勇者パーティを追放されてしまったおっさん冒険者37歳……実はパーティメンバーにヤバいほど慕われていた

秋月静流

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おっさん、心配される

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「ふあ~~~生き返る~~~!!
 ホント、温泉ってサイコーだよね!」
「風呂は命の洗濯ですもの――
 さらにここの湯は美肌にもよろしいらしいですわ」
「本当に!?
 もっと綺麗になれる!?」
「ええ、湯上りにしっかり化粧水で保湿すれば効果倍増です。
 あとはお酒――でしょうか」
「お酒?」
「程よいアルコールは血行を良くしてくれる百薬の長。
 主も穢れた罪を浄化する為にも湯上りに一杯飲みなさい、と申しておりますし」
「……ねえ」
「はい、なんですの?(くは~)」
「いつも思うんだけど……
 っていうか聞いちゃダメなのかもだけど……
 フィーのとこの神様って――
 何だか無性に爺むさくない?」
「な、なんてことを仰るのですか、シア!
 偉大なる我が主は苦しむ衆生に寄り添って下さる御方なのですよ!?
 俗物的に分かりやすく神託を下さるのも、これすなわち理解しやすくする為!
 そうでなければ――まるでわたくしが教義を都合よく解釈してるみたいに聞こえるじゃありませんか!?」
「墓穴を掘ってる……
 否、掘りまくってる気が……」
「コ、コホン。
 まあ戯言はさておき――どうしたのですか、リア?
 先程から黙ったまま浮かない顔をしてますけど」
「そうだよ。いつもは一番騒がしいのに」
「ん……ちょっと考え事をしていた」
「何を?」
「ここ一月の事」
「ああ、確かに鬼忙しい日々だったしねー」
「群れを為して人を狙う魔狼。
 闇夜に彷徨い歩く墳墓の屍。
 山脈を越え襲来する巨人族。
 全て被害が出る前に防げたとはいえ――
 そのどれもが災害級の脅威度でしたわね」
「確かにあたし達の手によって未然に対応できた。
 ただ……この脅威の頻度に違和感を感じる」
「――え?
 おっさんのユニークスキルのせいじゃないの?」
「シアの指摘は正しい。
 ガリウスが所持する英雄の運命。
 かの定めの下、導かれるトラブルは確かにある。
 しかし――今回のものは質が違うと推定」
「と言いますと?」
「あたし達が最近対応した脅威――
 トラブルを抱えた人物が絡まない、荒れ狂う妖魔などの襲来――
 これらは何かから逃れようとしていた気がする」
「逃れる?」
「致命的な何か。
 おそらくはこの山の奥――頂き近くにその謎があると思われる」
「なるほどなるほど」
「よって二人さえ良ければ――この後探索しに行きたい。いい?」
「勿論、オッケーだよ」
「リアの予感は当たりますからね……
 きっとそれは賢者ならでは思索スキル――
 無意識下で認識している事象因子観測から窺える予測に近いもの。
 おそらく外れはないでしょう」
「理解があって助かる」
「うん、ボク達はパーティだし」
「ガリウス様の安寧な生活の為ですもの。
 どこまでもお供しますわ」
「ん。あたしは良い仲間を持った」
「――あら?
 わたくしだって、貴女の様な才女が傍にいてくれるのは心強いです」
「頭脳明晰、容姿端麗――
 リアに唯一足りないのは胸だけだよね!」
「――あ”」
「あっ……しまっ」
「お馬鹿さんですの、シア!?」
「胸のこと言った……
 おっさんにも言われたことないのに……」
「ご、ごめんシア!
 ――ほら、まだ成長期だし?
 これから……ほら、これから大きくなるから!(多分)」
「そ、そうですわよ?
 わたくしだって神殿に拾われてから急に大きくなったんですし?
 牛乳を飲めばおおきくなりますわ!(多分)」
「……戦略兵器を所持している二人の慰めは、和平交渉にならない……」
「あわわ、リアから漏れた魔力で湯温が上昇していきますわ!」
「冷静になってよ、リア!
 おっさんが昔言ってたよ!?
 ――貧乳はステータス、だって!」
「(ぶちぃ!)」
「ちょっやめ――」
「こんなとこでそんな魔術を使っては――」
「巨乳など――駄肉など、滅びてしまえ! バルス!!」

「にゅああああああああああああああ~~~!!」
「あああ~~~れぇぇ~~~~~~~~~~!!」

 ただ力任せに発動された魔術により天高く噴き上がる湯柱。
 あられもない格好で空に舞い上がりながら――
 ボク達はリアの胸のことには二度と触れないよう、固く誓い合うのだった。




 
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