31 / 40
第31話 事件 ※フェリクス視点
しおりを挟む
「どうした! 一体何が起きた!?」
「フェリクス様! 侵入者です」
倒れている夫人のそばに駆けつけて、近くに居たスタッフに確認する。何が起きたのか。すると、スタッフの男が慌てた様子で答えた。
「侵入者だと?」
「会場に、正体不明の賊が!」
「なに!? 警備兵は何をやっていたんだ!!」
「そ、それが……」
警備は万全だったはず。それなのに、賊が侵入してきた。しかも、参加者の女性を傷付けた。これは、重大な問題だった。しかも、犯人の姿が見当たらない。どうやら逃してしまったのか。
どうして賊が会場に入り込めたのか。そいつの目的は何なのか。なんで、参加者の夫人を傷付けたのか。今も捕まえられないるは、どうして。疑問が沢山ある。
とにかく、賊を捕まえないと。警備兵に命令して、周辺を探させないといけない。絶対に逃してはならない。いや、それよりも。
「ええい!! 王子を保護することが先決だ。絶対に傷つけさせるなッ!」
「は、はいッ!!」
パーティーに参加してもらった王子が怪我をしたら、とんでもないことになるぞ。そうさせないように、急いで彼の安全を確保しなければ。護衛の兵士を引き連れて、俺は急いで会場の中を探した。
すぐ見つかるだろうと思っていた。しかし、見つからない。さっきまで、居たはずなのに。
「くっ……、どこに居るんだ?」
まさか、王子も賊に襲われたのか!? 背筋が凍る。そんな、馬鹿なことがあってたまるか。ここに居ないということは、賊に捕まって連れて行かれたのか。いいや、もしかすると既に殺されている可能性だってある。考えたくもない最悪な未来。
会場に居た者達は、事件が起きたことを知って一斉に逃げ出した。あっという間に会場から、人が居なくなった。それなのに、まだ王子は見当たらない。
「フェリクス様!」
「どうした!? 王子は見つかったか? それとも、賊を捕まえたのか?」
スタッフが駆け寄ってくる。静かになった会場で、俺の横に黙ったままのペトラも立っている状況で。
「王子は既に、会場から逃げ出したようです」
「なにぃ!? どういうことだ! 王子を保護しろと言ったはずだぞ!!」
「申し訳ございませんッ! しかし、事件が発生した直後に王子はすぐ会場から出て行かれたようで。ちゃんと逃げ出して、何事もなく無事だという報告がありました」
「もう逃げたのか!? そ、そうか。無事だったか……」
この会場が危ないと判断して、すぐに逃げ出したのか。賢明な判断だな。だけど、俺に何の確認もせずに逃げるとは。いや、とにかく無事なようで良かった。しかし、このままではマズイだろう。
もう会場には、誰も残っていない。俺は、ペトラと一緒に取り残されてしまった。先程まで、盛大なパーティーを開いていたというのが信じられないような静けさ。
「フェリクス様。なんだか、大変なことになってしまいましたね」
「あ、あぁ……。まさか、こんな事になるなんて……」
今まで黙っていたペトラが口を開いた。まるで他人事のように、俺に言い放った。その態度に苛立ちを覚えたが、ここで怒鳴り散らしても仕方がない。落ち着け、俺。冷静になるんだ。
「これから、どうするおつもりですか?」
「どうするって……」
ペトラの問いかけに、俺は何も答えられない。パーティーはメチャクチャになり、王子の安全を確保することも出来なかった。賊も捕まえられていない。
俺が仕切ったパーティーは、無事に成功するだろうと思っていた。なのに、結果は大失敗だ。最悪な結末を迎えようとしている。せっかく、ここまで上手くやってきたのに。会場に賊が侵入したせいで、全て台無しになってしまった。
これから、どうするかなんて分からない。俺は、どうすればいいのか。
「フェリクス様! 侵入者です」
倒れている夫人のそばに駆けつけて、近くに居たスタッフに確認する。何が起きたのか。すると、スタッフの男が慌てた様子で答えた。
「侵入者だと?」
「会場に、正体不明の賊が!」
「なに!? 警備兵は何をやっていたんだ!!」
「そ、それが……」
警備は万全だったはず。それなのに、賊が侵入してきた。しかも、参加者の女性を傷付けた。これは、重大な問題だった。しかも、犯人の姿が見当たらない。どうやら逃してしまったのか。
どうして賊が会場に入り込めたのか。そいつの目的は何なのか。なんで、参加者の夫人を傷付けたのか。今も捕まえられないるは、どうして。疑問が沢山ある。
とにかく、賊を捕まえないと。警備兵に命令して、周辺を探させないといけない。絶対に逃してはならない。いや、それよりも。
「ええい!! 王子を保護することが先決だ。絶対に傷つけさせるなッ!」
「は、はいッ!!」
パーティーに参加してもらった王子が怪我をしたら、とんでもないことになるぞ。そうさせないように、急いで彼の安全を確保しなければ。護衛の兵士を引き連れて、俺は急いで会場の中を探した。
すぐ見つかるだろうと思っていた。しかし、見つからない。さっきまで、居たはずなのに。
「くっ……、どこに居るんだ?」
まさか、王子も賊に襲われたのか!? 背筋が凍る。そんな、馬鹿なことがあってたまるか。ここに居ないということは、賊に捕まって連れて行かれたのか。いいや、もしかすると既に殺されている可能性だってある。考えたくもない最悪な未来。
会場に居た者達は、事件が起きたことを知って一斉に逃げ出した。あっという間に会場から、人が居なくなった。それなのに、まだ王子は見当たらない。
「フェリクス様!」
「どうした!? 王子は見つかったか? それとも、賊を捕まえたのか?」
スタッフが駆け寄ってくる。静かになった会場で、俺の横に黙ったままのペトラも立っている状況で。
「王子は既に、会場から逃げ出したようです」
「なにぃ!? どういうことだ! 王子を保護しろと言ったはずだぞ!!」
「申し訳ございませんッ! しかし、事件が発生した直後に王子はすぐ会場から出て行かれたようで。ちゃんと逃げ出して、何事もなく無事だという報告がありました」
「もう逃げたのか!? そ、そうか。無事だったか……」
この会場が危ないと判断して、すぐに逃げ出したのか。賢明な判断だな。だけど、俺に何の確認もせずに逃げるとは。いや、とにかく無事なようで良かった。しかし、このままではマズイだろう。
もう会場には、誰も残っていない。俺は、ペトラと一緒に取り残されてしまった。先程まで、盛大なパーティーを開いていたというのが信じられないような静けさ。
「フェリクス様。なんだか、大変なことになってしまいましたね」
「あ、あぁ……。まさか、こんな事になるなんて……」
今まで黙っていたペトラが口を開いた。まるで他人事のように、俺に言い放った。その態度に苛立ちを覚えたが、ここで怒鳴り散らしても仕方がない。落ち着け、俺。冷静になるんだ。
「これから、どうするおつもりですか?」
「どうするって……」
ペトラの問いかけに、俺は何も答えられない。パーティーはメチャクチャになり、王子の安全を確保することも出来なかった。賊も捕まえられていない。
俺が仕切ったパーティーは、無事に成功するだろうと思っていた。なのに、結果は大失敗だ。最悪な結末を迎えようとしている。せっかく、ここまで上手くやってきたのに。会場に賊が侵入したせいで、全て台無しになってしまった。
これから、どうするかなんて分からない。俺は、どうすればいいのか。
113
あなたにおすすめの小説
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。
双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた
今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。
二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。
それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。
しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。
調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる