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エピローグ「永遠を誓う場所」
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セレーネへの里帰りから、さらに数年の時が流れた。
クロヴィスの屋敷の庭には、二人の子供たちの賑やかな笑い声が響いていた。長男のアルフォンスはすっかりやんちゃな少年になり、その二年後に生まれた、ユアンによく似た穏やかな性格の娘、リリアーナの手を引いて庭中を駆け回っている。
将軍として多忙な日々を送るクロヴィスと、彼の妻として民に慕われ、時にはハーブの知識を活かして貧しい人々を助けるユアン。二人は、帝国の誰もが羨む、理想の夫婦として知られていた。
穏やかな昼下がり。ユアンは、子供たちと一緒に庭の花を摘み、花冠を作って遊んでいた。金色の髪を風に揺らしながら、子供たちに優しく微笑みかけるその姿は、まるで花の精のようだ。
執務室の窓からその光景を見ていたクロヴィスは、知らず知らずのうちに口元を綻ばせていた。あれが、自分の家族だ。自分が命を懸けて守るべき、何よりも大切な宝物だ。
彼は執務の手を止め、庭へと降りていった。
「ユアン」
クロヴィスが手招きすると、ユアンは子供たちに「少しだけ待っていてね」と告げ、彼の隣へと歩み寄った。クロヴィスは、ユアンが座れるように、自分の隣の芝生をポンポンと叩く。ユアンが隣に腰を下ろすと、彼はそっとその肩を抱き寄せた。
「見てください、クロヴィス。アルフォンスが、あんなに上手に走れるようになって」
「ああ。リリアーナも、もうすぐ兄に追いつきそうだな」
子供たちの姿を愛おしそうに見つめる二人の時間は、穏やかで、満ち足りていた。
しばらく子供たちを眺めていたクロヴィスが、ふと、真剣な声でユアンの名を呼んだ。
「ユアン」
「はい?」
「……お前と出会えたこの運命に、感謝している」
昔と変わらない、ぶっきらぼうな口調。だが、ユアンを見つめるその灰色の瞳は、初めて出会った頃の氷のような冷たさではなく、燃えるような熱を帯びていた。
その瞳を見れば、彼がどれほど深い愛情を自分に注いでくれているのか、痛いほど伝わってくる。
ユアンは、はにかむように微笑み返した。
「私もです、クロヴィス。あなたと出会えて、本当に良かった」
そして、幸せの象徴であるかのように、クロヴィスの胸にそっと寄り添う。
政略結婚という、偽りの関係から始まった二人。
道具として扱われ、絶望に涙した夜もあった。すれ違い、傷つけ合い、大きな陰謀に巻き込まれたこともあった。だが、その全てを二人で乗り越えたからこそ、今のこの揺るぎない愛がある。
偽りの関係は、数多の試練を経て、今、永遠に続く真実の愛へと昇華されていた。
「パパ、ママ! お花のかんむり、できたよー!」
子供たちの呼ぶ声に、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
クロヴィスはユアンの額に優しいキスを落とすと、立ち上がって子供たちの元へと歩いていく。その大きな背中を、ユアンは世界で一番の幸福感を胸に抱きながら見つめていた。
この場所が、私の生きる場所。この人たちが、私の家族。
これからも、幾多の季節が巡るだろう。だが、この愛だけは、決して色褪せることなく、永遠に輝き続けることを、ユアンは確信していた。
クロヴィスの屋敷の庭には、二人の子供たちの賑やかな笑い声が響いていた。長男のアルフォンスはすっかりやんちゃな少年になり、その二年後に生まれた、ユアンによく似た穏やかな性格の娘、リリアーナの手を引いて庭中を駆け回っている。
将軍として多忙な日々を送るクロヴィスと、彼の妻として民に慕われ、時にはハーブの知識を活かして貧しい人々を助けるユアン。二人は、帝国の誰もが羨む、理想の夫婦として知られていた。
穏やかな昼下がり。ユアンは、子供たちと一緒に庭の花を摘み、花冠を作って遊んでいた。金色の髪を風に揺らしながら、子供たちに優しく微笑みかけるその姿は、まるで花の精のようだ。
執務室の窓からその光景を見ていたクロヴィスは、知らず知らずのうちに口元を綻ばせていた。あれが、自分の家族だ。自分が命を懸けて守るべき、何よりも大切な宝物だ。
彼は執務の手を止め、庭へと降りていった。
「ユアン」
クロヴィスが手招きすると、ユアンは子供たちに「少しだけ待っていてね」と告げ、彼の隣へと歩み寄った。クロヴィスは、ユアンが座れるように、自分の隣の芝生をポンポンと叩く。ユアンが隣に腰を下ろすと、彼はそっとその肩を抱き寄せた。
「見てください、クロヴィス。アルフォンスが、あんなに上手に走れるようになって」
「ああ。リリアーナも、もうすぐ兄に追いつきそうだな」
子供たちの姿を愛おしそうに見つめる二人の時間は、穏やかで、満ち足りていた。
しばらく子供たちを眺めていたクロヴィスが、ふと、真剣な声でユアンの名を呼んだ。
「ユアン」
「はい?」
「……お前と出会えたこの運命に、感謝している」
昔と変わらない、ぶっきらぼうな口調。だが、ユアンを見つめるその灰色の瞳は、初めて出会った頃の氷のような冷たさではなく、燃えるような熱を帯びていた。
その瞳を見れば、彼がどれほど深い愛情を自分に注いでくれているのか、痛いほど伝わってくる。
ユアンは、はにかむように微笑み返した。
「私もです、クロヴィス。あなたと出会えて、本当に良かった」
そして、幸せの象徴であるかのように、クロヴィスの胸にそっと寄り添う。
政略結婚という、偽りの関係から始まった二人。
道具として扱われ、絶望に涙した夜もあった。すれ違い、傷つけ合い、大きな陰謀に巻き込まれたこともあった。だが、その全てを二人で乗り越えたからこそ、今のこの揺るぎない愛がある。
偽りの関係は、数多の試練を経て、今、永遠に続く真実の愛へと昇華されていた。
「パパ、ママ! お花のかんむり、できたよー!」
子供たちの呼ぶ声に、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
クロヴィスはユアンの額に優しいキスを落とすと、立ち上がって子供たちの元へと歩いていく。その大きな背中を、ユアンは世界で一番の幸福感を胸に抱きながら見つめていた。
この場所が、私の生きる場所。この人たちが、私の家族。
これからも、幾多の季節が巡るだろう。だが、この愛だけは、決して色褪せることなく、永遠に輝き続けることを、ユアンは確信していた。
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