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19 盾は商談で話を纏め、箱庭師は新たなアイテムを提案する。
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――カイルside――
リディアが張りきって小屋を作っているその頃――。
昼から営業の道具店は珍しいのか、開店させる時には既に奥様方が数名並んでおり、冒険者もチラホラいるようだった。
「お待たせして申し訳ありません。道具店サルビアは昼から営業なんですよ」
「そうだったのね。此処で売っているハンドクリームが凄く良いって聞いて買いに来たの!」
「女性向けは少ないみたいだけど、ハンドクリームは他の店には無い素敵な物だって聞いたわ」
「是非、女性用のアイテムも揃えて欲しいわねぇ」
「分かりました。検討してみますね」
そう言うと奥様方は嬉しそうに店の中に入り、各々好きな香りのハンドクリームを手にしていた。
さて、残る客はと言うと――昨日来ていた、あのアイテムボックスの会話をした冒険者だ。
「やぁ、昨日はどうも。素敵な品を買う事が出来て良かったよ」
「有難うございます」
「ところで、一つ予約したいんだが……付与アイテムは予約可能かな?」
「物に寄りますが、ご商談窓口でお聞きしましょうか?」
「助かるよ」
そう言う訳で、ライトに店番を頼むと俺は先の冒険者と共にレジ奥の商談場所へと向かった。
彼の名はレイス。Aランク冒険者のリーダーでチーム名は【雪の園】と言うらしい。
そんなレイスが求めるアイテムと言えば――やはりアイテムボックスだった。
「出来ればアイテムボックスを3つ揃えることは可能だろうか」
「時間を止める方のアイテムボックスは無理ですが……付与師の方の御好意で、明日三つのアイテムボックスが届く予定になっています。また、別の付与アイテムも幾つか届くとの連絡はありましたが」
「素晴らしいじゃないか!」
「有難うございます」
「では、そのアイテムボックス三つを頼みたい。金額はわかるかい?」
「ええ、アイテムボックスが金貨50枚で、他の店と変わりはありません。ですが、他の付与アイテムに関しては、届いてみないと分からないものでして」
「それもそうか……レベルの高い付与師なんだろうか」
「いえ、付与できるのは二つまでの、まだ駆け出しです」
「なるほど」
そう言うと納得したのか、レイスは鞄から袋を取り出すと、ドンと机に置いた。
確認してみると金貨が入っている。枚数を数えても150枚の金貨だ。
「先払いでアイテムボックスを此方に明日お願いしたい」
「分かりました。アイテムボックスの受け渡しはコチラの机でお願いします。他の方々も欲しいアイテムでしょうから」
「助かるよ」
こうして、本日最高金額……金貨150枚が手に入った。
後は、明日の午後レイスが来た際、こちらのブースでアイテムの受け渡しが出来ればいい。
また、明日はチームの仲間も連れて付与アイテムを見に来るという事だったので、Aランカー冒険者に付与アイテムを買いつくされないか少し不安は残る。
まぁ、付与アイテムと言うのは高いものだ。
レベルの高い冒険者や中堅どころが、やっと手が出るアイテムなのは間違いない。
自分のレジにはとても入りそうにない金貨をアイテムボックスに入れ、ライトと一緒に店番をする。
他の店より少し安めに設定した中級ポーションはよく売れるし、毒消し草等と言ったアイテムも順調よく売れている。
そして、留まる事を知らないオバサマたちのハンドクリームの売り上げも馬鹿にならない。
やはり女性が欲しがるアイテムも増やすべきか悩むほどではあるが……さて、どうしたものか。
取り敢えずリディアに相談しようという事になったが、女性用のアイテムと言えば化粧品やシャンプーにリンスといったものくらいしか道具屋には売っていない。
他の物となると何があるだろうか……見当もつかない。
やはり、女性客も今後増えていい様に、ブースを作るべきだろうか。
たった二日で実感するほどのハンドクリームを見ると、ついそう思ってしまう。
今夜あたりリディアと話し合ってみよう。
そんな事を思いつつ店を回し、気が付けば閉店時間になっていた。
今日も売り上げは多い。
昨日ほどではないにしろ、まだまだ二日目。気を引き締めて様子を見るべきだろう。
「レジも閉めたし掃除も終わったか?」
「はい、アイテムボックスも集め終わりました」
「よし、じゃあ箱庭に戻ろう。今日は色々相談すべきことが多くてな」
「そうですね、特に女性客の要望が凄かったです」
兄弟でそんな話をしながら、鍵を掛けて箱庭へと戻ると――。
「お帰りなさいませ! お店用アイテムの小屋は完成してますわよ!」
そう言って髪はボロボロ服もボロボロ……だが、とてもいい笑顔のリディアが出迎えてくれた。
やはり小屋建設は手伝うべきだったか……俺達兄弟の表情は悔しさと後悔が滲み出る。
「中身に関しても、アイテムの移動終わってますわ!」
「苦労を掛けてすまないっ」
「リディア姉さん、身体を大事にしてね!」
「え? ええ、大事にしてますわよ? ところで売り上げどうでしたの? お店は繁盛しましたの?」
「ああ、色々話したいことがある。それにリディアに色々相談しないといけない事が出来たんだ」
「まぁ、晩御飯を食べながらでもお話を聞かせて頂けるかしら? メモの用意もしますわ」
「ああ、よろしく頼む」
こうして、俺とライトが温泉に入って疲れをいやしている間にリディアはスキルで晩御飯を沢山作ってくれて、風呂上りに、ロストテクノロジーで作ったという炭酸水を一気飲みするのが堪らない。
兄弟でハマっているこの炭酸水……何かに使えないだろうか。
「さて、相談したい事とは一体どんな事なのかしら? 教えてくださる?」
「実はな」
「女性客が喜ぶアイテムも増やした方が良いのではという感じでして、一般の女性客及び、冒険者の女性客も多いんです」
ライトがすかさず説明に入ってくれた。
女性客とシッカリ言うあたり、流石弟だ。
思わずオバサンと言いそうになった……俺はまだまだその辺が出来ていないと、少し反省した。
「女性客が喜ぶものですの? アクセサリーも含め?」
「そうですね。他の店と競合しないようなものは何か無いでしょうか?」
「ありますわよ? マニキュアと言う爪先のオシャレが」
流石ロストテクノロジー持ち。
爪にオシャレ等想像すらつかなかったが、一体どんなものなのか教えてもらう事になった。
リディアが張りきって小屋を作っているその頃――。
昼から営業の道具店は珍しいのか、開店させる時には既に奥様方が数名並んでおり、冒険者もチラホラいるようだった。
「お待たせして申し訳ありません。道具店サルビアは昼から営業なんですよ」
「そうだったのね。此処で売っているハンドクリームが凄く良いって聞いて買いに来たの!」
「女性向けは少ないみたいだけど、ハンドクリームは他の店には無い素敵な物だって聞いたわ」
「是非、女性用のアイテムも揃えて欲しいわねぇ」
「分かりました。検討してみますね」
そう言うと奥様方は嬉しそうに店の中に入り、各々好きな香りのハンドクリームを手にしていた。
さて、残る客はと言うと――昨日来ていた、あのアイテムボックスの会話をした冒険者だ。
「やぁ、昨日はどうも。素敵な品を買う事が出来て良かったよ」
「有難うございます」
「ところで、一つ予約したいんだが……付与アイテムは予約可能かな?」
「物に寄りますが、ご商談窓口でお聞きしましょうか?」
「助かるよ」
そう言う訳で、ライトに店番を頼むと俺は先の冒険者と共にレジ奥の商談場所へと向かった。
彼の名はレイス。Aランク冒険者のリーダーでチーム名は【雪の園】と言うらしい。
そんなレイスが求めるアイテムと言えば――やはりアイテムボックスだった。
「出来ればアイテムボックスを3つ揃えることは可能だろうか」
「時間を止める方のアイテムボックスは無理ですが……付与師の方の御好意で、明日三つのアイテムボックスが届く予定になっています。また、別の付与アイテムも幾つか届くとの連絡はありましたが」
「素晴らしいじゃないか!」
「有難うございます」
「では、そのアイテムボックス三つを頼みたい。金額はわかるかい?」
「ええ、アイテムボックスが金貨50枚で、他の店と変わりはありません。ですが、他の付与アイテムに関しては、届いてみないと分からないものでして」
「それもそうか……レベルの高い付与師なんだろうか」
「いえ、付与できるのは二つまでの、まだ駆け出しです」
「なるほど」
そう言うと納得したのか、レイスは鞄から袋を取り出すと、ドンと机に置いた。
確認してみると金貨が入っている。枚数を数えても150枚の金貨だ。
「先払いでアイテムボックスを此方に明日お願いしたい」
「分かりました。アイテムボックスの受け渡しはコチラの机でお願いします。他の方々も欲しいアイテムでしょうから」
「助かるよ」
こうして、本日最高金額……金貨150枚が手に入った。
後は、明日の午後レイスが来た際、こちらのブースでアイテムの受け渡しが出来ればいい。
また、明日はチームの仲間も連れて付与アイテムを見に来るという事だったので、Aランカー冒険者に付与アイテムを買いつくされないか少し不安は残る。
まぁ、付与アイテムと言うのは高いものだ。
レベルの高い冒険者や中堅どころが、やっと手が出るアイテムなのは間違いない。
自分のレジにはとても入りそうにない金貨をアイテムボックスに入れ、ライトと一緒に店番をする。
他の店より少し安めに設定した中級ポーションはよく売れるし、毒消し草等と言ったアイテムも順調よく売れている。
そして、留まる事を知らないオバサマたちのハンドクリームの売り上げも馬鹿にならない。
やはり女性が欲しがるアイテムも増やすべきか悩むほどではあるが……さて、どうしたものか。
取り敢えずリディアに相談しようという事になったが、女性用のアイテムと言えば化粧品やシャンプーにリンスといったものくらいしか道具屋には売っていない。
他の物となると何があるだろうか……見当もつかない。
やはり、女性客も今後増えていい様に、ブースを作るべきだろうか。
たった二日で実感するほどのハンドクリームを見ると、ついそう思ってしまう。
今夜あたりリディアと話し合ってみよう。
そんな事を思いつつ店を回し、気が付けば閉店時間になっていた。
今日も売り上げは多い。
昨日ほどではないにしろ、まだまだ二日目。気を引き締めて様子を見るべきだろう。
「レジも閉めたし掃除も終わったか?」
「はい、アイテムボックスも集め終わりました」
「よし、じゃあ箱庭に戻ろう。今日は色々相談すべきことが多くてな」
「そうですね、特に女性客の要望が凄かったです」
兄弟でそんな話をしながら、鍵を掛けて箱庭へと戻ると――。
「お帰りなさいませ! お店用アイテムの小屋は完成してますわよ!」
そう言って髪はボロボロ服もボロボロ……だが、とてもいい笑顔のリディアが出迎えてくれた。
やはり小屋建設は手伝うべきだったか……俺達兄弟の表情は悔しさと後悔が滲み出る。
「中身に関しても、アイテムの移動終わってますわ!」
「苦労を掛けてすまないっ」
「リディア姉さん、身体を大事にしてね!」
「え? ええ、大事にしてますわよ? ところで売り上げどうでしたの? お店は繁盛しましたの?」
「ああ、色々話したいことがある。それにリディアに色々相談しないといけない事が出来たんだ」
「まぁ、晩御飯を食べながらでもお話を聞かせて頂けるかしら? メモの用意もしますわ」
「ああ、よろしく頼む」
こうして、俺とライトが温泉に入って疲れをいやしている間にリディアはスキルで晩御飯を沢山作ってくれて、風呂上りに、ロストテクノロジーで作ったという炭酸水を一気飲みするのが堪らない。
兄弟でハマっているこの炭酸水……何かに使えないだろうか。
「さて、相談したい事とは一体どんな事なのかしら? 教えてくださる?」
「実はな」
「女性客が喜ぶアイテムも増やした方が良いのではという感じでして、一般の女性客及び、冒険者の女性客も多いんです」
ライトがすかさず説明に入ってくれた。
女性客とシッカリ言うあたり、流石弟だ。
思わずオバサンと言いそうになった……俺はまだまだその辺が出来ていないと、少し反省した。
「女性客が喜ぶものですの? アクセサリーも含め?」
「そうですね。他の店と競合しないようなものは何か無いでしょうか?」
「ありますわよ? マニキュアと言う爪先のオシャレが」
流石ロストテクノロジー持ち。
爪にオシャレ等想像すらつかなかったが、一体どんなものなのか教えてもらう事になった。
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