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王子視点
愚かな選択②
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過去のことを今更になって悔やんでも仕方ないとは承知の上だが、それでも過去について思案せずには居られなかった。
彼女の罪を全て調べ終わった頃、そのあまりの非道さに俺は頭を抱えるしか無かった。
それでも、イザベラは俺の婚約者である女性だ。彼女を助けたいと考えて、三ヶ月もの期間を罪を償うように説得した。なのに彼女は最期まで、一切自分の行ったことを認めようとはしなかった。
イザベラの振る舞いを知った王国内では、俺の婚約者で相応しくないという意見が多数挙がるようになった。俺とイザベラは、婚約を破棄せざるを得ない状況となっていた。
俺とイザベラの婚約は破棄される事になった。現王様の体調が悪い状況で、王国内の情勢も芳しくない。早急に、代わりとなる王妃を決める必要があった。
イザベラとの婚約破棄が確定したという王族の内情を知った貴族たちは、こぞって身内の令嬢をイザベラの代わりにと差し出してきた。貴族間での権力闘争が巻き起こり、事態は更に深刻となっていった。
現王が病に伏せており、王国の運営も滞りがち。貴族間の関係も悪化が進んでいるという最悪な状況。三重苦が積み重なりあって、王族として問題を対処しなければならない。どこから手をつけるべきなのか、優先順位が決められずに頭を悩ました。
現王の代わりとして王国の運営を担っていた俺は連日連夜、様々な話し合いが行われ疲労困憊していた。そんな時に支えてくれたのが、イザベラに虐められていた女性のマリアだった。
彼女にはイザベラに関する問題の重要参考人として、城に滞在してもらっていた。俺はマリアと偶然、城の中で顔を交わす機会を多く持っていた。最初は顔を合わせた時に軽く挨拶をする程度だったけれども、俺が疲れているのを見つけては休むように助言をしてくれたり、食事を用意してくれたり、文句も言わず愚痴を聞いてくれた。時には、ただ寄り添って一緒に休んでくれたりもした。
いつの間にか俺は、マリアに惹かれていた。これから先も続くであろう、王国の未来。待ち受ける数々の困難を超えていくためには、彼女の助けは必要不可欠だと思った。
マリア本人にも相談した。
次期王妃を務める気概はあるか問いかけると、彼女は力強く頷いた。それから少々強引に事を進めて、俺とマリアは婚約関係となった。本来なら、色々と手続きも必要だ。けれど今は、王が倒れているという非常事態。なるべくなら、早めに婚約についての問題を解決しておきたい。
マリアは、イザベラという加害者に毅然と立ち向かった勇敢な女性として貴族や市民に喧伝しやすかった。それから彼女は、子爵という比較的低い爵位だった。なので、対立している大貴族たちにも話をつけやすかった。彼女の家が王族の恩恵を受けたとしても、大貴族には太刀打ちできない程度だから。
政略的な結婚だったけれども、イザベラの凶行を知って落ち込んでいた時に慰めてくれたり、現王の代わりとして仕事をした時の疲れをマリアは癒やしてくれた。一緒に過ごしているうちに、自然と惹かれていった。
俺はイザベラの起こした騒動の中で、マリアと出会えた事が唯一良かったと思える点だった。
彼女の罪を全て調べ終わった頃、そのあまりの非道さに俺は頭を抱えるしか無かった。
それでも、イザベラは俺の婚約者である女性だ。彼女を助けたいと考えて、三ヶ月もの期間を罪を償うように説得した。なのに彼女は最期まで、一切自分の行ったことを認めようとはしなかった。
イザベラの振る舞いを知った王国内では、俺の婚約者で相応しくないという意見が多数挙がるようになった。俺とイザベラは、婚約を破棄せざるを得ない状況となっていた。
俺とイザベラの婚約は破棄される事になった。現王様の体調が悪い状況で、王国内の情勢も芳しくない。早急に、代わりとなる王妃を決める必要があった。
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いつの間にか俺は、マリアに惹かれていた。これから先も続くであろう、王国の未来。待ち受ける数々の困難を超えていくためには、彼女の助けは必要不可欠だと思った。
マリア本人にも相談した。
次期王妃を務める気概はあるか問いかけると、彼女は力強く頷いた。それから少々強引に事を進めて、俺とマリアは婚約関係となった。本来なら、色々と手続きも必要だ。けれど今は、王が倒れているという非常事態。なるべくなら、早めに婚約についての問題を解決しておきたい。
マリアは、イザベラという加害者に毅然と立ち向かった勇敢な女性として貴族や市民に喧伝しやすかった。それから彼女は、子爵という比較的低い爵位だった。なので、対立している大貴族たちにも話をつけやすかった。彼女の家が王族の恩恵を受けたとしても、大貴族には太刀打ちできない程度だから。
政略的な結婚だったけれども、イザベラの凶行を知って落ち込んでいた時に慰めてくれたり、現王の代わりとして仕事をした時の疲れをマリアは癒やしてくれた。一緒に過ごしているうちに、自然と惹かれていった。
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