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第23話 絶叫大根が、公安の胃袋を掴んだ件
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また来た。
「よう、雨神」
玄関先に立っていたのは、桐生だ。
いつものスーツ姿。
ただし、目の下の隈が薄くなっている。
血色もいい。
俺は縁側から振り返った。
「また昼寝か」
「違う。今日は仕事だ」
桐生が腕を組んだ。
視線に真剣さが滲んでいる。
「上層部が騒いでいる。お前のところから出る商品の原材料について」
俺は炬燵から出た。
面倒なことになった。
「美容液か。ジャーキーか」
「両方だ。あと、あの疲労回復ドリンクの原料もな」
スライムゼリー。
高純度の樹液。
ダンジョン産の素材。
どれも「この世にない」ものだ。
成分分析されたら、説明がつかない。
「希少な薬草です」
「嘘をつけ」
桐生が鼻で笑った。
「俺を誰だと思ってる。成分が既存のどの植物とも一致しないことくらい、調べはついてる」
さすが公安。
情報収集能力だけは一流だ。
「で、どうする。逮捕か」
「しない」
桐生がため息をついた。
「あれのおかげで、部下の三人が復帰した。過労で休職してた連中だ」
疲労回復ドリンク。
スライムゼリーと樹液をブレンドした、うちの自信作。
飲めば一晩で疲労が抜ける。
「効果は認める。だから、上には『特殊な栽培法で育てた希少植物』と報告した」
「嘘じゃないか」
「お前の嘘に付き合ってやってるんだ。感謝しろ」
桐生が靴を脱いだ。
無断で上がり込んでくる。
「で、今日は視察だ。この敷地で何を栽培してるのか、確認する」
視察。
要するに、休暇の口実だ。
俺はため息をついた。
◆
畑に案内した。
といっても、普通の野菜はない。
あるのは、マンドラゴラ大根だけだ。
土から白い根が顔を出している。
葉は青々として、栄養状態は良好だ。
時折、「ふぅ」という吐息が聞こえる。
「これは」
桐生が足を止めた。
公安の嗅覚が、異常を察知したらしい。
「大根です」
「大根は息をしない」
「鮮度がいいんです」
俺は平然と答えた。
桐生が一本、引き抜こうとした。
その瞬間。
「ひぃぃぃぃぃッ!」
マンドラゴラが絶叫した。
桐生の手が止まる。
顔が青ざめている。
「何だ。今の」
「大根の悲鳴です」
「大根は叫ばないだろう!」
「この品種は叫びます」
俺は淡々と説明した。
桐生が、マンドラゴラを見下ろした。
マンドラゴラが、桐生を見上げた。
二つの視線が交錯する。
「ぬ、抜かないで」
マンドラゴラが震え声で言った。
「喋った!」
「栄養がいいと喋ります」
嘘である。
最初から喋る。
桐生が三歩、後ずさった。
「雨神。お前、何を栽培してるんだ」
「大根です」
「嘘をつくな」
「大根です」
◆
縁側に戻った。
桐生はまだ顔色が悪い。
堅物の表情が歪んでいる。
「そうです。種子から育てました」
「食えるのか」
「食えます。むしろ、美味いです」
俺はミレイを呼んだ。
「ミレイ、マンドラゴラを一本」
「はい、カイトさん」
ミレイが畑に向かった。
数秒後。
「いやぁぁぁぁッ!」
マンドラゴラの絶叫が響いた。
桐生の肩が跳ねる。
「慣れるのか、あれ」
「慣れます」
俺は茶を啜った。
◆
台所から、甲高い声が聞こえてきた。
「切らないでぇ」
ミレイの包丁が、まな板を叩く音。
「ふぅぅぅ」
悲痛な吐息。
「やめ、やめてぇ」
懇願の声。
「おいしくしてあげますからね」
ミレイの穏やかな声が重なった。
桐生が、俺を見た。
「あの女、何者だ」
「料理担当です」
「料理担当にしては、声に慈愛と狂気が混ざってるぞ」
否定はできない。
タマが、台所の方を見ていた。
金色の瞳が、獲物を追う目だ。
尻尾が左右に揺れている。
「タマ、商品だ」
「にゃ」
タマが不満そうに視線を逸らした。
狩猟本能を刺激されているらしい。
◆
料理が運ばれてきた。
マンドラゴラ大根の煮物。
出汁の香りが鼻腔をくすぐる。
大根は透き通るような飴色に仕上がっていた。
湯気が立ち上り、鰹と昆布の芳醇な匂いが広がる。
「どうぞ」
ミレイが皿を置いた。
マスクの下で、微かに笑っている気配がする。
桐生が箸を手に取った。
ためらいがある。
「食っても大丈夫なんだな」
「公安の桐生さんを毒殺するメリットがありません」
「それはそうだが」
桐生が、大根を一切れ、口に運んだ。
咀嚼する。
そして、目を見開いた。
「何だこれは」
桐生の声が震えた。
「甘い。野菜の甘みじゃない。蜜のような、深い甘さだ」
箸が止まらなくなっている。
二切れ目。三切れ目。
「出汁が染みてるのに、大根自体の旨みが消えてない。むしろ、引き立て合ってる」
桐生の目が潤んでいた。
公安の鉄面皮が、完全に崩壊していた。
「噛むたびに、じわっと汁が溢れてくる。疲れが、溶けていく」
「だから、大根です」
「大根でこの味が出るか!」
桐生が立ち上がった。
皿は空になっている。
「これは、国家の要人に出しても恥ずかしくない。いや、出すべきだ」
俺は眉を上げた。
「買うのか」
「買う。というか、買わせろ。上層部の機嫌を取るのに使う」
営業成功だ。
俺は頭の中で計算を始めた。
◆
問題は、商品名だった。
「マンドラゴラでは売れません」
ミレイが言った。
一般人は、マンドラゴラの名前を聞いただけで引く。
「叫ぶのも問題だな」
桐生が腕を組んだ。
調理中の悲鳴は、普通の客には刺激が強すぎる。
俺は考えた。
叫ぶ大根。
調理中に声を出す食材。
逆転の発想だ。
「歌う大根」
「は?」
「商品名は『歌姫大根』だ」
桐生が眉をひそめた。
「どういう意味だ」
「調理中の声は、悲鳴ではなく歌声です。この大根は、調理される瞬間に『歌う』んです。鮮度の証明として」
俺は淡々と説明した。
「欠点を長所に変える。それが売り方の基本です」
桐生が、俺を見た。
その目に、何か複雑な感情が浮かんでいる。
「お前、本当にSEだったのか」
「元SEです。今はニートです」
「発想が黒すぎる」
否定はしない。
◆
夕方になった。
桐生は結局、炬燵で二時間ほど眠った。
ザシキとタマに挟まれて、幸せそうな顔をしている。
ミレイが、その光景を廊下から見ていた。
「カイトさん」
「なんだ」
「桐生さん、ザシキさんとタマさんに挟まれて、とても気持ちよさそうですね」
声に棘がある。
マスクの下の表情は見えないが、空気が冷たい。
「私も、炬燵に入りたいです」
「入ればいいだろ」
「仕事があります。梱包と、発送準備と、夕食の下ごしらえが」
ミレイの視線が、眠る桐生に向けられた。
その目が、わずかに細くなる。
「公安のお仕事は、お昼寝も含まれるんですね」
嫉妬だ。
俺は気づかないふりをした。
面倒なことになる予感がする。
◆
「また来る」
桐生が玄関で言った。
「昼寝か」
「仕事だ。視察という名目で」
要するに、サボりだ。
「構わない。その代わり、マンドラゴラを定期購入しろ」
「する。上層部への土産として経費で落とす」
互いに得だ。
持ちつ持たれつ。
桐生が去っていく。
その背中を見送りながら、俺は考えた。
公安の胃袋を掴んだ。
これで、監視の目が緩む。
災害を資源に変える。
敵を味方に変える。
俺のやり方は、どこまでも効率的だ。
◆
「カイトさん」
ミレイが隣に立った。
「桐生さん、また来ますね」
「来るだろうな。あの味を覚えたら、離れられない」
「私の料理、美味しかったですか」
ミレイの声に、わずかな期待が滲んでいた。
「美味かった。桐生の反応を見れば分かる」
「そう、ですか」
ミレイが、小さく笑った。
マスクの下で、頬が緩んでいるのが分かる。
だが、次の瞬間。
「次は、カイトさんにも食べていただきたいです」
ミレイの声が、少しだけ強くなった。
「桐生さんより先に」
俺は、何も言わなかった。
言わない方がいい気がした。
◆
炬燵では、ザシキが丸くなっている。
タマがその隣で眠っている。
金色の靄は、穏やかに漂っていた。
「坊や、歌姫大根の注文、入ったさね」
タエさんがタブレットを持ってきた。
「早いな」
「桐生って人が、もう上司に送ったみたいだよ。『絶品の大根がある』ってさ」
口コミ効果。
しかも公安の幹部から広がる。
信用度が違う。
「よし、増産だ」
俺は立ち上がった。
畑のマンドラゴラを確認する必要がある。
「配達は任せな、坊や」
タエさんが胸を叩いた。
「公安だろうが政治家だろうが、あたしの足なら30分で届けてやるさね」
時速200km超のターボババア。
物流の要だ。
頼もしい限りである。
外に出ると、夕陽が敷地を染めていた。
畑では、マンドラゴラたちが「ふぅ」「ふぅ」と息をしている。
絶叫する食材。
普通なら欠点だ。
だが、見せ方を変えれば、付加価値になる。
不労所得の新しい形が、また一つ増えた。
俺は、笑った。
明日も、きっと平和だろう。
マンドラゴラが叫ばない限りは。
続く
「よう、雨神」
玄関先に立っていたのは、桐生だ。
いつものスーツ姿。
ただし、目の下の隈が薄くなっている。
血色もいい。
俺は縁側から振り返った。
「また昼寝か」
「違う。今日は仕事だ」
桐生が腕を組んだ。
視線に真剣さが滲んでいる。
「上層部が騒いでいる。お前のところから出る商品の原材料について」
俺は炬燵から出た。
面倒なことになった。
「美容液か。ジャーキーか」
「両方だ。あと、あの疲労回復ドリンクの原料もな」
スライムゼリー。
高純度の樹液。
ダンジョン産の素材。
どれも「この世にない」ものだ。
成分分析されたら、説明がつかない。
「希少な薬草です」
「嘘をつけ」
桐生が鼻で笑った。
「俺を誰だと思ってる。成分が既存のどの植物とも一致しないことくらい、調べはついてる」
さすが公安。
情報収集能力だけは一流だ。
「で、どうする。逮捕か」
「しない」
桐生がため息をついた。
「あれのおかげで、部下の三人が復帰した。過労で休職してた連中だ」
疲労回復ドリンク。
スライムゼリーと樹液をブレンドした、うちの自信作。
飲めば一晩で疲労が抜ける。
「効果は認める。だから、上には『特殊な栽培法で育てた希少植物』と報告した」
「嘘じゃないか」
「お前の嘘に付き合ってやってるんだ。感謝しろ」
桐生が靴を脱いだ。
無断で上がり込んでくる。
「で、今日は視察だ。この敷地で何を栽培してるのか、確認する」
視察。
要するに、休暇の口実だ。
俺はため息をついた。
◆
畑に案内した。
といっても、普通の野菜はない。
あるのは、マンドラゴラ大根だけだ。
土から白い根が顔を出している。
葉は青々として、栄養状態は良好だ。
時折、「ふぅ」という吐息が聞こえる。
「これは」
桐生が足を止めた。
公安の嗅覚が、異常を察知したらしい。
「大根です」
「大根は息をしない」
「鮮度がいいんです」
俺は平然と答えた。
桐生が一本、引き抜こうとした。
その瞬間。
「ひぃぃぃぃぃッ!」
マンドラゴラが絶叫した。
桐生の手が止まる。
顔が青ざめている。
「何だ。今の」
「大根の悲鳴です」
「大根は叫ばないだろう!」
「この品種は叫びます」
俺は淡々と説明した。
桐生が、マンドラゴラを見下ろした。
マンドラゴラが、桐生を見上げた。
二つの視線が交錯する。
「ぬ、抜かないで」
マンドラゴラが震え声で言った。
「喋った!」
「栄養がいいと喋ります」
嘘である。
最初から喋る。
桐生が三歩、後ずさった。
「雨神。お前、何を栽培してるんだ」
「大根です」
「嘘をつくな」
「大根です」
◆
縁側に戻った。
桐生はまだ顔色が悪い。
堅物の表情が歪んでいる。
「そうです。種子から育てました」
「食えるのか」
「食えます。むしろ、美味いです」
俺はミレイを呼んだ。
「ミレイ、マンドラゴラを一本」
「はい、カイトさん」
ミレイが畑に向かった。
数秒後。
「いやぁぁぁぁッ!」
マンドラゴラの絶叫が響いた。
桐生の肩が跳ねる。
「慣れるのか、あれ」
「慣れます」
俺は茶を啜った。
◆
台所から、甲高い声が聞こえてきた。
「切らないでぇ」
ミレイの包丁が、まな板を叩く音。
「ふぅぅぅ」
悲痛な吐息。
「やめ、やめてぇ」
懇願の声。
「おいしくしてあげますからね」
ミレイの穏やかな声が重なった。
桐生が、俺を見た。
「あの女、何者だ」
「料理担当です」
「料理担当にしては、声に慈愛と狂気が混ざってるぞ」
否定はできない。
タマが、台所の方を見ていた。
金色の瞳が、獲物を追う目だ。
尻尾が左右に揺れている。
「タマ、商品だ」
「にゃ」
タマが不満そうに視線を逸らした。
狩猟本能を刺激されているらしい。
◆
料理が運ばれてきた。
マンドラゴラ大根の煮物。
出汁の香りが鼻腔をくすぐる。
大根は透き通るような飴色に仕上がっていた。
湯気が立ち上り、鰹と昆布の芳醇な匂いが広がる。
「どうぞ」
ミレイが皿を置いた。
マスクの下で、微かに笑っている気配がする。
桐生が箸を手に取った。
ためらいがある。
「食っても大丈夫なんだな」
「公安の桐生さんを毒殺するメリットがありません」
「それはそうだが」
桐生が、大根を一切れ、口に運んだ。
咀嚼する。
そして、目を見開いた。
「何だこれは」
桐生の声が震えた。
「甘い。野菜の甘みじゃない。蜜のような、深い甘さだ」
箸が止まらなくなっている。
二切れ目。三切れ目。
「出汁が染みてるのに、大根自体の旨みが消えてない。むしろ、引き立て合ってる」
桐生の目が潤んでいた。
公安の鉄面皮が、完全に崩壊していた。
「噛むたびに、じわっと汁が溢れてくる。疲れが、溶けていく」
「だから、大根です」
「大根でこの味が出るか!」
桐生が立ち上がった。
皿は空になっている。
「これは、国家の要人に出しても恥ずかしくない。いや、出すべきだ」
俺は眉を上げた。
「買うのか」
「買う。というか、買わせろ。上層部の機嫌を取るのに使う」
営業成功だ。
俺は頭の中で計算を始めた。
◆
問題は、商品名だった。
「マンドラゴラでは売れません」
ミレイが言った。
一般人は、マンドラゴラの名前を聞いただけで引く。
「叫ぶのも問題だな」
桐生が腕を組んだ。
調理中の悲鳴は、普通の客には刺激が強すぎる。
俺は考えた。
叫ぶ大根。
調理中に声を出す食材。
逆転の発想だ。
「歌う大根」
「は?」
「商品名は『歌姫大根』だ」
桐生が眉をひそめた。
「どういう意味だ」
「調理中の声は、悲鳴ではなく歌声です。この大根は、調理される瞬間に『歌う』んです。鮮度の証明として」
俺は淡々と説明した。
「欠点を長所に変える。それが売り方の基本です」
桐生が、俺を見た。
その目に、何か複雑な感情が浮かんでいる。
「お前、本当にSEだったのか」
「元SEです。今はニートです」
「発想が黒すぎる」
否定はしない。
◆
夕方になった。
桐生は結局、炬燵で二時間ほど眠った。
ザシキとタマに挟まれて、幸せそうな顔をしている。
ミレイが、その光景を廊下から見ていた。
「カイトさん」
「なんだ」
「桐生さん、ザシキさんとタマさんに挟まれて、とても気持ちよさそうですね」
声に棘がある。
マスクの下の表情は見えないが、空気が冷たい。
「私も、炬燵に入りたいです」
「入ればいいだろ」
「仕事があります。梱包と、発送準備と、夕食の下ごしらえが」
ミレイの視線が、眠る桐生に向けられた。
その目が、わずかに細くなる。
「公安のお仕事は、お昼寝も含まれるんですね」
嫉妬だ。
俺は気づかないふりをした。
面倒なことになる予感がする。
◆
「また来る」
桐生が玄関で言った。
「昼寝か」
「仕事だ。視察という名目で」
要するに、サボりだ。
「構わない。その代わり、マンドラゴラを定期購入しろ」
「する。上層部への土産として経費で落とす」
互いに得だ。
持ちつ持たれつ。
桐生が去っていく。
その背中を見送りながら、俺は考えた。
公安の胃袋を掴んだ。
これで、監視の目が緩む。
災害を資源に変える。
敵を味方に変える。
俺のやり方は、どこまでも効率的だ。
◆
「カイトさん」
ミレイが隣に立った。
「桐生さん、また来ますね」
「来るだろうな。あの味を覚えたら、離れられない」
「私の料理、美味しかったですか」
ミレイの声に、わずかな期待が滲んでいた。
「美味かった。桐生の反応を見れば分かる」
「そう、ですか」
ミレイが、小さく笑った。
マスクの下で、頬が緩んでいるのが分かる。
だが、次の瞬間。
「次は、カイトさんにも食べていただきたいです」
ミレイの声が、少しだけ強くなった。
「桐生さんより先に」
俺は、何も言わなかった。
言わない方がいい気がした。
◆
炬燵では、ザシキが丸くなっている。
タマがその隣で眠っている。
金色の靄は、穏やかに漂っていた。
「坊や、歌姫大根の注文、入ったさね」
タエさんがタブレットを持ってきた。
「早いな」
「桐生って人が、もう上司に送ったみたいだよ。『絶品の大根がある』ってさ」
口コミ効果。
しかも公安の幹部から広がる。
信用度が違う。
「よし、増産だ」
俺は立ち上がった。
畑のマンドラゴラを確認する必要がある。
「配達は任せな、坊や」
タエさんが胸を叩いた。
「公安だろうが政治家だろうが、あたしの足なら30分で届けてやるさね」
時速200km超のターボババア。
物流の要だ。
頼もしい限りである。
外に出ると、夕陽が敷地を染めていた。
畑では、マンドラゴラたちが「ふぅ」「ふぅ」と息をしている。
絶叫する食材。
普通なら欠点だ。
だが、見せ方を変えれば、付加価値になる。
不労所得の新しい形が、また一つ増えた。
俺は、笑った。
明日も、きっと平和だろう。
マンドラゴラが叫ばない限りは。
続く
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ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
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スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
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