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第07話 旅立つ準備
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玄関を出ると、馬車が止まっていた。そこに、数名の男女が待っていた。
「ゲオルグさん、お嬢様をお連れしました」
「よし。荷物は?」
「これです」
「これだけなのか?」
「急いで準備してきたので、もしかしたら何か忘れ物があるかも」
「……仕方ない。必要なものがあれば、途中で手に入れるか」
メイドが運んでくれた私の荷物を受け取る老年の男性は、お父様から屋敷の管理を任されている筆頭執事のゲオルグだった。わざわざ、見送りに来てくれたのか。
だけど、会話の内容を聞いていると一緒に来るような雰囲気がある。もしかして、彼も一緒に来るのか。筆頭執事として忙しいだろうから、そんなわけないわよね。
私は、少し離れた場所で彼らの様子を観察する。
馬車を走らせる準備をしている人達もいた。
荷台に色々と積み込んでいる男性は、私が馬車に乗る時によく御者をしてくれているタデウスという人。それから、彼の手伝いをしているメイド姿の女性。彼女の顔は見た覚えがあるけれど、名前は知らない。
「お嬢様、忘れ物は無いですか?」
「え? えぇ。他に必要なものは無いと思うけれど……」
ゲオルグから急に質問されたので、私は慌てて答えた。
「了解しました。旅の道中、必要な物があれば遠慮せずにおっしゃってください」
「えっと……。分かったわ、ありがとう」
やはり、とても気を使われている。なぜなのかしら。というか、やはりゲオルグも一緒に行くようだった。
「馬車の準備が整いました。さぁ、カトリーヌ様。乗ってください」
「分かったわ」
タデウスに補助してもらって、私は馬車に乗り込む。私の後に続いて、ゲオルグとメイド二人も乗り込んだ。
私と執事のゲオルグ、メイドの二人に御者のタデウス。この合計5人で、旅立つのかしら。
「貴方達も一緒に来るつもりなの?」
「はい。我らも、カトリーヌお嬢様と一緒に行きます」
聞かずにはいられなかった。問いかけてみると、タデウスが力強く頷く。メイドの二人にタデウスも同じように、頷いている。
「でも、貴方たちには他に大事な仕事があるんじゃ……」
特にゲオルグは、筆頭執事としての大事な仕事が山ほどあるはず。屋敷を管理する様々な仕事に、他の執事やメイドたちの指揮もしなければならないだろう。
そんな重役の人が、屋敷から離れていいのかしら。私を王都の外へ連れて行くだけのことに、一緒についてくる意味があるのか。
そんな疑問を思い浮かべていると、彼らはあっさり白状した。
「大丈夫ですよ。我々は、仕事を辞めてきましたから」
「え!? や、辞めたの? なんで!?」
いきなりラフォン家の使用人を辞めた、という話を聞いて混乱した。どういうことなのか、すぐには理解できなかった。
「ここに集まっているのは、カトリーヌお嬢様の幸運に助けられた者たちなのです」
ゲオルグの言葉を聞いて、ますます意味が分からなくなる。
「ゲオルグさん、お嬢様をお連れしました」
「よし。荷物は?」
「これです」
「これだけなのか?」
「急いで準備してきたので、もしかしたら何か忘れ物があるかも」
「……仕方ない。必要なものがあれば、途中で手に入れるか」
メイドが運んでくれた私の荷物を受け取る老年の男性は、お父様から屋敷の管理を任されている筆頭執事のゲオルグだった。わざわざ、見送りに来てくれたのか。
だけど、会話の内容を聞いていると一緒に来るような雰囲気がある。もしかして、彼も一緒に来るのか。筆頭執事として忙しいだろうから、そんなわけないわよね。
私は、少し離れた場所で彼らの様子を観察する。
馬車を走らせる準備をしている人達もいた。
荷台に色々と積み込んでいる男性は、私が馬車に乗る時によく御者をしてくれているタデウスという人。それから、彼の手伝いをしているメイド姿の女性。彼女の顔は見た覚えがあるけれど、名前は知らない。
「お嬢様、忘れ物は無いですか?」
「え? えぇ。他に必要なものは無いと思うけれど……」
ゲオルグから急に質問されたので、私は慌てて答えた。
「了解しました。旅の道中、必要な物があれば遠慮せずにおっしゃってください」
「えっと……。分かったわ、ありがとう」
やはり、とても気を使われている。なぜなのかしら。というか、やはりゲオルグも一緒に行くようだった。
「馬車の準備が整いました。さぁ、カトリーヌ様。乗ってください」
「分かったわ」
タデウスに補助してもらって、私は馬車に乗り込む。私の後に続いて、ゲオルグとメイド二人も乗り込んだ。
私と執事のゲオルグ、メイドの二人に御者のタデウス。この合計5人で、旅立つのかしら。
「貴方達も一緒に来るつもりなの?」
「はい。我らも、カトリーヌお嬢様と一緒に行きます」
聞かずにはいられなかった。問いかけてみると、タデウスが力強く頷く。メイドの二人にタデウスも同じように、頷いている。
「でも、貴方たちには他に大事な仕事があるんじゃ……」
特にゲオルグは、筆頭執事としての大事な仕事が山ほどあるはず。屋敷を管理する様々な仕事に、他の執事やメイドたちの指揮もしなければならないだろう。
そんな重役の人が、屋敷から離れていいのかしら。私を王都の外へ連れて行くだけのことに、一緒についてくる意味があるのか。
そんな疑問を思い浮かべていると、彼らはあっさり白状した。
「大丈夫ですよ。我々は、仕事を辞めてきましたから」
「え!? や、辞めたの? なんで!?」
いきなりラフォン家の使用人を辞めた、という話を聞いて混乱した。どういうことなのか、すぐには理解できなかった。
「ここに集まっているのは、カトリーヌお嬢様の幸運に助けられた者たちなのです」
ゲオルグの言葉を聞いて、ますます意味が分からなくなる。
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