隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました

水凪しおん

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番外編「シーツの波と休日」

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 平和になった世界でも、英雄であるクレイドは相変わらず忙しい。
 軍の再編、浄化区域の調査、そして毎日のように届く取材依頼。
 俺も整備班のチーフとして(もちろん銀狼専属だが)、若手の指導に追われていた。

 そんなある日の、久しぶりの休日。
 俺たちは昼過ぎまでベッドから出られずにいた。

「……クレイド、重い」

「あと五分」

 クレイドは俺の上に乗っかったまま、動こうとしない。
 鍛え上げられたアルファの体は重いが、その体温と匂いに包まれていると、不思議と追い払う気になれない。

「もうお昼ですよ。お腹空きました」

「俺はまだ満ち足りてない」

 彼は不満げに鼻を鳴らし、俺の首筋に顔を埋めて深呼吸をする。
 スハースハーと音を立てて俺の匂いを吸う姿は、外の人間が見たら卒倒するだろう。
 あの氷の騎士が、家ではこんなに甘えん坊の大型犬だなんて。

「昨日、さんざんしたじゃないですか」

「足りん。一週間分を補給する必要がある」

 彼はそう言うと、俺の鎖骨のあたりに舌を這わせた。
 ゾクッとした感覚に、俺の背中が跳ねる。

「あっ……そこ、だめだって……」

「ここか?」

 楽しげに笑いながら、彼は俺の敏感な場所を的確に攻めてくる。
 俺がオメガであることを誰よりも理解し、愛してくれる手つき。
 抵抗する気力はすぐに溶けてなくなり、俺は彼の首に腕を回した。

「……ん、もう……好きにしてください」

「言われなくてもそうする」

 休日の予定はすべてキャンセルだ。
 まあ、こういう過ごし方も悪くない。
 俺は幸せな溜息をつき、愛する番の熱に身を委ねた。
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