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隠された力
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「くそぉっ!!」
事情を聞いたコールは、苛立ちを椅子にぶつけガンッと蹴飛ばす。「ピッ」と驚いたナイチンゲールはバタバタと部屋の隅に逃げてしまった。
「落ち着きな、物に当たったってどうにもならないだろ」
「なに他人事みたいに言ってんだよ、そもそもお袋が……」
「悪かったと思ってるから、こうして冷静に打開策を考えてるんだろう!? ……でも魔法陣が壊されたのはまずかったね。初めて聞く座標だったし、メモもオーガスティンが持ってっちまったから、それを使って潜入もできない」
ナイチンゲールは、注文客の騎士が発覚を恐れて魔法陣を壊す直前に、こちらに戻ってきたらしい。カトリシアが王子に見つかった原因でもあるが、小鳥相手に今それを責めても仕方がない。
「親父、注文品用の魔法陣はどうだ?」
「丼鉢は返ってきている。恐らくトドキ草経由の魔法陣で城内に無関係の者を引き入れたとバレるわけにはいかないので、食器を一緒に持って帰らせるために食べ終わるまで待たせていたんだろう。
そちらも調べられる可能性はあるが……」
「あれは使い捨てだからね。一度使えば効力を失って、ただの落書きにしか見えないよ」
魔法陣は元魔族である母が独自に開発したものだ、人間では再現も研究も不可能。とは言え、カトリシアのピンチが解決したわけではない。
「ともかく、オーガスティンを助け出さねぇと……こうしてる間にも、あの鬼畜王子に……っ」
「だから落ち着きな。少なくとも、あの娘の貞操がすぐにどうこうされる心配はないよ。『赤龍の首輪』があっただろう? あれに、一線を越えようとすれば相手に電流が流れる仕掛けを施しておいた」
「それ、俺も危なくないか!?」
婚約を目前にして、何という呪いをかけてくれたのか。だが母は、コールのくそ真面目なほどの律義さはよく分かっている。正式に妻とするまでは、何だかんだで最後まで手は出さない事も。
「ただ、キスくらいは大目に見といたからね……それに暴力を振るわれないとも限らない。そこは覚悟しとくんだね」
「それはオーガスティンがする覚悟じゃねぇのかよ……」
とは言え、カトリシアがロジエルに脅されて従わされる様を想像するだけで、拳を握りしめ過ぎて手から血が滲んでくる。無事でいる事はもちろんだが、コールの懸念は他にもあった。
「逆に……もし丁重に扱われて、ここに戻ってくる気がなくなったら?」
「あの娘を信じてやらないのかい?」
「そうじゃないけど……元々二人は両想いだったんだ。ただ価値観の違いですれ違っていただけで……オーガスティンは、希望を捨てずに待っていてくれるのかなって。こんな、大した事も出来ない俺の事なんかを」
捨てられても、彼からの贈り物である小鍋とガラガラを後生大事に持ち歩いていたカトリシア。豚飼いの姿をしていても、唇を許してしまうくらいには心を開いていたのだろう。
今はコールに嫁ぐ事を了承してくれたけれど、城を追い出された姫君が生きるためには、恩人に縋るしか手がないのも事実だ。そして今、彼女の身柄は王子の手の内にある。監禁されて身も心も王子のものにされてしまえば、果たして一度は恋した相手を突っぱねられるのか。
カトリシアを信じたいのは当然だ。けれど彼女よりも、コールは自分が信じられなかった。迎えに行った時、「やっぱり王子がいいから帰らない」と言い放たれる妄想を振り払えない自分が。
たかがラーメン屋の息子が、王子に勝てるのかと。
頭を抱え込む息子に、母は呆れて大きく溜息を吐いた。
「……あのねぇコール。オーガスティンからも相談されたけど、あんたのその自虐癖、何とかならないのかい?」
「どうせ、すげー奴であるお袋に、俺の気持ちなんて分かんねーよ」
「諦めるのか? コール」
普段から心の隅に渦巻いていた思い。こんな事、言いたくないのに……カトリシアを奪われ、落ち込んでいる今は配慮する余裕もない。そんなコールに、低い声が静かに投げかけられる。
「親父……」
「俺だって、最初は何も持っていなかった。偏った前世の知識はあっても、ただの貧乏な田舎のガキだ。それでも捨てられない夢のために、少しずつ歩きながら自分と世界を見つめて……拾い集めたもんで今、ラーメン屋なんて開いてる。
コール、お前が捨てられないものは……お前の宝物は何だ?」
夢、宝……
今までコールにとっての宝は、両親のラーメン屋だった。それを継ぐ事が夢だった。だが今は、カトリシアをこの手で守りたいと思っている。同情ではなく、彼女と共に歩むために。
ロジエルに勝ちたい。初めての男が忘れられないのは仕方がないが、常に嫉妬に苛まれるのもまた当然の事。カトリシアにこちらを見てもらうためには、どうしても認められるような凄い男になりたかった。
「コール、これはあんたが自分で気付かなきゃならない事だったけど……とっくにあんた、凄い男なんだよ」
「はあ? そりゃ前世持ちと魔王の娘から生まれたんなら……」
母のフォローにも乾いた笑いしか出てこないが、向こうは息子可愛さからで言っているわけではなさそうだった。
「あんたの力は、そういう『立場』とか『血』とは別のところにある。
あんた、ダンジョンに行く時に調理器具持ってくだろ? あれで魔物と渡り合うなんて、普通あり得ないんだ。おかしいと思わないかい? カニバサミで甲殻騎士の鎧が切れるだなんて」
母から指摘されたのは、何て事のないコールの日常だった。彼としては魔物と戦闘しているつもりなどない。倒せるのは剣や魔法に卓越した冒険者だと分かっているし、自分はただ届けたラーメンを食べてもらうために手助けしたに過ぎないのだ。
「でもあれ作ったの、魔界の名工なんだろ? それにカニバサミは甲殻類の殻なら何でも切れるって……」
「どんな名工だろうと、調理器具が魔物に通用するのがおかしいって言ってんの! いや、道具の耐久値が高ければ、百歩譲って出来ない事はないかもね。
でも瘴気の結晶を無害化するには専門職以外不可能だ。紙やすりで磨いただけであれを浄化できる時点で、異常なんだよ」
異常……自分は、普通ではなかった。
衝撃の事実を、コールは上手く呑み込めない。長らく彼のコンプレックスだった能力に関する言及を、今まで両親がしてこなかったのは、息子に信じてもらえないからなのか。実際、どれぐらい凄い事なのか未だによく分かっていない。
「……でもね、それがあんたの才能なんだよ。決まった役割があるアイテムに対して、こういう使い方も出来るんじゃないかって解釈して、実際その通りになっちまう。こんなの前代未聞でスキル名はまだないけど、あんたにとってはどんなガラクタも『武器』になり得るし、言ってみればそれがあんたの『魔法』なの」
(解釈……それが俺の『武器』であり『魔法』? 俺がアイテムを作ったわけでもないし、いまいち地味な気もするよな……)
「それを言うなら、オーガスティンもそうじゃないか? ここぞって時に出したアイディアが何度も役に立ってたし……たぶん、王子も想定してないガラガラの効果を発見した」
誰も知らない異世界の音楽で、鼠をおびき寄せたり……だが、母に言わせればそれもコールの力なのだと言う。
「あんたがオーガスティンの言う事を信じたからだよ。『可能かもしれない』って彼女の考えに同意した事で、新しい効果を生み出したんだ。ただのガラクタをレアアイテムに変える……ひょっとしたら使い様によっては、神の力に匹敵するかもしれない」
そんな大袈裟な……と笑い飛ばそうとするが、内心では徐々に高揚感が沸き上がってきていた。叶わないと思っていたロジエル王子に、勝てるかもしれない。実際そんな才能などなくとも、せめてカトリシアを取り戻せる力さえあれば、何にだって縋りたいのだ。
「……ん? けどお袋、王子をやたら持ち上げてなかったか? 軍事に転用できる才能とか何とか」
「あれも嘘じゃないよ。魔道具職人として、王子が優秀なのも確かだ。でもあたしは、あんたに焦って欲しかった。無気力で諦めてばっかりのあんたでも、惚れた女のために立ち上がれるよう火を点けてやったんだよ」
あの時点で既にカトリシアへの想いがバレていたと知り、顔が赤くなるが。普段は厳しい母がこうまで背中を押してくれるのだから、後はコールの気持ち一つ。
「親父、お袋。もし俺にそんなすげぇ力があるのなら……オーガスティンを救いたい。あれは俺の嫁だ」
「よく言った! さっそく作戦を練らなきゃねぇ」
「しばらく店仕舞いだな。こっちの事は心配せずに、全力でやれよ」
異世界人を前世に持つ父と、魔王の娘の母。そして彼らの息子で、信じる力を現実にする男。家族三人は新たな嫁候補救出のため、一致団結するのだった。
ラーメン屋【煉獄】はそれからしばらく休業し、約一ヶ月が経過した――
事情を聞いたコールは、苛立ちを椅子にぶつけガンッと蹴飛ばす。「ピッ」と驚いたナイチンゲールはバタバタと部屋の隅に逃げてしまった。
「落ち着きな、物に当たったってどうにもならないだろ」
「なに他人事みたいに言ってんだよ、そもそもお袋が……」
「悪かったと思ってるから、こうして冷静に打開策を考えてるんだろう!? ……でも魔法陣が壊されたのはまずかったね。初めて聞く座標だったし、メモもオーガスティンが持ってっちまったから、それを使って潜入もできない」
ナイチンゲールは、注文客の騎士が発覚を恐れて魔法陣を壊す直前に、こちらに戻ってきたらしい。カトリシアが王子に見つかった原因でもあるが、小鳥相手に今それを責めても仕方がない。
「親父、注文品用の魔法陣はどうだ?」
「丼鉢は返ってきている。恐らくトドキ草経由の魔法陣で城内に無関係の者を引き入れたとバレるわけにはいかないので、食器を一緒に持って帰らせるために食べ終わるまで待たせていたんだろう。
そちらも調べられる可能性はあるが……」
「あれは使い捨てだからね。一度使えば効力を失って、ただの落書きにしか見えないよ」
魔法陣は元魔族である母が独自に開発したものだ、人間では再現も研究も不可能。とは言え、カトリシアのピンチが解決したわけではない。
「ともかく、オーガスティンを助け出さねぇと……こうしてる間にも、あの鬼畜王子に……っ」
「だから落ち着きな。少なくとも、あの娘の貞操がすぐにどうこうされる心配はないよ。『赤龍の首輪』があっただろう? あれに、一線を越えようとすれば相手に電流が流れる仕掛けを施しておいた」
「それ、俺も危なくないか!?」
婚約を目前にして、何という呪いをかけてくれたのか。だが母は、コールのくそ真面目なほどの律義さはよく分かっている。正式に妻とするまでは、何だかんだで最後まで手は出さない事も。
「ただ、キスくらいは大目に見といたからね……それに暴力を振るわれないとも限らない。そこは覚悟しとくんだね」
「それはオーガスティンがする覚悟じゃねぇのかよ……」
とは言え、カトリシアがロジエルに脅されて従わされる様を想像するだけで、拳を握りしめ過ぎて手から血が滲んでくる。無事でいる事はもちろんだが、コールの懸念は他にもあった。
「逆に……もし丁重に扱われて、ここに戻ってくる気がなくなったら?」
「あの娘を信じてやらないのかい?」
「そうじゃないけど……元々二人は両想いだったんだ。ただ価値観の違いですれ違っていただけで……オーガスティンは、希望を捨てずに待っていてくれるのかなって。こんな、大した事も出来ない俺の事なんかを」
捨てられても、彼からの贈り物である小鍋とガラガラを後生大事に持ち歩いていたカトリシア。豚飼いの姿をしていても、唇を許してしまうくらいには心を開いていたのだろう。
今はコールに嫁ぐ事を了承してくれたけれど、城を追い出された姫君が生きるためには、恩人に縋るしか手がないのも事実だ。そして今、彼女の身柄は王子の手の内にある。監禁されて身も心も王子のものにされてしまえば、果たして一度は恋した相手を突っぱねられるのか。
カトリシアを信じたいのは当然だ。けれど彼女よりも、コールは自分が信じられなかった。迎えに行った時、「やっぱり王子がいいから帰らない」と言い放たれる妄想を振り払えない自分が。
たかがラーメン屋の息子が、王子に勝てるのかと。
頭を抱え込む息子に、母は呆れて大きく溜息を吐いた。
「……あのねぇコール。オーガスティンからも相談されたけど、あんたのその自虐癖、何とかならないのかい?」
「どうせ、すげー奴であるお袋に、俺の気持ちなんて分かんねーよ」
「諦めるのか? コール」
普段から心の隅に渦巻いていた思い。こんな事、言いたくないのに……カトリシアを奪われ、落ち込んでいる今は配慮する余裕もない。そんなコールに、低い声が静かに投げかけられる。
「親父……」
「俺だって、最初は何も持っていなかった。偏った前世の知識はあっても、ただの貧乏な田舎のガキだ。それでも捨てられない夢のために、少しずつ歩きながら自分と世界を見つめて……拾い集めたもんで今、ラーメン屋なんて開いてる。
コール、お前が捨てられないものは……お前の宝物は何だ?」
夢、宝……
今までコールにとっての宝は、両親のラーメン屋だった。それを継ぐ事が夢だった。だが今は、カトリシアをこの手で守りたいと思っている。同情ではなく、彼女と共に歩むために。
ロジエルに勝ちたい。初めての男が忘れられないのは仕方がないが、常に嫉妬に苛まれるのもまた当然の事。カトリシアにこちらを見てもらうためには、どうしても認められるような凄い男になりたかった。
「コール、これはあんたが自分で気付かなきゃならない事だったけど……とっくにあんた、凄い男なんだよ」
「はあ? そりゃ前世持ちと魔王の娘から生まれたんなら……」
母のフォローにも乾いた笑いしか出てこないが、向こうは息子可愛さからで言っているわけではなさそうだった。
「あんたの力は、そういう『立場』とか『血』とは別のところにある。
あんた、ダンジョンに行く時に調理器具持ってくだろ? あれで魔物と渡り合うなんて、普通あり得ないんだ。おかしいと思わないかい? カニバサミで甲殻騎士の鎧が切れるだなんて」
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(解釈……それが俺の『武器』であり『魔法』? 俺がアイテムを作ったわけでもないし、いまいち地味な気もするよな……)
「それを言うなら、オーガスティンもそうじゃないか? ここぞって時に出したアイディアが何度も役に立ってたし……たぶん、王子も想定してないガラガラの効果を発見した」
誰も知らない異世界の音楽で、鼠をおびき寄せたり……だが、母に言わせればそれもコールの力なのだと言う。
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そんな大袈裟な……と笑い飛ばそうとするが、内心では徐々に高揚感が沸き上がってきていた。叶わないと思っていたロジエル王子に、勝てるかもしれない。実際そんな才能などなくとも、せめてカトリシアを取り戻せる力さえあれば、何にだって縋りたいのだ。
「……ん? けどお袋、王子をやたら持ち上げてなかったか? 軍事に転用できる才能とか何とか」
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あの時点で既にカトリシアへの想いがバレていたと知り、顔が赤くなるが。普段は厳しい母がこうまで背中を押してくれるのだから、後はコールの気持ち一つ。
「親父、お袋。もし俺にそんなすげぇ力があるのなら……オーガスティンを救いたい。あれは俺の嫁だ」
「よく言った! さっそく作戦を練らなきゃねぇ」
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