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第32話 真実の愛の結末
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ギオマスラヴ王子に関して、最期の情報が私のもとに届いた。
屋敷のテラスで1人、送られてきた情報を読む。
どうやら彼は民衆たちの前で公開処刑されて、この世を去ったらしい。色々な罪を背負わされて。
彼の勝手な行動が王国に損害を与えたこと。その影響で、王国民にも大きな負担をかけたこと。その罰として、ギオマスラヴ王子は民衆の前に晒されて、自分の犯した罪を償わされた。
公開処刑はお祭り騒ぎになるほど盛大で、多くの民衆たちが歓声をあげて、鬱憤を晴らしたそうだ。
国王は冷酷に、ギオマスラヴ王子の処刑を実施した。しかも、服毒による処刑ではなく公開処刑で。彼の死を利用して、ついでに罪を背負わせるという方法で。
彼本人が犯した罪以外にも、まとめて背負わされて処刑台に立たされたみたいね。私が冤罪を着せられたみたいに、今度は自分が同じ立場になってしまった。こうなるなんて、彼も予想していなかったでしょう。
私の場合は無実だったけれど、彼は色々と動き回ってやらかしていた。だから仕方ないと言えば、仕方ないのかしら。あの後、大人しくしていたら国王も非情な処刑は行わなかったと思う。
ギオマスラヴ王子の言っていた真実の愛というのが、こんな結果に終わってしまうなんて予想していなかった。根拠のない思い込みは失敗するだろうと思っていたけれど、こんな結末を迎えるのは想定外。
私も、気をつけないと。大丈夫だと思っていたら、足元を掬われるかもしれない。王子のように、悲惨な末路を辿るのは嫌だから。
かつての婚約相手である王子が処刑されたと聞いて、感じることは何もなかった。知らせを聞いて、そうなのかという感想しか思い浮かばない。悲しみはないし、怒りもない。彼が死んだという事実を、平然と受け入れるだけ。
それで良い。私は、これから先のことに目を向けましょう。
帝国のこと、イステリッジ公爵家とジヨホウナント辺境伯、そして婚約相手であるラレアム様のこと。それが、一番大事だった。
「エルミリア」
「ラレアム様?」
手紙を確認していると、ラレアム様が現れた。
「もうすぐ夜になる。体を冷やすといけないから、屋敷に入りなさい」
「はい、ラレアム様」
彼に促されて、私はゆっくりと立ち上がる。ラレアム様の言う通り、このまま居ると体が冷えてしまうかも。気遣ってくれる優しい彼に感謝しながら、私はラレアム様の後をついていく。
気持ちを切り替えた私の意識の中には、ギオマスラヴ王子の存在はあっさり消えてなくなるのでした。
屋敷のテラスで1人、送られてきた情報を読む。
どうやら彼は民衆たちの前で公開処刑されて、この世を去ったらしい。色々な罪を背負わされて。
彼の勝手な行動が王国に損害を与えたこと。その影響で、王国民にも大きな負担をかけたこと。その罰として、ギオマスラヴ王子は民衆の前に晒されて、自分の犯した罪を償わされた。
公開処刑はお祭り騒ぎになるほど盛大で、多くの民衆たちが歓声をあげて、鬱憤を晴らしたそうだ。
国王は冷酷に、ギオマスラヴ王子の処刑を実施した。しかも、服毒による処刑ではなく公開処刑で。彼の死を利用して、ついでに罪を背負わせるという方法で。
彼本人が犯した罪以外にも、まとめて背負わされて処刑台に立たされたみたいね。私が冤罪を着せられたみたいに、今度は自分が同じ立場になってしまった。こうなるなんて、彼も予想していなかったでしょう。
私の場合は無実だったけれど、彼は色々と動き回ってやらかしていた。だから仕方ないと言えば、仕方ないのかしら。あの後、大人しくしていたら国王も非情な処刑は行わなかったと思う。
ギオマスラヴ王子の言っていた真実の愛というのが、こんな結果に終わってしまうなんて予想していなかった。根拠のない思い込みは失敗するだろうと思っていたけれど、こんな結末を迎えるのは想定外。
私も、気をつけないと。大丈夫だと思っていたら、足元を掬われるかもしれない。王子のように、悲惨な末路を辿るのは嫌だから。
かつての婚約相手である王子が処刑されたと聞いて、感じることは何もなかった。知らせを聞いて、そうなのかという感想しか思い浮かばない。悲しみはないし、怒りもない。彼が死んだという事実を、平然と受け入れるだけ。
それで良い。私は、これから先のことに目を向けましょう。
帝国のこと、イステリッジ公爵家とジヨホウナント辺境伯、そして婚約相手であるラレアム様のこと。それが、一番大事だった。
「エルミリア」
「ラレアム様?」
手紙を確認していると、ラレアム様が現れた。
「もうすぐ夜になる。体を冷やすといけないから、屋敷に入りなさい」
「はい、ラレアム様」
彼に促されて、私はゆっくりと立ち上がる。ラレアム様の言う通り、このまま居ると体が冷えてしまうかも。気遣ってくれる優しい彼に感謝しながら、私はラレアム様の後をついていく。
気持ちを切り替えた私の意識の中には、ギオマスラヴ王子の存在はあっさり消えてなくなるのでした。
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