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第27話:αとしての嫉妬、Ωじゃない君へ
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契約の翌日、透真はいつも通りの制服姿で学園へ向かった。
けれど、すれ違う生徒たちの視線が、どこか変わっていた。
「……あれが、陽翔の番だってさ」
「Ωじゃないってのが、また……なんかすごくない?」
聞こえよがしの声も、ヒソヒソ話も。
自分を評価するでも、貶すでもない、
**“珍しがる視線”**に、透真はどこか居心地の悪さを覚えていた。
一方の陽翔もまた、その視線に気づいていた。
(こいつは何もしてない。ただ“俺の番”でいてくれるだけなのに……)
苛立ちがじわじわと募る。
昼休み。
透真がクラスメイトに囲まれ、番になったことを茶化されていた。
「へえ~、ノンラベルって意外とレアだよな。
番になったってことは、発情とか……あるの?」
「ないって言ってるだろ」
「でも、陽翔にだけは反応するって噂も……え? 本当?」
そこへ、陽翔が現れた。
「透真、行くぞ」
強引に手を取り、人気のない中庭へと連れ出す。
「っ……おい、ちょっと待て……!」
ようやく人気のない場所で立ち止まったとき、
陽翔は透真の手を強く握ったまま、感情を堪えていた。
「……悪い。強引だったな」
「……どうしたんだよ、いきなり」
「……見られてるのが、耐えられなかった。
お前が誰かに好奇の目で見られるたび、
“俺だけのものだ”って言いたくなる」
透真は、陽翔の手を自分の頬に添えた。
「言っていいんだよ。俺はお前の番だ。……誰がなんと言おうと」
「……でも、お前はノンラベルで。
発情も発信素もない。
なのに俺ばかりが、お前に反応して、独占したくなる」
「それ、最高の愛情表現じゃん」
「お前が、俺に発情するかなんて、関係ない。
俺が、お前に発情してる。それだけで十分だ」
「……っ」
陽翔は堪えきれず、透真を強く抱きしめた。
「透真……好きだ。誰にも渡したくない。
αとしての俺が、お前だけを欲しがってる。……それが悔しくて、嬉しくて、苦しい」
「陽翔……」
唇が重なった。
息を奪うような深いキスに、透真は目を閉じる。
制服の襟が乱れ、ネクタイが外される。
昼下がりの中庭の奥――誰も来ないその場所で、
ふたりはそっと触れ合った。
「ここじゃ、続きは無理だな」
「……夜まで、我慢できる?」
「できるかどうかじゃない。
お前に触れたいって気持ちは、もう止まらない」
αとノンラベル。
普通なら“番”になれない組み合わせ。
けれどこの感情が“異常”なら、
それすら誇りにしてしまえるくらいに、ふたりは惹かれ合っていた。
けれど、すれ違う生徒たちの視線が、どこか変わっていた。
「……あれが、陽翔の番だってさ」
「Ωじゃないってのが、また……なんかすごくない?」
聞こえよがしの声も、ヒソヒソ話も。
自分を評価するでも、貶すでもない、
**“珍しがる視線”**に、透真はどこか居心地の悪さを覚えていた。
一方の陽翔もまた、その視線に気づいていた。
(こいつは何もしてない。ただ“俺の番”でいてくれるだけなのに……)
苛立ちがじわじわと募る。
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「へえ~、ノンラベルって意外とレアだよな。
番になったってことは、発情とか……あるの?」
「ないって言ってるだろ」
「でも、陽翔にだけは反応するって噂も……え? 本当?」
そこへ、陽翔が現れた。
「透真、行くぞ」
強引に手を取り、人気のない中庭へと連れ出す。
「っ……おい、ちょっと待て……!」
ようやく人気のない場所で立ち止まったとき、
陽翔は透真の手を強く握ったまま、感情を堪えていた。
「……悪い。強引だったな」
「……どうしたんだよ、いきなり」
「……見られてるのが、耐えられなかった。
お前が誰かに好奇の目で見られるたび、
“俺だけのものだ”って言いたくなる」
透真は、陽翔の手を自分の頬に添えた。
「言っていいんだよ。俺はお前の番だ。……誰がなんと言おうと」
「……でも、お前はノンラベルで。
発情も発信素もない。
なのに俺ばかりが、お前に反応して、独占したくなる」
「それ、最高の愛情表現じゃん」
「お前が、俺に発情するかなんて、関係ない。
俺が、お前に発情してる。それだけで十分だ」
「……っ」
陽翔は堪えきれず、透真を強く抱きしめた。
「透真……好きだ。誰にも渡したくない。
αとしての俺が、お前だけを欲しがってる。……それが悔しくて、嬉しくて、苦しい」
「陽翔……」
唇が重なった。
息を奪うような深いキスに、透真は目を閉じる。
制服の襟が乱れ、ネクタイが外される。
昼下がりの中庭の奥――誰も来ないその場所で、
ふたりはそっと触れ合った。
「ここじゃ、続きは無理だな」
「……夜まで、我慢できる?」
「できるかどうかじゃない。
お前に触れたいって気持ちは、もう止まらない」
αとノンラベル。
普通なら“番”になれない組み合わせ。
けれどこの感情が“異常”なら、
それすら誇りにしてしまえるくらいに、ふたりは惹かれ合っていた。
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