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七 精霊王、人間界に旅に出る②
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力を分けたら子供になってしまったテオドラ。
「……まぁ、いいか」
身体は小さくなったが、喋れるし動ける。
力も本来の三割程しか使えないが全く問題無い。
「旅とは自分の足で歩く事が大事だからな」
大人の方が歩く速度は速いだろう。
だが、時間などあって無い様な精霊にとって速さなど何の問題でも無い。いつまでも、それこそ何百年単位で旅を続けられるのだ。
「後は頼むぞ」
頷く分身に全てを任せ、テオドラは世界樹へ向かう。
「確かリオの話では、旅の初めは全ての者が初心者装備というものを身に付けるのだったな」
父親がやって居たドラゴンをクエストするゲームの話を理央はテオドラにしていた。その初期装備も聞いて居たのだが…。
「確か…『陽の気の棒』だったか?陽光の力を蓄えた棒とは、どの様な物だろう?」
この様に勘違いをしていた。
「やはり、その様な物は分からないな。よし、代わりに似た様なものを作って代用しよう」
そう言ってテオドラは、収納魔法をいつかは忘れたが拾っていたオリハルコンを持ち易い棒に錬成する。そこに、火と光の魔法を込める。
カッと輝き光が収まったそこには、燃える炎の中に金の光の煌めきを閉じ込めた美しい棒があった。
「うむ…、少し派手だな」
魔法で唯の茶色い棒に見える様にして、満足気にそれを見つめる。
「うむ、完璧だ!確か、装備には名前を付けるのだったか?………お前の事は、そのままヒノキノボウと呼ぼう」
ヒノキノボウを蔦で腰に巻き付け、ご機嫌で歩くテオドラ。そうして暫く歩き、ようやく世界樹の元に辿り着く。
「あぁ、こんなに心躍るのはリオと出会って以来か。凄く楽しみだ!」
身体が小さくなったからか、肉体につられて心も幼くなった様に感じる。
もうそれだけで、また楽しい気持ちになる。
『テオドラ様!次の私はテオドラ様の事を覚えて居ないかも知れないけど、気が向いたら人間界に会いに来てください!もしかしたら、あまりにも綺麗なテオドラ様を見て思い出すかも!』
「リオはもう転生しただろうか…」
旅を続けていれば、いつかまた会えるかもしれない。また一つ、旅の楽しみが増えた。
「楽しみだな」
そう微笑みながら、何千年振りに精霊王は人間界へと旅立つのだった。
「……まぁ、いいか」
身体は小さくなったが、喋れるし動ける。
力も本来の三割程しか使えないが全く問題無い。
「旅とは自分の足で歩く事が大事だからな」
大人の方が歩く速度は速いだろう。
だが、時間などあって無い様な精霊にとって速さなど何の問題でも無い。いつまでも、それこそ何百年単位で旅を続けられるのだ。
「後は頼むぞ」
頷く分身に全てを任せ、テオドラは世界樹へ向かう。
「確かリオの話では、旅の初めは全ての者が初心者装備というものを身に付けるのだったな」
父親がやって居たドラゴンをクエストするゲームの話を理央はテオドラにしていた。その初期装備も聞いて居たのだが…。
「確か…『陽の気の棒』だったか?陽光の力を蓄えた棒とは、どの様な物だろう?」
この様に勘違いをしていた。
「やはり、その様な物は分からないな。よし、代わりに似た様なものを作って代用しよう」
そう言ってテオドラは、収納魔法をいつかは忘れたが拾っていたオリハルコンを持ち易い棒に錬成する。そこに、火と光の魔法を込める。
カッと輝き光が収まったそこには、燃える炎の中に金の光の煌めきを閉じ込めた美しい棒があった。
「うむ…、少し派手だな」
魔法で唯の茶色い棒に見える様にして、満足気にそれを見つめる。
「うむ、完璧だ!確か、装備には名前を付けるのだったか?………お前の事は、そのままヒノキノボウと呼ぼう」
ヒノキノボウを蔦で腰に巻き付け、ご機嫌で歩くテオドラ。そうして暫く歩き、ようやく世界樹の元に辿り着く。
「あぁ、こんなに心躍るのはリオと出会って以来か。凄く楽しみだ!」
身体が小さくなったからか、肉体につられて心も幼くなった様に感じる。
もうそれだけで、また楽しい気持ちになる。
『テオドラ様!次の私はテオドラ様の事を覚えて居ないかも知れないけど、気が向いたら人間界に会いに来てください!もしかしたら、あまりにも綺麗なテオドラ様を見て思い出すかも!』
「リオはもう転生しただろうか…」
旅を続けていれば、いつかまた会えるかもしれない。また一つ、旅の楽しみが増えた。
「楽しみだな」
そう微笑みながら、何千年振りに精霊王は人間界へと旅立つのだった。
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