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第08話 口止め料
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部屋の中にある物の確認は一通り済んだけど、整理が一割程度しか進んでいない。これは、根気のいる作業になりそうだわ。
ヘレンに手伝ってもらいながら、黙々と作業をしていると少し小腹が空いてきた。何か食べたい。ちょっと、アレを試しに作ってみようかな。
部屋の中にあった材料をかき集めて、魔法を使う。まだ成長していない身体だと、魔力のコントロールが難しい。生成できる量も少ないので、発動できる魔法に限りがある。これは、身体も鍛え直す必要があるわね。
今後の課題を確認しつつ、今の自分に出来る魔法を発動していく。しばらくして、部屋の中に甘い香りが漂い始めた。
「お嬢様、それは?」
「魔法で作ったケーキよ」
「凄いです。魔法で、そんなことも出来るのですね」
ヘレンが興味津々に聞いてきたので、答える。
魔法で作った、真っ白な生クリームケーキ。食材の味を引き立てて、特殊な魔法で甘さを引き出す。通常の料理では出せない味を魔法で生み出した、魔法ケーキ。
研究室にフルーツがあれば、もう少し見栄えをよく出来たのに。残念ながら置いてなかったので、それは次の機会に挑戦しよう。
遠い昔に使っていた魔法。原始的な方法で作るのは、かなり久しぶりだ。なので、成功するかどうか、ちょっぴり不安だった。無事に完成したようで、安心する。
二人分作ったので、一つは彼女の目の前に置く。
「どうぞ。食べてみて」
「よろしいのですか?」
「もちろん! ヘレンのために作ったんだから」
ここで食べちゃ駄目と言ったら、彼女は泣いてしまうかも。それぐらい、食べたいという気持ちが表情を見て明らかだった。
「そ、それじゃあ。頂きます」
ゆっくりと口に運んでいく。そして、驚いた顔。ヘレンが驚く表情なんて、かなり珍しい。彼女を驚かせたということは、私の作ったケーキは大成功だったようだ。
それから、黙々と食べ続けるヘレン。
「ハッ!? あ、あれ……?」
食べ終わって、なぜか戸惑い始める。そして彼女は、ケーキの皿を見て悲しそうな表情を浮かべる。
「もう、食べ終わっちゃいました」
「そんなに美味しかった?」
「これは、絶品です! すごく甘くて、フワフワしていて。気が付いたら、もう食べ終わっていました!」
こんなにテンションの高いヘレンも珍しかった。とても美味しかったと、絶賛してくれる。かなり嬉しい反応だった。
「じゃあ、コレも食べる?」
「……い、いえッ! それは……ッ!」
まだ私が手を付けていないケーキを、彼女の方に差し出す。ヘレンは遠慮しようとするけれど、視線はケーキに釘付けだった。
「お嬢様の物を頂くなんて、メイドとして失格ッ! で、でも……」
「大丈夫だから。気にせず、食べちゃいなさい」
「ッ! で、では……。頂きます」
強引に押し通して、食べさせる。これで作戦は成功ね。美味しそうに食べてくれるヘレンを眺めながら、ほくそ笑む。
「ありがとうございました、お嬢様。とても美味しかったです」
すぐケーキを食べ終わる彼女。そんな彼女に、私は言っておくべきことがあった。
「フッフッフッ! 食べてしまったわね、ヘレン」
「えっ!?」
「私の分のケーキも食べるなんて、なんて子なの。この事をバラされたくなければ、私の言うことを聞いてもらうわよッ!」
「な、なんですって!?」
私は、ヘレンの秘密を握った。私からケーキを奪い取って、美味しく食べたという秘密を。
まぁ、私が食べなさいって言ったから、バラしても何の問題もないんだけれど。
ということで少々強引に、彼女には一つ約束してもらう。
「ちょっと事情があって、私は今朝から色々と変わってしまったの。疑問に思うかもしれないけれど、今後は詮索しないでね」
「え、えっと、はい。わかりました」
時間戻しの究極魔法については、誰にも話すつもりはなかった。疑いの目を向けてくるヘレンにも説明するつもりはないので、これで納得してもらう。
納得してもらうため、彼女にはケーキを食べさせた。不思議そうな表情でヘレンは頷き、詮索しないことを約束してくれた。
これで安心ね。ヘレンに、あんな目を向けられるのはツライから。早々に解決しておきたかった。
「もし誰かに話したら、二度と魔法のケーキも作らないからね」
「そ、それだけは! 絶対に、お嬢様の事情を詮索なんてしませんッ!」
「あ、うん。お願いね」
二度とケーキを作らないと言ったら、凄い勢いで約束してくれた。こっちのほうが、ダメージが大きいようだ。
それほど、ヘレンは私の魔法で作るケーキを気に入ってくれたということね。また作って、食べさせてあげようと思った。
ヘレンに手伝ってもらいながら、黙々と作業をしていると少し小腹が空いてきた。何か食べたい。ちょっと、アレを試しに作ってみようかな。
部屋の中にあった材料をかき集めて、魔法を使う。まだ成長していない身体だと、魔力のコントロールが難しい。生成できる量も少ないので、発動できる魔法に限りがある。これは、身体も鍛え直す必要があるわね。
今後の課題を確認しつつ、今の自分に出来る魔法を発動していく。しばらくして、部屋の中に甘い香りが漂い始めた。
「お嬢様、それは?」
「魔法で作ったケーキよ」
「凄いです。魔法で、そんなことも出来るのですね」
ヘレンが興味津々に聞いてきたので、答える。
魔法で作った、真っ白な生クリームケーキ。食材の味を引き立てて、特殊な魔法で甘さを引き出す。通常の料理では出せない味を魔法で生み出した、魔法ケーキ。
研究室にフルーツがあれば、もう少し見栄えをよく出来たのに。残念ながら置いてなかったので、それは次の機会に挑戦しよう。
遠い昔に使っていた魔法。原始的な方法で作るのは、かなり久しぶりだ。なので、成功するかどうか、ちょっぴり不安だった。無事に完成したようで、安心する。
二人分作ったので、一つは彼女の目の前に置く。
「どうぞ。食べてみて」
「よろしいのですか?」
「もちろん! ヘレンのために作ったんだから」
ここで食べちゃ駄目と言ったら、彼女は泣いてしまうかも。それぐらい、食べたいという気持ちが表情を見て明らかだった。
「そ、それじゃあ。頂きます」
ゆっくりと口に運んでいく。そして、驚いた顔。ヘレンが驚く表情なんて、かなり珍しい。彼女を驚かせたということは、私の作ったケーキは大成功だったようだ。
それから、黙々と食べ続けるヘレン。
「ハッ!? あ、あれ……?」
食べ終わって、なぜか戸惑い始める。そして彼女は、ケーキの皿を見て悲しそうな表情を浮かべる。
「もう、食べ終わっちゃいました」
「そんなに美味しかった?」
「これは、絶品です! すごく甘くて、フワフワしていて。気が付いたら、もう食べ終わっていました!」
こんなにテンションの高いヘレンも珍しかった。とても美味しかったと、絶賛してくれる。かなり嬉しい反応だった。
「じゃあ、コレも食べる?」
「……い、いえッ! それは……ッ!」
まだ私が手を付けていないケーキを、彼女の方に差し出す。ヘレンは遠慮しようとするけれど、視線はケーキに釘付けだった。
「お嬢様の物を頂くなんて、メイドとして失格ッ! で、でも……」
「大丈夫だから。気にせず、食べちゃいなさい」
「ッ! で、では……。頂きます」
強引に押し通して、食べさせる。これで作戦は成功ね。美味しそうに食べてくれるヘレンを眺めながら、ほくそ笑む。
「ありがとうございました、お嬢様。とても美味しかったです」
すぐケーキを食べ終わる彼女。そんな彼女に、私は言っておくべきことがあった。
「フッフッフッ! 食べてしまったわね、ヘレン」
「えっ!?」
「私の分のケーキも食べるなんて、なんて子なの。この事をバラされたくなければ、私の言うことを聞いてもらうわよッ!」
「な、なんですって!?」
私は、ヘレンの秘密を握った。私からケーキを奪い取って、美味しく食べたという秘密を。
まぁ、私が食べなさいって言ったから、バラしても何の問題もないんだけれど。
ということで少々強引に、彼女には一つ約束してもらう。
「ちょっと事情があって、私は今朝から色々と変わってしまったの。疑問に思うかもしれないけれど、今後は詮索しないでね」
「え、えっと、はい。わかりました」
時間戻しの究極魔法については、誰にも話すつもりはなかった。疑いの目を向けてくるヘレンにも説明するつもりはないので、これで納得してもらう。
納得してもらうため、彼女にはケーキを食べさせた。不思議そうな表情でヘレンは頷き、詮索しないことを約束してくれた。
これで安心ね。ヘレンに、あんな目を向けられるのはツライから。早々に解決しておきたかった。
「もし誰かに話したら、二度と魔法のケーキも作らないからね」
「そ、それだけは! 絶対に、お嬢様の事情を詮索なんてしませんッ!」
「あ、うん。お願いね」
二度とケーキを作らないと言ったら、凄い勢いで約束してくれた。こっちのほうが、ダメージが大きいようだ。
それほど、ヘレンは私の魔法で作るケーキを気に入ってくれたということね。また作って、食べさせてあげようと思った。
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