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第6話 心霊スポット凸動画は、圏外で終了しました
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平和だった。
口座の残高が、毎日増えていく。
何もしなくても、だ。
俺は縁側に寝転がり、スマホで入金通知を眺めていた。
150万。
200万。
250万。
3日で250万円。
ゴブリンの肉が、だ。
ちなみに、元上司からの通知は182件になっていた。
もう見ていない。
どうせ「訴える」「損害賠償」「人としてどうなんだ」のループだろう。
知らん。
俺は経営者になったんだ。
「……チョロすぎる」
呟いた瞬間、ミレイが覗き込んできた。
「また増えてるの?」
「ああ。口コミの力は偉大だ」
富裕層フォーラムでの評判が、爆発的に広がっていた。
『奇跡のジャーキー』『愛犬が若返った』『どこで買えるのか教えてくれ』。
そんな書き込みが、毎時間のように増えている。
需要過多。
供給不足。
経済学の教科書通りだ。
「タエさん、今日の配送は?」
縁側の端で、タエさんが茶を啜っていた。
「終わったよ。5件」
「ご苦労様。依代の残り時間は?」
「あと10分ってとこさね」
1日1時間の外出制限。
それでも、時速140キロの老婆なら関東一円はカバーできる。
完璧なビジネスモデルだ。
俺は何もしていない。
寝て、食べて、風呂に入るだけ。
……いや、食べるのは問題だ。
買い置きのカップ麺が、そろそろ底を尽きそうになっている。
ゴブリン肉を自分で食う気にはなれない。
まあ、金はあるから買い出しに行けばいい。
だが、車の運転は労働だ。
この問題は……後回しにしよう。
とにかく、今は平和だ。
これぞ理想の生活。
これぞ、俺が求めていた……
「ねえ」
ミレイの声に、思考が中断された。
「さっきから気になってたんだけど」
「なんだ」
「敷地の外に、車が停まってるわよ」
◆
双眼鏡を覗く。
土蔵の屋根から、敷地の外が見渡せる。
山道の脇に、黒いワゴン車。
窓にはカーテンが引かれている。
「……怪しい」
「そうよね。さっきから30分くらい動いてないの」
ミレイが隣で腕を組んでいる。
タエさんも屋根に上がってきて、目を細めた。
「見覚えのある車じゃないねえ」
「この集落に来る車なんて、郵便配達くらいだろ」
俺は双眼鏡をずらした。
車のナンバープレート。
品川。
「都会から来てる」
「なんで分かるの?」
「ナンバーだ。品川」
ミレイが首を傾げた。
まあ、怪異に車のナンバーは分からないか。
俺は考えた。
品川ナンバーの車が、長野の山奥に。
しかも、うちの敷地の前に30分以上。
可能性は三つ。
一、迷子。
二、不動産業者。
三、……噂を聞きつけた輩。
直感的に、三だと思った。
そして、その直感は正しかった。
◆
夜。
俺は縁側でコーヒーを飲んでいた。
ミレイは隣でプリンを食べている。4個目だ。
タエさんは敷地内で「慣らし走行」をしている。
依代の外出制限は24時間ごとにリセットされる。
だが、敷地内であれば依代がなくても活動できる。
つまり、今夜の「おもてなし」には問題ない。
「動画配信者、ね」
スマホの画面を見せる。
動画サイトの生配信予告。
タイトルは『【ガチ凸】奇跡のジャーキー製造所に潜入! 廃村の心霊スポットで真実を暴く!』。
配信者は3人組。
登録者数は10万人ほど。
過去の動画を見ると、「廃墟凸」「心霊スポット凸」が専門らしい。
「今夜23時から生配信、だとさ」
ミレイの眉が吊り上がった。
「……うちに来るってこと?」
「そうだな」
「追い払うわよ」
「待て」
俺はコーヒーを一口飲んだ。
「警察を呼ぶのは面倒だ。事情聴取が労働になる」
「じゃあ、私が脅せばいいでしょ」
「殺したら死体処理が労働になる」
ミレイが口を噤んだ。
俺の「労働回避」への執念は、彼女も理解し始めている。
「じゃあ、どうするの?」
「……精神的にトラウマを植え付けて、二度と来ないようにする」
ミレイの目が光った。
「それ、私の得意分野よ」
◆
22時30分。
俺はUIを開いて、現在のDPを確認した。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【DP残高】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回残高:2600DP
収入:+900DP(ゴブリン9体×3日分)
現在残高:3500DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
3日間、毎日3体ずつゴブリンを狩っている。
ミレイが瞬殺し、俺が魔石をDPに変換する。
ルーティンワークだ。
続けてショップを開く。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ショップ:防衛設備】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
結界(電波遮断):200DP
幻影トラップ:150DP
精神汚染エリア(軽度):300DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
電波遮断結界。
これだ。
「200DPで、敷地内の電波を完全にカットできる」
「電波?」
「スマホが繋がらなくなる。Wi-Fiも4Gも5Gも全部」
ミレイが眉を寄せた。
「それが怖いの?」
「現代人にとって、スマホの圏外は死の宣告に等しい」
俺は真顔で言った。
これは誇張ではない。
実体験だ。
ブラック企業時代、サーバールームで電波が入らなかった時の絶望感。
上司からのメールが確認できない恐怖。
Slackの通知が来ない不安。
……いや、それは幸福だったのかもしれない。
とにかく、現代人は「繋がらない」状態に弱い。
「買う」
『結界(電波遮断)を購入しますか? 消費DP:200』
『Y/N』
「Y」
光の粒子が集まり、敷地の境界線に沿って薄い膜が広がった。
目には見えないが、UIには青い線で表示されている。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【結界:電波遮断】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
効果:敷地内の電磁波を遮断
範囲:敷地境界線から内側全域
副作用:スマホ、無線機、GPS全滅
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
完璧だ。
「これで配信は不可能になる」
「でも、それだけじゃ追い返せないでしょ?」
「もちろんだ。ここからが本番だ」
俺はミレイを見た。
「君の出番だ。『おもてなし』を頼む」
ミレイの口元が、マスクの下で歪んだ。
笑っているのか、怒っているのか分からない表情。
「……久しぶりに、本職の仕事ができるのね」
「ただし、殺すな。傷つけるな。触れるな」
「分かってるわよ。精神的に追い詰めればいいんでしょ?」
「その通り。君は最高の秘書だ」
ミレイの頬が、わずかに赤くなった。
チョロい。
◆
23時05分。
彼らは来た。
敷地の柵を乗り越え、3人の若者が侵入してくる。
先頭の男がカメラを構え、後ろの2人がライトを持っている。
「よっしゃ、入ったぞ!」
「マジでボロい民家だな」
「廃墟感ハンパねえ」
俺は土蔵の窓から、その様子を眺めていた。
UIには、侵入者の位置がリアルタイムで表示されている。
赤い点が3つ。
敷地の端から、古民家に向かって移動中。
「結界、起動」
呟いた瞬間、青い膜が淡く光った。
すると、先頭の男が立ち止まった。
「あれ? 電波……」
「どうした?」
「圏外になった」
「マジ? 俺も……うわ、本当だ」
3人が同時にスマホを見つめている。
画面には「圏外」の文字。
「配信……切れてね?」
「ヤバ、マジかよ」
「Wi-Fiも繋がらねえ……」
パニックの兆し。
だが、まだ引き返さない。
「大丈夫、録画はできるから。後でアップすればいい」
「そ、そうだな」
根性がある。
さすが、登録者10万人の配信者だ。
だが、ここからが本番だ。
「ミレイ」
俺の声に、ミレイが頷いた。
白いワンピースが、夜風に靡く。
「行ってくるわ」
次の瞬間、彼女の姿が消えた。
◆
侵入者たちは、古民家の玄関に近づいていた。
「誰もいねえな」
「当たり前だろ、廃墟だぞ」
「でも、ネットじゃここでジャーキー作ってるって……」
その時。
声が聞こえた。
「ねえ……」
3人が同時に振り向いた。
だが、誰もいない。
「今、声……」
「空耳だろ」
「いや、確かに……」
再び、声。
今度は、耳元で囁くように。
「わたし……」
先頭の男が、カメラを落とした。
「なっ……!?」
「どうした!?」
「今、耳元で……女の声が……!」
2人目の男が笑った。
「ビビりすぎだろ、演出か?」
その瞬間。
彼の目の前に、白い顔が現れた。
長い黒髪。
古びたマスク。
そして、マスクの隙間から覗く……赤い、裂けた口。
「……わたし、きれい?」
男の体が、硬直した。
動けない。
声も出ない。
ただ、目だけが見開かれている。
これがミレイの能力。
『わたし、きれい?』への回答が終わるまで、強制的に行動不能。
だが、ミレイは答えを待たなかった。
すっと姿を消す。
まるで、最初からそこにいなかったかのように。
「ひっ……!!」
硬直が解けた男が、絶叫した。
「いた!! 女がいた!! 口が裂けてた!!」
「は? 何言って……」
「本当だって!! マジで!! 口裂け女だって!!」
3人目の男が周囲を見回した。
だが、誰もいない。
「落ち着けって、そんなわけ……」
彼の言葉が、途中で止まった。
足元から、風が吹いた。
いや、風ではない。
何かが、猛スピードで通り過ぎた。
一瞬だけ。
ほんの一瞬だけ、カメラのファインダーに映った。
白髪の老婆の顔。
笑っている。
「ぎゃあああああ!!」
3人目が腰を抜かした。
「なんだ今の!! 婆さんが!! 走って……!!」
「タ、ターボババアじゃねえか!!」
「嘘だろ!! 都市伝説だろ!!」
俺は土蔵の窓から、その光景を眺めていた。
タエさんは敷地内だから、依代なしでも全力で動ける。
むしろ、制限がない分、外出時より速いかもしれない。
完璧だ。
口裂け女とターボババア。
日本の都市伝説の二大巨頭が、同時に出現。
しかも、スマホは圏外。
録画はできているかもしれないが、助けは呼べない。
GPSも死んでいる。
「あとは……」
俺はUIを操作した。
『幻影トラップを購入しますか? 消費DP:150』
「Y」
光の粒子が、古民家の周囲に散らばった。
◆
侵入者たちは、逃げ出そうとしていた。
だが、方向が分からない。
GPSが死んでいる。
月明かりも、雲に隠れている。
「こっちだ!」
「違う、あっちだろ!」
「分かんねえよ!」
その時、目の前に光が見えた。
古民家の窓に、蝋燭の火。
その奥に、人影。
「誰かいる……! 助けて……!」
男が駆け寄った。
窓に手をかける。
中を覗き込んだ瞬間。
そこには、髑髏の顔があった。
「ぎゃあああああ!!!」
幻影トラップ。
150DPで購入した、視覚への干渉装置。
実体はない。
だが、恐怖は本物だ。
3人は、泡を吹いて逃げ出した。
柵を乗り越え、車に飛び込み、エンジンをかける。
タイヤが悲鳴を上げて、車は山道を下っていった。
◆
翌朝。
俺は縁側でコーヒーを飲んでいた。
スマホには、動画サイトの通知。
昨夜の配信者が、動画を投稿していた。
タイトルは変わっていた。
『【ガチ閲覧注意】マジでヤバい心霊スポットを見つけてしまった……二度と行かない』
再生数は、すでに100万を超えている。
コメント欄は大荒れだ。
『これはガチ』
『演技じゃないやつだ』
『あの場所、絶対行っちゃダメなやつ』
『口裂け女とターボババアが同時に出るとか、やばすぎ』
そして、決定的なコメント。
『あの場所、特定した。長野県の○○集落らしい。でも、行かない方がいい。マジで』
↳『行くなよ? 絶対行くなよ?』
↳『フリじゃないです。本当に行かないでください』
↳『この動画、警告として拡散した方がいい』
俺は、口角を上げた。
「……完璧だ」
「何がよ」
ミレイが隣に座った。
手にはプリン。朝から5個目だ。
「宣伝してくれたんだ。『ここはヤバい場所だから近づくな』って」
「……それ、良いことなの?」
「最高だ。これで、馬鹿な侵入者は来なくなる」
ネット上での「本物のヤバい場所」認定。
これ以上の防犯はない。
「人間は、本当に怖いものには近づかない」
「……あなた、本当に人間?」
「元・人間だ。今は経営者」
ミレイが呆れた顔で俺を見た。
だが、反論はしなかった。
タエさんが縁側にやってきた。
「いい運動になったねえ。久しぶりに人間を驚かせたよ」
「楽しかったか?」
「そりゃあね。あたしらは元々、そういう仕事だったからさ」
怪異の本職。
人間を驚かせること。
俺は空を見上げた。
青空が広がっている。
今日も平和だ。
「さて、UIを確認するか」
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【DP残高】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回残高:3500DP
支出:-350DP(結界200+幻影150)
現在残高:3150DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
十分な余裕がある。
次の投資先を考えよう。
「……そういえば、カップ麺がなくなりそうなんだけど」
ミレイが言った。
「知ってる」
「買い出し、行かないの?」
「車の運転は労働だ」
「じゃあ、どうするのよ」
俺は考えた。
ゴブリン肉は売れる。
だが、自分で食う気にはなれない。
かといって、買い出しは面倒だ。
「……次の召喚で、料理担当を呼ぶか」
「え?」
「怪異の中には、料理が得意なやつもいるだろ」
ミレイの眉が動いた。
「私、料理できるわよ?」
「君は戦闘担当だ。兼任は効率が悪い」
「……別に、やりたくないわけじゃないけど」
小さな声で呟いた。
聞こえないふりをした。
食料問題は、次の課題だ。
だが、今日のところは……
「まあ、今日もゴブリンを狩るか」
「あなた、狩ってるの私よ」
「俺は指示を出している。これも立派な経営だ」
ミレイの溜息が、風に溶けていく。
こうして、俺の領地は「不可侵領域」として、人間社会から認知された。
独立国家への、第一歩だ。
続く
口座の残高が、毎日増えていく。
何もしなくても、だ。
俺は縁側に寝転がり、スマホで入金通知を眺めていた。
150万。
200万。
250万。
3日で250万円。
ゴブリンの肉が、だ。
ちなみに、元上司からの通知は182件になっていた。
もう見ていない。
どうせ「訴える」「損害賠償」「人としてどうなんだ」のループだろう。
知らん。
俺は経営者になったんだ。
「……チョロすぎる」
呟いた瞬間、ミレイが覗き込んできた。
「また増えてるの?」
「ああ。口コミの力は偉大だ」
富裕層フォーラムでの評判が、爆発的に広がっていた。
『奇跡のジャーキー』『愛犬が若返った』『どこで買えるのか教えてくれ』。
そんな書き込みが、毎時間のように増えている。
需要過多。
供給不足。
経済学の教科書通りだ。
「タエさん、今日の配送は?」
縁側の端で、タエさんが茶を啜っていた。
「終わったよ。5件」
「ご苦労様。依代の残り時間は?」
「あと10分ってとこさね」
1日1時間の外出制限。
それでも、時速140キロの老婆なら関東一円はカバーできる。
完璧なビジネスモデルだ。
俺は何もしていない。
寝て、食べて、風呂に入るだけ。
……いや、食べるのは問題だ。
買い置きのカップ麺が、そろそろ底を尽きそうになっている。
ゴブリン肉を自分で食う気にはなれない。
まあ、金はあるから買い出しに行けばいい。
だが、車の運転は労働だ。
この問題は……後回しにしよう。
とにかく、今は平和だ。
これぞ理想の生活。
これぞ、俺が求めていた……
「ねえ」
ミレイの声に、思考が中断された。
「さっきから気になってたんだけど」
「なんだ」
「敷地の外に、車が停まってるわよ」
◆
双眼鏡を覗く。
土蔵の屋根から、敷地の外が見渡せる。
山道の脇に、黒いワゴン車。
窓にはカーテンが引かれている。
「……怪しい」
「そうよね。さっきから30分くらい動いてないの」
ミレイが隣で腕を組んでいる。
タエさんも屋根に上がってきて、目を細めた。
「見覚えのある車じゃないねえ」
「この集落に来る車なんて、郵便配達くらいだろ」
俺は双眼鏡をずらした。
車のナンバープレート。
品川。
「都会から来てる」
「なんで分かるの?」
「ナンバーだ。品川」
ミレイが首を傾げた。
まあ、怪異に車のナンバーは分からないか。
俺は考えた。
品川ナンバーの車が、長野の山奥に。
しかも、うちの敷地の前に30分以上。
可能性は三つ。
一、迷子。
二、不動産業者。
三、……噂を聞きつけた輩。
直感的に、三だと思った。
そして、その直感は正しかった。
◆
夜。
俺は縁側でコーヒーを飲んでいた。
ミレイは隣でプリンを食べている。4個目だ。
タエさんは敷地内で「慣らし走行」をしている。
依代の外出制限は24時間ごとにリセットされる。
だが、敷地内であれば依代がなくても活動できる。
つまり、今夜の「おもてなし」には問題ない。
「動画配信者、ね」
スマホの画面を見せる。
動画サイトの生配信予告。
タイトルは『【ガチ凸】奇跡のジャーキー製造所に潜入! 廃村の心霊スポットで真実を暴く!』。
配信者は3人組。
登録者数は10万人ほど。
過去の動画を見ると、「廃墟凸」「心霊スポット凸」が専門らしい。
「今夜23時から生配信、だとさ」
ミレイの眉が吊り上がった。
「……うちに来るってこと?」
「そうだな」
「追い払うわよ」
「待て」
俺はコーヒーを一口飲んだ。
「警察を呼ぶのは面倒だ。事情聴取が労働になる」
「じゃあ、私が脅せばいいでしょ」
「殺したら死体処理が労働になる」
ミレイが口を噤んだ。
俺の「労働回避」への執念は、彼女も理解し始めている。
「じゃあ、どうするの?」
「……精神的にトラウマを植え付けて、二度と来ないようにする」
ミレイの目が光った。
「それ、私の得意分野よ」
◆
22時30分。
俺はUIを開いて、現在のDPを確認した。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【DP残高】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回残高:2600DP
収入:+900DP(ゴブリン9体×3日分)
現在残高:3500DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
3日間、毎日3体ずつゴブリンを狩っている。
ミレイが瞬殺し、俺が魔石をDPに変換する。
ルーティンワークだ。
続けてショップを開く。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ショップ:防衛設備】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
結界(電波遮断):200DP
幻影トラップ:150DP
精神汚染エリア(軽度):300DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
電波遮断結界。
これだ。
「200DPで、敷地内の電波を完全にカットできる」
「電波?」
「スマホが繋がらなくなる。Wi-Fiも4Gも5Gも全部」
ミレイが眉を寄せた。
「それが怖いの?」
「現代人にとって、スマホの圏外は死の宣告に等しい」
俺は真顔で言った。
これは誇張ではない。
実体験だ。
ブラック企業時代、サーバールームで電波が入らなかった時の絶望感。
上司からのメールが確認できない恐怖。
Slackの通知が来ない不安。
……いや、それは幸福だったのかもしれない。
とにかく、現代人は「繋がらない」状態に弱い。
「買う」
『結界(電波遮断)を購入しますか? 消費DP:200』
『Y/N』
「Y」
光の粒子が集まり、敷地の境界線に沿って薄い膜が広がった。
目には見えないが、UIには青い線で表示されている。
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【結界:電波遮断】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
効果:敷地内の電磁波を遮断
範囲:敷地境界線から内側全域
副作用:スマホ、無線機、GPS全滅
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
完璧だ。
「これで配信は不可能になる」
「でも、それだけじゃ追い返せないでしょ?」
「もちろんだ。ここからが本番だ」
俺はミレイを見た。
「君の出番だ。『おもてなし』を頼む」
ミレイの口元が、マスクの下で歪んだ。
笑っているのか、怒っているのか分からない表情。
「……久しぶりに、本職の仕事ができるのね」
「ただし、殺すな。傷つけるな。触れるな」
「分かってるわよ。精神的に追い詰めればいいんでしょ?」
「その通り。君は最高の秘書だ」
ミレイの頬が、わずかに赤くなった。
チョロい。
◆
23時05分。
彼らは来た。
敷地の柵を乗り越え、3人の若者が侵入してくる。
先頭の男がカメラを構え、後ろの2人がライトを持っている。
「よっしゃ、入ったぞ!」
「マジでボロい民家だな」
「廃墟感ハンパねえ」
俺は土蔵の窓から、その様子を眺めていた。
UIには、侵入者の位置がリアルタイムで表示されている。
赤い点が3つ。
敷地の端から、古民家に向かって移動中。
「結界、起動」
呟いた瞬間、青い膜が淡く光った。
すると、先頭の男が立ち止まった。
「あれ? 電波……」
「どうした?」
「圏外になった」
「マジ? 俺も……うわ、本当だ」
3人が同時にスマホを見つめている。
画面には「圏外」の文字。
「配信……切れてね?」
「ヤバ、マジかよ」
「Wi-Fiも繋がらねえ……」
パニックの兆し。
だが、まだ引き返さない。
「大丈夫、録画はできるから。後でアップすればいい」
「そ、そうだな」
根性がある。
さすが、登録者10万人の配信者だ。
だが、ここからが本番だ。
「ミレイ」
俺の声に、ミレイが頷いた。
白いワンピースが、夜風に靡く。
「行ってくるわ」
次の瞬間、彼女の姿が消えた。
◆
侵入者たちは、古民家の玄関に近づいていた。
「誰もいねえな」
「当たり前だろ、廃墟だぞ」
「でも、ネットじゃここでジャーキー作ってるって……」
その時。
声が聞こえた。
「ねえ……」
3人が同時に振り向いた。
だが、誰もいない。
「今、声……」
「空耳だろ」
「いや、確かに……」
再び、声。
今度は、耳元で囁くように。
「わたし……」
先頭の男が、カメラを落とした。
「なっ……!?」
「どうした!?」
「今、耳元で……女の声が……!」
2人目の男が笑った。
「ビビりすぎだろ、演出か?」
その瞬間。
彼の目の前に、白い顔が現れた。
長い黒髪。
古びたマスク。
そして、マスクの隙間から覗く……赤い、裂けた口。
「……わたし、きれい?」
男の体が、硬直した。
動けない。
声も出ない。
ただ、目だけが見開かれている。
これがミレイの能力。
『わたし、きれい?』への回答が終わるまで、強制的に行動不能。
だが、ミレイは答えを待たなかった。
すっと姿を消す。
まるで、最初からそこにいなかったかのように。
「ひっ……!!」
硬直が解けた男が、絶叫した。
「いた!! 女がいた!! 口が裂けてた!!」
「は? 何言って……」
「本当だって!! マジで!! 口裂け女だって!!」
3人目の男が周囲を見回した。
だが、誰もいない。
「落ち着けって、そんなわけ……」
彼の言葉が、途中で止まった。
足元から、風が吹いた。
いや、風ではない。
何かが、猛スピードで通り過ぎた。
一瞬だけ。
ほんの一瞬だけ、カメラのファインダーに映った。
白髪の老婆の顔。
笑っている。
「ぎゃあああああ!!」
3人目が腰を抜かした。
「なんだ今の!! 婆さんが!! 走って……!!」
「タ、ターボババアじゃねえか!!」
「嘘だろ!! 都市伝説だろ!!」
俺は土蔵の窓から、その光景を眺めていた。
タエさんは敷地内だから、依代なしでも全力で動ける。
むしろ、制限がない分、外出時より速いかもしれない。
完璧だ。
口裂け女とターボババア。
日本の都市伝説の二大巨頭が、同時に出現。
しかも、スマホは圏外。
録画はできているかもしれないが、助けは呼べない。
GPSも死んでいる。
「あとは……」
俺はUIを操作した。
『幻影トラップを購入しますか? 消費DP:150』
「Y」
光の粒子が、古民家の周囲に散らばった。
◆
侵入者たちは、逃げ出そうとしていた。
だが、方向が分からない。
GPSが死んでいる。
月明かりも、雲に隠れている。
「こっちだ!」
「違う、あっちだろ!」
「分かんねえよ!」
その時、目の前に光が見えた。
古民家の窓に、蝋燭の火。
その奥に、人影。
「誰かいる……! 助けて……!」
男が駆け寄った。
窓に手をかける。
中を覗き込んだ瞬間。
そこには、髑髏の顔があった。
「ぎゃあああああ!!!」
幻影トラップ。
150DPで購入した、視覚への干渉装置。
実体はない。
だが、恐怖は本物だ。
3人は、泡を吹いて逃げ出した。
柵を乗り越え、車に飛び込み、エンジンをかける。
タイヤが悲鳴を上げて、車は山道を下っていった。
◆
翌朝。
俺は縁側でコーヒーを飲んでいた。
スマホには、動画サイトの通知。
昨夜の配信者が、動画を投稿していた。
タイトルは変わっていた。
『【ガチ閲覧注意】マジでヤバい心霊スポットを見つけてしまった……二度と行かない』
再生数は、すでに100万を超えている。
コメント欄は大荒れだ。
『これはガチ』
『演技じゃないやつだ』
『あの場所、絶対行っちゃダメなやつ』
『口裂け女とターボババアが同時に出るとか、やばすぎ』
そして、決定的なコメント。
『あの場所、特定した。長野県の○○集落らしい。でも、行かない方がいい。マジで』
↳『行くなよ? 絶対行くなよ?』
↳『フリじゃないです。本当に行かないでください』
↳『この動画、警告として拡散した方がいい』
俺は、口角を上げた。
「……完璧だ」
「何がよ」
ミレイが隣に座った。
手にはプリン。朝から5個目だ。
「宣伝してくれたんだ。『ここはヤバい場所だから近づくな』って」
「……それ、良いことなの?」
「最高だ。これで、馬鹿な侵入者は来なくなる」
ネット上での「本物のヤバい場所」認定。
これ以上の防犯はない。
「人間は、本当に怖いものには近づかない」
「……あなた、本当に人間?」
「元・人間だ。今は経営者」
ミレイが呆れた顔で俺を見た。
だが、反論はしなかった。
タエさんが縁側にやってきた。
「いい運動になったねえ。久しぶりに人間を驚かせたよ」
「楽しかったか?」
「そりゃあね。あたしらは元々、そういう仕事だったからさ」
怪異の本職。
人間を驚かせること。
俺は空を見上げた。
青空が広がっている。
今日も平和だ。
「さて、UIを確認するか」
『━━━━━━━━━━━━━━━━━
【DP残高】
━━━━━━━━━━━━━━━━━
前回残高:3500DP
支出:-350DP(結界200+幻影150)
現在残高:3150DP
━━━━━━━━━━━━━━━━━』
十分な余裕がある。
次の投資先を考えよう。
「……そういえば、カップ麺がなくなりそうなんだけど」
ミレイが言った。
「知ってる」
「買い出し、行かないの?」
「車の運転は労働だ」
「じゃあ、どうするのよ」
俺は考えた。
ゴブリン肉は売れる。
だが、自分で食う気にはなれない。
かといって、買い出しは面倒だ。
「……次の召喚で、料理担当を呼ぶか」
「え?」
「怪異の中には、料理が得意なやつもいるだろ」
ミレイの眉が動いた。
「私、料理できるわよ?」
「君は戦闘担当だ。兼任は効率が悪い」
「……別に、やりたくないわけじゃないけど」
小さな声で呟いた。
聞こえないふりをした。
食料問題は、次の課題だ。
だが、今日のところは……
「まあ、今日もゴブリンを狩るか」
「あなた、狩ってるの私よ」
「俺は指示を出している。これも立派な経営だ」
ミレイの溜息が、風に溶けていく。
こうして、俺の領地は「不可侵領域」として、人間社会から認知された。
独立国家への、第一歩だ。
続く
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