実家の裏庭がダンジョンだったので、口裂け女や八尺様に全自動で稼がせて俺は寝て暮らす〜元社畜のダンジョン経営〜

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第31話 弊社はアットホームな職場です(※物理的に帰れません)

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 午前8時55分。
 勝負の時間が迫っていた。

「全員、擬態の指輪は装着しているな」

 縁側に並んだ怪異たちに、俺は最後の確認をした。

「はい」
「あいよ」
「つけた」
「……つけてる……」
「ぽぽぽ、バッチリだよ旦那!」

 見た目は完璧だ。
 黒髪の美女、白髪の老婆、白い肌の女性、小柄な少女、長身の女性。
 問題は中身である。

「いいか。今日は普通の会社として振る舞え。質問には簡潔に答えろ。余計なことは言うな」
「了解です」

 ミレイだけが頼もしい返事をした。
 他の反応は、正直不安しかない。

「カイト、ザシキもふつう?」
「お前は奥の部屋で待機だ。福の神が登記されてる会社は存在しない」
「えー」

 ザシキが頬を膨らませた。
 タマも炬燵こたつの中に追いやった。猫が警備部長の会社も存在しない。

 午前9時。
 車のエンジン音が聞こえた。

「来たか」

 俺は玄関に向かった。
 ミレイが隣に付き従う。

 黒塗りの車から、スーツ姿の男たちが降りてきた。

 四人。
 全員がスーツ。
 全員が社会人の顔をしている。

 背筋に冷たいものが走った。

 怪異は怖くない。
 幽霊も怖くない。
 だが、スーツの群れは別だ。

 あの笑顔の下に、どれだけの残業命令が隠されているか。
 あの名刺入れの中に、どれだけの無理難題が詰まっているか。
 俺は知っている。

 SE時代のトラウマが蘇る。
 「ちょっといい?」から始まる地獄。
 「簡単な修正なんだけど」という名の徹夜案件。

 落ち着け。
 今の俺は社長だ。
 社畜ではない。

「桐生」
「よう、雨神」

 桐生の顔が、心なしか青い。
 事情を知っている人間にとって、この状況は胃が痛いだろう。

「こちらが監査チームの方々か」
「ああ。山本主任と、部下の田中、鈴木だ」

 山本と呼ばれた男が、名刺を差し出してきた。
 五十代後半。厳しい目つき。

 その目が、かつての上司と重なった。
 「なんで動かないの?」と詰めてくる、あの目だ。

 いや、違う。
 俺はもう社畜ではない。
 深呼吸。

「株式会社アマガミ・ラボ、代表取締役の雨神です」

 俺も名刺を返した。
 昨日の夜、急いで印刷したものだ。

「突然の訪問、申し訳ない。いくつか確認させていただきたいことがありまして」
「どうぞ。弊社は隠し事はありません」

 嘘である。隠し事しかない。

    ◆ ◆ ◆

 応接室に通した。
 といっても、古民家の座敷を急遽模様替えしただけだ。

「秘書のミレイです。お茶をお持ちしますね」

 ミレイがにこやかに挨拶した。
 マスクの下の裂けた口は、擬態の指輪で隠れている。完璧だ。

「綺麗な方ですね」

 田中が小声でつぶやいた。
 山本が睨んで黙らせる。

 タエさんがお茶を運んできた。

「どうぞ、熱いから気をつけてね」

 白髪の老婆姿。
 人間に化けると、普通のおばあちゃんに見える。
 時速200kmで走れるとは思えない。

「ご丁寧に。社員の方ですか」
「物流部長のタエです。配送と人材育成を担当していましてね」
「人材育成?」
「ええ。若い子を鍛えるのが得意なんですよ」

 タエさんがにっこり笑った。
 その笑顔の意味を、黒田だけが知っている。

「早速ですが、御社の事業内容を確認させてください」
「害獣駆除、天然由来化粧品の製造販売、特殊農産物の研究開発です」

 書類を渡した。
 定款、事業計画書、決算書類。
 全て昨日作成したものだが、日付は遡らせてある。
 SE時代、納品物の日付改竄は日常茶飯事だった。

「この山奥で、どのような害獣を?」
「主にイノシシです。最近は数が増えていまして」

 ゴブリンのことは言えない。
 イノシシで押し通す。

「駆除した害獣はどうされているので?」
「食肉加工して販売しています。ジビエ肉として需要がありまして」
「なるほど。許可証は?」
「こちらに」

 狩猟免許と食肉処理業の許可証を見せた。
 本物だ。祖父が取得していたものを名義変更した。

 山本の眉が動いた。
 書類に穴がないことに、少し驚いているようだ。

 当然だ。
 SE時代、監査対応の書類作成は得意分野だった。
 「それっぽく見える書類」を作る能力だけは、誰にも負けない。

「現場を見せていただけますか」
「もちろん」

 嫌な予感がした。
 書類は完璧だが、問題は現場だ。
 現場には、バグが潜んでいる。

    ◆ ◆ ◆

 倉庫に案内した。
 ユキが待機している。

「こちらが品質管理部の冷凍課長、ユキです」

 白い肌。無表情。人間の姿だが、どこか人形じみている。

「ここは、寒いですね」

 鈴木が身震いした。
 当然だ。ユキがいる空間は、自動的に冷却される。

「冷凍倉庫ですから。商品の品質管理のため、常にマイナス15度を維持しています」
「マイナス15度? 空調が見当たりませんが」
「独自の冷却システムです。企業秘密ですが」

 山本が倉庫内を見回した。
 整然と並んだ保冷ボックス。中身は歌姫大根とスライム美容液だ。

「ユキさん、でしたか。ここでの仕事はいかがですか」

 山本がユキに直接話しかけた。
 まずい。想定外の入力だ。

「さむい」
「は?」
「ここ、さむい。わたし、まんぞく」

 ユキが無表情で答えた。
 言葉が足りない。圧倒的に足りない。
 エラーメッセージとしても不親切すぎる。

「寒いのが好きということですか?」
「すき。さむい、すき。あつい、きらい」

 山本の眉が寄った。
 怪しまれている。間違いない。

「彼女は寒冷地出身でして。暑がりなんです」
「北海道ですか」
「ええ、まあ、そのようなものです」

 嘘だ。雪女の出身地は集合的無意識だ。
 北海道どころか、この世界ですらない。

「やりがいは感じていますか」

 山本がさらに突っ込んだ。
 ユキが首を傾げた。

「やりがい」
「仕事に対する充実感のことです」
「じゅうじつかん」

 反復癖が出ている。
 意味を理解していない顔だ。

「冷たいデザートが増える。だから、やる」
「デザート?」
「福利厚生の一環で、冷たいスイーツを支給しています」

 俺が割り込んだ。
 嘘ではない。ユキには毎日アイスを渡している。

「なるほど。福利厚生が充実しているんですね」
「はい。弊社はアットホームな職場を目指しておりまして」

 アットホーム。
 物理的に帰れないという意味では、間違っていない。

    ◆ ◆ ◆

 次は土木作業の現場だ。
 ハチさんが待機している。

「土木建築課長のハチです」

 190cm超の長身女性。
 人間の姿でも、その体格は目立つ。

「随分と大柄な方ですね」
「ぽぽぽ、よく言われるよ! あたい、生まれつきでかいんだ」

 笑い声がまずい。
 「ぽぽぽ」は人間の笑い方ではない。
 バグだ。致命的なバグだ。

「この丸太、どうやって運んだんですか?」

 田中が現場を見て目を丸くした。
 直径50cmはある丸太が、いくつも積み上げられている。

「気合だよ、気合!」

 ハチさんが丸太を持ち上げようとした。
 片手で。

「両手で!」

 俺が叫んだ。
 ハチさんが慌てて両手に持ち替える。

「重いなあ! うりゃ、よっこいしょ!」

 演技が下手すぎる。
 明らかに余裕の表情で、300kg以上ある丸太を運んでいる。
 処理能力のオーバースペックが隠しきれていない。

「すごい筋力ですね」
「ぽぽぽ、鍛えてるからね! 毎日100回腕立て伏せしてるんだ!」

 腕立て伏せで説明できる筋力ではない。
 山本の目が細くなった。

「重機は使わないんですか」
「使いませんね。人力の方がコストが安いので」
「人力で、この規模の造成を?」
「弊社の社員は、皆優秀ですので」

 優秀というか、人外だ。

「ところで、社員証は」

 山本がハチさんの首元を見た。

「ああ、これか! あたいの名刺!」

 ハチさんが社員証を掲げた。
 名刺じゃない。社員証だ。

 山本の目が細くなった。

「あー、間違えた! 社員証だ、社員証!」
「似てませんが」
「ぽぽぽ、細かいこと気にすんなよ!」

 細かいことではない。
 社会人として基本的な知識だ。

「彼女は現場一筋でして。事務仕事には疎いんです」
「なるほど。職人気質ということですか」
「はい、そうです。そういうことにしてください」

 そういうことにしてくれ。頼む。

    ◆ ◆ ◆

「情報戦略室長は?」

 山本が聞いた。

「リモートワークです」
「リモート?」
「はい。自宅から業務を行っています」

 嘘だ。
 スキマは今、この壁の隙間にいる。

「……監視……してる……」

 小さな囁き声が聞こえた。
 俺にしか聞こえない音量だ。

「最近の企業はリモートワークが進んでいますからね」
「弊社も時代に合わせた働き方を推進しておりまして」

 推進というか、隙間女は物理的に隙間からしか出てこない。
 オフィスに常駐させる方が難しい。

「では、最後に一人だけ」

 山本が農具小屋の方を見た。

「あちらにいる方は?」

    ◆ ◆ ◆

 黒田が、泥まみれでへたり込んでいた。
 昨日よりさらにやつれている。

「特殊清掃担当の黒田です」

 俺が紹介した。
 黒田の目が、一瞬だけ希望の光を宿した。

 助けを求められる。
 公安の監査官だ。事情を話せば、ここから出られるかもしれない。

 そう思っているのが、顔に書いてある。

「黒田さん、ここでの仕事はいかがですか」

 山本が近づいた。
 黒田の口が開きかけた。

 その瞬間。

 背後から、複数の視線が突き刺さった。

 壁の隙間から、スキマの冷たい目。
 物陰から、ハチさんの拳を握る音。
 そして、ミレイの優しい微笑み。

 微笑みが、一番怖い。

「さ、最高の職場です」

 黒田が涙目で叫んだ。

「毎日やりがいがあります! 体を動かす仕事は健康にもいいです!」
「そうですか。ずいぶんとお疲れのようですが」
「疲れていません! 充実しているだけです!」

 声が裏返っている。
 目が泳いでいる。
 明らかに嘘をついている顔だ。

「元は大手企業の課長だったと聞いていますが」
「はい! でも、ここの方がずっといいです! 死ぬまで働きます!」

 死ぬまで。
 文字通りの意味だ。

 山本が黒田をじっと見つめた。
 数秒の沈黙。

「なんて愛社精神だ」

 山本が感心したように言った。

「大手からベンチャーへの転職、しかも現場仕事。普通なら不満が出るところです。それをここまで前向きに。ブラック企業出身者は鍛え方が違いますね」

 違う。
 そういう話ではない。
 恐怖で言わされているだけだ。

 だが、山本はそう解釈したらしい。

「御社の教育体制、素晴らしいですね。社員のモチベーションが高い」
「ありがとうございます」

 モチベーションというか、生存本能だ。

    ◆ ◆ ◆

 監査が終わった。

「書類は完璧。社員の士気も高い。怪しい点はいくつかありましたが、違法性は認められませんでした」

 山本がそう結論づけた。

「とりあえず、シロと報告します。ただし」
「ただし?」
「今後も定期的に確認させていただきます。何かあれば、すぐに連絡を」
「もちろんです」

 車が去っていく。
 スーツの群れが視界から消えた瞬間、肩の力が抜けた。
 怪異より、社畜の方がよほど恐ろしい。

 桐生だけが残った。

「寿命が縮んだぞ」

 桐生が冷や汗を拭いている。

「お前の会社、社員全員がヤバすぎる。特にあの冷凍課長、何者だ」
「優秀な社員だ」
「人間か?」
「従業員だ」

 答えになっていない答えを返した。
 桐生はため息をついた。

「山本は勘が鋭い。誤魔化せたのは今回だけだと思え」
「わかっている」

 次はもっと対策が必要だ。
 怪異たちに「普通の人間」を教え込まなければならない。
 バグを潰す作業だ。終わりが見えない。

「次の監査、俺は止められないかもしれない」
「覚悟している」
「やりすぎるなよ、本当に」

 桐生が去っていった。

    ◆ ◆ ◆

 縁側に戻ると、怪異たちが待っていた。

「お疲れ様です、カイトさん」

 ミレイがお茶を差し出した。

「乗り切ったね、坊や」
「ふつう、にんげん、できた?」
「ぽぽぽ、あたいの演技、完璧だっただろ!」

 完璧ではない。全然完璧ではない。
 だが、結果的に乗り切れた。

「次はもっと練習が必要だな」
「練習?」
「普通の人間の振る舞いを、だ。ユキ、やりがいの意味は理解したか」
「やりがい。つめたいデザート」
「違う」
「ちがう?」
「いや、お前にとってはそれでいい」

 説明するのが面倒になった。

「ハチさん、社員証と名刺の違いは」
「同じだろ? どっちも名前が書いてあるじゃん」
「違う。社員証は身分証明、名刺は挨拶用だ」
「ぽぽぽ、難しいねえ」

 先は長い。
 だが、今日は乗り切った。

「黒田はどうした」
「農具小屋で倒れてるよ。あの男、最後の叫びで力尽きたみたいだね」

 タエさんが笑った。
 元課長の社畜魂が、意外なところで役に立った。

「今日は休みにするか」
「え、いいんですか」

 ミレイが驚いた顔をした。

「監査を乗り切った褒美だ。各自、好きに過ごせ」
「やった! ザシキ、外で遊ぶ!」
「めんどい。寝る」
「……隙間で……休む……」
「ぽぽぽ、じゃあ風呂入ってくるわ!」

 怪異たちが散っていく。
 俺は炬燵に潜り込んだ。

「ふう」

 一息ついた。
 今日も働いたのは従業員たちだ。
 俺は指示を出しただけ。

「カイトさん」

 ミレイが隣に座った。

「今日の監査、私、うまくできていましたか」
「ああ。お前だけが頼りだった」
「光栄です」

 マスクの下で、微かに息を漏らした。
 嬉しそうだ。

「次も、頼むぞ」
「はい。いつでも」

 株式会社アマガミ・ラボ。
 初めての危機を、どうにか乗り越えた。

 だが、山本の言葉が引っかかる。
 「今後も定期的に確認させていただきます」。

 次の監査までに、怪異たちを「普通の社員」に仕立て上げなければならない。

 俺は炬燵の中で目を閉じた。
 明日からまた、教育だ。

 働くのは嫌いだが。
 従業員教育は、もっと嫌いだ。
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