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01 箱庭師は庶民に落とされたので、自分の盾を手に入れたい。
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昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
◆◆◆
と――当時は張りきったものの、公爵家の家族は箱庭師と言うクズスキルに対し、一族の恥として成人すると同時に家から追い出され、庶民になった。
今のわたくしは、ただのリディア、18歳。
前世、日本と言う国で過ごしていた事もあるせいか、庶民に染まるのは早かった。
とは言っても、腐っても公爵家の元お嬢様。
美しいブロンドの髪に真っ赤な瞳、この国の王太子ですら「絶世の美女だ」とわたくしを欲しがるほどの美貌。
まぁ、わたくしの箱庭師と言うスキルを聞いた途端、「顔が良くてもスキルがな」と吐き捨てていきやがったこの国に災い在れ。
まぁ、とにもかくにも、見目麗しい女性が一人で生きていくには少々辛い世界。
働くと言っても元公爵家の娘なんぞどこも雇ってはくれないし、家を追い出される際に渡されたお金もそう多くはない。
かと言って、長年レベルを上げてきた箱庭から出てくるアイテムを売り捌くには、わたくしでは手玉に取られて御終いな気がする。
誰か、一人だけでいい。
私の盾となる者が現れれば……。
出来れば、スキルの事でわたくしを裏切らず、冒険者家業を引退しそうなおじ様辺り、その辺に落ちてないかしら……。
箱庭の池を見れば町の外の情報は好きにみられる。
そんなおじ様なんて、早々現れることは無いのだけれど……出来ればわたくし好みの男性と一緒に住めたら最高なのよね。
欲深い事は百も承知。
一度きりの人生ならば、欲に忠実に生きてみたい。
そんな感じで日々池から情報を見ていると、冒険者ギルドに随分と草臥れた様子の大男が歩いてくるのが見えた。
(年齢的に30代前半とみましたわ)
冷静に分析しつつ、そのおじ様の様子を窺うと、受付の女性と数回話した末、冒険者ギルドを後にした。
「何かありそうですわね」
これは注意深く見学しましょう。
深くフードを被り、人目を気にするように歩く男性。
一瞬風が強く吹き、筋肉質な腕が見えたその瞬間目を見開いた。
(――あの方、魔付きだわ!)
魔付きとは、魔物に呪われし者の事。
この国では一応国民として見なされるものの、衣食住の保証は難しいとされている。
更に言えば、魔付きとなった冒険者の末路とはあまり良いものではない。
素材がはぎ取れると言って奴隷商に身売りするか――自害するか。
(この男性……ドラゴンの魔付きですのね)
一瞬だけ見えた鱗はドラゴンの鱗のように見えた。
それならば、今から向かう先はきっと奴隷商。
急いであの方をお止めしなくては。
わたくしは急ぎ箱庭から飛び出すと、彼にほど近い裏路地から飛び出し男性に駆け寄った。
「もし?」
「……」
「そこのフードで全身を覆った貴方ですわよ」
「!」
わたくしの声がようやく届いたのか、男性は驚いた雰囲気で振り返った。
ちらりと見えた目も縦長の瞳孔、やはりドラゴンの魔付きだと推測される。
「少々わたくしに付き合っていただきたいの。話は直ぐ済みますわ」
「貴女は貴族様ですか?」
「貴方が答えるのは、『はい』か『解りました』だけよ」
高飛車に答えると男性は一瞬驚いた様子だったけれど、フッと儚げに笑い頷いた。
そのまま裏路地へと入り、誰も居ないのを確認してから左手で箱庭呼び出し、歪んだ空間に一瞬身構えた男性を引き連れ、トプン……と中へと戻っていった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
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と――当時は張りきったものの、公爵家の家族は箱庭師と言うクズスキルに対し、一族の恥として成人すると同時に家から追い出され、庶民になった。
今のわたくしは、ただのリディア、18歳。
前世、日本と言う国で過ごしていた事もあるせいか、庶民に染まるのは早かった。
とは言っても、腐っても公爵家の元お嬢様。
美しいブロンドの髪に真っ赤な瞳、この国の王太子ですら「絶世の美女だ」とわたくしを欲しがるほどの美貌。
まぁ、わたくしの箱庭師と言うスキルを聞いた途端、「顔が良くてもスキルがな」と吐き捨てていきやがったこの国に災い在れ。
まぁ、とにもかくにも、見目麗しい女性が一人で生きていくには少々辛い世界。
働くと言っても元公爵家の娘なんぞどこも雇ってはくれないし、家を追い出される際に渡されたお金もそう多くはない。
かと言って、長年レベルを上げてきた箱庭から出てくるアイテムを売り捌くには、わたくしでは手玉に取られて御終いな気がする。
誰か、一人だけでいい。
私の盾となる者が現れれば……。
出来れば、スキルの事でわたくしを裏切らず、冒険者家業を引退しそうなおじ様辺り、その辺に落ちてないかしら……。
箱庭の池を見れば町の外の情報は好きにみられる。
そんなおじ様なんて、早々現れることは無いのだけれど……出来ればわたくし好みの男性と一緒に住めたら最高なのよね。
欲深い事は百も承知。
一度きりの人生ならば、欲に忠実に生きてみたい。
そんな感じで日々池から情報を見ていると、冒険者ギルドに随分と草臥れた様子の大男が歩いてくるのが見えた。
(年齢的に30代前半とみましたわ)
冷静に分析しつつ、そのおじ様の様子を窺うと、受付の女性と数回話した末、冒険者ギルドを後にした。
「何かありそうですわね」
これは注意深く見学しましょう。
深くフードを被り、人目を気にするように歩く男性。
一瞬風が強く吹き、筋肉質な腕が見えたその瞬間目を見開いた。
(――あの方、魔付きだわ!)
魔付きとは、魔物に呪われし者の事。
この国では一応国民として見なされるものの、衣食住の保証は難しいとされている。
更に言えば、魔付きとなった冒険者の末路とはあまり良いものではない。
素材がはぎ取れると言って奴隷商に身売りするか――自害するか。
(この男性……ドラゴンの魔付きですのね)
一瞬だけ見えた鱗はドラゴンの鱗のように見えた。
それならば、今から向かう先はきっと奴隷商。
急いであの方をお止めしなくては。
わたくしは急ぎ箱庭から飛び出すと、彼にほど近い裏路地から飛び出し男性に駆け寄った。
「もし?」
「……」
「そこのフードで全身を覆った貴方ですわよ」
「!」
わたくしの声がようやく届いたのか、男性は驚いた雰囲気で振り返った。
ちらりと見えた目も縦長の瞳孔、やはりドラゴンの魔付きだと推測される。
「少々わたくしに付き合っていただきたいの。話は直ぐ済みますわ」
「貴女は貴族様ですか?」
「貴方が答えるのは、『はい』か『解りました』だけよ」
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★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
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