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学園の王子様
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ラエル様は学園内で王子様のような存在。令嬢はなんとかラエル様にお近づきになろうとみな必死でした。
「中庭にラエル公爵様がいらっしゃるそうよ!」
「それは本当?直ぐに行くわ、早く支度してちょうだい!」
ラエル様がいると知り、令嬢もお付きの侍女たちも慌ただしくお会いできるよう準備をしています。
ラエル様は公爵家の中でも上流階級のお方。
幼少期から公務に関する様々な知識を身につけ剣術の教育を受けていたこともあり、剣の腕前はもちろんのこと頭のキレも鋭く、他の生徒と同じ授業を受けるにはあまりにも勿体無いと、授業は特別クラスで受けていらっしゃいます。
他にもラエル様と同じ階級におられる生徒はみな別の校舎で学園生活を過ごしています。
校舎も少し離れているため、なかなかお会いできない遠い存在の方なのです。
そして、〝中庭“と呼ばれる、とてつもなく広い花園があり、そこが唯一この校舎と特別クラスの校舎を繋いでいる場所なのです。
「あなたの婚約者様は本当に人気者ね」
そう言って私を見るのは、この学園で唯一できたお友達のマリアです。
彼女はこの地域一帯を取りまとめる伯爵家の令嬢で、階級は私と比較するのも申し訳ないほど。
同じ爵位でも、上流・中流・下流が存在し、私は下流。彼女は上流のトップなのです。
この国では階級にとても厳しく、令嬢同士で揉め事を起こすこともしばしば。
悲しいことですが、同じ伯爵家同士でも、下流階級の人間は上流階級の人間から辛く当たられても黙っているしかありません。そういう世界なのです。
もちろん、ラエル様のお父様やマリアのようにそんな事気にしない、と言ってくれる方もいらっしゃいます。
「ラエル様は、とても素敵な方ですから。」
声を少し潜めて私は返事をしました。
ラエル様と私が婚約している事は、この学園ではマリア様しか知りません。
他の令嬢に知られたらどんな目に遭うかを考えると、恐ろしくて震えてしまいます。
「あら、惚気かしら?」
「ちがっ...」
思わず飲んでいた紅茶を溢しそうになり、けほけほっとむせてしまいました。
惚気なんて。そんなつもりはもちろんありませんでした。
「ふふっ。ほんと、からかいがいがあるわ」
少し意地悪そうに微笑む姿も美しく見えるほど、マリアの容姿はとても整っています。
私がマリアのように美しかったら、ラエル様の隣にいて恥ずかしくなることも無いのかしら、なんて思うこともしばしば。
「ラエル様は本当に私でいいのかしら...」
「それは愚問ね。ねえ、ローズ。あなた、ラエル公爵様がどんな風にあなたを見ているか、本当に分かっているの?」
「どんな風に...」
昨日の記憶が蘇ってきました。
あの後、どれくらい抱きしめられていたかわかりません。コンコンっとドアを鳴らす音で我に返り、ラエル様を凄い勢いで押してしまい、慌てて謝って...
『ローズ、頭を上げて』
そっとラエル様の方を見ると、楽しそうに、けれど幸せそうに微笑まれていて...
「ローズ?」
「...わからないんです。どうしてラエル様は私にあんなに嬉しそうに微笑んでくれるのか」
そういうと、マリアは少し息を吐いて何か呟いているようでしたが、よく聞き取れませんでした。
「これは、自覚させるのに時間がかかりそうね」
「中庭にラエル公爵様がいらっしゃるそうよ!」
「それは本当?直ぐに行くわ、早く支度してちょうだい!」
ラエル様がいると知り、令嬢もお付きの侍女たちも慌ただしくお会いできるよう準備をしています。
ラエル様は公爵家の中でも上流階級のお方。
幼少期から公務に関する様々な知識を身につけ剣術の教育を受けていたこともあり、剣の腕前はもちろんのこと頭のキレも鋭く、他の生徒と同じ授業を受けるにはあまりにも勿体無いと、授業は特別クラスで受けていらっしゃいます。
他にもラエル様と同じ階級におられる生徒はみな別の校舎で学園生活を過ごしています。
校舎も少し離れているため、なかなかお会いできない遠い存在の方なのです。
そして、〝中庭“と呼ばれる、とてつもなく広い花園があり、そこが唯一この校舎と特別クラスの校舎を繋いでいる場所なのです。
「あなたの婚約者様は本当に人気者ね」
そう言って私を見るのは、この学園で唯一できたお友達のマリアです。
彼女はこの地域一帯を取りまとめる伯爵家の令嬢で、階級は私と比較するのも申し訳ないほど。
同じ爵位でも、上流・中流・下流が存在し、私は下流。彼女は上流のトップなのです。
この国では階級にとても厳しく、令嬢同士で揉め事を起こすこともしばしば。
悲しいことですが、同じ伯爵家同士でも、下流階級の人間は上流階級の人間から辛く当たられても黙っているしかありません。そういう世界なのです。
もちろん、ラエル様のお父様やマリアのようにそんな事気にしない、と言ってくれる方もいらっしゃいます。
「ラエル様は、とても素敵な方ですから。」
声を少し潜めて私は返事をしました。
ラエル様と私が婚約している事は、この学園ではマリア様しか知りません。
他の令嬢に知られたらどんな目に遭うかを考えると、恐ろしくて震えてしまいます。
「あら、惚気かしら?」
「ちがっ...」
思わず飲んでいた紅茶を溢しそうになり、けほけほっとむせてしまいました。
惚気なんて。そんなつもりはもちろんありませんでした。
「ふふっ。ほんと、からかいがいがあるわ」
少し意地悪そうに微笑む姿も美しく見えるほど、マリアの容姿はとても整っています。
私がマリアのように美しかったら、ラエル様の隣にいて恥ずかしくなることも無いのかしら、なんて思うこともしばしば。
「ラエル様は本当に私でいいのかしら...」
「それは愚問ね。ねえ、ローズ。あなた、ラエル公爵様がどんな風にあなたを見ているか、本当に分かっているの?」
「どんな風に...」
昨日の記憶が蘇ってきました。
あの後、どれくらい抱きしめられていたかわかりません。コンコンっとドアを鳴らす音で我に返り、ラエル様を凄い勢いで押してしまい、慌てて謝って...
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「ローズ?」
「...わからないんです。どうしてラエル様は私にあんなに嬉しそうに微笑んでくれるのか」
そういうと、マリアは少し息を吐いて何か呟いているようでしたが、よく聞き取れませんでした。
「これは、自覚させるのに時間がかかりそうね」
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