婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!

しまうま弁当

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「メルティ!テメエとの婚約を破棄する!!!」

その一言を聞いた時はやはり驚かずにはいられませんでした。

私の名前はメルティ、レイヨード伯爵家の令嬢で今年17になります。

つい3カ月ほど前に婚約が決まって、私は1カ月前に慌ただしくこのユーゲルス公爵家にやって来ました。

婚約相手はユーゲルス公爵家の後継者であるベルタス様です。

今私はこのベルタス様から突然の婚約破棄を突き付けられたのです。

ベルタス様が私に言います。

「ここまでの怠け者とは思わなかったのだ!!」

「怠け者とは??」

普通でしたら妻としての仕事を期待されているのでしょうが、私には特別な役割を期待されてベルタス様との婚約が決まった事はもちろん理解しています。

「私は自分の役割はちゃんと理解しているつもりです。そちらの役目はきっちり果たしているつもりですが??」

「ふざけるんじゃねえ!!!あれでしっかり働いてるだあ??このベルタス様をなめるのもいい加減にしろ!!」

さすがにこれには腹が立ちました。

「そもそも私はあなたの婚約者として公爵家に来たのです!!!使用人として来ている訳ではありません!!!」

「ふざけるんじゃねえ!!!テメエなんざ使用人以下でいいんだよ!!!位の低い伯爵家の娘なんだからな!!!」

「言ってる事が無茶苦茶ですよ!!!それならベルタス様はどれだけ働いていらっしゃるんですか??公爵様も忙しく動き回られているのに、あなたも何にもしてないじゃないですか??」

「俺様の事はどうだっていいんだよ??」

「良くありません。私の働きぶりをとやかく言うのならばまずベルタス様がしっかり働くべきでしょう!!!」

「俺様の事はどうでもいいって言ってるだろうが!!!テメエら無能は価値のあるこのベルタス様に尽くすのが使命なんだよ!!!」

ベルタス様は冷徹な人だと思っていました、でも全然違いましたね。

はあもうこんな男に様をつけるのはやめます。

このベルタスという男はとてもわがままなんですね。

もう憤りを通り越してもはや呆れてきました。

もう怒るのをやめて彼の話を聞く事にしました。

「怠け者といわれましたが、それは魔導司書(まどうししょ)としての仕事ぶりについてですか?」

「他に何がある??テメエはそれだけの女だろうが!!」

私はかなり特殊な事情でこのユーゲルス公爵家に嫁ぐ予定なのです。

それは魔導司書(まどうししょ)としての役割を期待されての事でした。

魔導司書とは魔導書を専門に管理する仕事の事です。

「魔導司書として貴様が役立たずだからだろうが!!!」

この男の話を冷静に聞き流すつもりでしたが、また怒りがわいてきてしまいました。

「聞き捨てなりませんね。私の魔導司書としてのどこに問題があったというのです?」

「私見てました。この女が公爵家の魔導書を盗み取るのを!!」

すると後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきました。

「この女が私の魔導書を盗んでいる所を見たんです。」

私は声がした方を振り返ると知っている顔の少女が経っていました。

「ミーシャ??なぜあなたがここに??」

ミーシャは私と同い年で貴族学院時代の同級生でした。

ミーシャはマーレイヤ子爵家の令嬢で魔導士でもありました。

「ユーゲルス公爵様から直々にスカウトされたのよ。王宮の宮廷魔導士にならないかって話もあったんだけどベルタス様と添い遂げたいから公爵家お抱えの魔導士になったのよ!!」

私は大神バルシャ様に誓ってそんな恥ずかしい行いはしていません。

それだけははっきりと断言できました。

「私が魔導書を盗んだと言いましたが私は誓ってそんな事はしていません。」

「え~でも私あんたが盗んだのを見てるし。」

「だったら私はいつ魔導書を盗んだというのですか?」

「いつだったかな??忘れちゃった??」

「私がどの魔導書を盗んだというのです??」

「どれだったかな?忘れちゃった??」

「それなら公爵家の魔導書を管理している場所がありますよね。その場所の事を詳しく教えてください。私が公爵家の魔導書を盗む所を見たというのならその場所について知っていますよね。」

「どんな場所だったかな?忘れちゃった??」

「なんて女だ!!!公爵家から盗みを働くなんてな!!!」

「ミーシャは具体的な事は何も言ってませんよ??信憑性のカケラもないじゃないですか??」

「うるさい!!!てめえが魔導書を盗んでいた事は間違いないんだ。この盗人女め!!!」

「そうよ、とんでもない女ね!!!このゴミ女!!!」

この二人は!!!私が実際に魔導書を盗んだかどうかなんてどうでもいいんだ。

私になんでもいいから濡れ衣を着せて婚約破棄をする口実にする。

なんて人達なの。

「こんな与えた役割も果たさない!!!悪事まで働くゴミ女は婚約破棄されて当然よね!!!」

「その通りだ。お前のようなゴミ女は婚約破棄されて当然だな!!!」

もうこんな人達と関わりたくすらないです。

「分かりました。ここを出て行きます。」

「いいかお前が婚約破棄されたのはぐうたらで公爵家の魔導書を盗む悪人だからだぞ。」

「そうよ悪いのは全部あんたなんだからね。」

「ミーシャこれで魔導司書の席が空いた。このゴミ女に代わって魔導司書にしてやるぞ!!!ついでにこの俺様の正妻にしてやるぞ。」

「本当ですかありがとうございます。ベルタス様の正妻になれるのも魔導司書になれるのもとっても嬉しいです。」

「ミーシャが喜んでくれてとても嬉しいよ。一緒に幸せな日々を過ごそうな。」

「もちろんです。ベルダス様!!」

この二人は私にはばかる事もなくそんな会話をしていましたが、もうこの二人とは話すらしたくありませんでしたので何も言わずにそのまま屋敷の外に出ました。




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