔法石で魔法を使ったっていうの?魔法を無効化する魔法なんて聞いた事もないわよ。」

「魔法石を使ったといってもそのままの意味です。魔法石の粉を使ったって事ですよ。」

「魔法石の粉ですって??」

「ええ色を失った魔法石を再度結晶化して細かく砕くんです。その粉を地面にこっそりまいておいたんです。」

「魔法石は魔導士が魔力を補充したり、魔法石内に閉じ込められた魔法を使ったりするもののはずよ!!魔力を使用し色を失った魔法石は何の価値もないはずでしょう?」

「確かにその通りです。ですが色を失った魔法石を高温で凝縮する事で魔法石には別の効果を持つのです。魔法の無効化という効果をね。」

「魔法石にそのような使い方ができるのですか?」

「くうー!!!ローラ!!!どれだけあたしをコケにしてくれるのよ!!!」

「悪いですけど、もっとコケにさせてもらいますよ。イザベラは逃亡を企てました。その分、刑を重くしないといけません。」

「ちょとまって!!ローラ!!死罪は嫌よ!!助けてよ。」

「でしたら分かってますよね。またあれをしてください。」

「くうううううう!!!!」

イザベラがまた手足と顔を地面につけて私に言いました。

「ローラ様、本当に申し訳ございませんでした。この愚かで無能なイザベラを許してくださいまち。」

「もういいでしょ??」

「あと一回やりなさい。」

「またやるの??」

「当然ですよ。あなたは逃亡を企てたんですから。」

イザベラが再び手足と顔を地面につけて大声で私に言ってくれました。

「ローラ様、本当に申し訳ございませんでした!!この愚かで無能なイザベラを許してくださいまち!!」


私がイザベラに言いました。

「ええ、分かりました。許します。」


四回も土に顔をつけたイザベラは顔も服も土まみれになっていました。


騎士団長が騎士達に言いました。


「ではイザベラを地下牢まで連行する。」

そしてイザベラはそのまま騎士達に連行されていきました。

するとセドリック様とヨーゼル様が話しかけてきました。

「いやーそれにしてもローラ様はご聡明です。」

「ああベルクの犯行に気が付いただけでなく、証拠を出させる方法さらにはイザベラが逃げようとする事まで読んでおられるとは。」

「ローラ様の聡明さにはただただ関心させられるばかりです。最初からあのお屋敷に公爵様の遺体を隠しているとお気づきだったのですか?」

「ええ何かを隠しているとは思っていました。私がアルーバの別邸にきた途端にベルクが顔を出すようになりましたからね。今までろくに顔も見せようとしなかったくせに。」

「さすがはローラ様ですね。大賢者にも劣らぬ素晴らしい知識と判断力です。」

「ええローラ様がいなければ今頃ベルグが何食わぬ顔で公爵となっていたはずです。そうならなかったのはすべてローラ様のおかげと言えるでしょう。」

「ヨーゼルそろそろいいのではないか?」

「そうですね、問題は解決しましたしね。いいタイミングかもしれません。」

「それはどういう事ですか?」

「ゼルハイム公爵家嫡男ヨーゼルゼルハイムでございます。是非とも我が妻となって頂けないでしょうか?」

「ローラ様、もしよろしければこのセドリック・エルテリアと婚約してもらえませんでしょうか??」

「へええ???」

私はどういう事か分からずお二人に尋ねました。

「セドリック様、ヨーゼル様どういう事ですか??」

「見ての通りでございます。私もヨーゼルもローラ様をとても愛おしいと思っているのです。」

「あなたほど可憐で聡明な方は他にいますまい。前々から愛おしいと思っておりました。」

「セドリック様、申し訳ありませんがこの勝負は譲れませんよ。」

「ああもちろんだ。だが私も譲る気は毛頭ない。必ずローラ様に振り向いて貰う。」

「ローラ様に前々から心惹かれていたのです。」

「ああベルグが血迷って婚約破棄してくれたおかげでこうして再びチャンスが巡ってきました。」

「その一点だけに関してはベルグに感謝しなければいけませんね。」

「えっとあの??」

どうしましょう、言葉が出てきません。

というかお二人とも私の事が大好きだったんですか?

言葉通りに好きでいてくれたんですね。

いつも私の事を大事にしてくれて、誰よりも私の事を思っていてくれたのですね。

友達だから仲良くしてくれてた訳ではなかったのですね。

セドリック様とヨーゼル様が私を愛おしいと思っていてくれた事がとても嬉しかったのです。

嬉しくて嬉しくて仕方がありませんでした。


ですが私はお二人に尋ねました。

「本当によろしいのですか?私は婚約破棄された身なのですよ。」

「そのような事まったく気に致しません。」

「もちろん私も気にしません。」

そしてセドリック王子様とヨーゼフ公爵様が手を差し出してきました。

私の顔はゆでたこのように真っ赤になっていたに違いありません。

お二人の真の気持に気づいた以上私も覚悟を決めました。

そしてセドリック王子様の手を取りました。

「セドリック様、私もセドリック様の事が大好きでございました。」

「ローラ様!!!とても嬉しくございます。」

「これからは二人で共に歩んでいきましょう。」

「はい、よろしくお願いします。セドリック様。」

ヨーゼフ様がとても残念そうな様子でセドリック様に言いました。

「無念です。セドリック様、私の分もローラ様を幸せにしてください。」

「勿論だ。必ずローラを幸せにする事を誓おう。」

するとセドリック様が私の唇に唇を近づけてきました。

私もそれに応えるように静かに目を瞑って待ちました。

そして私はセドリック王子様と熱い口づけを交わしました。

セドリック様が美しい青い瞳で私を見つめます。

そして優しく私に言ってくれました。

「ローラ、そなたがとても愛しい。」

「私もです。セドリック様。」
しおりを挟む
感想 4

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(4件)

段ボールベッドを嘲笑

5 / 9 「05」
>「はっはっはっ!!」
>するとどこからともなく声が響いてきたのだった。

これでは、誰が発声したか分かりにくいので、
「オーホッホッホ」という「高笑い」に変更したらどうでしょうか。

2025.01.04 しまうま弁当

ご感想ありがとうございます。確かにその方が分かりやすいですね。修正させてもらいました。

解除
蠣崎若狭守
2022.01.03 蠣崎若狭守
ネタバレ含む
解除
蠣崎若狭守
2022.01.03 蠣崎若狭守
ネタバレ含む
解除

あなたにおすすめの小説

出て行けと言われた私が、本当に出ていくなんて思ってもいなかったでしょう??

睡蓮
恋愛
グローとエミリアは婚約関係にあったものの、グローはエミリアに対して最初から冷遇的な態度をとり続けていた。ある日の事、グローは自身の機嫌を損ねたからか、エミリアに対していなくなっても困らないといった言葉を発する。…それをきっかけにしてエミリアはグローの前から失踪してしまうこととなるのだが、グローはその事をあまり気にしてはいなかった。しかし後に貴族会はエミリアの味方をすると表明、じわじわとグローの立場は苦しいものとなっていくこととなり…。

後悔などしていない

青葉めいこ
恋愛
誰も、わたくしのこの気持ちを理解できないだろう。 理解されなくてもいい。 この想い(愛)は、わたくしだけのものだ。 この話は、皇太子妃(後に皇后)、皇后、公爵令息、王女、皇帝による一人語りです。最初は皇太子妃だけの一人語りの一話完結にする予定でしたが、皇太子妃以外の一人語りも思いついて書いたので短編にしました。 小説家になろうとも投稿しています。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

ノーア帝国物語 愚か者の王太子が娼婦に夢中で王家断絶してしまいました

有栖多于佳
恋愛
古代ローマ時代に酷似したノーアの国では長く三英雄の一族による寡頭政治が行われていたが、王太子が戦勝パーティーで婚約者のユリアに婚約破棄を告げたことにより、その治世が崩れていく。その訳は王太子だけが知らなかったのだが。古代を舞台にしたざまあです。

婚約者が不倫しても平気です~公爵令嬢は案外冷静~

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢アンナの婚約者:スティーブンが不倫をして…でも、アンナは平気だった。そこに真実の愛がないことなんて、最初から分かっていたから。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

くだらない冤罪で投獄されたので呪うことにしました。

音爽(ネソウ)
恋愛
<良くある話ですが凄くバカで下品な話です。> 婚約者と友人に裏切られた、伯爵令嬢。 冤罪で投獄された恨みを晴らしましょう。 「ごめんなさい?私がかけた呪いはとけませんよ」

悪役令嬢の私、計画通り追放されました ~無能な婚約者と傾国の未来を捨てて、隣国で大商人になります~

希羽
恋愛
​「ええ、喜んで国を去りましょう。――全て、私の計算通りですわ」 ​才色兼備と謳われた公爵令嬢セラフィーナは、卒業パーティーの場で、婚約者である王子から婚約破棄を突きつけられる。聖女を虐げた「悪役令嬢」として、満座の中で断罪される彼女。 ​しかし、その顔に悲壮感はない。むしろ、彼女は内心でほくそ笑んでいた――『計画通り』と。 ​無能な婚約者と、沈みゆく国の未来をとうに見限っていた彼女にとって、自ら悪役の汚名を着て国を追われることこそが、完璧なシナリオだったのだ。 ​莫大な手切れ金を手に、自由都市で商人『セーラ』として第二の人生を歩み始めた彼女。その類まれなる才覚は、やがて大陸の経済を揺るがすほどの渦を巻き起こしていく。 ​一方、有能な彼女を失った祖国は坂道を転がるように没落。愚かな元婚約者たちが、彼女の真価に気づき後悔した時、物語は最高のカタルシスを迎える――。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。