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第21話:二人だけの幸せを錬成して
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一連の事件は、ヴィクターの部下たちとエリアスの元同僚の証言により、全てが白日の下にさらされた。宰相の悪事は次々と暴かれ、彼は失脚し、国の最も重い罪人として裁かれることとなった。
国王は、国を救ったエリアスの功績を認め、彼を首席宮廷錬金術師に任命しようと申し出た。それは、かつてエリアスが夢見た地位であり、これ以上ない名誉だった。
しかし、エリアスは静かに首を横に振った。
「お言葉は感謝いたします。ですが、僕の居場所は、もうここにはありません」
彼の視線の先には、優しく微笑むヴィクターがいた。華やかな宮廷よりも、権力や名声よりも、彼にはもっと大切なものができていた。
ヴィクターもまた、国王に騎士団長の地位を辞する旨を伝えた。最も信頼する腹心の部下にその座を譲り、彼はエリアスと共に生きる道を選んだ。
二人が王都を去る日、多くの人々が見送りに来た。ヴィクターの元部下たち、エリアスの元同僚、そして、危険を顧みず王都まで駆けつけてくれたセドナ村の村長や若者たち。
「エリアスさん、いつでも村に帰ってきてくれよな!」
「団長! お幸せに!」
温かい声援に送られながら、二人は馬に乗り、慣れ親しんだセドナ村へと帰路についた。
穏やかな日差しが降り注ぐ、セドナ村。そこにある小さな研究室が、これからの二人の新しい城だ。
「ただいま、ヴィクター」
「ああ、ただいま。エリアス」
家の中に入り、どちらからともなく互いを抱きしめる。もう、離れることも、引き裂かれることもない。
これからは、誰のためでもない、二人だけの幸せを錬成していく。
エリアスは、喜び、安らぎ、そしてあふれんばかりの愛情を込めて、ヴィクターのためだけのポーションを作るだろう。ヴィクターは、取り戻した感情の全てで、エリアスを愛し、守り、時には少しだけやきもちを焼きながら、彼を甘やかすのだろう。
「ヴィクター」
「ん?」
「幸せに、なろうね」
「ああ。お前がいれば、俺は世界一幸せだ」
ヴィクターはエリアスを抱き上げると、甘く、長いキスを交わした。窓から差し込む陽光が、幸せそうな二人を優しく照らし出している。
かつて「無能」と追放された錬金術師と、「氷の騎士」と呼ばれた男は、幾多の困難を乗り越え、ようやく手に入れた穏やかな日常の中で、永遠に続く幸福を誓い合ったのだった。
国王は、国を救ったエリアスの功績を認め、彼を首席宮廷錬金術師に任命しようと申し出た。それは、かつてエリアスが夢見た地位であり、これ以上ない名誉だった。
しかし、エリアスは静かに首を横に振った。
「お言葉は感謝いたします。ですが、僕の居場所は、もうここにはありません」
彼の視線の先には、優しく微笑むヴィクターがいた。華やかな宮廷よりも、権力や名声よりも、彼にはもっと大切なものができていた。
ヴィクターもまた、国王に騎士団長の地位を辞する旨を伝えた。最も信頼する腹心の部下にその座を譲り、彼はエリアスと共に生きる道を選んだ。
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「エリアスさん、いつでも村に帰ってきてくれよな!」
「団長! お幸せに!」
温かい声援に送られながら、二人は馬に乗り、慣れ親しんだセドナ村へと帰路についた。
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「ただいま、ヴィクター」
「ああ、ただいま。エリアス」
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エリアスは、喜び、安らぎ、そしてあふれんばかりの愛情を込めて、ヴィクターのためだけのポーションを作るだろう。ヴィクターは、取り戻した感情の全てで、エリアスを愛し、守り、時には少しだけやきもちを焼きながら、彼を甘やかすのだろう。
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「ああ。お前がいれば、俺は世界一幸せだ」
ヴィクターはエリアスを抱き上げると、甘く、長いキスを交わした。窓から差し込む陽光が、幸せそうな二人を優しく照らし出している。
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