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第20話「愛の力」
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「こうなれば……こうなれば、もうどうなってもいいですわ!」
完全に追い詰められたリリアンナは、懐から取り出した黒い短剣で自らの手のひらを切り裂き、その血を呪具に注ぎ込んだ。
「お前たちも、この国も、全て道連れよ! 『簒奪の聖杯』よ、この国の全ての魔力を喰らい、私に究極の力を与えなさい!」
彼女の狂気の叫びに呼応し、城の地下から巨大な魔力が噴き出した。呪具が暴走を始めたのだ。城全体が激しく揺れ、壁や天井が崩れ始める。
「うわあああっ!」
貴族や騎士たちはパニックに陥り、逃げ惑う。
リリアンナの体は、暴走した魔力にのみ込まれ、醜い異形の怪物へと姿を変えていった。
「アハハハハ! これで私は神になるのよ!」
怪物が振り下ろした巨大な腕が、カイルに迫る。
「危ない!」
レイルが瞬時にカイルを抱きしめ、背中に張った魔力障壁で攻撃を受け止めた。凄まじい衝撃に、レイルの口から血がこぼれる。
「レイルさん!」
「……気にするな。お前は、無事か?」
この状況でも、レイルはカイルのことだけを心配していた。
カイルの胸が熱くなる。もう、守られてばかりの自分じゃない。
「レイルさん、信じてください! 俺たち二人なら、あんなものに負けたりしない!」
カイルは台座に安置されていた『守護の宝剣』を手に取った。
「俺が鑑定します! あの呪具の核を!」
カイルが宝剣を構え、スキルを最大まで集中させる。レイルは、そんなカイルの背中を守るように立ち、自らの魔力を宝剣へと注ぎ込んだ。
カイルの鑑定の力と、レイルの魔王の力が、宝剣を介して一つになる。
『守護の宝剣』は、持ち主の信じる心を力に変える遺物。カイルのレイルを信じる心、レイルのカイルを信じる心。二人の心が完全に共鳴した時、宝剣は眩いばかりの黄金の輝きを放った。
「いけえええええっ!」
カイルが振り下ろした一閃は、黄金の光の奔流となり、リリアンナが変貌した怪物の核――暴走した呪具を正確に貫いた。
「そん……な……わたくし、が……」
断末魔の叫びと共に、怪物は光の中に消滅し、暴走していた魔力も霧散していく。
後に残ったのは、静寂と、朝日を浴びて輝く宝剣を手に、寄り添い合うカイルとレイルの姿だけだった。
最後の遺物の力によって、リリアンナの呪具は完全に破壊され、同時に、レイルの体を苛んでいた「悲しみの呪縛」もまた、その最後の欠片が光となって消え去っていった。
全ての呪いは、解かれたのだ。
完全に追い詰められたリリアンナは、懐から取り出した黒い短剣で自らの手のひらを切り裂き、その血を呪具に注ぎ込んだ。
「お前たちも、この国も、全て道連れよ! 『簒奪の聖杯』よ、この国の全ての魔力を喰らい、私に究極の力を与えなさい!」
彼女の狂気の叫びに呼応し、城の地下から巨大な魔力が噴き出した。呪具が暴走を始めたのだ。城全体が激しく揺れ、壁や天井が崩れ始める。
「うわあああっ!」
貴族や騎士たちはパニックに陥り、逃げ惑う。
リリアンナの体は、暴走した魔力にのみ込まれ、醜い異形の怪物へと姿を変えていった。
「アハハハハ! これで私は神になるのよ!」
怪物が振り下ろした巨大な腕が、カイルに迫る。
「危ない!」
レイルが瞬時にカイルを抱きしめ、背中に張った魔力障壁で攻撃を受け止めた。凄まじい衝撃に、レイルの口から血がこぼれる。
「レイルさん!」
「……気にするな。お前は、無事か?」
この状況でも、レイルはカイルのことだけを心配していた。
カイルの胸が熱くなる。もう、守られてばかりの自分じゃない。
「レイルさん、信じてください! 俺たち二人なら、あんなものに負けたりしない!」
カイルは台座に安置されていた『守護の宝剣』を手に取った。
「俺が鑑定します! あの呪具の核を!」
カイルが宝剣を構え、スキルを最大まで集中させる。レイルは、そんなカイルの背中を守るように立ち、自らの魔力を宝剣へと注ぎ込んだ。
カイルの鑑定の力と、レイルの魔王の力が、宝剣を介して一つになる。
『守護の宝剣』は、持ち主の信じる心を力に変える遺物。カイルのレイルを信じる心、レイルのカイルを信じる心。二人の心が完全に共鳴した時、宝剣は眩いばかりの黄金の輝きを放った。
「いけえええええっ!」
カイルが振り下ろした一閃は、黄金の光の奔流となり、リリアンナが変貌した怪物の核――暴走した呪具を正確に貫いた。
「そん……な……わたくし、が……」
断末魔の叫びと共に、怪物は光の中に消滅し、暴走していた魔力も霧散していく。
後に残ったのは、静寂と、朝日を浴びて輝く宝剣を手に、寄り添い合うカイルとレイルの姿だけだった。
最後の遺物の力によって、リリアンナの呪具は完全に破壊され、同時に、レイルの体を苛んでいた「悲しみの呪縛」もまた、その最後の欠片が光となって消え去っていった。
全ての呪いは、解かれたのだ。
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