【完】貧乏令嬢ですが何故か公爵閣下に見初められました!

咲貴

文字の大きさ
2 / 5

第二話

しおりを挟む

 女の子はお医者様に診てもらい、薬を飲ませたら熱が下がったので一安心。

 お父様が言伝を頼んだ人から、診療所に行った事を聞いたご両親が駆けつけた時には、薬が効いて穏やかな寝息を立てていたので、安心された様子でした。
 ご両親のアランさんとティナさんは商いをしていて、朝から体調が悪かったジュディちゃんを部屋で1人寝かせていたら、ご両親がお店に出ている間に1人で外に出てしまい、道の真ん中で倒れていたようです。
 たぶん、熱のせいで意識が朦朧として、そばに親御さんがいなかったから探しに出てしまったのかな。

「大変申し訳ありませんでした!それに、なんとお礼を申し上げたら……」
「うちの子が、ご迷惑をおかけしました」

 ジュディちゃんのご両親が何度も頭を下げます。

「お気になさらず、当然のことをしただけですから」
「しかし、お嬢様のお召し物が……」

 咄嗟に道の脇に転がってしまったので、ドレスが汚れて破れてしまい、気づけば髪飾りも無くしてました。

「いいんですよ。ジュディちゃんはお二人の唯一無二の宝、替えの利くドレスなら新しく買い直せばいいんですから」

 まぁ、お金に余裕は無いから買い直すのは無理だけどね!

 ――ぐきゅるるるー……。

 やだ、お腹鳴っちゃった。
 
「あ、あはは……お腹空いちゃって」

 夜会でたくさん食べるつもりだったから、朝から何も食べてないんだよね。

「でしたら!少々お待ちください」

 そう言ってアランさんが駆けて行き、少ししてカゴにいっぱいのリンゴを持ってきました。

「良ければこのリンゴをどうぞ」
「えっ」
「あ、あなた!貴族様にリンゴを丸齧りしろっていうの⁉︎」
「――あっ!」

 突然差し出されたリンゴにびっくりしていると、ティナさんが慌ててアランさんを怒鳴ります。

「いえいえ!大丈夫ですよ!うちはよく丸齧りしてますから!綺麗なリンゴですね、いただきます!」

 カゴから1つリンゴを取り、ハンカチで軽く拭いてからひと口齧りました。

「ん~~っ!蜜もたっぷりで、甘くて美味しいです!いくらでも食べれちゃいそうです!」

 口の中に、爽やかな甘さと香りが広がります。

「じゃあ、私達もいただこうかな」
「そうね、リタもいただきましょう」
「はい!」

 お父様、お母様、リタもリンゴを丸齧りします。
 他の貴族が見たら眉を顰めそうだけど、うちは家庭菜園で収穫した採れたて野菜を丸齧りする事も日常茶飯事だから、全然気にしません!

「とっても美味しいですけど、このリンゴはアランさんが育てた物ですか?」
「いえ、弟夫婦が果樹園をやってまして、そこで収穫したものです」
「弟さんですか!うちにもリンゴの木があるんですが、どうすればこんなに美味しく育つのか、コツを教えていただけないでしょうか?」
「弟に話してみます!」
「ありがとうございます!」

 やった!
 これで、うちで採れるリンゴももっと美味しくなるかも!

「ふふ、なんだか貴族様らしくない貴族様ですね」

 ティナさんが笑みをこぼしました。

「「「「よく言われます」」」」

 親子3人とリタで、見事にハモりました。
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

溺愛王子の甘すぎる花嫁~悪役令嬢を追放したら、毎日が新婚初夜になりました~

紅葉山参
恋愛
侯爵令嬢リーシャは、婚約者である第一王子ビヨンド様との結婚を心から待ち望んでいた。けれど、その幸福な未来を妬む者もいた。それが、リーシャの控えめな立場を馬鹿にし、王子を我が物にしようと画策した悪役令嬢ユーリーだった。 ある夜会で、ユーリーはビヨンド様の気を引こうと、リーシャを罠にかける。しかし、あなたの王子は、そんなつまらない小細工に騙されるほど愚かではなかった。愛するリーシャを信じ、王子はユーリーを即座に糾弾し、国外追放という厳しい処分を下す。 邪魔者が消え去った後、リーシャとビヨンド様の甘美な新婚生活が始まる。彼は、人前では厳格な王子として振る舞うけれど、私と二人きりになると、とろけるような甘さでリーシャを愛し尽くしてくれるの。 「私の可愛い妻よ、きみなしの人生なんて考えられない」 そう囁くビヨンド様に、私リーシャもまた、心も身体も預けてしまう。これは、障害が取り除かれたことで、むしろ加速度的に深まる、世界一甘くて幸せな夫婦の溺愛物語。新婚の王子妃として、私は彼の、そして王国の「最愛」として、毎日を幸福に満たされて生きていきます。

白狼王の贄姫のはずが黒狼王子の番となって愛されることになりました

鳥花風星
恋愛
白狼王の生贄としてささげられた人間族の第二王女ライラは、白狼王から「生贄はいらない、第三王子のものになれ」と言われる。 第三王子レリウスは、手はボロボロでやせ細ったライラを見て王女ではなく偽物だと疑うが、ライラは正真正銘第二王女で、側妃の娘ということで正妃とその子供たちから酷い扱いを受けていたのだった。真相を知ったレリウスはライラを自分の屋敷に住まわせる。 いつも笑顔を絶やさず周囲の人間と馴染もうと努力するライラをレリウスもいつの間にか大切に思うようになるが、ライラが番かもしれないと分かるとなぜか黙り込んでしまう。 自分が人間だからレリウスは嫌なのだろうと思ったライラは、身を引く決心をして……。 両片思いからのハッピーエンドです。

毒と薬は使いよう〜辺境の毒りんご姫は側室候補となりました

和島逆
恋愛
辺境の令嬢シャノンには、毒りんごを生み出す異能があった。 「辺境の毒りんご姫」と呼ばれる彼女を警戒し、国王ランベルトは側室候補としてシャノンを王都に召喚する。初対面から彼女を威圧し、本音を探ろうとするランベルトだったが── 「この毒りんごに、他者を殺める力はございません」 「わたくしは決して毒好きなわけではなく、わたくしが愛でているのはあくまで毒りんごなのです」 ランベルトの予想はことごとく外れ、いつの間にかマイペースな彼女にすっかり振り回されていくのであった。

白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活

しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。 新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。 二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。 ところが。 ◆市場に行けばついてくる ◆荷物は全部持ちたがる ◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる ◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる ……どう見ても、干渉しまくり。 「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」 「……君のことを、放っておけない」 距離はゆっくり縮まり、 優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。 そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。 “冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え―― 「二度と妻を侮辱するな」 守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、 いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。

美醜聖女は、老辺境伯の寡黙な溺愛に癒やされて、真の力を解き放つ

秋津冴
恋愛
 彼は結婚するときこう言った。 「わしはお前を愛することはないだろう」  八十を越えた彼が最期を迎える。五番目の妻としてその死を見届けたイザベラは十六歳。二人はもともと、契約結婚だった。  左目のまぶたが蜂に刺されたように腫れあがった彼女は左右非対称で、美しい右側と比較して「美醜令嬢」と侮蔑され、聖女候補の優秀な双子の妹ジェシカと、常に比較されて虐げられる日々。  だがある時、女神がその身に降臨したはイザベラは、さまざまな奇跡を起こせるようになる。  けれども、妹の成功を願う優しい姉は、誰にもそのことを知らせないできた。  彼女の秘めた実力に気づいた北の辺境伯ブレイクは、経営が破綻した神殿の借金を肩代わりする条件として、イザベラを求め嫁ぐことに。  結界を巡る魔族との戦いや幾つもの試練をくぐり抜け、その身に宿した女神の力に導かれて、やがてイザベラは本当の自分を解放する。  その陰には、どんなことでも無言のうちに認めてくれる、老いた辺境伯の優しさに満ちた環境があった。  イザベラは亡き夫の前で、女神にとある願いを捧げる。  他の投稿サイトでも掲載しています。

婚約破棄された侯爵令嬢、帝国最強騎士に拾われて溺愛される

夜桜
恋愛
婚約者である元老院議員ディアベルに裏切られ、夜会で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢ルイン。 さらにバルコニーから突き落とされ、命を落としかけた彼女を救ったのは、帝国自由騎士であるジョイアだった。 目を覚ましたルインは、落下のショックで記憶を失っていた。 優しく寄り添い守ってくれるジョイアのもとで、失われた過去と本当の自分を探し始める。 一方、ルインが生きていると知ったディアベルと愛人セリエは、再び彼女を排除しようと暗躍する。 しかし、ルインの中に眠っていた錬金術師としての才能が覚醒し、ジョイアや父の助けを得て、裏切った元婚約者に立ち向かう力を取り戻していく。

落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~

しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。 とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。 「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」 だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。 追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は? すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。 小説家になろう、他サイトでも掲載しています。 麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!

処理中です...