2 / 15
第1話「路地裏で拾った、小さな希望」
しおりを挟む
冷たい雨が石畳を叩く音だけが響いていた。
王都の壮麗な建物が立ち並ぶ大通りから一本外れた、薄汚れた路地裏。その軒下で、フィオは降りしきる雨をただ呆然と眺めていた。
つい先ほどまで彼の居場所だった王立錬金術師工房から、追い出されたばかりだったのだ。
「君のスキルは、我々が求めるものではない。もっと実用的な、例えば強力な回復ポーションや、攻撃魔法の触媒を即座に作り出せる才能こそが必要なのだ」
工房長の冷たい声が、まだ耳の奥で響いている。「役立たず」という烙印。それが、長年真面目に勤めてきたフィオに与えられた評価だった。
フィオの持つスキル【神眼鑑定】は、物の真の価値や成り立ち、そして修復方法までをも見抜く特別な力だ。しかし、それは派手な錬金術とは程遠い。壊れた魔道具の細かな調整や、古い文献の解読といった地味な仕事ばかりを任されてきた。その一つ一つが工房全体の運営を支えているという自負はあったが、結局は評価されなかった。
雨粒が頬を伝う。それが涙なのか雨なのか、もうフィオ自身にも分からなかった。
全てを失い、これからどうすればいいのか。絶望に心が沈みかけた、その時だった。
ふと、脳裏に懐かしい光景が蘇った。それは、この世界に生まれる前の、前世の記憶。埃っぽいけれど、どこか落ち着く空間。様々な品物に囲まれ、品物一つ一つの物語を客に語り聞かせていた、アンティークショップの店員だった頃の自分だ。
『価値は、人が決めるものじゃない。物が持つ物語そのものだ』
そうだ。あの頃、師と仰いだ店主がいつも口にしていた言葉だ。ガラクタに見えるものでも、誰かにとってはかけがえのない宝物。その価値を見出し、次の持ち主へと繋いでいく仕事に、彼は誇りを持っていた。
この世界でも、同じことができるんじゃないだろうか。
フィオの中に、小さな灯火がともった。【神眼鑑定】と、前世で培った修復技術。この二つを合わせれば、新しい道が開けるかもしれない。派手な魔法は使えなくても、誰かの大切な思い出を、この手で蘇らせることはできる。
健気なものだと、我ながら思う。それでも、俯いていても何も始まらない。
フィオは濡れた顔を上げ、しっかりと前を見据えた。
数週間後、フィオは王都の片隅、忘れ去られたような路地裏に、小さな店を構えていた。なけなしの金で借りた、今にも崩れそうな古い建物だ。看板には、拙いながらも心を込めて『時の忘れもの』と書き記した。
店の商品は、ガラクタ市で仕入れてきた埃まみれの品々。インクの出ない万年筆、曇ったレンズの古い眼鏡、音の鳴らない小さなベル。だがフィオの【神眼鑑定】には、それらが秘めた本来の輝きが見えていた。彼は一つ一つを丁寧に磨き、知識と技術を総動員して修理していく。それは、まるで失われた時を取り戻していくような、穏やかで満たされた時間だった。
店を開いて一月ほど経った、ある雨上がりの午後。店のドアベルが、カラン、と控えめな音を立てた。初めての客だった。
入ってきたのは、腰の曲がった小柄な老婆だった。深く刻まれた皺の中に、不安そうな瞳が揺れている。彼女は震える手で、古びた懐中時計をそっとカウンターの上に置いた。
「あの…どんなものでも直してくれる魔法使いがいると、噂で聞きまして…」
それは、細かな装飾が施された美しい銀の懐中時計だったが、針はぴたりと止まり、表面にはいくつもの傷がついている。フィオがそっと手に取り、【神眼鑑定】を使った。
――アイテム名:『永遠を誓った懐中時計』。半世紀前、ある時計職人が愛する妻のために作った一点物。内部の歯車が一つ、摩耗により欠損。しかし、込められた想いは今も色褪せてはいない――
「これは…とても素敵な時計ですね。あなたにとって、大切なものでしょう?」
フィオが優しく語りかけると、老婆はぽろぽろと涙をこぼし始めた。
「亡くなった夫の、たった一つの形見なんです。若い頃、初めてもらった贈り物で…。あの日から、私の時は止まったままのようで…」
その言葉に、フィオの胸はきゅっと締め付けられた。これは単なる修理じゃない。この人の止まってしまった時を、もう一度動かす仕事なんだ。
「お任せください。必ず、もう一度時を刻めるようにしてみせます」
フィオは老婆を椅子に座らせ、温かいハーブティーを出すと、すぐさま作業に取りかかった。繊細な工具を使い、時計を慎重に分解していく。鑑定スキルが示した通り、欠けているのは米粒よりも小さな歯車だった。代わりになる部品はない。ならば、作るしかない。
フィオは錬金術を使い、銀のくずから寸分違わぬ歯車を生成した。それは、王立工房でやっていた設備のメンテナンス用の部品作りで培った技術だった。役立たずと罵られた技術が、今、ここで誰かの心を救おうとしている。
全ての部品を丁寧に組み上げ、磨き上げた蓋を閉じる。フィオがそっとリューズを巻くと、チクタク、チクタクと、懐かしくも優しい音が静かな店内に響き渡った。
「さあ、ご覧ください」
フィオが差し出した時計を受け取った老婆は、再び動き出した秒針をじっと見つめ、やがてしゃくり上げながら泣いた。
「ああ…動いている…。あの日、夫がこれをくれた時のように…。ありがとうございます、ありがとうございます、魔法使いさま…」
何度も頭を下げる老婆に、フィオは少し照れくさそうに微笑んだ。
「いえ、私はただの修理屋です。この時計が、あなたと旦那様の時間を、ずっと覚えていただけですよ」
修理代として老婆が差し出した銀貨数枚を受け取り、深々と頭を下げて見送る。老婆の背中は、店に来た時よりも少しだけ、しゃんと伸びているように見えた。
一人になった店内で、フィオは窓から差し込む西日を浴びながら、老婆が置いていった銀貨を握りしめた。ずっしりとした重みと、温かさ。それは、誰かの笑顔によって得られた、初めての報酬だった。
失意の底で見た、アンティークショップの記憶。あの時の店主の言葉が、今ならはっきりとわかる。価値とは、値段や希少性じゃない。誰かの心に寄り添い、笑顔にできること。それこそが、何物にも代えがたい価値なのだ。
雨上がりの空には、淡い虹がかかっていた。路地裏で拾ったこの小さな希望を、大切に育てていこう。
フィオの新しい人生が、今、静かに時を刻み始めた。
王都の壮麗な建物が立ち並ぶ大通りから一本外れた、薄汚れた路地裏。その軒下で、フィオは降りしきる雨をただ呆然と眺めていた。
つい先ほどまで彼の居場所だった王立錬金術師工房から、追い出されたばかりだったのだ。
「君のスキルは、我々が求めるものではない。もっと実用的な、例えば強力な回復ポーションや、攻撃魔法の触媒を即座に作り出せる才能こそが必要なのだ」
工房長の冷たい声が、まだ耳の奥で響いている。「役立たず」という烙印。それが、長年真面目に勤めてきたフィオに与えられた評価だった。
フィオの持つスキル【神眼鑑定】は、物の真の価値や成り立ち、そして修復方法までをも見抜く特別な力だ。しかし、それは派手な錬金術とは程遠い。壊れた魔道具の細かな調整や、古い文献の解読といった地味な仕事ばかりを任されてきた。その一つ一つが工房全体の運営を支えているという自負はあったが、結局は評価されなかった。
雨粒が頬を伝う。それが涙なのか雨なのか、もうフィオ自身にも分からなかった。
全てを失い、これからどうすればいいのか。絶望に心が沈みかけた、その時だった。
ふと、脳裏に懐かしい光景が蘇った。それは、この世界に生まれる前の、前世の記憶。埃っぽいけれど、どこか落ち着く空間。様々な品物に囲まれ、品物一つ一つの物語を客に語り聞かせていた、アンティークショップの店員だった頃の自分だ。
『価値は、人が決めるものじゃない。物が持つ物語そのものだ』
そうだ。あの頃、師と仰いだ店主がいつも口にしていた言葉だ。ガラクタに見えるものでも、誰かにとってはかけがえのない宝物。その価値を見出し、次の持ち主へと繋いでいく仕事に、彼は誇りを持っていた。
この世界でも、同じことができるんじゃないだろうか。
フィオの中に、小さな灯火がともった。【神眼鑑定】と、前世で培った修復技術。この二つを合わせれば、新しい道が開けるかもしれない。派手な魔法は使えなくても、誰かの大切な思い出を、この手で蘇らせることはできる。
健気なものだと、我ながら思う。それでも、俯いていても何も始まらない。
フィオは濡れた顔を上げ、しっかりと前を見据えた。
数週間後、フィオは王都の片隅、忘れ去られたような路地裏に、小さな店を構えていた。なけなしの金で借りた、今にも崩れそうな古い建物だ。看板には、拙いながらも心を込めて『時の忘れもの』と書き記した。
店の商品は、ガラクタ市で仕入れてきた埃まみれの品々。インクの出ない万年筆、曇ったレンズの古い眼鏡、音の鳴らない小さなベル。だがフィオの【神眼鑑定】には、それらが秘めた本来の輝きが見えていた。彼は一つ一つを丁寧に磨き、知識と技術を総動員して修理していく。それは、まるで失われた時を取り戻していくような、穏やかで満たされた時間だった。
店を開いて一月ほど経った、ある雨上がりの午後。店のドアベルが、カラン、と控えめな音を立てた。初めての客だった。
入ってきたのは、腰の曲がった小柄な老婆だった。深く刻まれた皺の中に、不安そうな瞳が揺れている。彼女は震える手で、古びた懐中時計をそっとカウンターの上に置いた。
「あの…どんなものでも直してくれる魔法使いがいると、噂で聞きまして…」
それは、細かな装飾が施された美しい銀の懐中時計だったが、針はぴたりと止まり、表面にはいくつもの傷がついている。フィオがそっと手に取り、【神眼鑑定】を使った。
――アイテム名:『永遠を誓った懐中時計』。半世紀前、ある時計職人が愛する妻のために作った一点物。内部の歯車が一つ、摩耗により欠損。しかし、込められた想いは今も色褪せてはいない――
「これは…とても素敵な時計ですね。あなたにとって、大切なものでしょう?」
フィオが優しく語りかけると、老婆はぽろぽろと涙をこぼし始めた。
「亡くなった夫の、たった一つの形見なんです。若い頃、初めてもらった贈り物で…。あの日から、私の時は止まったままのようで…」
その言葉に、フィオの胸はきゅっと締め付けられた。これは単なる修理じゃない。この人の止まってしまった時を、もう一度動かす仕事なんだ。
「お任せください。必ず、もう一度時を刻めるようにしてみせます」
フィオは老婆を椅子に座らせ、温かいハーブティーを出すと、すぐさま作業に取りかかった。繊細な工具を使い、時計を慎重に分解していく。鑑定スキルが示した通り、欠けているのは米粒よりも小さな歯車だった。代わりになる部品はない。ならば、作るしかない。
フィオは錬金術を使い、銀のくずから寸分違わぬ歯車を生成した。それは、王立工房でやっていた設備のメンテナンス用の部品作りで培った技術だった。役立たずと罵られた技術が、今、ここで誰かの心を救おうとしている。
全ての部品を丁寧に組み上げ、磨き上げた蓋を閉じる。フィオがそっとリューズを巻くと、チクタク、チクタクと、懐かしくも優しい音が静かな店内に響き渡った。
「さあ、ご覧ください」
フィオが差し出した時計を受け取った老婆は、再び動き出した秒針をじっと見つめ、やがてしゃくり上げながら泣いた。
「ああ…動いている…。あの日、夫がこれをくれた時のように…。ありがとうございます、ありがとうございます、魔法使いさま…」
何度も頭を下げる老婆に、フィオは少し照れくさそうに微笑んだ。
「いえ、私はただの修理屋です。この時計が、あなたと旦那様の時間を、ずっと覚えていただけですよ」
修理代として老婆が差し出した銀貨数枚を受け取り、深々と頭を下げて見送る。老婆の背中は、店に来た時よりも少しだけ、しゃんと伸びているように見えた。
一人になった店内で、フィオは窓から差し込む西日を浴びながら、老婆が置いていった銀貨を握りしめた。ずっしりとした重みと、温かさ。それは、誰かの笑顔によって得られた、初めての報酬だった。
失意の底で見た、アンティークショップの記憶。あの時の店主の言葉が、今ならはっきりとわかる。価値とは、値段や希少性じゃない。誰かの心に寄り添い、笑顔にできること。それこそが、何物にも代えがたい価値なのだ。
雨上がりの空には、淡い虹がかかっていた。路地裏で拾ったこの小さな希望を、大切に育てていこう。
フィオの新しい人生が、今、静かに時を刻み始めた。
631
あなたにおすすめの小説
過労死転生、辺境で農業スローライフのはずが、不愛想な元騎士団長を餌付けして溺愛されてます
水凪しおん
BL
「もう、あくせく働くのは絶対に嫌だ!」
ブラック企業で過労死した俺、ユキナリが神様から授かったのは、どんな作物も育てられ、どんな道具にもなるチートスキル【万能農具】。念願のスローライフを送るため、辺境の荒れ地でのんびり農業を始めたはずが……出会ってしまったのは、心を閉ざした無愛想な元騎士団長・レオンハルト。俺の作るあったか料理に胃袋を掴まれ、凍てついた心が徐々に溶けていく彼。もふもふの番犬(黒狼)も加わって、穏やかな日々は加速していく。――収穫祭の夜、酔った勢いのキスをきっかけに、彼の独占欲に火をつけてしまった!?
「お前は、俺だけのものだ」
不器用で、でもどこまでも優しい彼の激しい愛情に、身も心も蕩かされていく。
辺境の地でのんびり農業をしていただけなのに、いつの間にか不愛想な元騎士団長の胃袋と心を射止めて、国まで動かすことになっちゃいました!? 甘々で時々ほろ苦い、異世界農業スローライフBL、ここに開幕!
過労死研究員が転生したら、無自覚チートな薬草師になって騎士様に溺愛される件
水凪しおん
BL
「君といる未来こそ、僕のたった一つの夢だ」
製薬会社の研究員だった月宮陽(つきみや はる)は、過労の末に命を落とし、魔法が存在する異世界で15歳の少年「ハル」として生まれ変わった。前世の知識を活かし、王立セレスティア魔法学院の薬草学科で特待生として穏やかな日々を送るはずだった。
しかし、彼には転生時に授かった、薬草の効果を飛躍的に高めるチートスキル「生命のささやき」があった――本人だけがその事実に気づかずに。
ある日、学院を襲った魔物によって負傷した騎士たちを、ハルが作った薬が救う。その奇跡的な効果を目の当たりにしたのは、名門貴族出身で騎士団副団長を務める青年、リオネス・フォン・ヴァインベルク。
「君の知識を学びたい。どうか、俺を弟子にしてくれないだろうか」
真面目で堅物、しかし誰より真っ直ぐな彼からの突然の申し出。身分の違いに戸惑いながらも、ハルは彼の指導を引き受ける。
師弟として始まった二人の関係は、共に過ごす時間の中で、やがて甘く切ない恋心へと姿を変えていく。
「君の作る薬だけでなく、君自身が、俺の心を癒やしてくれるんだ」
これは、無自覚チートな平民薬草師と、彼を一途に愛する堅物騎士が、身分の壁を乗り越えて幸せを掴む、優しさに満ちた異世界スローライフ&ラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました
水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。
世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。
「見つけた、俺の運命」
敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。
冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。
食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。
その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。
敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。
世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。
【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった
水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。
そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。
ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。
フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。
ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!?
無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる