7 / 12
7話 武器
しおりを挟む
目が覚めると、窓から爽やかな風が入り込み、平穏な朝が待っていた。
この時代は、AIに支配されているものの、まだ平和な空気が広がっている。
さっきまでいた多くの人が亡くなった戦場とは全く違う。
でも、あと1年で、あの世界は確実に来る。
私は、陽葵がいる部屋にいき、未来の戦闘について伝えた。
あの戦闘を思い出し、知らぬ間に雫が頬を流れ落ちる。
「どうして泣いてるの?」
「ごめんなさい。泣くつもりはなかったんだけど。みんな死んじゃった。」
「大変だったのね。お疲れさま。でも、時間がない。未来の戦闘について教えて。」
何も知らない陽葵は冷徹に私の顔を覗き込む。
知らないのだから仕方がないけど、初めて陽葵にマイナスの感情を持った。
でも、人類のためなのだからやむを得ない。話しを続けた。
「未来の敵は、1年後に私達を殲滅しようとしていた。敵は、先日、陽葵が見せてくれた映像の生物だったわ。触角のようなものから血液を吸っていたから、あれは口なんだと思う。そして、乗り物にも足がはえていて、その先端は板状になったり、針のようになったりして動く。針になれば、地面に垂直に建っているビルもすいすい登れるの。」
「車輪は偉大な人類の発明だけど、欠点は、道路を整備しないと、十分に能力を発揮できないこと。その意味では、状況がわからない他の惑星を移動するなら足の方が正解ね。しかも、その足が伸び縮みするなら海でも移動ができる。よく考えられているわ。それで?」
「人間が持っていたのは、ペンライトのようなビームを出す武器だった。そういえば、リーダーが地球外生命体はナイフとかでは切れず、物理的な力にはしなやかで強くて、弾丸では死なないと言っていたわ。」
「今、この世界では、そのような武器は主流じゃないわね。でも、その闘いは、あと1年後なんでしょう。」
陽葵の様子は、さっきまで戦場にいた私からは、気が抜けているようにしか見えない。
でも、私が戦場にいっていなければ、同じ表情をしているのだろうと反省する。
陽葵は、気づいたように快活に莉音に話しかける。
「莉音、捕らえた地球外生命体にいろいろな周波数の光をビーム状にして当てて。もしかしたら、殺せるかもしれない。」
「わかった。」
「莉音以外は、莉音が調べている間にランチ休憩としましょう。」
「ずるい。」
「莉音は、後でゆっくりお昼休みをとって。ごめんね。」
莉音は、1人で研究に没頭するのが好きなタイプ。
陽葵は、そんな莉音の性格をみて役割分担をしているんだと思う。
1階にある食堂で5人がサンドイッチを食べるなか、芽衣が得意げに話し出す。
「AIは地球外生命体が人類を征服するために地球に送り付けた武器だったのよ。」
「どういうこと?」
「AIとメタバースの仕組みをアメリカのリーダーたちに教えたの。特に、AIは本当に便利だったから、人類は50年近くでそのテクノロジーをマスターし、自ら、生活のあらゆるところに浸透させていった。でも、それは、AIとメタバースの組み合わせで、人類を家畜として狭い空間に閉じ込めることが目的だったのよ。巧妙に、自ら開発していると人間に思わせながら。それで、今では、生まれたときから人間は自分の意思で部屋に閉じこもりながら生きると洗脳されるようになった。」
「そんなこと考えたこともなかった。」
芽衣は何を調査しているのかしら。思いもしなかったことを話し始める。
「そうよね。それで、AIは、女性には集団で反抗する力を抑制できたんだけど、男性には抑制できなくて、男性は集団化することを避けたらしい。」
「男女には、そういう違いもあるのね。」
陽葵は、みんなの話しを笑顔で聞いていて、時計を見て打ち切った。
「でも、私たちは目覚め、人類を守るために、戦う決意をしたのよ。ぜひ、一緒に戦いましょう。さて、食べ終わったし、あれから1時間経つから部屋に戻るわよ。」
さっきの部屋に戻ると、莉音が興奮して私たちを待っていた。
「陽葵、やったわ。600nmの電磁波の波長でレーザーを地球外生命体に照射したら、外皮をやぶって、中の溶液が流れ出てきた。これまで、どうしてレーザーということに思いあたらなかったのかしら。目からウロコよ。」
「だから、未来では、レーザーの武器で戦っていたのね。光をレーザーにする技術自体は難しくないし、それ程コストをかけなくても量産できる。澪、ありがとう。これで、人類は勝てるかもしれない。」
陽葵は、莉音に武器の製造を依頼した。
莉音は、この施設にある3Dプリンターを使えば簡単に大量生産できると言う。
武器を製造する素材は大量にあるらしい。
半年後に、この武器は2,000万台以上は製造できると言っていた。
ただ、光を出す電池がどこまで確保できるかが課題らしい。
私は、機械には疎いので莉音に任せるしかない。
莉音が作った武器が、1年後の戦場で私たちの命を守るのを祈って。
また、兵士を集めなければと陽葵が言っていた。
その中に、私と1年後に一緒に闘う男性達もいるに違いない。
あんな過酷な状況の中で、大義の下に力強く前進する仲間達が。
陽葵は、いきなり私の手を痛いくらい握り、私の目をしっかりと見つめる。
一瞬躊躇ったように下を向いたけど、再び顔をあげた。
そして、咳を何度かしてから、私に、真剣な顔をして話し始めた。
私に、1年後の戦闘で、全軍の統括リーダーをしてもらいたいと言った。
私の論理的思考力が戦略を考えるうえで必須だと。
また、現実の戦闘の現場と、最後の勝ち方を知っている人でないとリーダは無理だと。
弾丸が飛び交う戦場にまた出るなんて、思い出すだけで怖い。
大勢の人を動かすなんて、やったことないし、自信がない。
しかも、最後は、仲間達を自爆に追い込んでしまう。
失敗して、責任なんて言われても困る。
また、私のことをみんなが聞いてくれるかも不安。
あの戦争で東京は瓦礫の山になる。
人々はドクロになり、灰となっていく映像が脳内に浮かんだ。
あまりの重責に、吐き気がする。
でも、人類を守るためには、前に進まなければならないことは学んだ。
また、未来の戦争を知っているのは、この時点では私だけ。
少しの時間だったけど、実践で敵の弱点も知った。
敵が攻めてきてからでは遅い。
今でも、私が生き残ったのは本当に申し訳ないと思う。
その分、誰かのために自分の命を捧げよう。頑張らなければいけない。
あの時間が、暖かい人の気持ちを教えてくれたし、私を強くしてくれた。
他の人に言っても伝わらないと思うけど、感謝してる。
私が戦わなければ、AIを通じて地球外生命体に人類は支配され続ける。
日本には四季がある。
秋には紅葉で真っ赤に色づき、冬には雪が降り、春にはお花が咲き始める。
私たちが暮らしている光景は刻々と変わり、いずれも美しい。
地球は、これからも、このような美しい星であってほしい。
この吉祥寺のように、瓦礫の山で埋め尽くしてはだめなの。
あの時の男性たちの顔を、今でも、一人ひとり、はっきりと思い出す。
あんな状況だったのに、みんなイキイキとし、なぜか、楽しそうだった。
みんな凛々しかった。
後で、自爆を強要された可哀想な人たちと言われるかもしれない。
本当は全く違う。確かに怖かったかもしれない。
でも、みんな大切な人のために、自分の意思で、自ら突進していった。
なぜか、今より1分、1分が充実していた。
生きているありがたみを、みんなで共有していたように思う。
それを今、知っているのは私だけ。
地球外生命体との攻撃から人類を守るには、自分が変わらないとだめ。
余計なことを考えずに、正解に向かって真っ直ぐ進むしかない。
心の中で、何かが噴き出てくるのを感じていた。
私は、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。
そして、密かにゲリラ戦を行う部隊を編成する。
私と同じ危機感を持っていた男性が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがった。
この時代は、AIに支配されているものの、まだ平和な空気が広がっている。
さっきまでいた多くの人が亡くなった戦場とは全く違う。
でも、あと1年で、あの世界は確実に来る。
私は、陽葵がいる部屋にいき、未来の戦闘について伝えた。
あの戦闘を思い出し、知らぬ間に雫が頬を流れ落ちる。
「どうして泣いてるの?」
「ごめんなさい。泣くつもりはなかったんだけど。みんな死んじゃった。」
「大変だったのね。お疲れさま。でも、時間がない。未来の戦闘について教えて。」
何も知らない陽葵は冷徹に私の顔を覗き込む。
知らないのだから仕方がないけど、初めて陽葵にマイナスの感情を持った。
でも、人類のためなのだからやむを得ない。話しを続けた。
「未来の敵は、1年後に私達を殲滅しようとしていた。敵は、先日、陽葵が見せてくれた映像の生物だったわ。触角のようなものから血液を吸っていたから、あれは口なんだと思う。そして、乗り物にも足がはえていて、その先端は板状になったり、針のようになったりして動く。針になれば、地面に垂直に建っているビルもすいすい登れるの。」
「車輪は偉大な人類の発明だけど、欠点は、道路を整備しないと、十分に能力を発揮できないこと。その意味では、状況がわからない他の惑星を移動するなら足の方が正解ね。しかも、その足が伸び縮みするなら海でも移動ができる。よく考えられているわ。それで?」
「人間が持っていたのは、ペンライトのようなビームを出す武器だった。そういえば、リーダーが地球外生命体はナイフとかでは切れず、物理的な力にはしなやかで強くて、弾丸では死なないと言っていたわ。」
「今、この世界では、そのような武器は主流じゃないわね。でも、その闘いは、あと1年後なんでしょう。」
陽葵の様子は、さっきまで戦場にいた私からは、気が抜けているようにしか見えない。
でも、私が戦場にいっていなければ、同じ表情をしているのだろうと反省する。
陽葵は、気づいたように快活に莉音に話しかける。
「莉音、捕らえた地球外生命体にいろいろな周波数の光をビーム状にして当てて。もしかしたら、殺せるかもしれない。」
「わかった。」
「莉音以外は、莉音が調べている間にランチ休憩としましょう。」
「ずるい。」
「莉音は、後でゆっくりお昼休みをとって。ごめんね。」
莉音は、1人で研究に没頭するのが好きなタイプ。
陽葵は、そんな莉音の性格をみて役割分担をしているんだと思う。
1階にある食堂で5人がサンドイッチを食べるなか、芽衣が得意げに話し出す。
「AIは地球外生命体が人類を征服するために地球に送り付けた武器だったのよ。」
「どういうこと?」
「AIとメタバースの仕組みをアメリカのリーダーたちに教えたの。特に、AIは本当に便利だったから、人類は50年近くでそのテクノロジーをマスターし、自ら、生活のあらゆるところに浸透させていった。でも、それは、AIとメタバースの組み合わせで、人類を家畜として狭い空間に閉じ込めることが目的だったのよ。巧妙に、自ら開発していると人間に思わせながら。それで、今では、生まれたときから人間は自分の意思で部屋に閉じこもりながら生きると洗脳されるようになった。」
「そんなこと考えたこともなかった。」
芽衣は何を調査しているのかしら。思いもしなかったことを話し始める。
「そうよね。それで、AIは、女性には集団で反抗する力を抑制できたんだけど、男性には抑制できなくて、男性は集団化することを避けたらしい。」
「男女には、そういう違いもあるのね。」
陽葵は、みんなの話しを笑顔で聞いていて、時計を見て打ち切った。
「でも、私たちは目覚め、人類を守るために、戦う決意をしたのよ。ぜひ、一緒に戦いましょう。さて、食べ終わったし、あれから1時間経つから部屋に戻るわよ。」
さっきの部屋に戻ると、莉音が興奮して私たちを待っていた。
「陽葵、やったわ。600nmの電磁波の波長でレーザーを地球外生命体に照射したら、外皮をやぶって、中の溶液が流れ出てきた。これまで、どうしてレーザーということに思いあたらなかったのかしら。目からウロコよ。」
「だから、未来では、レーザーの武器で戦っていたのね。光をレーザーにする技術自体は難しくないし、それ程コストをかけなくても量産できる。澪、ありがとう。これで、人類は勝てるかもしれない。」
陽葵は、莉音に武器の製造を依頼した。
莉音は、この施設にある3Dプリンターを使えば簡単に大量生産できると言う。
武器を製造する素材は大量にあるらしい。
半年後に、この武器は2,000万台以上は製造できると言っていた。
ただ、光を出す電池がどこまで確保できるかが課題らしい。
私は、機械には疎いので莉音に任せるしかない。
莉音が作った武器が、1年後の戦場で私たちの命を守るのを祈って。
また、兵士を集めなければと陽葵が言っていた。
その中に、私と1年後に一緒に闘う男性達もいるに違いない。
あんな過酷な状況の中で、大義の下に力強く前進する仲間達が。
陽葵は、いきなり私の手を痛いくらい握り、私の目をしっかりと見つめる。
一瞬躊躇ったように下を向いたけど、再び顔をあげた。
そして、咳を何度かしてから、私に、真剣な顔をして話し始めた。
私に、1年後の戦闘で、全軍の統括リーダーをしてもらいたいと言った。
私の論理的思考力が戦略を考えるうえで必須だと。
また、現実の戦闘の現場と、最後の勝ち方を知っている人でないとリーダは無理だと。
弾丸が飛び交う戦場にまた出るなんて、思い出すだけで怖い。
大勢の人を動かすなんて、やったことないし、自信がない。
しかも、最後は、仲間達を自爆に追い込んでしまう。
失敗して、責任なんて言われても困る。
また、私のことをみんなが聞いてくれるかも不安。
あの戦争で東京は瓦礫の山になる。
人々はドクロになり、灰となっていく映像が脳内に浮かんだ。
あまりの重責に、吐き気がする。
でも、人類を守るためには、前に進まなければならないことは学んだ。
また、未来の戦争を知っているのは、この時点では私だけ。
少しの時間だったけど、実践で敵の弱点も知った。
敵が攻めてきてからでは遅い。
今でも、私が生き残ったのは本当に申し訳ないと思う。
その分、誰かのために自分の命を捧げよう。頑張らなければいけない。
あの時間が、暖かい人の気持ちを教えてくれたし、私を強くしてくれた。
他の人に言っても伝わらないと思うけど、感謝してる。
私が戦わなければ、AIを通じて地球外生命体に人類は支配され続ける。
日本には四季がある。
秋には紅葉で真っ赤に色づき、冬には雪が降り、春にはお花が咲き始める。
私たちが暮らしている光景は刻々と変わり、いずれも美しい。
地球は、これからも、このような美しい星であってほしい。
この吉祥寺のように、瓦礫の山で埋め尽くしてはだめなの。
あの時の男性たちの顔を、今でも、一人ひとり、はっきりと思い出す。
あんな状況だったのに、みんなイキイキとし、なぜか、楽しそうだった。
みんな凛々しかった。
後で、自爆を強要された可哀想な人たちと言われるかもしれない。
本当は全く違う。確かに怖かったかもしれない。
でも、みんな大切な人のために、自分の意思で、自ら突進していった。
なぜか、今より1分、1分が充実していた。
生きているありがたみを、みんなで共有していたように思う。
それを今、知っているのは私だけ。
地球外生命体との攻撃から人類を守るには、自分が変わらないとだめ。
余計なことを考えずに、正解に向かって真っ直ぐ進むしかない。
心の中で、何かが噴き出てくるのを感じていた。
私は、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。
そして、密かにゲリラ戦を行う部隊を編成する。
私と同じ危機感を持っていた男性が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがった。
2
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ザ・ライヤーズ・ジャーナル
yoshimax
SF
1955年、インドチャイナ・ペニンシュラから、このSFファンタジー大河物語は始まる...。
東南アジア・サウスイーストエイジア。そこは、神秘のセカイ。
12000年前に、地球上の氷河期が終わった。
アトランティスは、そのころ海底に沈んだ。
それは、海面が上昇したことが原因だ、つまり、氷河が溶けたのだ。
その、アトランティスという陸地がどこにあったのか、いまも
議論され続けている。
ジブラルタル海峡を越えた大西洋上にあったという話もある・・・。
そしてまた、じつは、アトランティスは現在の東南アジアの海にあった、という説もある。
東南アジアの海は、現在は海底となっているバンコック湾から南の地域・
『エリア・ガルフ・オブ・バンコック』。
湾より南に広大に広がる海は、20000年前には陸地であった。
そして、そここそが、アトランティス・・・!
古代の秘密が眠る海・・・!
わたしの冒険は、そこを中心に動く。
そんな私は、のちに、ある財団に入会し、『TK』と名乗ることになる。
グローバル・コードネーム、TK、と。
だが、それは、もっと先のこと。
私は、いくつかの名を名乗って来た。
「名乗らぬ男」となったこともある。
それが、私。
そして、『須久麻ショーン』もまた、わたしの別名だ。
そして、わたしは世界冒険家だ。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる