【完結】姉を追い出して当主になった悪女ですが、何か?

堀多 ボルダ

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第二章 悪女と夜会

3-02

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「それでは話を戻して、一敗はなんですか?」
ランダルが話を仕切り直す。
「クライドにエスコートをしてもらったせいでご令嬢たちにさらに嫌われたことよ。お茶会参加がさらに遠のいたわ」
ダリアは眉をひそめた。

「婿に来てほしい男性ナンバーワンが稀代の悪女のエスコートをしたものだから、ご令嬢たちの反感を買ったようなのよ。クライドと一緒にいるときはそこまでではないのだけど、少し離れたら聞こえるように言ってくるのよね。あの女が無理やり頼んだに決まっている、クライド様がおかわいそうとか」

これにはクライドも予想外だったそうで、婿に来てほしい男性ナンバーワンという呼称は、令嬢の親や身内がそう思っているだけで、肝心の令嬢たちからの人気はそれほどではないと思っていたそうだ。

「騎士団に令嬢たちが見学に来ることがあるけど、俺はほとんど関わらないし、他の団員のほうが令嬢に囲まれているんだけどなあ」
と首を傾げていた。

 帰りの馬車に乗り込みドアを閉める直前、クライドから
「俺のせいで嫌な思いをさせて本当にごめん」
ともう一度謝られた。
辛そうに眉根を寄せるクライドに、ダリアは慌てた。
「クライドは悪くないわ! 一人で参加していたらきっと耐えられなくて社交もできないまますぐに帰っていたと思うもの。クライドがいてくれて心強かったの。今日は本当にありがとう」
クライドは黙って薄く笑った。

 昨夜のことを思い出してダリアはため息を付いた。
「お茶会も陰口も、今の私じゃしょうがないと受け止めるけど、クライドは……。やっぱり甘えるべきじゃなかった」

 この国のお茶会は、女性が中心の社交の場だ。話題は噂や流行などが多く、参加の目的は情報収集が主になる。
仕事に直接関係がない話題が多いので、お茶会に参加するのは、以前はダリアの仕事だった。
当主代理として参加をし親交を深め、最新の流行りや、新聞には載らないような噂や情報を仕入れる。それなりにうまく立ち回っていたと思うが、例の事件でそれも終わった。今のお茶会では、きっとダリアの噂でもちきりだろう。

お茶会の招待状が全く来なくなるのは予想していたし、仮に招待状が来たとしても断るつもりなので問題はないのだが、次のお茶会では、自分の噂や悪口だけでなくクライドまで悪く言われるのだろうかと考えると心が沈んだ。
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