精霊王旅に出る〜至高なる絶対者は転生者?〜

ハルン

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15 精霊王、初めての街へ①

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空が赤くなり始めた頃。
ようやく森を抜けたテオドラ達は、人の手の入った道を歩いていた。

「テオドラ、街が見えて来たぞ」

その言葉に前を向くと、遠くに大きな城壁が見えた。

「あそこが俺達が今滞在してる街だ」
「セトスって街で、料理が美味しい事で有名な街なのよ」

ミアの言葉に、テオドラは身を乗り出す様にセトスの街を見る。街に近づくと、大きな門の前に人の行列が出来ている。

「ソニア」
「えぇ。テオドラ様、宿に着くまでこちらをお召しになって下さい」

その列に加わる前に、ソニアに茶色いフードの付いたマントを着せられる。

「宿に着くまではなるべく顔を隠しててくれ」

その言葉に頷きフードを被る。
それを確認したアランは列の最後尾に並ぶ。

十分ほど経って、ようやくアラン達の番が来た。
槍を持ったまだ若い門兵がアラン達に笑顔で声を掛ける。

「あっ!銀狼の皆さん、お疲れ様です!」
「あぁ」

門兵は、アランの腕の中のテオドラを見て不思議そうにする。

「あれ?その子は?それに、ルークさんはどうしたんですか?」
「この子は森で訳あって俺達が保護した。ルークは戦闘で疲れて寝てるだけだ」
「そうなんですね。この子は孤児院に?」

アランは首を横に振る。

「いや、俺が面倒を見る」
「私もです」

アランの言葉に、すかさずソニアも答える。

「わかりました。兎に角、今は仮の身分証を発行します。五日以内に正式な身分証を取得して下さい」
「わかった」

そうして書類を貰い、テオドラ達は街の中へ通される。セトスの街は大変賑やかだった。暗くなり始めても人通りは多く、出店などが多くでていた。屋台なども多く出ており、辺りに美味しそうな匂いが漂っている。

「俺達は黒猫亭という宿に止まって居るんだ。そこの主人の料理はかなり美味い」
「本当に?」
「あぁ。着いたら直ぐに食事にしよう」

黒猫亭は直ぐ近くにあった。
他と比べるとおしゃれな雰囲気の宿で、中から明るい光が漏れている。

「おや、お帰りなさい」

中に入ると、ふくよかな女性が笑顔で出迎える。

「あら?その子は?」
「俺達が保護した子だ。マルタ、済まないがこの子も泊まる」
「お部屋はどうします?」
「俺と一緒の部屋にーー」
「ちょっと待って下さい!」

その時、ソニアが声を上げるアランの言葉を遮った。
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