34 / 40
第34話 俺の責任じゃない ※フェリクス視点
しおりを挟む
パーティーは大失敗だった。
多くの参加者を集めて、盛大に行おうとした末の大失敗。しかも、賊に侵入されて参加者達を危険に晒した。
あの日、会場に侵入した賊は一人だけじゃなかった。数多くの悪党どもが、会場内に侵入した。そして、中にあった大事な物を盗み取っていった。盗難の被害にあった貴族も数多い。損害賠償を請求されて、ハルトマイヤー公爵家が支払うことになった。とんでもない金額。
問題は、それだけじゃない。俺が、王子暗殺の容疑をかけられた。あの日、わざと賊を会場内に招き入れたと疑われているらしい。
侵入してきた賊達は、警備ルートや配置された位置や人数、建物の内部構造などの機密情報を全て把握していた。情報を渡して、王子を危険に晒したと。
そんな事、するはずないだろう!
調査しに来た王国騎士団が、俺を詰問する。俺は、何もやっていない。機密情報も漏らしていない。別の誰かが、勝手に情報を漏らした。俺の責任じゃない。
本当のことを何度も繰り返し答えても、彼らは納得しない。無実だと訴え続けたが無駄だった。
このままでは処刑される。無実の罪で殺されるなんて、俺は絶対に嫌だ。だから、休憩を与えられた瞬間に逃げ出した。ここで訴え続けても、彼らは信じないだろう。他の方法で、無実であることを明らかにしなければならない。
街に出て、どうするか考える。知り合いの貴族は頼れない。王子のもとへ行って、自ら説明して信じてもらうか。今このタイミングで会いに行っても、捕まるだけだ。婚約者のペトラに助けを求めても無駄だろう。
やはり、俺が頼れるのは……。
ふと、遠くに馬車が走っているのが見えた。なんとなく見た、そこに彼女が居た。俺が考えていた、頼れる人。
「……ベリンダ!」
俺は走り出した。建物の間を走り抜けて、先回りする。普通なら、追いつかない。だけど、あの道を通って行けば追いつけるはずだ。自然と、通るべき道が分かった。迷わず先に進んでいく。この先に、彼女が待っているから。
必死に走って、馬車の前に飛び出した。ここで死んでしまってもいい。死んでも、この機会を逃したくないから。それほどの覚悟を持って、飛び込んだ。すると、俺の目の前で馬車は止まった。良かった。やっぱり俺は、まだ死んでいない。
この馬車の中に、彼女が乗っているのはずだ。邪魔者を押しのけて、確認する。
やっぱり居た! 俺は、まだ終わっていない。彼女が助けてくれるはず。そういう運命だった。
俺は必死に助けを求めた。だが、俺の予想した反応は返ってこなかった。なぜだ、ベリンダ。俺は、心の底から謝っている。だから、助けてくれ。
なぜだ! なんで、俺を助けてくれないんだ。必死で謝り続けているのに、彼女は無視する。助けてくれ。
とうとう、王国騎士団が追いかけてきた。ここで助けてくれないと、俺は終わってしまう。本当に、終わってしまうんだ。
しかし、彼女に拒否された。まだ、婚約を破棄したことを恨んでいるというのか。その事は、謝ったのに。
何を言っても信じてくれない彼ら。ハルトマイヤー公爵家も終わり。だけど、俺の責任じゃない。こうなってしまったのは、他の皆が悪いんだ。
多くの参加者を集めて、盛大に行おうとした末の大失敗。しかも、賊に侵入されて参加者達を危険に晒した。
あの日、会場に侵入した賊は一人だけじゃなかった。数多くの悪党どもが、会場内に侵入した。そして、中にあった大事な物を盗み取っていった。盗難の被害にあった貴族も数多い。損害賠償を請求されて、ハルトマイヤー公爵家が支払うことになった。とんでもない金額。
問題は、それだけじゃない。俺が、王子暗殺の容疑をかけられた。あの日、わざと賊を会場内に招き入れたと疑われているらしい。
侵入してきた賊達は、警備ルートや配置された位置や人数、建物の内部構造などの機密情報を全て把握していた。情報を渡して、王子を危険に晒したと。
そんな事、するはずないだろう!
調査しに来た王国騎士団が、俺を詰問する。俺は、何もやっていない。機密情報も漏らしていない。別の誰かが、勝手に情報を漏らした。俺の責任じゃない。
本当のことを何度も繰り返し答えても、彼らは納得しない。無実だと訴え続けたが無駄だった。
このままでは処刑される。無実の罪で殺されるなんて、俺は絶対に嫌だ。だから、休憩を与えられた瞬間に逃げ出した。ここで訴え続けても、彼らは信じないだろう。他の方法で、無実であることを明らかにしなければならない。
街に出て、どうするか考える。知り合いの貴族は頼れない。王子のもとへ行って、自ら説明して信じてもらうか。今このタイミングで会いに行っても、捕まるだけだ。婚約者のペトラに助けを求めても無駄だろう。
やはり、俺が頼れるのは……。
ふと、遠くに馬車が走っているのが見えた。なんとなく見た、そこに彼女が居た。俺が考えていた、頼れる人。
「……ベリンダ!」
俺は走り出した。建物の間を走り抜けて、先回りする。普通なら、追いつかない。だけど、あの道を通って行けば追いつけるはずだ。自然と、通るべき道が分かった。迷わず先に進んでいく。この先に、彼女が待っているから。
必死に走って、馬車の前に飛び出した。ここで死んでしまってもいい。死んでも、この機会を逃したくないから。それほどの覚悟を持って、飛び込んだ。すると、俺の目の前で馬車は止まった。良かった。やっぱり俺は、まだ死んでいない。
この馬車の中に、彼女が乗っているのはずだ。邪魔者を押しのけて、確認する。
やっぱり居た! 俺は、まだ終わっていない。彼女が助けてくれるはず。そういう運命だった。
俺は必死に助けを求めた。だが、俺の予想した反応は返ってこなかった。なぜだ、ベリンダ。俺は、心の底から謝っている。だから、助けてくれ。
なぜだ! なんで、俺を助けてくれないんだ。必死で謝り続けているのに、彼女は無視する。助けてくれ。
とうとう、王国騎士団が追いかけてきた。ここで助けてくれないと、俺は終わってしまう。本当に、終わってしまうんだ。
しかし、彼女に拒否された。まだ、婚約を破棄したことを恨んでいるというのか。その事は、謝ったのに。
何を言っても信じてくれない彼ら。ハルトマイヤー公爵家も終わり。だけど、俺の責任じゃない。こうなってしまったのは、他の皆が悪いんだ。
117
あなたにおすすめの小説
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
【完結】「妹が欲しがるのだから与えるべきだ」と貴方は言うけれど……
小笠原 ゆか
恋愛
私の婚約者、アシュフォード侯爵家のエヴァンジェリンは、後妻の産んだ義妹ダルシニアを虐げている――そんな噂があった。次期王子妃として、ひいては次期王妃となるに相応しい振る舞いをするよう毎日叱責するが、エヴァンジェリンは聞き入れない。最後の手段として『婚約解消』を仄めかしても動じることなく彼女は私の下を去っていった。
この作品は『小説家になろう』でも公開中です。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
婚約者が、私より従妹のことを信用しきっていたので、婚約破棄して譲ることにしました。どうですか?ハズレだったでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者が、従妹の言葉を信用しきっていて、婚約破棄することになった。
だが、彼は身をもって知ることとになる。自分が選んだ女の方が、とんでもないハズレだったことを。
全2話。
(完結)あなたが婚約破棄とおっしゃったのですよ?
青空一夏
恋愛
スワンはチャーリー王子殿下の婚約者。
チャーリー王子殿下は冴えない容姿の伯爵令嬢にすぎないスワンをぞんざいに扱い、ついには婚約破棄を言い渡す。
しかし、チャーリー王子殿下は知らなかった。それは……
これは、身の程知らずな王子がギャフンと言わされる物語です。コメディー調になる予定で
す。過度な残酷描写はしません(多分(•́ε•̀;ก)💦)
それぞれの登場人物視点から話が展開していく方式です。
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定ご都合主義。タグ途中で変更追加の可能性あり。
妹ばかりを贔屓し溺愛する婚約者にウンザリなので、わたしも辺境の大公様と婚約しちゃいます
新世界のウサギさん
恋愛
わたし、リエナは今日婚約者であるローウェンとデートをする予定だった。
ところが、いつになっても彼が現れる気配は無く、待ちぼうけを喰らう羽目になる。
「私はレイナが好きなんだ!」
それなりの誠実さが売りだった彼は突如としてわたしを捨て、妹のレイナにぞっこんになっていく。
こうなったら仕方ないので、わたしも前から繋がりがあった大公様と付き合うことにします!
妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。
木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。
それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。
リオーラは、姉である私のことを侮っていた。
彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。
ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。
そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる