隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました

水凪しおん

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エピローグ「星を継ぐ者たち」

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 あれから三年が経った。
 ドーム都市の外には、新しい居住区が次々と建設されている。
 浄化された大地は驚くほどの回復力を見せ、緑が広がり始めていた。

 俺は整備ドックで、新型の作業用ギアの調整をしていた。
 戦闘用ではなく、開拓用の機体だ。
 もう、誰も血を流す必要はない。

「パパ!」

 ドックの入り口から、元気な声が響いた。
 駆け寄ってきたのは、銀色の髪に青い瞳を持つ小さな男の子だ。
 俺とクレイドの養子になった、戦災孤児の子だ。

「こら、ドックの中は走るなって言っただろ」

 俺は慌てて工具を置き、彼を受け止める。
 その後ろから、穏やかな表情のクレイドが歩いてきた。

「元気があっていいじゃないか。将来は優秀なパイロットになる」

「親バカですね。整備士になるかもしれないのに」

「どちらでもいいさ。この子が選ぶ道なら」

 クレイドは俺の隣に並び、ドックの外に広がる青い空を見上げた。

 かつては絶望しかなかったこの世界。
 生まれ持った性別で運命を決められ、命をすり減らすしかなかった時代。
 でも、俺たちはそれを変えた。

「エリアン」

「はい」

「愛している。これからもずっと」

 クレイドが俺の肩を抱く。
 俺は彼の手に自分の手を重ね、微笑んだ。

「俺もです。……さあ、帰りましょう。今日はシチューにする約束でしたよね」

「ああ。楽しみにしている」

 俺たちは手をつなぎ、夕暮れの光の中を歩き出す。
 俺たちの物語はここで一区切りだが、この星の新しい物語は、まだ始まったばかりだ。
 どこまでも広がる青い空が、俺たちの未来を祝福しているようだった。
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