婚約破棄をされて魔導図書館の運営からも外されたのに今さら私が協力すると思っているんですか?絶対に協力なんてしませんよ!

しまうま弁当

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ベルタスの視点

ベルタスとミーシャは廃墟となった自分の屋敷へと戻っていた。

「くそう、あのゴミ女め!!偉そうにしやがって!!」

「ねえ??やっぱりあのゴミ女が嘘を言ってるんじゃない?」

「なに?あのゴミ女の言っていた事は嘘なのか?」

「ええだって私は一流の魔導士なのよ。間違えるはずないわ。あのゴミ女は私達を騙そうとみえみえの嘘をついたのよ!!!」

「きっとそうだ。俺達に恥をかかせる為にあんなつまらない嘘をついたに違いない。ミーシャがやったように魔導書に魔力を注いで管理するのが正解なはずだ。」

「そうよ私は間違ってないの!!」

「なんてひどい女なんだ??それっぽい事を言ってたからあやうく騙される所だった。」

「あのダメ女は全く役に立たない。信用するのは絶対にダメよ。私だけを信じてベルタス様!!!」

「ああ分かってるよ!!」

そして遂に魔法図書館の開館日の日がやってきた。

ベルタスとミーシャは新しくできた魔導図書館の建物に向かっていた。

そこで大量の魔導書を受け取る予定になっていたからである。

今日の午後から魔導図書館の開館記念の式典が盛大に執り行われる予定になっており、ユーゲルス公爵をはじめとする来賓もたくさんここにやってきていた。

そしてユーグレス公爵の元にある苦情が入っていたのだった。

「なに??レイス殿とワイス殿そしてタークロン殿が欠席だと??」

「はい、お三方ともベルタス様に無礼を働かれたと大変怒っておられるようでして。」

「ベルタスの奴め、一体何をしておるのだ??」

「それでは仕方がない。残りの方々で式を進めるとしよう。」

そこにベルタス達がやってきたのだった。

「ベルタス!!お前何かやましい事をしているのではないだろうな??」

「何にもしてねえよ。」

だがベルタスの横の少女の姿を見つけるとユーグレス公爵の言葉使いは急に柔らかくなるのだった。

「おお!!メルティ様よくぞいらっしゃいました。今日はよろしくお願い致します。」

「どうかしましたか??帽子でお顔が拝見できませんが??」

「大丈夫ですので。お気になさらずに。おっほっほっ。」

「そうですか。」

「親父、メルティは魔力を研ぎ澄ませるために帽子をかぶっているんだ。」

「おおそうかでは私が邪魔をするわけにはいかないな。ではメルティ様、よろしくお頼み申します。」

そこに使者がやってきた。

「ユーグレス公爵様、魔導士様達が参りまして、魔導書を納めたいとの事ですが。」

「おおそうか、では図書館の裏口に回るように伝えてくれ。メルティ様が今向かわれておられるはずだ。」

「承知いたしました。」

するとユーグレス公爵の後ろから声が聞こえてきた。

「ユーグレス公爵様、この度はおめでとうございます。」

公爵が振り返るとそこには煌びやかな服装の女性が一人立っていました。

その人物はマーレイヤ子爵夫人のクリスであり、ミーシャの母親でした。

「おおマーレイヤ子爵夫人のクリス様、わざわざご足労頂き感謝にたえません。魔導図書館をユーグレス公爵家で設立する。ようやくその悲願が叶います。」

「ええ魔導書というのはとても管理が難しいものですからねえ。この国で魔導司書として務まるのはレイヨード伯爵殿とご息女メルティ様ぐらいでございましょう。」

「ええ魔導士ですら魔導書の管理となれば赤子同然です。その管理には本当に手を焼きます。」

「レイヨード伯爵様のお話によればメルティ様は魔導書管理に必須なコモンの魔法が使える上に魔導書の原理や管理方法にも精通されているとの事。これほど魔導書管理に長けた逸材はいませんでしょうね。」

「ええ、無理を言って我が公爵家に嫁いで頂いたメルティ様には本当に感謝しておりますよ。」

一方その頃ベルタスは魔導図書館の搬入口にいた。

「親父にバレずに済んだな。」

「ええそうね。」

そう言うとベルタスの横にいた少女は大きな帽子を脱いだ。

そこにはミーシャの姿があった。

「帽子を深く被って顔を見えないようにすればバレないでしょ。」

「ああとてもいい手だったな。」

「今日さえ乗り切ればこの俺様が公爵になれるわけだ。」

「だからミーシャ今日は頼んだぞ!!」

「もちろんよ!!全魔力を魔導書に注ぎ込むから。」

そしてミーシャは全ての魔力を魔導書に注ぎ込んでいったのだった。

すると搬入口に積まれていた何万冊という魔導書が突然宙に浮きだして本の中に封じられていた魔法が発動した。

そしてそのまま大爆発が起こった。

ドゴーン!!!!

「一体何事だ??」

ユーグレス公爵や子爵夫人のクリス達がはすぐにベルタスの元に駆けつけてきた。

「ベルタス!!!何をやらかした!!!」

「ミーシャ??なんであなたがここにいるの???」

「ごめん親父、実は!!!」

「なんだと???この大馬鹿者が!!!!」

メルティの視点

魔導図書館の開館式で大爆発事故を起こしたベルタスとミーシャはこれまで隠し続けていた嘘が全て露見して二人の親から大目玉を食らったそうです。

すぐに私の屋敷に謝りにきてくれました。

「メルティ様!!!この度は本当にこの愚息が大変な無礼を致しました!!!」

「この愚か者が!!!メルティ様に謝らんか!!!」

「メルティ、悪かったな!!!」

「それが迷惑をかけた人間がいう言葉か!!!」

ユーグレス公爵様はそういうとベルタスの頭をつよく殴りつけました。

「いてーな親父!!分かったよ!!ちゃんと謝るよ。」

「メルティ様本当に申し訳ございませんでした。」

ユーグレス公爵様が再びベルタスの頭を殴りつけます。

「もっと頭を下げんか!!!」

「分かったよ、ちゃんとやるよ。」

ベルタスが床に頭と手足をつけて私に言ってくれました。

「メルティ様、本当に申し訳ございませんでした。」

私はユーグレス公爵様に尋ねました。

「公爵様、ベルタスはどうなるのですか??」

「当然この愚か者にはユーグレス公爵家は継がせません。マルテウス大聖堂に勉学に行っているタルシスを呼び戻して後継者にと考えております。」

「おいそれじゃあ俺様はどうなるんだ!!」

「マルテウス教会に預けるつもりだ。」

「はあ??俺様に修道士になれってか??」

「その腐りきった根性を洗い流してこい!!!お前が改心するまで公爵家に戻る事は許さんからな!!」

次にミーシャ達が謝りに来てくれました。

「メルティ様、この度は申し訳ございませんでした。」

「ミーシャあなたも謝りなさい!!」

「嫌よ、誰がこんな女に!!!」

ミーシャがそう言うと子爵夫人クリス様がミーシャの耳元を大きく引っ張ったのでした。

「お母さま!!!痛い!!ちゃんと謝るから耳を引っ張らないで!!」

「メルティ、悪かったわね。」

「だからそれで謝ってるつもりなの??」

再びクリス様がミーシャの耳元を強く引っ張りました。

「お母さま!!痛い!!痛い!!ちゃんと謝るから!!!」

「メルティ様申し訳ありませんでした。」

「もっと頭を下げて謝りなさい!!!」

ミーシャは子爵夫人に頭を地面に押さえつけられながら謝らせられました。

「さあもう一度謝りなさい。」

ミーシャは半べそをかきながら私に謝ってくれました。

「メルティ様、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした!!」

私はクリス様に尋ねました。

「ミーシャはどうなるんですか??」

「この子はマルテウス教会のバリシス修道院にいれようと考えています。」

「お母さま??私を監獄みたいなバリシス修道院に入れるつもりなの!!!」

「そうよいつもあなたは嘘ばかりついてみなさんを困らせているでしょう。ちゃんと人としての正しさと優しさをバリシス修道院で取り戻してきなさい。あなたが改心するまでバリシス修道院から出すつもりはないからそのつもりでね。」

「そんなー!!!」

そしてミーシャは子爵夫人クリス様に引きずられて屋敷を後にしました。

「一件落着なんでしょうか?」

「ふむ私としては色々と口惜しい所もあるがな。」

「そうだディルス君達が外で待っているぞ??」

えっ??ディルス様とクリストファー様が外に来てるんだ。

私はすぐに屋敷の外に出ました。

するとそこには正装で身を固めたディルス様とクリストファー様がここにいました。

「どうされたんですか?ディルス様??クリストファー様??」

「メルティ様、今日は大事なお話しがあって参りました。」

「大事なお話ですか??」

「メルティ様!!!このディルス・ラクドエルと結婚して頂けないでしょうか??」

「メルティ様!!!このクリストファー・アズバードと婚約して頂けないでしょうか??」

へえええ??ディルス様やクリストファー様から同時に求婚されてしまいました。

「あのう??私は婚約破棄された女なのですよ。」

「全く構いません!!メルティ様はメルティ様です。そこは何ら変わりありません。」

「その通りです。メルティ様が魅力的な女性である事に違いありません。」

「ディルス様、一つお伺いして宜しいですか?」

「はいなんでしょうか??」

「いつから私の事を好きでいてくれたのですか?」

「お会いしてからずっとメルティ様の事を想いつづけておりました。」

それを聞いて私は本当に嬉しくなりました。

だってずっと想い続けていたディルス様が私の事を想い続けていてくれたなんて。

私は覚悟を決めてディルス様の求婚を受ける事にしました。

「クリストファー様、申し訳ありません。私はディルス様の求婚をお受けいたします。」

「そうですか、無念です。」

「メルティ様、大変うれしく思います。これからともに二人で共に歩んでまいりましょう。」

「ええよろしくお願い致します。ディルス様。」

そしてディルス様の唇がゆっくりと近づいてきました。

私はゆっくりと目をつぶりました。

少しして暖かな唇が私の唇と合わさりました。

私はディルス様と深い口づけをかわしました。

「愛しているメルティ。」

「私もです。ディルス様。」

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