4 / 40
第4話 跡を濁さず
しおりを挟む
フェリクス様から婚約を破棄されて家に戻ってきた私は、すぐにアイデアノートを処分した。次に使おうと考えていた新しい演出や提供する料理の候補、インテリアの配置案や依頼しようと予定していた楽団の候補など書き留めた私の大切なノート。
そのノートを処分するのは少し辛かったが、もう必要なくなったから。しっかりと燃やして、跡形もなくなった瞬間を見届けた。これでもう、誰にも盗み見ることなど出来なくなった。
それから、今までパーティーを開く時に色々とサポートしてくれた人達にも会いに行った。色々と助けてくれた人達には、ちゃんと話しておくべきだと思ったから。
会場の大掛かりな飾り付けやインテリアの配置などを指示してくれていた職人達、参加者に送る招待状のデザインや手配などを請け負ってくれたスタッフ達、そして色々と相談に乗ってアドバイスしてくれた貴族の方々。他にも色々な多くの人達に、私は会いに行った。お世話になった人達に、挨拶と報告をするために。
フェリクス様との婚約が破棄されたので、今後は私がパーティーを開くこともなくなるだろう。それから、私が妹のアイデアを盗んで自分の手柄にしていたという話を聞くようになるかもしれない。だが、それは嘘だということ。真実を彼らに話した。
話を聞いてくれた人達は、私のことを信じてくれた。一緒に仕事をしていたから、誰かのアイデアを盗んで自分の手柄にするなんて信じられない。むしろ、アイデアを盗まれたと言い出した人物のほうが怪しい。
話を聞いて、私の代わりに怒りを露わにする人も居た。私のために怒ってくれる人が居たことが嬉しくて、また泣いてしまった。
そして私は彼らに、こんなお願いをした。
もしかしたら、フェリクス様か妹のペトラがパーティーの準備をするために手伝いを依頼してくるかもしれない。その時は、それぞれの判断で請け負うのか断るのかを決めてほしいと。
本当は断ってほしい。だけど、彼らにも生活がある。仕事の依頼を断ってしまったら、彼らの収入が減ることになる。だから私は、断ってほしいとは言えなかった。
だけど彼らは、断ると約束してくれた。
「そんな酷い話は聞いたことがないッ! そんな奴らの依頼など断るに決まってる。何かあったら必ず俺達に言ってくれよ? 絶対に君の力になるからさ!」
そう言って、私のことを心配してくれる人達が居てくれた。その言葉だけで十分。それだけで私は救われる。まだ頑張れる気がした。
そのノートを処分するのは少し辛かったが、もう必要なくなったから。しっかりと燃やして、跡形もなくなった瞬間を見届けた。これでもう、誰にも盗み見ることなど出来なくなった。
それから、今までパーティーを開く時に色々とサポートしてくれた人達にも会いに行った。色々と助けてくれた人達には、ちゃんと話しておくべきだと思ったから。
会場の大掛かりな飾り付けやインテリアの配置などを指示してくれていた職人達、参加者に送る招待状のデザインや手配などを請け負ってくれたスタッフ達、そして色々と相談に乗ってアドバイスしてくれた貴族の方々。他にも色々な多くの人達に、私は会いに行った。お世話になった人達に、挨拶と報告をするために。
フェリクス様との婚約が破棄されたので、今後は私がパーティーを開くこともなくなるだろう。それから、私が妹のアイデアを盗んで自分の手柄にしていたという話を聞くようになるかもしれない。だが、それは嘘だということ。真実を彼らに話した。
話を聞いてくれた人達は、私のことを信じてくれた。一緒に仕事をしていたから、誰かのアイデアを盗んで自分の手柄にするなんて信じられない。むしろ、アイデアを盗まれたと言い出した人物のほうが怪しい。
話を聞いて、私の代わりに怒りを露わにする人も居た。私のために怒ってくれる人が居たことが嬉しくて、また泣いてしまった。
そして私は彼らに、こんなお願いをした。
もしかしたら、フェリクス様か妹のペトラがパーティーの準備をするために手伝いを依頼してくるかもしれない。その時は、それぞれの判断で請け負うのか断るのかを決めてほしいと。
本当は断ってほしい。だけど、彼らにも生活がある。仕事の依頼を断ってしまったら、彼らの収入が減ることになる。だから私は、断ってほしいとは言えなかった。
だけど彼らは、断ると約束してくれた。
「そんな酷い話は聞いたことがないッ! そんな奴らの依頼など断るに決まってる。何かあったら必ず俺達に言ってくれよ? 絶対に君の力になるからさ!」
そう言って、私のことを心配してくれる人達が居てくれた。その言葉だけで十分。それだけで私は救われる。まだ頑張れる気がした。
127
あなたにおすすめの小説
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
妹ばかりを贔屓し溺愛する婚約者にウンザリなので、わたしも辺境の大公様と婚約しちゃいます
新世界のウサギさん
恋愛
わたし、リエナは今日婚約者であるローウェンとデートをする予定だった。
ところが、いつになっても彼が現れる気配は無く、待ちぼうけを喰らう羽目になる。
「私はレイナが好きなんだ!」
それなりの誠実さが売りだった彼は突如としてわたしを捨て、妹のレイナにぞっこんになっていく。
こうなったら仕方ないので、わたしも前から繋がりがあった大公様と付き合うことにします!
妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。
木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。
それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。
リオーラは、姉である私のことを侮っていた。
彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。
ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。
そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる