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第01話 今までの話
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大魔法使いになるためには、狂気のような探究心と愛情が必要だと私は思う。
私は、魔法を心の底から愛していた。それと同じくらいの熱量で、リカード王のことも愛していた。
リカードが戴冠前の王子だった頃、彼に言い寄ってくる女達を退けた。どうやら、婚約を破棄しようと企んでいたリカード王子。私は、彼の企みを事前に阻止した。
アレクグル王国の王になったリカードの愛人になろうと、近寄ってくる女達も多数居た。王妃の立場を最大限に駆使して、そんな女達を全て追い払った。そして、彼に愛してもらおうと頑張ってきた。
なのに、私の努力が実ることはなかったのだ。
今まで私は、魔法について研究してきた。その成果は、アレクグル王国を発展させるために利用した。それで、リカード王は私を褒めてくれると思った。愛してくれると思った。しかし彼の反応は、淡白だった。
「そうか」
その一言だけ。私が魔法を用いた新技術について報告するれば、面倒くさそうな、嫌そうな表情を浮かべる。早く話し合いを終わらせてくれ、というように。
今考えると彼は、私と同じ空間に長居したくなかったようだ。アレは、妻に対して向けるような視線じゃない。それほど、私を嫌っていた。邪魔だと思っていた。
だけど私は、まだ成果が足りない、もっと活躍するのを期待しているからこそ彼が褒めてくれないのだと思い込んだ。なんて馬鹿な女だろうか。
恋は、人を盲目にさせるという話は本当らしい。あの頃の私は、彼に夢中だった。
アレクグル王国は、魔法技術によってどんどん発展していった。病気の治療法が次々と発明されて、人口も増加して税収が増えると王国は豊かになった。様々な技術が発展して、誰もが仕事に困らなくなる。どこも人手が足りなくなって、他国からの移民も増えた。食糧問題も、魔法の力で強引に解決。国民は飢えなくなった。
人が多く、土地も豊か。食べるものがあって、技術も最先端。そんな魅力的であるアレクグル王国を、他国は羨望の眼差しで見ていた。侵略して奪い取ろうと、戦争を仕掛けてきた国もある。だが、アレクグル王国の兵士は強かった。最新技術で作った装備と、魔法を駆使する戦略で負け無しだった。
アレクグル王国に戦争を仕掛けてきた国は、ことごとく返り討ちにあう。それで、王国に無謀な戦いを挑むような愚かな国は無くなった。
戦争が起きないアレクグル王国は、世界一安全で平和な国だと言われるようなる。
私は、そんなアレクグル王国の発展に十分貢献してきた。
それでもまだ、リカード王は私のことを褒めてはくれない。愛してくれなかった。どうして、なぜ。私は狂いそうなほど悩み、彼の愛を求めた。
「どうして! なんで、私を愛してくれないのッ!」
「そっか……。そうなのね……」
ある日の朝、目が覚めると私の心の中を埋め尽くしていた彼に対する愛情が、全て消え去っていた。まるで魔法の真髄を極めたときのように、スカッとした気分だった。
私は、彼に愛されることはないのだと理解した。どんなに愛を求めても無駄なんだと。悩みごとが解決されて、スッキリとする。私は自由になった。
だけど。
ヨボヨボになった自分の手を見て、随分と時間を無駄にしていたことを思い知る。
「私、なんであんなに頑張っていたのかしら……。分からないわ」
もうすぐ私は、寿命で死ぬ。死期を悟った。このまま死んでしまうのか。いいえ、私には今まで極めてきた魔法の技術があるわ!
魔法で過去に戻ることが出来る。究極魔法の時間戻しを使えば、過去に戻ることが可能だと考えた。
究極魔法を使うために膨大な魔力が必要になる。失敗すれば死んでしまうだろう。成功する確率は三割ほど。なかなか低い数値だと思う。
だけど、怖くない。どうせ近いうちに死んでしまうのだから。ならば最期に、命を懸けてチャレンジしてみたいと思った。
「さようなら」
今まで生きてきた世界に、別れを告げる。こうして私は、究極魔法を発動した。
私は、魔法を心の底から愛していた。それと同じくらいの熱量で、リカード王のことも愛していた。
リカードが戴冠前の王子だった頃、彼に言い寄ってくる女達を退けた。どうやら、婚約を破棄しようと企んでいたリカード王子。私は、彼の企みを事前に阻止した。
アレクグル王国の王になったリカードの愛人になろうと、近寄ってくる女達も多数居た。王妃の立場を最大限に駆使して、そんな女達を全て追い払った。そして、彼に愛してもらおうと頑張ってきた。
なのに、私の努力が実ることはなかったのだ。
今まで私は、魔法について研究してきた。その成果は、アレクグル王国を発展させるために利用した。それで、リカード王は私を褒めてくれると思った。愛してくれると思った。しかし彼の反応は、淡白だった。
「そうか」
その一言だけ。私が魔法を用いた新技術について報告するれば、面倒くさそうな、嫌そうな表情を浮かべる。早く話し合いを終わらせてくれ、というように。
今考えると彼は、私と同じ空間に長居したくなかったようだ。アレは、妻に対して向けるような視線じゃない。それほど、私を嫌っていた。邪魔だと思っていた。
だけど私は、まだ成果が足りない、もっと活躍するのを期待しているからこそ彼が褒めてくれないのだと思い込んだ。なんて馬鹿な女だろうか。
恋は、人を盲目にさせるという話は本当らしい。あの頃の私は、彼に夢中だった。
アレクグル王国は、魔法技術によってどんどん発展していった。病気の治療法が次々と発明されて、人口も増加して税収が増えると王国は豊かになった。様々な技術が発展して、誰もが仕事に困らなくなる。どこも人手が足りなくなって、他国からの移民も増えた。食糧問題も、魔法の力で強引に解決。国民は飢えなくなった。
人が多く、土地も豊か。食べるものがあって、技術も最先端。そんな魅力的であるアレクグル王国を、他国は羨望の眼差しで見ていた。侵略して奪い取ろうと、戦争を仕掛けてきた国もある。だが、アレクグル王国の兵士は強かった。最新技術で作った装備と、魔法を駆使する戦略で負け無しだった。
アレクグル王国に戦争を仕掛けてきた国は、ことごとく返り討ちにあう。それで、王国に無謀な戦いを挑むような愚かな国は無くなった。
戦争が起きないアレクグル王国は、世界一安全で平和な国だと言われるようなる。
私は、そんなアレクグル王国の発展に十分貢献してきた。
それでもまだ、リカード王は私のことを褒めてはくれない。愛してくれなかった。どうして、なぜ。私は狂いそうなほど悩み、彼の愛を求めた。
「どうして! なんで、私を愛してくれないのッ!」
「そっか……。そうなのね……」
ある日の朝、目が覚めると私の心の中を埋め尽くしていた彼に対する愛情が、全て消え去っていた。まるで魔法の真髄を極めたときのように、スカッとした気分だった。
私は、彼に愛されることはないのだと理解した。どんなに愛を求めても無駄なんだと。悩みごとが解決されて、スッキリとする。私は自由になった。
だけど。
ヨボヨボになった自分の手を見て、随分と時間を無駄にしていたことを思い知る。
「私、なんであんなに頑張っていたのかしら……。分からないわ」
もうすぐ私は、寿命で死ぬ。死期を悟った。このまま死んでしまうのか。いいえ、私には今まで極めてきた魔法の技術があるわ!
魔法で過去に戻ることが出来る。究極魔法の時間戻しを使えば、過去に戻ることが可能だと考えた。
究極魔法を使うために膨大な魔力が必要になる。失敗すれば死んでしまうだろう。成功する確率は三割ほど。なかなか低い数値だと思う。
だけど、怖くない。どうせ近いうちに死んでしまうのだから。ならば最期に、命を懸けてチャレンジしてみたいと思った。
「さようなら」
今まで生きてきた世界に、別れを告げる。こうして私は、究極魔法を発動した。
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